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第一六章 春駒(はるこま)〔一一〇〇〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第40巻 舎身活躍 卯の巻 篇:第4篇 関風沼月 よみ(新仮名遣い):かんぷうしょうげつ
章:第16章 春駒 よみ(新仮名遣い):はるこま 通し章番号:1100
口述日:1922(大正11)年11月04日(旧09月16日) 口述場所: 筆録者:松村真澄 校正日: 校正場所: 初版発行日:1924(大正13)年5月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
春公は照国別一行に加わり、道中テームス峠の急坂を下りながら歌いだした。春公はアーメニヤの生まれでもともとウラル教徒であり、竜宮島へ宣伝に行ったまま行方がわからなくなっている兄・岩彦を探している道中、大足別にであってバラモン教徒になった過去を明かした。
照国別は、春公が岩彦の弟であることを知った。そして、自分は元ウラル教徒の梅彦であり、岩彦と一緒に竜宮島に宣伝に行ったこと、岩彦が三五教の宣伝使となってバラモン教に潜んでいたが、クルスの森ではぐれてしまった経緯を語った。
春公はウラル教やバラモン教にぐらつくことなく、三五教に心を入れ替えて兄の岩彦を探す決意を歌に歌い、一行はテームス峠を下りて行った。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2022-12-03 11:20:29 OBC :rm4016
愛善世界社版:210頁 八幡書店版:第7輯 495頁 修補版: 校定版:217頁 普及版:97頁 初版: ページ備考:
001 春公(はるこう)宣伝使(せんでんし)重病(ぢうびやう)(たす)けられ、002(いのち)恩人(おんじん)感謝(かんしや)し、003(ここ)(まつた)三五(あななひ)神徳(しんとく)帰順(きじゆん)して、004一行(いつかう)(したが)(つき)(みやこ)道案内(みちあんない)として(すす)()くことになつた。005春公(はるこう)はテームス(たうげ)急坂(きふはん)(くだ)りながら足拍子(あしびやうし)をとつて(うた)()した。
006春公(わたし)(うま)れはアーメニヤ
007ウラルの(ひこ)御教(みをしへ)
008(おや)(だい)から(ほう)じたる
009(たふと)(きよ)家柄(いへがら)
010二人(ふたり)(おや)()()りて
011(あと)(のこ)りし兄弟(きやうだい)
012浮世(うきよ)(かぜ)にもまれつつ
013(はな)(ばな)れとなりはてて
014(あに)行方(ゆくへ)はまだ()れぬ
015ウラルの(かみ)御教(みをしへ)
016大和田中(おほわだなか)(ただよ)へる
017竜宮島(りうぐうじま)(ひら)かむと
018(かみ)(つかさ)()けられて
019(すす)()でたる岩彦(いはひこ)
020(あに)所在(ありか)(たづ)ねむと
021フサの(くに)までやつて()
022小舟(こぶね)(あやつ)和田中(わだなか)
023(わた)()かむとする(とき)
024大足別(おほだるわけ)神司(かむづかさ)
025タルの(みなと)(あら)はれて
026バラモン(けう)御教(みをしへ)
027いと細々(こまごま)説諭(ときさと)
028群衆(ぐんしう)(まぎ)れて御教(みをしへ)
029()くともなしに()()れば
030どこともなしに(あぢ)ありと
031(おも)()んだが()()きで
032ウントコドツコイきつい(さか)
033(みな)さま用心(ようじん)なされませ
034バラモン(けう)(すべ)()
035(つひ)には大黒主(おほくろぬしの)(かみ)
036御許(みもと)(つか)ふる()となりて
037(もと)名前(なまへ)春公(はるこう)
038名乗(なの)りて(ここ)関守(せきもり)
039抜擢(ばつてき)されてバラモンの
040鬼熊別(おにくまわけ)(つま)()
041所在(ありか)(たづ)三五(あななひ)
042教司(をしへつかさ)(ことごと)
043(とら)へて(つき)(みやこ)まで
044(おく)使(つかひ)となりました
045テームス(ざん)(みね)(たか)
046吹来(ふきく)(かぜ)(あら)くして
047(ひと)(とほ)らぬ難所(なんしよ)なり
048さはさりながらイソ(やかた)
049ウブスナ(やま)(すす)むには
050ここが第一(だいいち)近道(ちかみち)ぢや
051三五教(あななひけう)(つかさ)()
052大半(たいはん)ここを()えるだらう
053(たうげ)(うへ)関所(せきしよ)をば
054(つく)つて()てとの命令(めいれい)
055遵奉(じゆんぽう)しつつ朝夕(あさゆふ)
056(さけ)(こころ)をとろかして
057肝腎要(かんじんかなめ)関守(せきもり)
058つまり(わたし)副事業(ふくじげふ)
059(さけ)()むのが本職(ほんしよく)
060(つと)めて(くら)(をり)もあれ
061バラモン(けう)蜈蚣姫(むかでひめ)
062小糸(こいと)(ひめ)(こま)()
063ハイハイハイと(のぼ)りくる
064よくよく()ればどことなく
065威厳(ゐげん)(そな)はる(いきほひ)
066辟易(へきえき)なして()らぬ(かほ)
067一大(いちだい)雅量(がりやう)発揮(はつき)して
068やすやすと関所(せきしよ)(とほ)しけり
069かかる(ところ)三五(あななひ)
070(をしへ)(みち)杢助(もくすけ)
071さも(おそ)ろしき獅子(しし)()
072数多(あまた)(むれ)引連(ひきつ)れて
073(のぼ)(きた)りし(その)(とき)
074(こころ)をののき()はふるひ
075()きたる心地(ここち)はなかりけり
076アイタタタツタ(つまづ)いた
077ウントコドツコイこれわいな
078それから一同(いちどう)自暴(やけ)になり
079こんな危険(きけん)(やま)(うへ)
080素面(すめん)でどうして(つと)まらう
081(さけ)(よひ)(まぎ)らして
082一時(ひととき)なりと恐怖心(きようふしん)
083ごまかし()れむとガブガブと
084()()(さけ)()ひつぶれ
085(かぜ)()(たうげ)(だい)()
086なつて(たふ)れた(その)結果(けつくわ)
087風邪(かぜ)(かみ)めがやつて()
088ウントコドツコイ ドツコイシヨ
089(わたし)(からだ)侵入(しんにふ)
090(たちま)(おこ)頭痛(あたまいた)
091カンカンカンと鉄鎚(てつつゐ)
092脳天(なうてん)くだくよな(くる)しさに
093(もだ)()たりし(をり)もあれ
094三五教(あななひけう)神司(かむづかさ)
095照国別(てるくにわけ)生神(いきがみ)
096(あら)はれまして(いのち)をば
097(たす)けてドツコイ(くだ)さつた
098こんな(たふと)(かみ)(みち)
099如何(どう)して(ほか)にあるものか
100バラモン(けう)やウラル(けう)
101何程(なにほど)(たふと)(みち)ぢやとて
102(あさ)から(ばん)まで真心(まごころ)
103こめて(いの)れど寸効(すんかう)
104(あら)はれ()ない馬鹿(ばか)らしさ
105(わたし)(いや)になりました
106照国別(てるくにわけ)(かみ)(さま)
107これから(さき)にライオンの
108水勢(みなせ)(はげ)しき(かは)がある
109とは()ふものの易々(やすやす)
110(わた)れる個所(かしよ)一所(ひとところ)
111あるのを(わたし)()つてゐる
112(なが)れはゆるく()(あさ)
113恰好(かつかう)場所(ばしよ)(ござ)います
114(すこ)しく(みち)はまはれども
115唯一(ゆゐつ)安全(あんぜん)地帯(ちたい)なら
116(いそ)がば(まは)れといふ比喩(たとへ)
117そこを(えら)んで(わた)りませう
118それから(さき)玉山(たまやま)
119チヨツと(ちひ)さい(さか)がある
120地理(ちり)(くは)しい春公(はるこう)
121先頭(せんとう)(つか)へまつりなば
122(つき)御国(みくに)易々(やすやす)
123()らず()らずに()けませう
124(わたし)(しん)じて(くだ)さんせ
125ウントコドツコイ ドツコイシヨ
126さつき()かれた蜈蚣姫(むかでひめ)
127小糸(こいと)(ひめ)今頃(いまごろ)
128どこに如何(どう)して(ござ)るだろ
129(とも)(つか)へたレーブさま
130(さだ)めて原野(げんや)にふみ(まよ)
131一泡(ひとあわ)ふいてゐるだろと
132(おも)へば(にはか)()がもめる
133(こころ)(こま)(むちう)つて
134(いち)()にかけ()膝栗毛(ひざくりげ)
135あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
136(かみ)御霊(みたま)(さち)はひて
137(この)一行(いつかう)(つつが)なく
138勝利(しようり)(みやこ)易々(やすやす)
139(すす)ませ(たま)天地(あめつち)
140(かみ)御前(みまへ)春公(はるこう)
141真心(まごころ)こめて()ぎまつる
142ウントコドツコイ ドツコイシヨ
143そこには平坦(なる)(みち)がある
144照国別(てるくにわけ)宣伝使(せんでんし)
145(ひと)(やす)んで()きませうか
146(うま)そな()()がなつてます
147あんまりきつい坂路(さかみち)
148(のど)()(ふえ)をふきかけた
149(さけ)(よひ)がさめて()
150(あたま)具合(ぐあひ)(なん)となく
151ボンヤリしたよな心地(ここち)する
152ウントコドツコイ、ヤツトコシヨ』
153(いきほひ)よく(うた)ひながら、154テームス(たうげ)一行(いつかう)()(にん)(いさぎよ)(くだ)りゆく。
155 (さか)七八分(しちはちぶ)(くだ)つた(ところ)(やや)緩勾配(くわんこうばい)(ひろ)(みち)がついてゐる。156そこには無花果(いちぢく)柘榴(ざくろ)のやうにはじけて、157人待顔(ひとまちがほ)である。
158春公(はるこう)『モシ宣伝使(せんでんし)(さま)159ここの無花果(いちぢく)有名(いうめい)なもので、160善人(ぜんにん)(とほ)ればあの(とほ)柘榴(ざくろ)のやうに(おほ)きくなり、161紫赤(しせき)顔色(かほいろ)をして、162通行人(つうかうにん)接待(せつたい)(いた)しますなり、163悪人(あくにん)(とほ)れば(ちひ)さくカンカンの(つぼみ)になり、164(ひと)()につかないやうに(かく)れて(しま)(めう)無花果(いちぢく)です。165(わたし)(まへ)から(うはさ)()いて()りますが、166何時(いつ)(とほ)つても今日(けふ)のやうに(くち)をあけ、167(うま)そな(かほ)をしてゐた(こと)はありませぬ。168キツト(まこと)生神(いきがみ)(さま)がお(とほ)りだから、169あんな姿(すがた)をして(あら)はれたのでせう。170ここで(ひと)一服(いつぷく)して(はら)(こしら)へ、171(のど)をうるほし、172無花果(いちぢく)さまの()厄介(やくかい)(あづか)つたら如何(どう)でせうかなア』
173照国(てるくに)大分(だいぶん)里程(みちのり)()(やう)だから、174(ひと)休息(きうそく)する(こと)にしよう。175(はる)さま、176(まへ)()苦労(くらう)だが、177あの無花果(いちぢく)(すこ)しばかり(いただ)いて()てくれないか』
178春公(はるこう)『ハイ承知(しようち)(いた)しました。179モシモシお二人(ふたり)のお(とも)180(わたし)一緒(いつしよ)(まゐ)りませう』
181梅公(うめこう)『そりや面白(おもしろ)からう』
182照公(てるこう)(わたし)(はる)さまと一緒(いつしよ)()つて()ます。183宣伝使(せんでんし)(さま)184どうぞ此処(ここ)()つてゐて(くだ)さいませ』
185照国(てるくに)『ウン、186ヨシヨシ一人(ひとり)()つてゐるから、187(はや)(いただ)いて()てくれ』
188 ここに(さん)(にん)はイソイソとして、189(から)うじて(ほそ)谷川(たにがは)(わた)り、190(うま)さうな無花果(いちぢく)(ふところ)一杯(いつぱい)むしつて(かへ)(きた)り、191()(にん)(のど)をならしながら、192(てん)(めぐみ)押戴(おしいただ)いて(はら)につめ()んだ。
193照国(てるくに)(はる)さま、194最前(さいぜん)(まへ)道々(みちみち)(うた)によると、195(あに)があるさうだが、196(その)(あに)岩彦(いはひこ)といつたやうだなア』
197春公(はるこう)『ハイ、198(わたし)(あに)岩彦(いはひこ)(まを)しまして、199(すこ)(こし)(かが)んだ(をとこ)(ござ)います。200ウラル(ひこ)(かみ)(さま)命令(めいれい)()つて、201音彦(おとひこ)202梅彦(うめひこ)(など)といふ神司(かむづかさ)竜宮島(りうぐうじま)(わた)つたきり、203(いま)(なん)消息(せうそく)(ござ)いませぬ。204アーメニヤの本山(ほんざん)(いま)孤城(こじやう)落日(らくじつ)205(むかし)(いきほひ)もなく、206(わづか)(のこ)つた信者(しんじや)神館(かむやかた)(まも)つてゐるばかり、207(なん)でも(つき)(くに)のカルマタ(こく)とか()つて、208地教山(ちけうざん)西南麓(せいなんろく)()なり(ひろ)(くに)(みやこ)神館(かむやかた)(うつ)つたさうで(ござ)います。209そしてウラル彦様(ひこさま)子孫(しそん)たる常暗彦(とこやみひこ)(さま)教主(けうしゆ)となつて、210(ふたた)昔日(せきじつ)(いきほひ)をもり(かへ)してゐられるといふ(こと)(ござ)います。211(わたし)(あに)岩彦(いはひこ)(にはか)()ひたくなり、212大胆(だいたん)にも小舟(こぶね)()つて竜宮(りうぐう)(ひと)(じま)(わた)らうとする(とき)213バラモン(けう)大足別(おほだるわけ)神司(かむづかさ)がタルの(みなと)でバラモンの宣伝(せんでん)をしてゐられたのを()き、214(にはか)有難(ありがた)くなつて、215とうとうバラモン(けう)入信(にふしん)しました。216(しか)(なが)月日(つきひ)()つに(したが)つてバラモン(けう)金箔(きんぱく)がはげ、217生地(きぢ)(わか)つて()面白(おもしろ)くなく、218とうとう焼糞(やけくそ)になつて大酒呑(おほざけのみ)になつて(しま)ひ、219テームス(ざん)関守(せきもり)(ちやう)()けられてゐた(ところ)220(しやう)(わる)風邪(かぜ)にかかり、221蜈蚣(むかで)(れい)()かれて、222九死(きうし)一生(いつしやう)場合(ばあひ)(かみ)(さま)()引合(ひきあは)せ、223あなたの御手(みて)(もつ)(すく)はれたので(ござ)います』
224照国別『それならお(まへ)岩彦(いはひこ)(おとうと)であつたか。225(わたし)(その)(とき)梅彦(うめひこ)である。226岩彦(いはひこ)はクルスの(もり)(わか)れ、227バラモン(けう)騎馬隊(きばたい)(なか)(をど)()つたきり、228まだ(かほ)()せないのだが、229(いづ)(ちか)(うち)()ふやうな心持(こころもち)がしてゐるから、230マア(たの)しんでついて()なさい』
231春公『あなたが、232それなら梅彦(うめひこ)さまで(ござ)いましたか。233さう仰有(おつしや)ると何処(どこ)とはなしに見覚(みおぼ)えがあるやうに(おも)ひます。234(あに)岩彦(いはひこ)貴方(あなた)一緒(いつしよ)今日(こんにち)(まで)活動(くわつどう)して()りましたか』
235照国別岩彦(いはひこ)さまは(じつ)立派(りつぱ)宣伝使(せんでんし)だ。236今日(けふ)(まで)バラモン(けう)大足別(おほだるわけ)本拠(ほんきよ)たる清春山(きよはるやま)岩窟(がんくつ)()()み、237ヤツコスと名乗(なの)つて()つた(をとこ)だ』
238春公『あのヤツコスは(わたし)(あに)岩彦(いはひこ)(ござ)いましたか。239(うはさ)()いて()りましたが、240まだ()つた(こと)はありませぬ。241(おな)じバラモンの(うち)()りながら、242(あま)(ところ)(へだ)てて()るので、243それとは()らずに()りました。244あゝ有難(ありがた)い、245(あに)行方(ゆくへ)(わか)つたのも(まつた)(かみ)(さま)()引合(ひきあ)せで(ござ)いませう。246あゝ惟神(かむながら)(たま)幸倍(ちはへ)坐世(ませ)
247合掌(がつしやう)し、248感涙(かんるい)(むせ)んでゐる。
249照公(てるこう)(はる)さま、250(まへ)日頃(ひごろ)(のぞ)みの(たつ)する(とき)()たのだよ、251三五教(あななひけう)(かみ)(さま)有難(ありがた)いだらう。252モウ滅多(めつた)にウラル(けう)裏返(うらがへ)つたり、253バラモン(けう)後戻(あともど)りするこたあろまいなア』
254春公(はるこう)如何(どう)して如何(どう)して、255そんな(こと)出来(でき)ませう。256どうぞ(いち)(にち)(はや)(かみ)(さま)のおかげで岩彦(いはひこ)()はして(もら)ひたいもので(ござ)います。257そして兄弟(きやうだい)三五(あななひ)(をしへ)(つく)したいと(おも)ひます』
258梅公(うめこう)『モウ、259ウラル(しき)大酒(おほざけ)()みはやめますかな』
260春公(はるこう)(あま)(すき)でもない(さけ)だけれど、261()(なか)(さび)しくて()まらないので、262やけ(ざけ)(あふ)つて()たのですから、263今後(こんご)一滴(いつてき)()みませぬ。264大体(だいたい)(あま)()きな(さけ)ではありませぬから』
265 照国別(てるくにわけ)路傍(ろばう)(いし)腰打掛(こしうちか)けながら、
266照国別天津(あまつ)(かみ)国津(くにつ)御神(みかみ)御恵(みめぐみ)
267(あに)行方(ゆくへ)()りし今日(けふ)(かな)
268三五(あななひ)(かみ)(をしへ)(さち)はひて
269ライオン(がは)(やす)(わた)らむ。
270テームスの(たうげ)(まも)関司(せきつかさ)
271春公(はるこう)さまの(やまひ)いやしつ。
272()(やまひ)(なほ)すばかりか(たましひ)
273(やまひ)(なほ)三五(あななひ)(みち)
274(かぜ)()かばさぞ(さむ)からむテームスの
275(たうげ)にたてる(はる)関守(せきもり)
276あらし()(かぜ)身魂(みたま)をもまれつつ
277(いま)(まこと)(ひと)となりぬる』
278(くち)ずさめば、279春公(はるこう)(これ)(こた)へて、
280春公三五(あななひ)(かみ)(つかさ)()まさずば
281われはあの()(たび)だちしならむ。
282(たま)()(いのち)(たま)(たす)けられ
283いかで(そむ)かむ三五(あななひ)(みち)
284朝夕(あさゆふ)大酒(おほざけ)あふり曲神(まがかみ)
285すみかとなりし(われ)忌々(ゆゆ)しき。
286蜈蚣姫(むかでひめ)(しこ)(つかさ)(とら)へむと
287あせる(こころ)蜈蚣(むかで)すみけり。
288小糸姫(こいとひめ)(かみ)小糸(こいと)(むす)ばれて
289三五教(あななひけう)(みち)(さと)りぬ。
290岩彦(いはひこ)(あに)所在(ありか)()きし(とき)
291(うま)れかはりし心地(ここち)しにけり。
292惟神(かむながら)(かみ)(おん)(ため)()(ため)
293(つく)さにやおかぬ(はる)(たましひ)
294(うた)ひをはり、295照国別(てるくにわけ)(したが)つて、296一行(いつかう)()(にん)(また)もや宣伝歌(せんでんか)(うた)ひながら、297テームス(たうげ)西南(せいなん)()して(くだ)()く。
298大正一一・一一・四 旧九・一六 松村真澄録)
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