霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第二章 時化(しけ)(うみ)〔一八一一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第72巻 山河草木 亥の巻 篇:第1篇 水波洋妖 よみ(新仮名遣い):すいはようよう
章:第2章 時化の湖 よみ(新仮名遣い):しけのうみ 通し章番号:1811
口述日:1926(大正15)年06月29日(旧05月20日) 口述場所:天之橋立なかや別館 筆録者:加藤明子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1929(昭和4)年4月3日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
妖幻坊と高姫の経緯を歌う:
初稚姫と霊犬スマートに祠の森を追い出された妖幻坊と高姫は、小北山の霊場から曲輪の玉を奪い、妖幻坊の妖術で曲輪城を作る。妖幻坊は高宮彦、高姫は高宮姫と名乗る。
そこへ初稚姫に踏み込まれ、妖幻坊は術が破れる。妖幻坊は高姫を抱え、月の国へ空を翔けて逃げ去るが、烈風によって高姫は吹き飛ばされ墜落し、息絶える。
高姫は幽界にさまよう。さまよいつつ八衢(やちまた)でウラナイ教の布教をしていたが、トルマン国の王妃・千草姫の他界と共にその肉体に宿り、現界によみがえる。
梅公別によって金毛九尾の正体をあらわしトルマン国を逃げ去った後、浜屋旅館の一室で妖幻坊の杢助に再開し、乗合船・高砂丸でスガの港をさして行く。
三五教の光を恐れた妖幻坊は、その神の道を破ろうと、三五教に捨てられた高姫に目をつけ、杢助に変装してたぶらかしたのであった。
高砂丸には、「高砂笑」といって、どんな身分の人間であれ、あらゆる人物を忌憚なく批評し、悪口をいい、嘲笑することが許される、面白い習慣が残っていた。
先客となっていたコブライ、コオロ(元玄真坊の部下)は、さっそく話の花を咲かせている。
玄真坊が千草の高姫に有り金を巻き上げられた上に殺されかけたこと、その高姫と、大雲山の妖怪の化身・妖幻坊が、万民を苦しめ三五教の聖地を横領しようと、ハルの海を渡ろうとしていること、などを語っている。
妖幻坊と高姫は、その話を聞き腹を立てつつ、水に弱いがために、悔し涙を流しながら黙って素知らぬ顔をしていた。
突然暴風雨が吹き出し、高砂丸はたちまち転覆してしまう。乗客一同は湖に投げ出されてしまうが、そこへ新造船が勢いよくやってくる。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2019-05-11 01:37:24 OBC :rm7202
愛善世界社版:17頁 八幡書店版:第12輯 612頁 修補版: 校定版:18頁 普及版:5頁 初版: ページ備考:
001妖幻坊(えうげんばう)杢助(もくすけ)
002金毛(きんまう)九尾(きうび)高姫(たかひめ)
003初稚姫(はつわかひめ)神徳(しんとく)
004猛犬(まうけん)スマートの()(おそ)
005(ほこら)(もり)逸早(いちはや)
006(くも)(かすみ)(にげ)(いだ)
007(すすき)(しげ)大野原(おほのはら)
008彼方(あなた)此方(こなた)とかけ(めぐ)
009迂路(うろ)つき魔誤(まご)つき歯噛(しが)みつき
010意茶(いちや)つき喧嘩(けんくわ)(やみ)つきで
011(ほどこ)(すべ)(つき)(そら)
012(はるか)にかがやく小北山(こぎたやま)
013(その)霊場(れいぢやう)蠑螈別(いもりわけ)
014魔我彦(まがひこ)(つかさ)()ると()
015斎苑(いそ)(やかた)総務職(そうむしよく)
016(かさ)にきながら妖幻坊(えうげんばう)
017ウラナイ(けう)大教祖(だいけうそ)
018高姫司(たかひめつかさ)名乗(なの)りつつ
019二人(ふたり)()()()りながら
020一本橋(いつぽんばし)(たわ)づかせ
021河鹿(かじか)(ながれ)(うち)(わた)
022魔風(まかぜ)恋風(こひかぜ)()(すさ)
023蠑螈館(いもりやかた)()()れば
024目界(めかい)()えぬ文助(ぶんすけ)
025(しろ)(ころも)()けながら
026受付席(うけつけせき)(ひか)()
027高姫(たかひめ)()るより(おどろ)いて
028『これこれお(まへ)文助(ぶんすけ)
029(この)聖場(せいぢやう)高姫(たかひめ)
030(をしへ)(つた)ふる蠑螈別(いもりわけ)
031(かみ)(つかさ)(やかた)ぞや
032蠑螈(いもり)(わけ)(のり)(おや)
033高姫司(たかひめつかさ)をさしおいて
034(をしへ)()くとは(むし)がよい
035()つと心得(こころえ)なさりませ
036(この)(おん)(かた)産土(うぶすな)
037(やま)(うてな)千木(ちぎ)(たか)
038大宮柱(おほみやばしら)太知(ふとし)りて
039(しづ)まり()ます素盞嗚(すさのを)
040(かみ)(をしへ)(つか)へます
041三羽烏(さんばがらす)(おん)一人(ひとり)
042杢助(もくすけ)総務(そうむ)御座(ござ)るぞや
043(はや)挨拶(あいさつ)した(うへ)
044いと丁寧(ていねい)におもてなし
045(かみ)(ごと)くに(うやま)へ』と
046大法螺(おほぼら)()()(しり)()
047松姫館(まつひめやかた)()()んで
048千代(ちよ)やお(きく)揶揄(からか)はれ
049(はら)()てども(むし)(こら)
050木端(こつぱ)役員(やくゐん)(はつ)(とく)
051(うま)()()小北山(こぎたやま)
052(かみ)(やかた)(うば)はむと
053あらゆる手段(しゆだん)(つく)(をり)
054頂上(ちやうじやう)(みや)鳴動(めいどう)
055荒胆(あらぎも)つぶし()(いだ)
056二百(にひやく)階段(かいだん)驀地(まつしぐら)
057(くだ)(をり)しも文助(ぶんすけ)
058(おも)はず()らず衝突(しようとつ)
059曲輪(まがわ)(たま)遺失(ゐしつ)して
060高姫(たかひめ)(はつ)(とく)諸共(もろとも)
061(くも)(かす)みと()(いだ)
062(あや)しの(もり)(ちか)(まで)
063()()(をり)しも妖幻坊(えうげんばう)
064(わが)(ふところ)(かく)したる
065曲輪(まがわ)(たま)(かげ)なきに
066(かほ)(あを)ざめて思案顔(しあんがほ)
067芝生(しばふ)(うへ)にどつと()
068(しを)れかかりし(その)風情(ふぜい)
069()るより高姫(たかひめ)(あや)しみて
070様子(やうす)()へば妖幻坊(えうげんばう)
071如意(によい)宝珠(ほつしゆ)(まさ)りたる
072曲輪(まがわ)(たま)をはしなくも
073小北(こぎた)(やま)(おと)したり
074(はつ)(とく)両人(りやうにん)(わが)(めい)
075(ほう)じて小北(こぎた)(やま)()
076曲輪(まがわ)(たま)()(かへ)
077(かへ)(きた)れと(めい)ずれば
078(しり)(いた)めた両人(りやうにん)
079チガチガ(ざか)をよぢ(のぼ)
080文助司(ぶんすけつかさ)気絶(きぜつ)させ
081(やうや)曲輪(まがわ)(たま)()
082(ふたた)(あや)しの森影(もりかげ)
083(はし)(かへ)れば妖幻坊(えうげんばう)
084高姫(たかひめ)二人(ふたり)(よろこ)びて
085やにわに(たま)引奪(ひつたく)
086(その)(ふところ)()()みぬ
087折柄(をりから)(さが)(やみ)(まく)
088(これ)(さいは)ひと両人(りやうにん)
089(やみ)(ひそ)める(はつ)(とく)
090(あたま)(あたり)()がけつつ
091(やみ)()()石礫(いしつぶて)
092夜目(よるめ)()える妖幻坊(えうげんばう)
093金毛(きんまう)九尾(きうび)二人(ふたり)()
094(くも)(かすみ)()(いだ)
095浮木(うきき)(もり)狸穴(まみあな)
096(しばら)()をば(ひそ)めつつ
097曲輪(まがわ)(たま)応用(おうよう)
098一夜(いちや)(つく)城廓(じやうくわく)
099(てん)()しつつ(そそり)()
100金毛(きんまう)九尾(きうび)高姫(たかひめ)
101(まこと)(しろ)(おも)()
102杢助司(もくすけつかさ)妙術(めうじゆつ)
103(くち)(きは)めて称讃(しようさん)
104高宮彦(たかみやひこ)妖幻坊(えうげんばう)
105(おのれ)高宮姫(たかみやひめ)となり
106高子(たかこ)宮子(みやこ)侍女(こしもと)
107(たぬき)()らず(はべ)らせて
108(こひ)(くる)へる(をり)もあれ
109三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)
110初稚姫(はつわかひめ)()()まれ
111妖術(えうじゆつ)ここに暴露(ばくろ)して
112妖幻坊(えうげんばう)()()へず
113高姫司(たかひめつかさ)()(かか)
114もはや運命(うんめい)(つき)(くに)
115デカタン(ごく)高原(かうげん)
116(そら)()けり()(をり)もあれ
117(にはか)()()烈風(れつぷう)
118(たま)りかねてか高姫(たかひめ)
119かかへし(かひな)くつろげば
120空中(くうちう)滑走(くわつそう)曲芸(きよくげい)
121(えん)じて地上(ちじやう)墜落(つゐらく)
122高姫(たかひめ)(いき)()えにけり
123さは()りながら高姫(たかひめ)
124(わが)肉体(にくたい)()せしをば
125(ゆめ)にも()らず幽界(いうかい)
126八衢(やちまた)街道(かいだう)をとぼとぼと
127彼方(あなた)此方(こなた)彷徨(さまよ)ひつ
128杢助司(もくすけつかさ)所在(ありか)をば
129(さが)(もと)めて三年振(みとせぶり)
130月日(つきひ)()らぬ岩山(いはやま)
131(ふもと)荒屋(あばらや)(かま)へつつ
132往来(ゆきき)精霊(せいれい)()(とら)
133(そこ)岩根(いはね)(おほ)ミロク
134()()(かみ)生宮(いきみや)
135(さと)れよ()れよ救世主(きうせいしゆ)
136此処(ここ)()ますと法螺(ほら)()
137(さわ)(まは)るぞ可笑(をか)しけれ
138三年(みとせ)()ぎし(あかつき)
139トルマン(ごく)王妃(わうひ)なる
140千草(ちぐさ)(ひめ)()(まか)りし
141(その)肉体(にくたい)宿(やど)となし
142(ふたた)現世(このよ)蘇生(よみがへ)
143千草(ちぐさ)高姫(たかひめ)となりすまし
144国王(こくわう)(まで)(しり)()
145あらむ(かぎ)りの狂態(きやうたい)
146日夜(にちや)(えん)ずる(をり)もあれ
147言霊別(ことたまわけ)化身(けしん)なる
148梅公司(うめこうつかさ)(はか)られて
149(つつ)むに(よし)なく(たちま)ちに
150金毛(きんまう)九尾(きうび)還元(くわんげん)
151トルマン(じやう)(あと)にして
152(くも)(かすみ)()(いだ)
153妖僧(えうそう)キユーバーの行衛(ゆくゑ)をば
154(さぐ)(をり)しも入江港(いりえかう)
155浜屋(はまや)旅館(りよくわん)一室(いつしつ)
156(おも)はず()らず杢助(もくすけ)
157()けおほせたる妖幻坊(えうげんばう)
158出会(でくは)(ここ)両人(りやうにん)
159()()()つて(よる)(みち)
160浜辺(はまべ)()でて乗合(のりあひ)
161高砂丸(たかさごまる)()(まか)
162スガの(みなと)をさして()
163波瀾(はらん)重畳(ちようでふ)(かぎ)りなき
164いと面白(おもしろ)物語(ものがたり)
165完全(うまら)委曲(つばら)()べてゆく
166あゝ惟神(かむながら)々々(かむながら)
167恩頼(みたまのふゆ)をたまへかし
168
169曲津(まがつ)運命(うんめい)(つき)(くに)
170大雲山(たいうんざん)(わだか)まる
171八岐(やまた)大蛇(をろち)片腕(かたうで)
172()(きこ)えたる妖幻坊(えうげんばう)
173三五教(あななひけう)皇神(すめかみ)
174(きよ)(あか)るき大道(おほみち)
175(ひかり)(おそ)(をのの)きて
176数多(あまた)魔神(まがみ)(よび)(つど)
177(かみ)大路(おほぢ)(やぶ)らむと
178(こころ)(くだ)()(こが)
179三五教(あななひけう)()てられて
180(こころ)ひがめる高姫(たかひめ)
181(はらわた)(さぐ)杢助(もくすけ)
182()をやつしたる(おそ)ろしさ
183()()にしても(くだ)けても
184(つぶ)さにやおかぬ三五(あななひ)
185(みち)こそ(つよ)梓弓(あづさゆみ)
186ハルの海原(うなばら)船出(ふなで)して
187(ふたた)()ひし高姫(たかひめ)
188(のり)とも(ぶね)高砂(たかさご)
189()()(ふね)()(まか)
190(あぶら)(なが)せし(ごと)くなる
191(なみ)(しづか)海原(うなばら)
192鼻歌(はなうた)(うた)(いさ)みつつ
193スガの(みなと)をさして()く。
194 妖幻坊(えうげんばう)195高姫(たかひめ)()()んだ高砂丸(たかさごまる)第71巻第20章では舟を盗んだことになっている。()(ほど)老朽船(らうきうせん)であつた。196(この)(ふね)には建造(けんざう)以来(いらい)197高砂笑(たかさごわらひ)()つて一種(いつしゆ)(めう)習慣(しふくわん)(のこ)つて()た。198高砂丸(たかさごまる)()()んだ(もの)は、199(だい)政治(せいぢ)善悪(ぜんあく)より(しも)小役人(こやくにん)行動(かうどう)をはじめ、200主人(しゆじん)下僕(しもべ)201朋友(ほういう)知己(ちき)202(その)(ほか)所有(あらゆる)人物(じんぶつ)(とら)へて忌憚(きたん)なく批評(ひひやう)し、203悪罵(あくば)し、204嘲笑(てうせう)することが不文律(ふぶんりつ)として(ゆる)されて()た。205遅々(ちち)として(すす)まぬ(ふね)(あし)206退屈(たいくつ)まぎれに種々(いろいろ)面白(おもしろ)(はなし)(はな)()いて()た。
207 船客(せんきやく)一人(ひとり)
208(かふ)『オイ、209コブライ、210玄真坊(げんしんばう)()売僧(まいす)坊主(ばうず)本当(ほんたう)仕方(しかた)のない餓鬼(がき)坊主(ばうず)ぢやないか。211天帝(てんてい)化身(けしん)だの、212天来(てんらい)救世主(きうせいしゆ)だのと大法螺(おほぼら)()きやがつて、213オーラ(さん)()(こも)り、214三五教(あななひけう)梅公別(うめこうわけ)(さま)内兜(うちかぶと)見透(みすか)され、215岩窟(いはや)退治(たいぢ)をせられてお(はら)(ばこ)となり、216三百(さんびやく)(にん)小泥棒(こどろぼう)(したが)へて(ふたた)びオーラ(さん)()(まひ)をやらうと(たくら)み、217スガの(みなと)のダリヤ(ひめ)懸想(けさう)して(うま)肱鉄砲(ひぢてつぱう)乱射(らんしや)され、218(しまひ)()てにやタラハン(じやう)左守(さもり)(かみ)(はら)(まで)()らせ、219しこたま黄金(わうごん)強奪(ふんだく)(おれ)(たち)揚壺(あげつぼ)()はし、220入江港(いりえかう)浜屋(はまや)旅館(りよくわん)(とま)()み、221千草(ちぐさ)高姫(たかひめ)とか()妖女(えうじよ)(よだれ)()らかし、222眉毛(まゆげ)をよまれ睾丸(きんたま)(しめ)られ、223所持金(ありがね)をすつかり()られて、224(ころ)されよつたと()(こと)だが、225本当(ほんたう)によい気味(きみ)ぢやないか。226(おれ)(たち)越後(ゑちご)獅子(じし)()けて、227彼奴(きやつ)(つら)(さら)してやつた(とき)狼狽(うろたへ)やうつたら()かつたぢやないか、228本当(ほんたう)(おも)うても溜飲(りういん)(さが)るやうぢやのう、229エヘヽヽヽ』
230コブライ『玄真坊(げんしんばう)なんか(わる)いと()つたつて()れたものだよ、231彼奴(あいつ)(をんな)さへ(あて)がつておけば如何(どう)でもなる代物(しろもの)だ。232()つと山気(やまけ)はあるが、233()愚物(ぐぶつ)だから、234あんな(やつ)(おどろ)くに()らないが、235この(ごろ)三五教(あななひけう)宣伝使(せんでんし)(はなし)()けば、236大雲山(たいうんざん)妖幻坊(えうげんばう)とか()獅子(しし)(とら)との混血児(こんけつじ)なる大妖魅(だいえうみ)天下(てんか)横行(わうかう)万民(ばんみん)(くる)しめ、237三五教(あななひけう)聖地(せいち)(まで)横領(わうりやう)せむとして、238第一(だいいち)霊国(れいごく)天人(てんにん)()化身(けしん)初稚姫(はつわかひめ)(さま)とやら()ふエンゼル(さま)(いた)(いまし)められ、239高姫(たかひめ)とか()淫乱婆(いんらんばば)()()()つてハルの(みづうみ)(わた)ると()ふぢやないか。240三五教(あななひけう)照国別(てるくにわけ)とか()生神(いきがみ)(さま)のお(はなし)だと()うて241今朝(けさ)埠頭(はとば)沢山(たくさん)(ひと)()てこそこそ(はな)して()たよ。242(おれ)(たち)玄真坊(げんしんばう)さへもあの(とほ)りこつぴどくやつつけて肝玉(きもだま)転倒(ひつくりかへ)してやつたのだから、243万一(まんいち)妖幻坊(えうげんばう)出会(でくは)したら最後(さいご)素首(そつくび)捻切(ねぢき)つて(ひき)()()つて、244小供(こども)人形(にんぎやう)(つぶ)した(やう)()(あは)してやり、245天下(てんか)万民(ばんみん)(うれひ)(のぞ)救世主(きうせいしゆ)にでもなつてやらうと(おも)ひ、246もしや(この)高砂丸(たかさごまる)(あや)しい(やつ)()つて()やしないかと()をぎよろつかせて()るのだが、247ねつから悪魔(あくま)らしい(やつ)()えず、248いささか見当違(けんたうちが)ひで面喰(めんくら)つて()るのだ。249もしひよつと船底(せんてい)にでも潜伏(せんぷく)して()やうものなら、250(おれ)口笛(くちぶえ)()くから、251(まへ)加勢(かせい)(たの)むよ。252名誉(めいよ)山別(やまわ)けだからのう、253オホン』
254コオロ『ヘン(えら)さうに法螺(ほら)()くなよ、255内弁慶(うちべんけい)(そと)すぼり()が、256貴様(きさま)(つら)妖魅(えうみ)退治(たいぢ)(くそ)もあつたものか、257(てん)(くち)あり(かべ)にも(みみ)だ。258妖幻坊(えうげんばう)()(やつ)魔神(ましん)大将(たいしやう)だから、259(おれ)(たち)(ささや)(ばなし)(せん)()(そと)からでも()いて()ると()(こと)だ。260(くち)(わざはひ)(もん)()ふから、261()沈黙(ちんもく)したら()からうぞ』
262コブ『馬鹿(ばか)()ふな、263妖幻坊(えうげんばう)(こは)くて(この)()(なか)()れるかい。264(なに)(ほど)(つよ)いと()つても(をんな)(かほ)()れや菎蒻(こんにやく)のやうになる代物(しろもの)だから、265()れたものだよ。266()ると()くとは大違(おほちが)ひと()(ことわざ)もあるから、267実物(じつぶつ)()うたら案外(あんぐわい)しやつち()(もの)かも()れないよ、268アハヽヽヽ』
269 妖幻坊(えうげんばう)270千草(ちぐさ)高姫(たかひめ)(ふね)(そこ)(あを)くなつて(ちぢ)こまり、271二人(ふたり)(はなし)()いて(はら)()つて(たま)らねど、272(なん)()うても(うみ)(うへ)273(みづ)には(よわ)両人(りやうにん)(こと)とて(くや)(なみだ)()(なが)ら、274素知(そし)らぬ(かほ)して(ひか)へて()た。275(ころ)しも()(わた)りたる東北(とうほく)(そら)一塊(いつくわい)黒雲(こくうん)(あら)はれると()()に、276(たちま)東西(とうざい)南北(なんぼく)拡大(くわくだい)し、277満天(まんてん)(すみ)(なが)したる(ごと)く、278(ひる)()(くら)く、279暴風(ばうふう)()(きた)り、280(あめ)沛然(はいぜん)として()(そそ)ぎ、281波浪(はらう)山岳(さんがく)(ごと)(たけ)(くる)ひ、282(なか)荒廃(くわうはい)()したる高砂丸(たかさごまる)は、283めきめきと(あや)しき(おと)()て、284(たちま)転覆(てんぷく)(やく)()ひ、285乗客(じやうきやく)一同(いちどう)()きつ(しづ)みつ(こゑ)(かぎ)りに(たす)けを()んだ。286(をり)から激浪(げきらう)怒濤(どとう)(をか)して八挺櫓(はつちやうろ)()ぎながら(いきほひ)よく(すす)(きた)新造船(しんざうせん)があつた。287嗚呼(ああ)船客(せんきやく)一同(いちどう)運命(うんめい)如何(どう)なるであらうか。
288大正一五・六・二九 旧五・二〇 於天之橋立なかや旅館 加藤明子録)
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10/22【霊界物語ネット】王仁文庫 第六篇 たまの礎(裏の神諭)』をテキスト化しました。
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