霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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大本神歌

インフォメーション
題名:大本神歌 著者:
ページ:1
概要: 備考: タグ: データ凡例:2017/9/15校正。 データ最終更新日:2024-03-04 16:47:29 OBC :B115003c03
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]神霊界 > 大正7年2月1日号(第56号) > 大本神歌
001(一)
002東雲(しののめ)の空に輝く天津日(あまつひ)の、003豊栄(とよさか)昇る神の国、004四方(よも)(めぐ)らす和田の原、005外国軍(とつくにいくさ)攻難(せめがた)き、006神の造りし細矛(くわしほこ)007千足(ちたる)の国と(たた)えしは、008昔の夢と成りにけり。009今の世界の国々は、010御国(みくに)(まさ)りて軍器(つはもの)を、011海の底にも大空(おほぞら)も、012地上地中の(えら)み無く、013備へ(たら)らはし間配(まくば)りつ、014やがては降らす雨利加(あめりか)の、015(かづ)より多き迦具槌(かぐつち)に、016打たれ砕かれ血の川の、017憂瀬(うきせ)を渡る国民(くにたみ)の、018行く末深く(あはれ)みて、019明治の二十五年より、020(つゆ)(たま)散る(やいば)にも、021(むか)ひて勝ちを取らせつつ、022(なほ)外国(とつくに)の襲来を、023(いま)しめ諭し様々(さまざま)と、024神の出口(いつき)口開(くちびら)き、025()らせ給へど常暗(とこやみ)の、026心の空の仇曇(あだぐも)り、027磯吹く風と聞流(ききなが)し、028今の今まで馬の耳、029風吹く如き人心(ひとごころ)030アア如何(いか)にせん(つちのゑ)の、031(うま)春夏秋(はるなつあき)()け、032心落ち()荒浪(あらなみ)の、033中に漂ふ苦しみは、034神ならぬ身の知る(よし)も、035なく泣く(すが)る神の前、036水底(みなそこ)(くぐ)仇艦(あだふね)と、037御空(みそら)(とどろ)ろく鳥船(とりふね)の、038(しこ)(すさ)びに悩まされ、039(みな)散り散りに散り惑ふ、040()の葉の末ぞ哀れなり。『神霊界』では「なり」だが、『王仁文庫』では「なる」になっている。
041(二)
042聯合(れんがふ)の国の味方と今迄は、043(なり)(つく)せしカラ(くに)の、044悪魔邪神(まがつのかみ)が九分九厘、045モウ一厘の瀬戸際に、046旗を(かへ)すと白露(しらつゆ)の、047(その)振舞(ふるまひ)の非義非道、048(すべ)ての計画(しぐみ)を狂はせて、049勝つ()戦争(いくさ)の負け始め、050永びき渡る西の空、051黒雲(くろくも)晴るる(ひま)も無く、052独り気儘(きまま)の仕放題、053印度の海も(かす)め取り、054(ここ)にも深き経綸(しぐみ)()し。055(つづ)いて浦塩(うらじほ)日本海、056我物顔(わがものがほ)跳梁(てうりよう)し、057卜ン卜ン拍子に乗り出して、058神の御国(みくに)脅迫(おびやか)し、059モウ()(いき)鳴戸灘(なるとなだ)060渦巻き(たけ)荒浪(あらなみ)に、061大艦(おほぶね)小船(おぶね)残り無く、062底の藻屑(もくず)(ほろ)ぶるも、063(あや)高天(たかま)()と高く、064空に(そび)えし言霊閣(ことたまや)065天火水地(てんかすゐち)と結びたる、066五重(いつへ)殿(との)に駆け登り、067力の限り(こゑ)限り、068鳴る言霊(ことたま)勲功(いさほし)に、069(しこ)鳥船(とりぶね)軍艦(いくさぶね)070水底(みなそこ)(くぐ)仇艇(あだふね)も、071()れぞれに亡び()せ、072影をも止めぬ惨状(みじめさ)に、073曲津軍(まがついくさ)(をのの)のきて、074従ひ仕へ(きた)る世を、075松と梅との大本(おほもと)に、076世界を救ふ(うしとら)の、077神の稜威(みいづ)(たふ)とけれ。
078(三)
079(あや)高天(たかま)(あら)はれし、080国常立(くにとこたち)大神(おほかみ)の、081神諭(みこと)(かし)こみ(つつし)みて、082(いづ)御魂(みたま)と現はれし、083教御親(をしへみおや)神勅(かみこと)に、084日清間(につしんかん)の戦ひは、085演劇(しばひ)(たと)へて一番叟(いちばんさう)086日露戦争が二番叟、087三番叟は此度(このたび)の、088五年に渡りし世界戦、089竜虎(りうこ)(あひ)打つ(つちのゑ)の、090(うま)の年より本舞台、091いよいよ初段と(あひ)成れば、092西伯利亜(しべりや)線を花道と、093(さだ)めて攻め()曲津神(まがつかみ)094力の限り手を尽し、095工夫を凝らし神国(かみくに)を、096併呑(ひとのみ)せんと寄せ(きた)り、097(あま)鳥船(とりぶね)(そら)()ひ、098(あづま)の空に舞ひ狂ひ、099(ここ)に二段目幕が()く。100三段いよいよ(ひら)く時、101三千余年の昔より、102国の御祖(みおや)(えら)まれし、103身魂(みたま)(あつま)る大本の、104神に仕へし神人(かみびと)が、105御祖(みおや)の神の給ひたる、106日本心(やまとごころ)を振り(おこ)し、107(いづ)雄猛(をたけ)び踏み(たけ)び、108(いづ)身魂(みたま)を元帥に、109瑞の身魂を指揮官に、110直日(なほひ)御魂(みたま)(たて)と為し、111何の猶予も荒魂(あらみたま)112爆裂弾(ばくれつだん)(いさ)()く、113神の(いくさ)奇魂(くしみたま)114()しき勲功(いさほ)言霊(ことたま)の、115天照(あまて)る国の幸魂(さちみたま)116言平(ことむけ)(やは)和魂(にぎみたま)117(たま)の助けの(いちじ)るく、118(とどろ)御代(みよ)を松の()の、119四十(よそ)(まり)(やつ)生御魂(いくみたま)120言霊閣(ことたまのや)に鎮まりて、121四方(よも)の国々(あめ)(した)122治めて(ここ)千早振(ちはやふる)123神代(かみよ)(なが)らの祭政一致(まつりごと)124(ひら)き治めて日の(もと)の、125現津御神(あきつみかみ)(たてまつ)る、126常磐(ときは)御代(みよ)ぞ楽しけれ。
127(四)
128カラ(くに)(あめ)(みなぎ)叢雲(むらくも)も、129砲烟(ほうえん)弾雨(だんう)晴渡(はれわた)り、130日の出の守護(しゆごう)と成るなれば、131斯上無(こよな)御国(みくに)(さち)なれど、132十重(とへ)二十重(はたへ)(かさ)なりし、133糸のもつれの弥繁(いやしげ)く、134(とく)(よし)なき小田巻(をだまき)の、135繰り返しつつ行く程に、136(あづま)の空にもつれ来て、137退()くに退(ひか)れぬ破目と成り、138弥々(いよいよ)出師(いくさ)と成る時は、139五十余億の軍資をば、140一年(ひととせ)(たた)(つか)()に、141烟散(えんさん)霧消(むせう)の大惨事、142鉅万(きよまん)『神霊界』では「巨万」だが、『王仁文庫』では「鉅万」になっている。生霊(せいれい)(つち)と化し、143農工商の国本(こくほん)も、144次第次第に衰ろヘて、145青菜(あをな)に塩の(その)如く、146彼方此方(あなたこなた)に溜息を、147()()く思案に(くれ)(かね)148進退(しんたい)(ここ)(きは)まりて、149天を拝し(つち)に伏し、150狼狽(うろたへ)さわぐ弱虫の、151カラの身魂(みたま)(おのづ)から、152現はれ狂ふ憐れさよ。153()れど日本は千早振(ちはやふる)154神の守りし常磐国(ときはぐに)155国の真秀国(まほくに)(うづ)の国、156神が表面(おもて)()れまして、157御国(みくに)を守り給ひつつ、158世界を救ひ玉ヘども、159未だ未だ心許(こころゆる)されぬ、160一つの国の御空(みそら)より、161降る雨里迦(あめりか)(一)では「雨利迦」だった。一時雨(ひとしぐれ)162木枯(こがらし)さへも加はりて、163山の尾の()紅葉(もみぢは)も、164果敢(はか)なく散りて小男鹿(さをしか)の、165泣く声四方(よも)竜田山(たつたやま)166神のまにまに四ツの尾の、167山の麓の竜館(たつやかた)168(あつま)()ます神々の、169厚き恵みに照り返す、170(からくれなゐ)楓葉(もみぢは)の、171元の姿ぞ目出度(めでた)けれ。
172大正六年十二月一日
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