余白歌

インフォメーション

村雲(むらくも)の天地(てんち)にふさがる葦原(あしはら)は
月日(つきひ)の影(かげ)もおぼろなりけり〈第1章（初）〉

天地(あめつち)の妖気(えうき)を払(はら)ひ新(あたら)しき
国(くに)の光(ひかり)を照(て)らす道(みち)なり〈第1章（初）〉

武士(もののふ)の勲功(いさをし)なくば葦原(あしはら)の
闇(やみ)は永久(とこしへ)晴(は)る丶時(とき)なし〈第2章（初）〉

あし原(はら)の国(くに)を治(をさ)むる大道(おほみち)は
先(ま)づ愛善(あいぜん)の工作(こうさく)と知(し)れ〈第5章（初）〉

月(つき)も日(ひ)も新(あら)たに光(ひか)り初(そ)めにつつ
葦原(あしはら)の国(くに)はよみがへるらむ〈第5章（初）〉

日月(じつげつ)はさやけく照(て)れど人心(ひとごころ)
常暗(とこやみ)にして曲神雄(まがみを)たけぶ〈第6章（初）〉

うつり行(ゆ)く世(よ)の有様(ありさま)や知(し)られけり
御空(みそら)の星(ほし)の影(かげ)うすれつつ〈第6章（初）〉

久方(ひさかた)の御空(みそら)を渡(わた)る月(つき)かげを
金星土星(きんせいどせい)は貫(つらぬ)き通(とほ)るも〈第6章（初）〉

三千年(みちとせ)に只一度(ただひとたび)の月星(つきほし)の
まぐはいこそは珍(めづら)しきかも〈第6章（初）〉

三日月(みかづき)のかげは次々(つぎつぎ)太(ふと)りつつ
夜(よる)の太陽(おほひ)と暉(かがや)き渡(わた)らむ〈第6章（初）〉

東(ひむがし)の都(みやこ)の空(そら)に時(とき)待(ま)ちて
世(よ)の迷妄(めいまう)を晴(は)らさむと思(おも)ふ〈第7章（初）〉

何一(なにひと)つ生(い)かして使(つか)ふ物(もの)もなき
今(いま)の世界(せかい)は寂(さび)しかりけり〈第7章（初）〉

日々谷原(ひびやはら)の百(もも)の蛙(かはず)も飛(と)び去(さ)りて
都大路(みやこおほぢ)に桜咲(さくらさ)くなり〈第8章（初）〉

鳥(とり)が啼(な)くあづまの空(そら)に翼(つばさ)搏(う)つ
鵺鳥(ぬえどり)の数多(かずおほ)き春(はる)なり〈第9章（初）〉

嵐吹(あらしふ)く都大路(みやこおほぢ)の桜樹(さくらぎ)は
花(はな)の盛(さか)りを夜半(よは)に散(ち)るなり〈第11章（初）〉

世(よ)を思(おも)ふ心(こころ)の駒(こま)はいつしかに
吾(われ)を東(あづま)に上(のぼ)らせにけり〈第13章（初）〉

大(おほ)いなる空音聴(そらおとき)きつ春(はる)の夜(よ)を
眠(ねむ)らでおもふ国(くに)の行末(ゆくすゑ)〈第14章（初）〉

吾(われ)は今(いま)東(あづま)の国(くに)にとどまりて
移(うつ)り行(ゆ)く世(よ)の状(さま)をなげきつ〈第15章（初）〉

高光(たかひか)る我大君(わがおほぎみ)の御代思(みよおも)ふ
　　　　　心に風の通う間(ま)もなし〈第17章（初）〉

大君(おほぎみ)の光(ひかり)を包(つつ)む曲神(まがかみ)の
世(よ)の終末(しうまつ)は近(ちか)づきにけり〈第17章（初）〉

皇国(くわうこく)の真(しん)の使命(しめい)を悟(さと)らざる
政治家(せいぢか)の世(よ)に立(た)つはうたてき〈第17章（初）〉

鳥(とり)が啼(な)く東(あづま)の都(みやこ)に我(われ)ありて
神坐(かみま)す国(くに)の前途(ぜんと)を懸念(けねん)す〈第19章（初）〉

雨嵐(あめあらし)雷鳴(らいめい)轟(とどろ)き渡(わた)りつつ
すべての塵(ちり)を祓(はら)ひ清(きよ)めむ〈第19章（初）〉

世(よ)に立(た)たむ時(とき)は近(ちか)みて凡百(ぼんひやく)の
わざはひ我(われ)のまはりを絡(から)むも〈第19章（初）〉

政匪(せいひ)財匪(ざいひ)学匪(がくひ)赤匪(せきひ)の亡(ほろ)ぶべき
時(とき)は迫(せま)りて桜散(さくらち)るなり〈第20章（初）〉

満洲(まんしう)の匪賊(ひぞく)にまして恐(おそ)ろしき
悪魔(あくま)は国(くに)の上下(うへした)に充(み)ちたり〈第20章（初）〉

安国(やすくに)と知召(しろしめ)す国(くに)の日(ひ)の本(もと)に
醜(しこ)の嵐(あらし)のすさぶ忌々(ゆゆ)しさ〈第20章（初）〉

天地(あめつち)の神明表(しんめいおもて)に現(あ)れまして
善悪(ぜんあく)正邪(せいじや)を審(さば)き玉(たま)はむ〈第21章（初）〉

いつまでも悪神等(あくがみども)の跳梁(てうりやう)に
任(まか)し玉(たま)はむや本津(もとつ)御神(みかみ)は〈第21章（初）〉

東(ひむがし)の御空(みそら)に黒雲(くろくも)ふさがりて
人(ひと)の心(こあろ)の暗(くら)き春(はる)なり〈第22章（初）〉

世(よ)のさまを余所(よそ)に桜(さくら)は爛漫(らんまん)と
都大路(みやこおほぢ)を無心(むしん)に飾(かざ)れり〈第22章（初）〉

菖蒲(あやめ)咲(さ)く初夏(しよか)をも待(ま)たず移(うつ)り行(ゆ)く
世(よ)のさま思(おも)へば静心(しづごころ)なし〈第22章（初）〉

この春(はる)は東(あづま)の国(くに)に我(われ)ありて
嵐(あらし)に散(ち)りしく桜見(さくらみ)るかな〈第22章（初）〉

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【第78巻（巳の巻）｜霊界物語／rm788801】

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