霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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小人の野望

インフォメーション
題名:小人の野望 著者:出口王仁三郎
ページ:403
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-10-31 06:24:00 OBC :B120900c77
天地(あめつち)(くもり)晴らして久方(ひさかた)の太陽(ひかり)を青葉に投げつつ
梅雨(つゆ)ばれの空を(てら)して夏の()の月は本宮山(ほんぐうやま)にかかれり
()(わう)の山の尾の()緑葉(みどりば)(つゆ)にかがよふ夏の()の月
地の(うへ)の人のさわぎを知らぬがに(すが)しく照れる本宮(ほんぐう)の月
たのむべき人さへもなき(しこ)の世の(ちから)(あふ)ぎぬ天心(てんしん)の月
立替(たてかへ)を待望したる小人(せうじん)の野望をよそに月はほほゑむ
出雲(いづも)(ゆき)すめば世界の立替(たてかへ)と迷信したる人の()あをし
御開祖の出雲(もう)でを期待せし信徒(しんと)の顔の(ちから)なきかな
地の(うへ)大立替(おほたてかへ)をさけびたる竹村(には)かにしよげかへりつつ
小松林(こまつばやし)(とも)せしゆゑ立替(たてかへ)がおくれしと(くや)二三(にさん)の役員
四十雀
会長がをらねば世界の立替(たてかへ)は容易ならむとよりより協議す
よくぼけの愚物(ぐぶつ)ばかりが寄り合ひて(ささや)く声のをかしき夏なり
百舌鳥(もづ)(すずめ)四十雀(しじふがら)がら立替(たてかへ)を待ちあぐみたる頭上に(つき)照る
金光(こんくわう)の教師足立(あだち)は偉かつたと役員われに(ほこ)さき()くる
一家族つれて穴太(あなを)にかへれよと頑固頭(ぐわんこあたま)日夜(にちや)にせまる
帰らんと(われ)は思へどかむながら(みち)重ければ動きもならず
京都より土佐の新米おくり()ぬ旧六月の廿五日に
神の(みち)認識不足の役員にあきて綾部の橋上(けうじやう)にあそぶ
和知川の月
(きよ)くながるる橋の()に立ちて(うへ)(した)とに夏月(なつづき)を見る
淙淙(そうそう)と流れも清き和知川(わちがは)にうつらふ月のさわやかなるも
わが(こころ)月の如しと言ひながら()たけびしたり綾部橋(あやべばし)()
橋の()(ゆふ)べを立てば()(たもと)ひるがへしつつ吹く風すずし
村肝(むらきも)(こころ)きたなき人の(むれ)のがれて(われ)橋上(けうじやう)(つき)見し
わがなげきつゆ白波(しらなみ)(おも)照らし無心(むしん)の月は夜半(よは)をかがやく
わが(こころ)(なぐさ)むるものは夏の()橋上(けうじやう)にみる月なりにけり
洗はれし如くかがよふ夏の()の月(あふ)ぎつつわが(たま)をねる
綾部橋(あやべばし)(ゆふ)べを立てば月()えて漁火(いさりび)のかげ遠くみゆるも
並松(なみまつ)の枝をうつせる川底にみ(そら)の月は澄みきらひたり
天の月舟
真夜中に家に帰れば竹村は表戸(おもてど)とざして(われ)()れなく
(ちから)限り戸をうち叩けば竹村は(つら)ふくらせて(かど)()けにけり
神様に仕ふる身ながら夜遊びをなぜなさるかと(なじ)る竹村
橋上(けうじやう)愛人(あいじん)にあひて()らず()らず()()けたりとわざと(こた)へぬ
愛人(あいじん)何人(なにびと)なるか()しからぬ調べにやおかぬといきまく竹村
愛人(あいじん)(まつ)()にてる夏の月()()ながるる(あま)月舟(つきぶね)
誤忠言
ああさうよ大槻(おほつき)とう()といひながらまなじりつりて鼻息あらし
開祖様に申しあげねばおかないと開祖の居間に竹村かけ()
『竹村』教祖様会長さんは恋人と綾部の橋であひびきしました
『竹村』あんな人一日(ひとひ)も早く帰らせてこの大本の立替(たてかへ)なされよ
御開祖は寝耳に水の忠言(ちうげん)におどろき(とこ)をはねおき給へり
神示
ともかくも神示こはんと御開祖は(みづ)あみ神前(みまへ)にぬかづき給ふ
竹村も開祖とともに神前(しんぜん)に手をあはせつつ何か祈れり
御開祖はにはかに吹き出し給ひつつ会長さんの恋人は月
『開祖』地の(うへ)の善悪美醜をにこやかに照らせる月はみろくの大神
みろく様は(わたし)にとつても恋人とほほゑみながら開祖は宣らせり
竹村は開祖の言葉に失望し頭かきかき神前(しんぜん)(さが)
(わが)恋は人にはあらず御空(みそら)行く月の光の影なりにけり
()ふる心の空は晴れにつつ勇みて朝夕(あさゆふ)神に仕へし
千早振(ちはやふる)神の御業(みわざ)にあらざれば(われ)愚人(ぐじん)の中には()まじ
和知川(わちがは)(おも)を流るる大空(おほぞら)の月は(しづか)に夏()けわたれり
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