霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一章 湖中(こちう)(くわい)〔一九八二〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第79巻 天祥地瑞 午の巻 篇:第1篇 竜の島根 よみ(新仮名遣い):たつのしまね
章:第1章 湖中の怪 よみ(新仮名遣い):こちゅうのかい 通し章番号:1982
口述日:1934(昭和9)年07月16日(旧06月5日) 口述場所:関東別院南風閣 筆録者:谷前清子 校正日: 校正場所: 初版発行日:1934(昭和9)年10月25日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
天之峯火夫の神が大宇宙の高天原に生じまして以来、幾千年の星霜を経たけれども、天は未だ備わらず、地はまだ若くして、くらげなす漂える島々の中にも、特別に美しく地固まった天恵の島があった。
この島を葭(よし)の島、また葭原(よしはら)の国土とも言った。この島国は葦原の国土に比べて約十倍の広さを有し、万里の海の中に漂う生島である。
この島の中央に立つ高山を伊吹の山と言い、その麓を巡る幾百里の湖水を玉耶湖といった。伊吹の山には花樹が繁茂し、芳香は風に薫じて地上の天国のようであった。
この山を中心として湖面に、竜神(たつがみ)と称する種族が出没し、平和な生活を楽しんでいた。しかしながら、竜神族はいずれも人面竜身であり、人間としての形体が備わっていなかった。竜神族の王は、なんとかして国津神のように人体を備えたいものだと、日夜悩み焦っていた。
この湖水の上流に水上山という大丘陵があり、国津神はこの丘陵を中心に平和な生活を送っていた。この里の酋長を国津神の祖と称し、名を山神彦と言い、その妻を川神姫と言った。
山神彦、川神姫の夫婦の間に、容姿美しく、雄雄しくやさしい男女二柱の御子があった。兄をあでやか(艶男)と言い、妹をうららか(麗子)と言った。二人の兄妹は互いに睦び親しんで、どこに行くにも常に一緒であった。
ある夜、麗子は大自然の風光にあこがれ、ただ一人水上川の岸辺に下りていき、月下の川辺に立ち、美しい光景や兄への憧れを歌っていた。
すると、川底を真昼のように輝かせながら、ぬっと首から上を水面に出して、歌を歌う男がいた。よくよく見れば、麗子の慕う兄の艶男であった。
麗子は思わぬところで兄とであったうれしさに川に入ろうとしたが、身を切るばかりの冷たさに驚き、岸に馳せ上がった。
実はこれは艶男ではなく、この湖底に潜む竜神族の王であった。竜神の王は国津神をとらえて婚姻し、それによって人面竜体を脱して国津神と同様の子孫を産もうとしていたのである。しかしながら、水中にある竜体は、川底の藻草で包まれていたので、麗子には青い衣を着ているように見えていた。
麗子は竜神の王を実の兄だと疑わず、冷たい川水から早くあがってこちらに来てください、と歌いかけた。竜神の王は逆に、川水の中に入り来たって一緒に竜の都へ行こう、と麗子に誘いかけた。
麗子は腑に落ちなくなってきて、もしかするとこれは、兄ではなく竜神が兄の姿を借りているのではないか、と疑い始めた。竜神の王は、艶男そっくりの声で、夫婦の契りを結んで一緒に暮らそう、と歌いかける。
麗子は川岸へ上がれと歌い返し、双方が水陸両面から歌を掛け合わしていた。すると、一天にわかにかき曇り、あたりは闇に包まれ、波が狂いたった。たちまち暗中から一塊の火光現ると見ると、艶男と見えた男は人面竜身と変じ、麗子の体をひっ抱え、湖中に浮かぶ伊吹山方面さして逃げ去ってしまった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm7901
愛善世界社版: 八幡書店版:第14輯 171頁 修補版: 校定版:27頁 普及版: 初版: ページ備考:
001 天之(あまの)峯火夫(みねひを)(かみ)002大宇宙(だいうちう)高天原(たかあまはら)()れましてより、003幾千(いくせん)(ねん)星霜(せいさう)()たれども、004(てん)(いま)(そな)はらず、005(つち)(また)(わか)くして、006水母(くらげ)なす(ただよ)へる島々(しまじま)(なか)にも、007()けて(うるは)しく(つち)(かた)まりし天恵(てんけい)(しま)あり。008この(しま)(よし)(しま)()(また)葭原(よしはら)国土(くに)とも()ふ。009(この)島国(しまぐに)葦原(あしはら)国土(くに)()して約十倍(やくじふばい)広袤(くわうばう)(いう)し、010万里(まで)(うみ)(なか)(ただよ)生島(いくしま)なり。
011 この(しま)中央(ちうあう)屹立(きつりつ)せる高山(かうざん)伊吹(いぶき)(やま)(しよう)し、012その(ふもと)をめぐる幾百(いくひやく)()湖水(こすい)玉耶湖(たまやこ)()ふ。013この湖水(こすい)(みづ)(きよ)くして湖底(こてい)砂礫(しやれき)(かがみ)(とほ)して()(ごと)く、014清麗(せいれい)()(おのづか)(ただよ)ふ。
015 伊吹(いぶき)(やま)には、016桔梗(ききやう)017女郎花(をみなへし)018撫子(なでしこ)019(はぎ)020山吹(やまぶき)021椿(つばき)などの花樹(くわじゆ)繁茂(はんも)し、022春夏(しゆんか)秋冬(しうとう)(わか)ちなく(えん)(きそ)ひて()(みだ)れ、023芳香(はうかう)(かぜ)(くん)じ、024さながら地上(ちじやう)天国(てんごく)現出(げんしゆつ)せるものの(ごと)し。025数多(あまた)竜神(たつがみ)(しよう)する種族(しゆぞく)026この(やま)中心(ちうしん)として湖面(こめん)出没(しゆつぼつ)し、027(あるひ)(やま)(のぼ)りて安逸(あんいつ)なる生活(せいくわつ)(たの)しみつつありき。028さりながら、029竜神族(たつがみぞく)はいづれも人面(にんめん)竜身(りうしん)にして、030(いま)人間(にんげん)としての形体(けいたい)そなはらざりければ竜神族(たつがみぞく)(わう)は、031如何(いか)にもして国津(くにつ)(かみ)のごとく人体(じんたい)をそなへたきものと、032日夜(にちや)焦慮(せうりよ)しつつありける。
033 この湖水(こすい)上流(じやうりう)(あた)りて、034水上山(みなかみやま)といふ饅頭形(まんじゆうがた)大丘陵(だいきうりよう)ありて、035国津(くにつ)(かみ)はこの丘陵(きうりよう)中心(ちうしん)安逸(あんいつ)なる生活(せいくわつ)(おく)りつつありき。036この(さと)酋長(しうちやう)国津(くにつ)(かみ)(おや)(しよう)し、037その()山神彦(やまがみひこ)()ひ、038(つま)()川神姫(かはかみひめ)(たた)へられける。
039 山神彦(やまがみひこ)040川神姫(かはかみひめ)夫婦(ふうふ)(なか)に、041眉目形(みめかたち)すぐれて雄々(をを)しくやさしき、042男女(だんぢよ)二柱(ふたはしら)御子(みこ)ありき。043(あに)あでやか(艶男)と()ひ、044(いもうと)うららか(麗子)と()ふ。045二人(ふたり)兄妹(きやうだい)(たがひ)(むつ)(した)しみて、046(かげ)身体(からだ)(したが)ふが(ごと)く、047いづれの土地(とち)(いた)るも(はな)れたることなかりける。
048 大空(おほぞら)一点(いつてん)(くも)もなく、049(つき)皎々(かうかう)として(ひがし)野辺(のべ)(くさ)より(のぼ)らせ(たま)ひ、050(ほし)黄金(こがね)白銀(しろがね)(ひか)りを御空(みそら)一面(いちめん)にまたたかせ、051えも()はれぬ(なが)めなりける。
052 麗子(うららか)はこの大自然(だいしぜん)風光(ふうくわう)(あこが)れ、053(ただ)一人(ひとり)(われ)(わす)れて水上川(みなかみがは)岸辺(きしべ)(くだ)()けば、054(すが)しき水面(すゐめん)にうつる(つき)(ひか)り、055(ほし)のまたたき、056川水(かはみづ)銀色(ぎんいろ)(かがや)かせつつ(なが)るる状態(さま)のいとも(ゆか)しくいとも目出度(めでた)きに(あこが)れながら、057月下(げつか)川辺(かはべ)()ちて(うた)ふ。
058『あなさやけおけ
059天之(あまの)岩戸(いはと)()(はな)
060御空(みそら)雲霧(くもきり)かげもなし
061(ひがし)御空(みそら)()れば十四夜(いざよひ)
062(つき)(のぼ)れり葭原(よしはら)
063国土(くに)草木(くさき)をいてらして
064(かがや)野辺(のべ)(つゆ)()れば
065さながら(ほし)(ひかり)かも
066水上川(みなかみがは)(なが)むれば
067(みづ)()みきり()みきらひ
068(しづか)(なが)るる(つき)(かげ)
069真砂(まさご)にまがふ(ほし)(かげ)
070ああ天国(てんごく)楽園(らくゑん)
071この光景(くわうけい)(われ)一人(ひとり)
072()るは()しけれ(ちち)のみの
073(ちち)()ませよ(はは)そはの
074(はは)()ましてこの(なが)
075(こころ)ゆくまでみそなはせ
076(あに)(きみ)なる艶男(あでやか)
077(わが)(あと)()ひて(きた)りませ
078ああこの清水(しみづ)川水(かはみづ)
079()きの生命(いのち)(かがや)きか
080(みぎは)(かを)るあやめ(ぐさ)
081(つき)(ひかり)()らされて
082()(むらさき)のやさ姿(すがた)
083あざやかなるかも(わが)(あに)
084(きみ)(よそほ)ひそのままよ
085(わが)足下(あしもと)(なが)むれば
086やさしき(きよ)撫子(なでしこ)
087黄色(きいろ)()らふ女郎花(をみなへし)
088仙人掌(さぼてん)(はな)あかあかと
089(わが)()川辺(かはべ)(かを)るなり
090ああ()(きみ)艶男(あでやか)よ』
091 ()(うた)(をり)しも、092川底(かはそこ)真昼(まひる)(ごと)(かがや)かしながら、093ぬつと(くび)から(うへ)水面(すゐめん)(あらは)し、094(うた)(をとこ)がある。095よくよく()れば麗子(うららか)歌中(かちう)人物(じんぶつ)096艶男(あでやか)(あに)であつた。
097 麗子(うららか)(あま)りの不思議(ふしぎ)さと(うれ)しさとに、098川中(かはなか)裳裾(もすそ)からげて()()らむとしたが、099片足(かたあし)をさし()れた刹那(せつな)100(すね)もきれるばかりの(つめ)たさに(おどろ)き、101(もと)岸辺(きしべ)()(あが)り、102茫然(ばうぜん)として(をとこ)(かほ)(なが)めゐたりき。103これはその(じつ)麗子(うららか)(あに)ではなく、104(この)湖底(こてい)(ひそ)竜神族(たつがみぞく)(わう)であつた。
105 竜神(たつがみ)(わう)如何(いか)にもして国津(くにつ)(かみ)をとらへ、106これと(とつ)ぎて人面(にんめん)竜体(りうたい)(だつ)し、107国津(くにつ)(かみ)同様(どうやう)()()まむことを思索(しさく)してゐたのである。108(しか)しながら、109水中(すゐちう)にある竜体(りうたい)(そこ)藻草(もぐさ)をもつて(つつ)まれたれば、110さながら(あを)着物(きもの)()たる(ごと)麗子(うららか)()()えてゐる。
111 麗子(うららか)日頃(ひごろ)()(した)艶男(あでやか)(おも)ひつめ、112(うれ)しさと(かな)しさとの(こゑ)をしぼりて(うた)ふ。
113天晴(あは)天晴(あは)
114御空(みそら)(すが)(つき)(きよ)
115(ほし)(ひかり)はさやかなり
116かかる(かしこ)天空(あまぞら)
117そのままうつし(うか)べたる
118玉耶(たまや)(うみ)(すが)しさよ
119その(すが)しさの真中(まんなか)
120(たか)くそびゆる伊吹山(いぶきやま)
121いぶきの狭霧(さぎり)()()れて
122(てん)もあざやか()もうらら
123(わが)()ひまつる()(きみ)
124この(みづうみ)何時(いつ)()
125(あそ)(たま)ふやいぶかしし
126如何(いか)(きよ)けく()めるとも
127この(みづうみ)水底(みなそこ)
128(わが)(あし)さへもきるるかと
129(おも)ふばかりの(つめ)たさに
130(われ)(ふる)ひをののきぬ
131如何(いか)にして()何時迄(いつまで)この(みづ)
132(ひた)(たま)ふかいぶかしや
133はや(あが)りませ(くが)()
134如何(いか)水面(みのも)(きよ)くとも
135(はな)()()つる(くが)(なが)めに
136如何(いか)でしかめやうららなる
137地上(ちじやう)(はや)(あが)りませ
138(なつか)しの(きみ)(こひ)しき(きみ)()()ませ
139いとしき乙女(をとめ)ここに()
140(かな)しき乙女(をとめ)ここに()
141はや(あが)らせよ()(きみ)よ』
142(ちから)(かぎ)りに(うた)ひながら艶男(あでやか)上陸(じやうりく)をうながしてゐる。143水中(すゐちう)(をとこ)はこれに(こた)へて、
144『なつかしの麗子(うららか)(きみ)(いもうと)
145(なれ)(われ)とはとこしへに
146この葭原(よしはら)国中(くになか)
147(たま)()生命(いのち)ながらへて
148百年(ももとせ)千年(ちとせ)八千年(やちとせ)
149()きて(さか)えて()てしなく
150伊吹(いぶき)(やま)(ぬし)となり
151この()(うへ)天国(てんごく)
152()てむと(おも)真心(まごころ)
153(なれ)()()(いま)ここに
154(われ)()つるよこの(みづ)
155(こころ)のままに(かは)るぞや
156(つめ)たき(こころ)()つならば
157この川水(かはみづ)()ゆるらむ
158あつき(こころ)()つならば
159これの湖水(こすい)はあつからむ
160(あつ)くもあらず(つめ)たくも
161なくて(たの)しく(いま)(われ)
162(なれ)(むか)へむ(たつ)(みやこ)
163(こころ)はげまし水中(みづなか)
164()()りませよ麗子(うららか)(きみ)よ』
165 ()(うた)ひながら麗子(うららか)入水(にふすい)をうながしてゐる。166麗子(うららか)(こひ)しき(あに)の、167言葉(ことば)(つく)しての(まね)きに(こころ)はをどり、168(たちま)水中(すゐちう)()()まむかと(おも)ひしが()てしばし、169()()ちぬ(こと)あり。170(つね)水中(すいちう)をきらはせ(たま)()(きみ)が、171かかる(つめ)たき水中(すいちう)全身(ぜんしん)(ぼつ)し、172(かほ)のみを()げて安々(やすやす)言葉(ことば)をかけさせ(たま)ふはただ(ごと)ならじ。173(あるひ)竜神(たつがみ)化身(けしん)ならむかと、174うつぶして思案(しあん)にくれてゐる。175水中(すいちう)(をとこ)艶男(あでやか)(こゑ)そつくりにて、
176天晴(あは)天晴(あは)
177御空(みそら)()れて(つき)あかし
178玉耶(たまや)湖水(こすい)(そこ)ひまで
179()みきらひつつ大空(おほぞら)
180(つき)をうつせり千万(ちよろづ)
181(ほし)(なが)せり()()には
182天津(あまつ)御国(みくに)荘厳(さうごん)
183うつして(すが)しき玉耶湖(たまやこ)
184(みづ)はゆるやかにして(かを)りあり
185(なに)をためらひ(たま)ふぞや
186妹背(いもせ)(ちぎ)(いま)ここに
187(なれ)(むす)ばむ厳御霊(いづみたま)
188(みづ)御霊(みたま)仲立(なかだち)
189(きよ)(すが)しき夫婦仲(めをとなか)
190いざや(きた)らせ(たま)へかし』
191 麗子(うららか)磯辺(いそべ)()ちて(うた)ふ。
192()(きみ)(おほ)せはよしと(おも)へども
193(いへ)にのこせしちちのみの
194(ちち)(ゆる)しのなき()とや
195ははそはの(はは)(こころ)もまだわかぬ
196今日(けふ)(われ)()如何(いか)にして
197(とつ)ぎの(みち)をつとむべき
198如何(いか)(こひ)しき(きみ)なればとて
199(ちち)(はは)との(ゆる)しなく
200たとへ御許(みゆる)しありとても
201この(ひろ)葭原(よしはら)国土(くに)
202せまき水面(みのも)(とつ)ぐべき
203(なに)はともあれ垂乳根(たらちね)
204(いへ)(かへ)りて(さだ)むべし
205陸地(くがち)(あが)らせ(たま)へかし』
206 ()(たがひ)に、207水中(すいちう)()()めよ、208上陸(じやうりく)せよ、209兄妹(きやうだい)水陸(すいりく)両方面(りやうはうめん)からかけ()つてゐる。
210 ()かる(ところ)一天(いつてん)にはかにかき(くも)り、211(やみ)(かたまり)四辺(しへん)落下(らくか)し、212咫尺(しせき)暗澹(あんたん)213(なみ)(くる)()ちて(やさ)しき乙女(をとめ)(こころ)は、214(くる)はむばかりなりにける。215(たちま)暗中(あんちう)より一塊(いつくわい)火光(くわくわう)(あらは)るよと()()に、216艶男(あでやか)()えし(をとこ)人面(にんめん)竜身(りうしん)(へん)じ、217乙女(をとめ)(からだ)をひつ(かか)へ、218水上(すいじやう)(たか)(ささ)げながら湖中(こちう)(うか)伊吹山(いぶきやま)方面(はうめん)さして()()りにける。
219竜神(たつがみ)化身(けしん)乙女(をとめ)はとらへられ
220()(かた)()れずなりにけらしな
221昭和九・七・一六 旧六・五 於関東別院南風閣 谷前清子謹録)
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