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邪魔様々

インフォメーション
題名：邪魔様々 著者：出口王仁三郎
ページ：243
概要： 備考： タグ： データ凡例： データ最終更新日：2024-10-31 18:51:00 OBC ：B129900c46
製乳の事業を漸(やうや)く中止して吾(われ)は専心布教に従事す
大阪の各地の教会歴訪し稲荷おろしの詐術を看破す
内藤を伴ひ三百数十ケ所稲荷おろしを調べてまはる
三百余(よ)の稲荷おろしはあり乍(なが)らまことの稲荷のうつれる者なし
どれもこれも尾のない狐(きつね)狸(たぬき)のみいづれも人意(じんい)詐術(さじゆつ)なりけり
偽電報
内藤の家にしあれば園部より母の危篤の急電来(きた)れり
急電に驚き内藤家(け)を辞(じ)して急ぎ園部に吾(われ)は帰れり
やうやくに園部の支部に着きぬれば母はにこにこ出迎へ給へり
危篤なりし人と思へぬ母の面(おも)あやしみ問へば知らずと宣(の)らせり
何人(なにびと)のいたづらなるかと調べ見れば混交(こんかう)信者の打電なりけり
山鳩(やまばと)が豆鉄砲をくらひたる吾(わ)が心地して言ふ言葉なし
帰綾のうながし
をりもあれ綾部ゆ竹村(たけむら)入(い)り来(きた)り教祖の命(めい)と帰綾(きりよう)をうながす
わが言葉十分(じふぶん)の一(いち)聞くならば帰りてもよしと答へて見たりき
竹村は威猛(ゐたけ)だかになり十分(じふぶん)の十分(じふぶん)までも聞かれぬと言ふ
わが言葉聞(き)かぬやうなる大本へ帰るもせんなしと断(ことわ)りにけり
ともかくも神の命令帰りませと尻(しり)落(おち)つけて動くともせず
竹村の大和(やまと)魂(たましひ)わからねば四方(しかた)が談判するといきまく
竹村は園部の支部を立出(たちいで)て湊屋(みなとや)旅館に急ぎ入(い)りけり
平蔵暴言
ややありて四方(しかた)平蔵(へいざう)連れ来(きた)り四ツ足呼(よ)ばはり始めかけたり
小松林(こまつばやし)早く改心致さぬかと四方(しかた)平蔵(へいざう)が呶鳴るをかしさ
四ツ足は園部の内藤に預けおき肉休もちて帰れと彼(かれ)いふ
肉体の上田は必要守護神(しゆごじん)は内藤に置いて帰れといきまく
答ふべきすべもなければ吾(われ)はただニコニコとして笑ひゐたりき
竹村は目をむき出し大本の神の使(つかひ)を愚弄(ぐろう)したと怒(いか)る
「けもの」の守護
四ツ足のみたまは正(まさ)にこの通りと洋服となり這(は)ひて見せたり
両人は顔見合(みあは)せて舌を巻き四ツ足みたまが現(あら)はれたりといふ
揚豆腐(あげどうふ)小豆飯(あずきめし)など両人の前にて喰(く)へばいよいよ驚く
そこへまた松原(まつばら)久太郎(きうたらう)入(い)り来(きた)り三人(さんにん)一度にあきれ居(ゐ)たりき
四ツ足は綾部に帰らぬ証文を書けとて迫る四方(しかた)竹村
守護神も肉体も共に綾部へは一生いなぬと書き与へたり
鬼の首篦(へら)で取りたるやうな顔なしつつ悠々(いういう)綾部に帰る
意外の証文
帰るべき旅費も宿料(しゆくれう)もなきを知り澄子にやつてくれりとて渡せり
四ツ足の金(かね)はもらはぬ澄子さんに届けますとて受取りにけり
宿賃(やどちん)と旅費にわが金(かね)充当し三人(みたり)は綾部にやつと帰れり
帰綾(きりよう)してわが書き物を調べ見れば意外の文句にあきれしと聞く
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