霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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妨害

インフォメーション
題名:妨害 著者:出口王仁三郎
ページ:438
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-10-30 20:57:00 OBC :B119300c100
二十八歳の春
小幡川(をばたがは)にひろひ得たりし石笛(いしぶえ)を吹けば一同神憑(かむがか)りとなる
弟の由松(よしまつ)治郎松(ぢろまつ)修行場(しうぎやうば)に馬鹿をするなと呶鳴り込みたり
治郎松(ぢろまつ)は顔面(あけ)に染めながら()がゑりくびを掴みてひきづる
こりや喜楽山子(やまこ)をするにも(ほど)がある改心せぬかと地上を(ひき)づる
治郎松(ぢろまつ)(ひき)づるままに(ひき)づられ()けば門辺(かどべ)の石につまづく
高石(たかいし)につまづくとたんに爪ぬかれこけて前歯を二本折りたり
(この)(かみ)悪神(わるがみ)ならむ爪をとり歯をとりよつたと治郎松(ぢろまつ)(いか)
喜楽()飯綱(いづな)使(つか)うて()やがつて俺を血まぶれにあはした悪神(わるがみ)
由松(よしまつ)はこの(てい)を見て仰天し雲をかすみと逃げ去りにけり
()(をんな)神憑(かむがか)りして追ひきたりさまざま罰罰(ばちばち)と続けののしる
こんなめに人をあはして愉快げに笑ふは何だ喜楽の悪神(わるがみ)
治郎松(ぢろまつ)(いだ)(おこ)せば(わが)(あたま)掴んで泣いて離さぬしつこさ
こりや喜楽膏薬代(かうやくだい)を十両出せ出さねば警察へ訴へてやる
訴へるなら訴へて見よ自分から人をなやめて得たる怪我だよ
喜楽()が無慈悲な事をぬかしよるいよいよ悪神(わるがみ)偽神(にせがみ)山子(やまこ)の神だ
神ならば俺の怪我をば()ぐさまになほせなほれば神にしてやる
馬鹿らしく腹はたてども神教(しんけう)の無抵抗主義を(われ)は守れり
身を清め天地(てんち)の神に祈願すれば松の出血にはかにとまる
出るだけの血が出た後に止まつたのだ神のおかげでないと頑張る
神ならば指と前歯の(この)いたみ治して見よと悪言(あくげん)つらぬる
(つつし)みて(あま)数歌(かずうた)となふれば痛みはとみにとどまりにけり
痛むだけ痛んだ(あと)に治つたのだ祈願なんかきくものかと云ふ
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