霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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蚯蚓の泣音

インフォメーション
題名:蚯蚓の泣音 著者:出口王仁三郎
ページ:428
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-10-31 06:24:00 文字数:1595 OBC :B120900c79
夏草(なつぐさ)の茂(しげ)らふ野路(のぢ)をわけゆけば右も左もばつた飛ぶなり
夏草(なつぐさ)の茂(しげ)みにひそみ鳴くぎすの声さわがしき何鹿(いかるが)の野べ[※「ぎす」とはキリギリスの別名「螽斯(ぎす)」のことだと思われる。]
夏深くなりにけらしな若宮(わかみや)の杜(もり)の茂みになく蝉(せみ)のこゑ
ガツト虫羽翼(うよく)そなへて樹(き)の枝(えだ)に蝉(せみ)と化(な)りつつ鳴ける夏なり
本宮(ほんぐう)の山のふもとの常磐木(ときはぎ)にあした夕(ゆふ)べを油蝉(あぶらぜみ)なく
かしましくさへづりながら近(ちか)よれば小便あびせて逃げゆく夏蝉(なつせみ)
大江山(おほえやま)雲(くも)わきおこり何鹿(いかるが)の野(の)にひとしきり夕立(ゆふだち)の降(ふ)る
夕立の音になき出す田蛙(たかはず)のはだかで叫ぶ夏なりにけり
ぎすばつた蛙(かはず)むれゐる本宮(ほんぐう)の山のふもとの叢(くさむら)の池
あづさ弓(ゆみ)矢田(やた)の谷(たに)むら草(くさ)しげみひそみゐるかもばつたの群(むれ)は
夏草(なつぐさ)の茂(しげ)らひ深くふみてゆく道さへわかず蚯蚓(みみず)なくなり
蝉(せみ)なける森の茂みの深ければ夏は地上にとどかざりけり
払へども刈れども茂る醜草(しこぐさ)の深きに夏の陽光(ひかげ)とほらず
かむながら道に茂(しげ)らふ雑草をきりはふらんと吾(われ)は汗(あせ)すも
やき鎌(かま)の利鎌(とかま)をもちて刈りとれどまたもや茂る醜草(しこぐさ)の若芽
かんかんと夏陽(なつひ)の照れば本宮(ほんぐう)の山下(さんか)の蛙(かはず)水(みづ)かぶるなり
あてもなき野心にかられ夏蝉(なつせみ)のささやく森に昼月(ひるづき)白(しろ)し
撫子
並松(なみまつ)の道のかたへになでしこの花咲きにつつ秋は近めり
なでしこの花を摘(つ)まんと和知川(わちがは)の土堤(どて)の夕(ゆふ)べをゆきかひにけり
庭の面(も)に植ゑうつしたる撫子(なでしこ)を醜(しこ)の蛙(かはず)のひきさりてゆく
日(け)並(なら)べて雨は降れども撫子(なでしこ)の花の色香(いろか)はあせざりにけり
吾妹子(わぎもこ)とともに眺むる庭の面(も)の撫子(なでしこ)の花いたむる蛆虫(うぢむし)
怪しの影
水無月(みなつき)の祭(まつり)の太鼓(たいこ)ひびかひつ夕(ゆふ)べを鳴ける蝉(せみ)のむた声(ごゑ)
水無月(みなつき)の神の宮居に詣でゆくわが後姿(うしろで)につきそふ影あり
どこまでも執念ぶかくついて来る怪(あや)しのかげは心よからず
わがゆけば後(あと)よりおくり狼のありと思へば油断ならなく
御開祖の手植ゑになりし藤棚(ふぢだな)は青葉茂(しげ)りてかげ深かりき
大神(おほかみ)の拝礼終(をは)りて帰り路(ぢ)の辻にあやしき人のかげあり
何人(なにびと)と声をかくればお迎へとしどろもどろの答(いら)へあやしき
何処(どこ)までもわが身辺(しんぺん)をつけねらふ怪しのかげは闇にふえつつ
和衣(にぎたへ)の綾部の町はにぎはへり水無月(みなつき)祭(まつり)の人の山にて
水無月(みなつき)の宮居の庭の白藤(しらふぢ)を見つつ教祖の心(こころ)偲(しの)べり
公認問題
憲法の信教自由を曲解し許可をうけよと司(つかさ)せまり来(く)
信教の自由は憲法保証せりといへば司(つかさ)は左右に首ふる
許可なくば道の宣伝相(あひ)ならずと認識不足の司(つかさ)の言葉
長きものにまかるる譬(たとへ)その筋(すぢ)の許しうけんと吾(われ)は思へり
大本(おほもと)は神のひらきし神の道(みち)許可はいらぬと開祖の強腰(つよごし)
御開祖(ごかいそ)と司(つかさ)の中にはさまれて吾(われ)は去就(きよしう)に苦しみにけり
御神示(ごしんじ)は兎(と)も角(かく)日本(にほん)は法治国(ほふちこく)認可を得んと思ひなほせり
東海道の旅
やむを得ず木下(きのした)慶太郎(けいたらう)ともなひて長沢恩師の許(もと)にはせゆく
わが話(はなし)長沢翁(をう)は聞きをはり皇道会にて願へとのらせり
出願の手続き了(を)へてはるばると京都をさして帰り路(ぢ)につく
稲みのる秋の田の面(も)をながめつつ東海道の旅は長しも
朝夕は風冷(ひ)えにつつ秋ふかみ人の心もしづまりにけり
帰途の宣伝
ともかくも京都の支部にとどまりて実印(じついん)押すべく木下(きのした)帰らず
木下(きのした)は綾部に帰りなに故(ゆゑ)か何(な)んの答(いら)へもなさざりにけり
木下(きのした)の返事待つ間(ま)のもどかしく吾(われ)は伏見の支部に向(むか)へり
伏見(ふしみ)支部山本(やまもと)の家にやすらひてわれ朝夕(あさゆふ)に宣伝をなす
狐狗狸退治
桃山(ももやま)の稲荷おろしを調べむと夕(ゆふ)べをかけて教会にいたる
大成教(たいせいけう)敬神教会支部といふ大看板はかかげられあり
支部長は稲荷下(おろ)しをはじめだしわが霊縛(れいばく)にふんぞりかへれり
鞍馬山(くらまやま)大天狗(だいてんぐ)ぞと憑霊(ひようれい)は起きあがりさま吾(われ)を睨(にら)めり
その方(はう)は天狗にあらず狸(たぬき)よとつぼささされて憑霊(ひようれい)うつむく
隣室に狂女(きやうぢよ)はひとりひそみ居(ゐ)て山子(やまこ)教会と叫べ出(いだ)せり
この男(をとこ)教会教師は看板よ暇(ひま)さへあれば賭博(とばく)するといふ
これからは決して嘘は申さぬと教師は吾(われ)にあやまりてをり
大本の支部員山本(やまもと)安田(やすだ)小島(こじま)教師の詐術(さじゆつ)にあきれかへれり
現代の神道(しんだう)教師は六七分(ろくしちぶ)狐(きつね)狸(たぬき)の容器(いれもの)なりけり
京都より御牧(みまき)杉浦(すぎうら)時田(ときた)金太郎(きんたらう)松江(まつえ)元利(もととし)氏たづねきたれり
桃山の夕(ゆふべ)を吹ける松風の音(おと)さらさらと鳴りひびくなり
此頃は明治の御陵(ごりよう)無かりせば松吹く風も淋しかりけり
そのむかし豊太閤(ほうたいかふ)の築きたる桃山城趾(じやうし)見る影もなし
月かげは雲に包まれ桃山のあたり小暗(をぐら)く夜(よ)は更(ふ)けにける
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