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皇道維新に就て

インフォメーション
題名:皇道維新に就て 著者:
ページ:414 目次メモ:
概要: 備考:①この文書は最初『神霊界』大正六年(一九一七)三月号(P11~24)に「大正維新に就て」という題名で掲載された。(作者名は「神霊子」) ②次に昭和九年(一九三四)六月発行『出口王仁三郎全集 第一巻(皇道編)』(P349~377)に「皇道維新に就て」と改題されて掲載された。 ③同年十月に、「世界の経綸」(本文書の次に掲載)と合わせて『皇道維新と経綸』という冊子にして発行。 ④戦後は、昭和四十八年(一九七三)六月発行『出口王仁三郎著作集 第二巻(変革と平和)』(P155~179)に、『神霊界』の「大正維新に就て」が掲載。 ⑤昭和五十七年(一九八二)九月発行『大本史料集成Ⅱ(運動篇)』(P414~425)に『皇道維新と経綸』の「皇道維新に就て」が掲載。 タグ: データ凡例: データ最終更新日:2016-12-03 02:19:42 OBC :B195502c21061
[#底本から次のように修正した。○現代あまり使用されていない漢字は平仮名や他の漢字に置き換えた。○適宜、句読点や改行を改めた。○古事記の漢文は読み下し文に改めた。(武田祐吉・訳注、中村啓信・補訂・解説、角川文庫・刊『新訂古事記』を参考にした)○仮名遣いは原則として新仮名遣いに改めた(ただし古事記の読み下し文は旧仮名遣いのまま)。]
第一章 世界大家族制度の実行
 皇道の根本大目的は、世界大家族制度の実施実行である。(かしこ)くも天下統治の天職を惟神(かんながら)に具有し給う、天津(あまつ)日嗣(ひつぎ)天皇の御稜威(みいづ)()(まつ)るのである。
 まず我が国にその国家家族制度を実施し、以てその好成績を世界万国に示してその(はん)を垂れ、治国安民の経綸を普及して地球上の各国を道義的に統一し、万世一系の国体の精華と皇基を発揚し、世界各国威その徳を一にするが皇道の根本目的であって、皇道維新、神政復古の方針である。
 先年、世界平和会議とかいうものが成立して、未だ幾年ならざるに、東欧半島に争乱が勃発し、ひいて世界的大戦乱となり、日に月に数万の生命を消殺し、幾千億の財力を費消しつつ、未だ平和の曙光を見る事の見当さえ付かないのは、古往今来(だい)誤謬(ごびゅう)的国家経綸の根本を、変革せしめ玉う天下窮通の神律であって、要は神聖なる大日本天皇の御稜威と、皇道大本の宣揚によって、世界を救済し統治し玉う天運循環の神力にほかならぬ次第である。
 万世一系の天皇の享有し給う世界的(しゅ)()(しん)仏が備えている三種の徳のことで、主人の徳、師匠の徳、親の徳の三つの三大権を発揮し給うべき時機の到来せる事は火をみるよりも明らかな事実である。
第二章 財政経済の根本革正
 人生の和楽、世界平和の基礎と成るべき国家家族制度を実施するに当たって、まず、いの一番に財政経済を根本より革正する事は古今の弊政を革除する第一義である。
 元来、金銀を以て本と為すの国家経済は、物質交換の不便に優る事は万々なりといえども古今国家経綸の根本義の不明瞭なりし為に、国家存立の基礎を確固ならしめむとして、その財力の強大ならんを目的と為し、富国強兵以て財政経済界に角逐(かくちく)互いに競争することするを以て国家経綸の本能と為して居るのは、全く一大誤謬であって、とうてい平和を招来する事の出来ない無法の経綸である。人生の根本義もまた古今不明瞭なりしが故に富貴功名のみを以て人生の理想と為し、人は神の分霊(ぶんれい)にして、衣食住のほかに、最も高遠なる天職を有する事を知らない。故にただ営々(えいえい)矻々(こつこつ)として、猛獣の如く生存競争のみに熱中する結果、ついに今日の如くここに貴賤の人為的区別が生じて来たのである。
 資産の多少によりて人間に貴賤の区別を付するというは、全く人間を動物扱いにした不合理の極である。怜悧(れいり)かしこいことや弁才を以て登庸(とうよう)せられ、錦衣(きんい)故郷に誇るを以て人生の目的と為すに至っては、実に人生の天職と本義を没却したるものである。
 過去二千年来、世界の国家経綸と人生生活の状態は、下等動物の生活状態と毫差(ごうさ)なくして、人生の使命を没却し無視せる憐れ至極なる社会の状勢である。これを要するに金銀為本の国家経済が、国家の存立的競争と、人生の不安不平を醸成する禍因となり居る事は、動かすべからざるものである。古今、治乱興廃の深因と、現代生活難の醸因は、全く金銀為本の財政経済と、社会経綸の不備欠陥に基因するの証拠は、今や歴然として西欧の大戦乱によりて明白である。
 しかるに今日において、なお金銀為本の財政現状を維持せんが為に、姑息極まれる財政救済策を施し、産業の奨励だの、済世救済だの、労働保護だのと、一時的の弥縫(びほう)とりつくろうことを施さんとする如きは、実に利己主義に心酔累惑せる、真の忠君愛国の至誠なき(やから)にして、畏くも神聖なる皇祖皇宗の御遺訓を蔑視し、国運の発展を妨害するものというべきである。
第三章 国家経済の本義
 国を(はか)り、世を(すく)うべき、いわゆる経理救済の運用を円滑ならしむべきは、即ち国家経済の本義であって、利己的欲望を満足せしむるが如きは、経済の本義から脱線したものである。天地の経綸根本義と人生の本義を解せないものにして、どうしてよく経理救済その目的を達し得られようか。神聖なる皇祖皇宗の御遺訓を奉体せざるものが、どうしてよく国家家族制度の経済的経綸を施行する事が出来得られようか。
 アア済世救民の時機は切々に迫り来れり。皇運発展の経綸を進展すべき時機はすでに来る来れり。我が国現今の状態を見るに、外は世界を統一経綸すべき方策を知らず、(うち)国運発展の基本たるべき経綸を知らざるは、実に歎かわしき事である。
 現代朋党利害の競争に熱中して、いたずらに野蛮文明国の後塵を拝し、その糟粕(そうはく)()め、それに伍する事を以て世界統治の天職を具有せる日本皇国の根本国是と誤解し苦心惨憺せる状態は、真に浩歎の至りに堪えない。
 国運発展の本近くここに在り、と明治天皇の遺訓し給える神聖なる祖宗の皇憲は、すでに世に顕彰し給いたり。済世救民の天業は皇道維新の皇謨(こうぼ)天皇の国家統治、はかりごととして経綸せらるべきは、明白なる事実である。今や皇道大維新、神政復古の成就を、世界一般に渇望しつつあること、あたかも大旱(たいかん)雲霓(うんげい)を望むが如く必要を感じつつあるのは事実である。
 古事記中巻に(いわ)
西の方に国あり。(くがね)(しろがね)(はじ)めて、目の炎燿(かがや)種々(くさぐさ)珍宝(うづたから)その国に(さは)なるを、(あれ)今その国を()せ賜はむ。
 皇祖の御遺訓は、明らかに現代経綸の根本変革を促し給うといえども、古往今来、黄金万能の弊政をこの上なき最上の経綸策として心酔し、かつ中毒せる日本臣民が、神聖なる祖宗の御遺訓の大精神を、了得感通せざる聾盲の輩のみなるは、実に恐懼(きょうく)の至りである。
第四章 金銀為本の国家経綸策排除
 今や天運ここに(めぐ)り来って皇道発展の時代と成れるが故に、神聖なる皇訓を宣揚し、万世一系の天津日嗣天皇の神権を発揚し給うに当たっては、必ずや回天回地の大威力を発揚し、一躍して天下統治の皇謨(こうぼ)を大成し給うは、神威の顕現に伴い、(まこと)に易々たる(わざ)たるを確信する。
 されど現代の制度とその政治の方針は、二千有余年来輸入したる世界野蛮劣等国の弊政の模倣にして、皇祖の御遺訓に示し給える国体の根本義と、絶対的に矛盾して居る。故に国体の精華を発揚すべき神聖なる大日本皇国を経綸するには、必ず祖宗の御遺訓を奉体して、適材を適所に用い、以て皇国天賦(てんぷ)の経綸を施行せしめて、天賦の天恵を開発するに努力する時は、回天回地の偉業は、天佑と御稜威によってたちまち奏功すべきは、神訓明らかにこれを示し給う。
 畏くも皇道維新、神政復古の皇謨は、必ず祖宗の遺訓に則り給いて、大日本皇道を宣揚し、祖宗の御威徳を顕揚し給うべき御事(おんこと)と、確く信じ奉るのである。
 そもそも世界の争乱と人生不安の禍因を根絶するには、第一着に現代の金銀為本の国家経綸策を根本より変革せなければならぬ。
第五章 国家家族制度と社会主義
 財政経済を根本より変革するには、これに代謝する国家経済制度を具体的に説明すべきはずであるが、以下順次家族制度の国家経済策、租税制度、天産自給論を説明するに当たり、自然に現代的財政経済の不必要なる理由をも了解し得べければ、ここにはその重複を(いと)いてことさらにその説明を省略する。
 吾人が国家家族制度を主唱し、財政経済の根本的革正を以て、皇道維新の皇猷(こうゆう)天子のはかりごとの第一義であるというを誤解して、世にいわゆる財産平均論の迷夢を懐き富の分配を理想とするものの如く、あるいは共産主義とか社会主義とかの理想より起こりたるが如く、懐疑の念を生ずる人もあるであらうと信ずるが、現代の社会制度を是認し満足し謳歌する人々が、かく信ずるのは当然かも知れぬ。
 神聖なる皇祖皇宗の御遺訓を解し得ず、言霊(ことたま)の妙用を知らず、世界統治の天権を具備せる日本国体の根本義を知らない世界の学者連中の常識を以て判断する時は、最も適当の解釈であろう。しかしながら吾人の主張する所は神訓に基き、一言半句も私見を挿まない真正なる皇典古事記の精神を了解して、国体の精華を発揚すべき根本要義を披陳するに過ぎない。
 皇道の本義を真解し得るものは、神聖なる祖宗の御遺訓を体得せる人士のみである。かかる神聖なる祖宗の御遺訓を、未知半解の人のあえて誤認せざらん事を希望する次第である。
第六章 天産物自給の国家経済
 天産物自給の国家経済について少しく述べんに、天産物とは天賦の産物である。自給とは自ら支給し自ら生活する事である。この文字はすこぶる簡単であるけれども、これ世界の人類に取っては生活上の大問題であらねばならぬ。皇道経綸の本旨においては、すこぶる高遠なる意義の存する事であって、衣食住の根本革新問題である。
 現今我が国の服装についても、はなはだ錯雑なもので、その不便と不経済なる事は、すでに識者間の問題にも上って居るような次第である。されど世人の論ずる所のものは枝葉の議論にして、未だ天理人道の根本義たる天産物自給の法則によって、その根本的解決を考えたものはない。
 吾人が発表する所の根本起源は、即ち祖宗の遺訓し給える天理人道による人生経綸の根本義であって、天下の公道である。天地自然の経済的本義である。
 古往今来、天理人道未だ明らかならずして、野生的欲望の窮極するところ、ついに弱肉強食の暴状をもあえて憚らざるに至ったのである。(こと)に最もはなはだしきは西洋強国の暴状である。彼らは人生の本義を全く知らない。動植物が天賦自然の使命を有する事も知らない。弱肉強食的野獣性を発揮して、無暗(むやみ)に鳥獣を屠殺してその肉に舌鼓を打ち、その毛羽や皮革を服用して文明社会の常事としていささかも怪しまないのは、野蛮因習の然らしむる所であって、その残忍、酷薄なる習慣はますます増長して、ついには他人の国家を侵蝕し、併呑し、飽食暖衣を誇るを以て、世界的文明強国なりと信じて居るのである。仏者のいわゆる畜生道、餓鬼道、修羅は、最も適切な現代の評語であらう。
 今や服装の改良は最も急務中の急務である。古諺に『良薬は口に苦く、諫言は耳に逆う』と、実にもっともである。現在世界的文明の服装として、国民が競って使用せる洋帽に洋服に洋傘に、洋靴の如きは、実に実に非文明的野蛮を標榜したる獣的蛮装である。しかしてその材料として貴重され居るもの程残忍無道を敢行せる産物である。
 畏くも万世一系の皇運を享有し給い、済世安民を以て天職と為し給う御国体の根本義としては、これらの蛮的獣装を禁止する事が、国家経済と人心革正の必要とまた天産物自給の法則上における最大急務である。
 唐制遺風の衣冠(いかん)束帯(そくたい)や、不便極まる衣袂(いぺい)的服装もまた不可である。日本国体の精華を発揚し、世界を経綸すべき皇国の天賦を発揮せしむるに相応せる服装を制定せんと欲せば、まず国体の本義を自覚せねばならぬ。御遺訓に示し給える世界各国天恵の状態と、その天賦的経綸の本質を闡明(せんめい)せば、実に易々(やすやす)たる業である。この神聖なる神洲神民の服装は、根本覚醒の暁においてたちまち発表すべきである。
第七章 食糧問題
 人類生活の根本原料なる食料品は、各自天賦的に発生する土地の生産物を以て、需要供給の原則とする事は世界的通義である。
 しかるに古来、金銀為本的国家経済の流行するに及んでついにその本末を顛倒(てんとう)して怪しまないのは、現代の通弊である。これ全く天理人道の不明に帰するのであるが、天運循環神威顕現の今日においては、根本革正の時機が到来したのである。
 古今国家の治乱興廃の原因は、必ず政権及び土地を獲得し、以て衣食住の欲望と虚栄とに満足し、かつこれを我の子孫に享受せしめんとするが為である。要するに食料問題がその最要件なのである。
 人生の根本義は、生活せんが為に世に生れ出たるものでない事は、あえて疑うべき余地は無い。けれどもその欲望を満たさんが為に、世界の人類が相競い相争いつつある事は、疑いなき事実である。冠履顛倒、本末矛盾せるは、世界的国家の経綸である。食料問題もまたこれに準じて居るのである。即ち大にしては天賦所生の土地を遊猟場と化せしめ、あるいは工業地と為し、一は以て残忍酷薄なる遊戯に耽溺し、一は以て金銀財力の収穫を目的とするものである。
 しかして野獣的欲望の窮極は、利害相衝突するところ、国家の存亡を賭して戦争するに立ち到ったのである。これ世界の平和を破り、人生の不安を(かも)す原因である。日本皇国の天職は、これを根本より革正して、世界永遠の平和を確実ならしめ、人生の本義を明らかにするにあるのである。
 西洋野蛮人種の真似をして、猥に動物を屠殺して食料に供給するのは、神聖なる皇典に垂示し玉へる天理人道に違反する悪魔の行為である。即ち皇典の御垂示によれば、動物中、人生経綸の労力を補助すべき種類のものと、肉体を食用に供すべきものとの二つの種類があって、前者は多くは陸上動物である。後者は多く水産動物である。古来屠殺的弱肉強食を為す事をあえて(はばか)らなかったのは、天理と人道の不明なりしに起因したのである。
 第一に食料の根本問題から解決せなければ、世界の平和を期する事も、救世安民の経綸を実現する事も出来ないのであるが一度神聖なる祖宗の御遺訓と神訓を拝すれば、たちまち解決が付くはずである。
第八章 住宅問題
 輪奐(りんかん)の美を極め、宏壮雄大を極めた邸宅を有するもので、永久に子孫の繁栄を極めたものはない。いわゆる三代長者無しの諺は、古今歴史の証明する所である。これ人生の本義を無視し、天理に矛盾して居るからである。
 由来、野獣的人欲の窮極的標準たる富貴や功名は、たちまち大厦(たいか)高楼に起臥するを以て、その付帯的条件たるの観あらしむるは、畢竟(ひっきょう)、国家経綸の本義に違反したる金銀為本的財政経綸の弊風的結果である。
 宏大なる邸宅は、土毛を妨害し、珍奇贅沢なる結構は、以て亡国の素因を醸成するものである。これみな天産自給の天則に違反するのみならず、国家経済の原則に矛盾するものである。
 次に国民住宅の根本義は、

  各人その家族の多寡(たか)に応じて造る事
  気候風土に適すべき事
  その職務に適すべき事

 天産自給における国民住宅の根本義は、全国民一人の徒食遊民の絶無なるをもって基礎となすべきものである。これ即ち国家的大家族制度の実現せらるべき所以(ゆえん)である。統一的国民の住宅は、天産自給の国家経済を充実円満ならしむるのが大主眼である。
第九章 日本国民の大任務
 我が皇国は世界の中心であって、大倭(おおやまと)(とよ)秋津(あきつ)()(わけ)の国と言って、天恵の宝庫は随所に存在して居るのであるが、現代の科学や文明では未だ以て完全の域に達して居ないのである。
 如何(いかん)となれば、現代の科学者には、宇宙に充実存在する所の大宝庫の無尽蔵を開発する事に着手する能力が絶無なのである。この天産を開発して、天恵無尽の利沢を人生に均霑(きんてん)平等に潤うことせしむることは、日本国民の天職的責任である。けだし天理を知らず、宇宙の組織を了知せざる西洋の科学者流や西洋偽文明に心酔誑惑せる日本学者輩の企て及ぶべからざる事である。祖宗の御遺訓には、よくこの宇宙無尽の宝庫を開拓すべき宝鍵を示し授け給うのである。
 日本国民の大責任は、皇国をして真文明の霊域たらしめ、以て祖先の遺風を顕彰する事が現代国民の大任務である。
第一〇章 皇典古事記
 そもそも国体経綸の根本義はその淵源するところ最も高遠なものであって、古事記の真義大精神を奉拝せないものは、その経綸の真相を窺知(きち)する事は出来ないのである。
 掛巻も畏き宇宙の統主・天之御中主神より世界修理経綸の大命を()けさせ給える伊邪那岐神は、御子・天照大神に天下統治の大権を授け賜い、皇孫・邇邇(にに)(ぎの)(みこと)は世界経綸の本能を保有する草那芸神剣、即ち大日本神国日向高千穂峰に鎮座し給い、世界の人文を開発して天下統治の神権を行使すべき時運の到来を待たせ給いし事、今日に至るまで実に一百八十万年である。実に世界統治の神権は、万世一系天壌(てんじょう)無窮(むきゅう)に享有し給うのである。
 故に世界平和の皇道、治国安民の経綸は祖宗の御遺訓として万世一系に伝承し給う。これ即ち皇典古事記である。皇宗・天武天皇が古事記を以て『これすなはち邦家の経緯、王化の鴻基なり』古事記序と詔り賜いし所以(ゆえん)である。
第一一章 租税制度の撤廃
 租税制度を根本より廃絶せしむべき理由を略陳すれば、謹み惶しみて神聖なる皇祖御遺訓皇典古事記に示させ給える租税制度を、我が国に布き給いし由来を尋ねれば『皇典古事記』の中巻に、御真木(みまき)(いり)日子(ひこ)印恵(いにえの)(みこと)の段(崇神天皇)

(一)ここに初めて男の弓端(ゆはず)調(みつき)弓で獲た物の貢ぎ物。獣の皮など、女の手末(たなすゑ)調(みつき)手芸で作った物の貢ぎ物。織物や糸など(たてまつ)らしめたまひき。

(二)かれその御世を称えて、初国(はつくに)()らしし初めてこの国を治めた、というような意味御真木(みまき)天皇(すめらみこと)とまをす。

 以上の御遺訓によって、明瞭なる事実を伺ふ事が出来るのである。
 ここに掲げまつる御本文を、言霊学によりて説明し奉れば、
 みまきいりひこ いにえ命と()うすは、

一、国体の精華を隠伏して、和光同塵の政策を始め給うと謂うす意義である。
一、これによりてこの御代(みよ)に、八咫(やあた)の神鏡を別殿に祭らせられたのである。

 かくの如く、神聖なる皇国経綸の精華を隠伏し賜へる事実は、祖宗より継承し給える八咫鏡を豊鉏(とよすき)(いり)日売(ひめの)命に、伊勢大神宮として別殿に(いつ)き祀らしめ給いたるによりて明瞭である。
 畏くも崇神天皇が、和光同塵の政策を施し給いたる御神慮は、実に実に高遠甚深なる御理想に由らせられたのである。そもそもこの時代には人文未だ幼稚なりしゆえに、生欲の発達のみ最も隆盛を極め、弱肉強食の蛮風を以て人生自然の常事となし、いわゆる日本書紀の、
『ついに(いう)に君有り、村に(をさ)あらしめ、各自(さかひ)を分ち以て相凌轢(りょうれき)す』村々にそれぞれ長がいて、境を設けて互いに争っている、という意味。神武天皇の段の最初の方に出てくる
 実に生存競争の激烈を極めた世態であった。
 しかるに御国体の天職として、この世界を平和ならしめんとするには、是非とも彼ら外人に相接触して以てその人文の開発を移入せしめ、その窮極せる時機において根本より変革し、神聖なる皇国経綸の精華を発揚せしめ給わんとの宏遠なる御神策によれる事は、(かしこ)くも天皇の御名の意義によりて、明らかな事実である。しかり(しこ)うしてその政策として、第一に世界の人文的大勢に応ずべき用意として、この御代から調貢(ちょうこう)の制を布かせ給うた。これぞ我が国における租税制度の初めである。
 要するに和光同塵の政策は、二千年来終始一貫の大偉業であって、万世一系の御国体なればこそ、遂行し得らるる事柄であって、しばしば革命のある短命的な世界各国君主のとうてい企及すべからざる事である。
第一二章 和光同塵の政策
 崇神天皇第十代天皇が御代を初国(はつくに)所知之(しらししの)御真木(みまきの)天皇(すめらみこと)と称へ奉った理由は、世界的経綸の端緒を初め給いし天皇と(もう)す意義である。
 (かしこ)くも歴代の天皇は、この和光同塵の政策を奉体し給いて、内治外交を経綸し給うたゆえに、垂仁(すいにん)天皇第十一代の朝には三宅連(みやけのむらじ)等の祖なる多遅麻毛理(たぢまもり)をして、常世国(とこよのくに)なる海外諸邦いわゆる世界一周を為さしめ給い、次いで景行天皇第十二代御宇(ぎょう)には、日本武尊景行天皇の皇子をして内国経綸を実行せしめ給いて専ら外国の来享を期待し給うたのである。
 仲哀天皇第十四代。日本武尊の皇子の経綸的精神は皇道維新の皇謨を垂示し給う所にして、拙著『世界の経綸』にその大要を述べてあるから就いて見られたい。
 応神天皇第十五代の御宇に百済(くだら)国より、王仁(わに)博士来朝して論語及び千字文を献上し、その他衣食の産物を調貢せしめられた。また天之(あめの)日矛(ひぼこ)は国津宝と称する河図(かと)洛書(らくしょ)古代中国の伝説的な図や書の原本を輸入して来たのである。
 しかして輸入されたる儒教的の虚礼虚偽の弊風はたちまち大雀(おおさざき)命と宇遅(うぢ)()和紀(わき)郎子(いらつこ)の謙譲的過失を生じて、ついに海人(あま)をして歎声を発せしむるに至り、租税の弊は仁徳天皇第十六代の御宇に及んで、
国中(くぬち)(けぶり)()たず。国みな貧窮(まづ)し。かれ今より三年に至るまで、(ことごと)人民(おほみたから)課役(みつぎえだち)(ゆる)せ』国内に煙が立っていないのは国民がみな貧しいからである。今から三年間、国民の租税や労役を免除せよ、という意味
との聖勅を渙発(かんぱつ)し給うの止む無きに立ち到ったのである。
 かくの如く国家窮乏の時代において、世界の人心は既に人生悲観の情を起こして、盛んに宗教的信仰を以て個人的安心立命を求めんとするものが、漸次続出したのである。故に和光同塵の吸収力は、たちまち欽明天皇第二十九代の御宇に至り仏教を輸入するに至った。
 以来、我が歴代の天皇が和光同塵の政策を承継されて、治乱興廃の波浪を凌ぎ、艱難を()め、隠忍し給うた事は、歴史の証明する所であって、真に万世一系の天職を遂行し給う過渡期とは(もう)しながら、実に実に恐懼(きょうく)至極の次第である。
第一三章 皇道維新の要点
 昭和の今日にては、古往今来の国家経綸的足跡を追究して利害得失を論議すべき時代ではない。既にすでに明治維新の皇猷(こうゆう)の目的も達したのである。
 この故に明治天皇は戊申詔書に遺訓し給いて、
そもそも我が神聖なる祖宗の遺訓と我が光輝ある国史の成跡(せいせき)とは(へい)として日星(じっせい)の如し
(まこと)()恪守(かくしゅ)淬励(さいれい)の誠を(いた)さば国運発展の(もと)近く(ここ)に在り
朕は方今(ほうこん)の世局に処し我が忠良なる臣民の協翼に倚藉(いしゃ)して維新の皇猷(こうゆう)恢弘(かいこう)し祖宗の威徳を対揚せんことを庶幾(こいねが)
(なんじ)臣民()()く朕が旨を(たい)せよ
と、国運発展の基本を垂示し給うたる事によって、皇輝発揚の(もと)が皇祖皇宗の御遺訓に存し給う事は明瞭なる事実である。
 皇道維新の要点は皇道経済の実施であり、租税制度の廃絶である。
 元来租税制度なるものは御国体の経綸的本義で無い事は、御遺訓の明白に的確に証明し給うところである。租税徴収は実に蛮制の遺風であって、また金銀為本を以て富国の要目と為し、生存競争を似て最終の目的と為す大個人主義制度である。
 しかるに皇国の経綸制度なるものは、実に世界万民の幸福を目的とし給える国家和楽の国家家族制度である。
 故に昭和の御代は、古今の汚らわしき租税徴収の悪制を根本より廃絶する事が神聖なる大日本天皇の御天職に坐します所の、済世安民の経綸を始めさせ給い、皇道経済を施行し給う第一歩たるべきものである。
第一四章 天下統治の御神文
 古事記に曰ふ、大国主命の国譲り
 その大国(おほくに)(ぬしの)(かみ)(世界各国の君主)に問ふ。
(なれ)の子ら、事代主(ことしろぬし)神(国の天賦を発揚する事)、(たけ)御名(みな)(かた)神(人の天性発揮)二神は、天神の御子の命のまにまに(たが)はじと(まう)しぬ。(なれ)の心いかにぞ」
 ここに答え白す。
(あが)子ら、二神の白せる(まにま)(あれ)(たが)はじ、この葦原(あしはら)中国(なかつくに)は命のまにまに既に(たてまつ)るなり。ただ(あれ)住所(すみか)をば、天神(あまつかみの)御子(みこ)の天津日嗣(ひつぎ)知ろしめす登陀流(とだる)天之(あまの)御巣(みす)の如くして、底津石根(いわね)に宮柱布斗(ふと)斯理(しり)高天原(たかあまはら)氷木(ひぎ)多迦(たか)斯理而(しりて)治め賜はば、()(もも)(たら)八十(やそ)隈手(くまで)に隠れて(はべら)ふ。また僕子(あこ)(もも)八十(やそ)(かみ)は、即ち八重事代主神、神の御尾前(みをさき)となりて仕へ(たてまつ)らば、違ふ神は非ざるなり」
この如く白してすなはち隠りましき。
補遺/天照大神から遣わされた建御雷が、大国主命に次のように質問する。「汝の子の事代主と建御名方の二人は、天神の御子(天照大神)の命に従うと申したが、汝の心はどうか?」 それに対して大国主は「私の心も私の子と同じである。この国は献上しよう。ただし私の住み家として、天皇が即位するときに登る壮大な宮殿のように、空高く柱を太く立てて建物を造ってくれたなら、私はそこにずっと引っ込んでいよう。また私の子供たちは、事代主を指導者として立てたなら、背く子はいないはずだ」 これにより出雲大社が創建された。
 大国主神、即ち世界的各国の君主が国家経綸の根本基礎を確立し、国家生存の本義を宣揚して、治国安民の経綸を定むる根本憲章を、天下統治の天職を具備し給う大日本天津日嗣天皇より奉戴して、永遠の平和を保全する事を教え覚し給える御神文(しんもん)である。
第一五章 天の声
 神訓に曰く、
『今までの世は何もかも全然(さっぱり)暗黒(くらがり)の世、さかさまの世、大の字さかさまのむちゃくちゃの世でありたぞよ。神が表に現れて、世を立替えて元の昔にかえすぞよ。この極悪の世のやりかた、つよいものがちの世の政事を根本(こんぽん)から立直す世が参りたぞよ。(だい)の字を(ほん)さまへかえして世界の人民を安心させるぞよ』
云々と、本末、主客顛倒せる日本国、対世界各国の関係的現象を描写して余蘊(ようん)なしである。
 そもそも天下統治の天職を帯び給える万世一系の天皇を奉戴せる日本臣民は、即ち世界経綸統治の分担的責任を先天的に享有して居るのである。故に畏くも明治天皇は戊申(ぼしん)の年に当たって御詔書(しょうしょ)を降下在らせられた。
 畏くも明治天皇は、明治維新の皇猷(こうゆう)を大成し給い、(まさ)(きた)るべき皇輝発揚の時機を洞察あらせられて、神聖なる国運発展の基本は唯一無二なる祖宗の御遺訓に基因する事を臣民に警告し賜えるが、即ち戊申の詔書の御精神なる事は実に明白にして、一点疑義の存すべき余地は無いのである。
 鳴呼(ああ)違勘(いかん)的経綸を遂行せんとする現代の臣民は、神聖なる祖宗の御遺訓を奉体するものなき故に、皇道維新の根本国これを確立する事が出来ない。依然として西洋諸国の(あやま)れる経綸を模倣するに汲々たる愚昧者のみである。
 現代の臣民は、祖宗の御稜威を宣揚し得ず、祖先の遺風を顕彰せず、口を開けば忠君愛国、敬神尊王、博愛慈善、教育勅語の御精神がどうだと殊勝らしく吹き立て、ただただ自己保護の道具に使いながら面従腹背、思惑腐敗の極に達して居るもののみで、実に国家は危機一髪に迫って来たのである。
 アア忠良なる臣民の猛然自省し、以て皇典古事記を研究し、御国体の本義を自覚し、以て国運発展の基本を確立すべき時機なる事を感得されたきことを至嘱するのである。
第一六章 国運発展の本
 国運発展の本は、国家家族制度に基因する。これを固持する時は必ず栄え、これに違反する時は必ず亡ぶのである。
 皇典垂示の国家家族制度の経綸は、実に国運発展の基本にして、世界万国これを仰ぎてまた(とも)に真文明の恵沢に浴し、世界生民の福利を弘通(ぐづう)するに至るのである。
 現代我が国の経綸は、全然欧米模倣の制度である。現在の世界的大戦争は、彼ら半獣人種に経済的根本革命の斧鉞(ふえつ)を加え給える我が皇祖御稜威の顕現である。
 国家家族制度の実施に先だちて、吾人は非常の犠牲的覚悟をなさねばならない。その動産と不動産とを問わず、在来の所有権をすべて拝借権と改むること、あたかも明治の初年に諸大名の競うて藩籍領地を奉還せし時と同様の覚悟をなさなければならない。
 元来総ての財産は(かみ)()一人(いちにん)天皇のことの御物である事は、これ祖宗の御遺訓に炳として垂示し給うところである。
 古往今来、世は治乱興廃を反覆して極まりなき所以(ゆえん)は、人文蒙昧(もうまい)にして、弱肉強食を以て人生の本能と誤信し、ついに経済的専有割拠の蛮制度を定め、以て国家の経綸は租税制度を以て唯一の政治的基礎と信じたるが故である。また現代に行われつつある政治、教育、宗教などは、古来天地造化の本源不明にして、人生の根本義に暗かったために、国家社会の平和を保全するの能力を欠いて居るのである。
 神聖なる皇祖の御遺訓は、天下統治の大憲法を皇孫に垂示あらせられ、世界大家族制度を実現して、永遠無窮の平和を確保すべき天職を、大日本皇国の双肩に(にな)わしめられたのである。
 この皇国本来の天職を実現すべき要素は、世界各国の天賦的国家経綸を、国家家族制度の経済組織たらしめたる結果において、初めて成就的階梯に達し得るのである。
 (しか)れば我が皇国臣民たるもの、この空前絶後の好機なる昭和維新に際して、皇祖の聖訓を奉体し恪守(かくしゅ)して、祖先の遺風を顕彰すべく犠牲的精神を発揮して挙国一致、大化新政の制度に則り世界の絶対的主師親の三大天権を享有し給う万世一系の天皇の皇土たらしめ、以て皇道経済の実施を敢行し、神聖なる祖宗の御遺訓を実践躬行し、先帝の遺詔(いしょう)に奉答すべき献身的覚悟を持たねばならぬのである。
 そもそも人生の根本義は、生活せんが為のみに生まれ(きた)りしものではない。人は天地経綸の司宰者として神の使命を()けて生れ出でたもので、国土を経営せんが為に人類に限って経綸所用の二本の手と、独立歩行し得る二本の足と、加うるに国土経綸に必要なる天賦的共通の言語とを具有せしめ、以て意志疏通の天恵恩頼(おんらい)を賦与されているのである。これ御神慮にほかならないのである。
第一七章 経済的家族制度
 皇祖御遺訓による経済的家族制度の大要を左に掲載して、いささか参考に供したいと思う。

国家経綸の大本

(一)大国主(おおくにぬし)神の本義は、
世界各国の主宰者は、天下統治の天権と主師親の三徳を享有し給う日本国天皇に、克く忠を尽し、また各自の祖先に対して克く孝を尽すべき事である。

(二)大穴牟遅(おおなむぢ)神(業)の本義は、
世界生民(せいみん)は、子孫その業を司り、各自の天職を発揮する事である。

(三)葦原(あしはら)色許(しこ)()神(教育)の本義は、
国家経綸的天賦の天恵を開発すべき教育を施す事である。

(四)八千矛(やちほこ)神(国家経済)の本義は、
全国民は国家の経済的経綸を分掌して国土の修理経営を分担すべき事である。

(五)宇都志(うつし)国玉(くにたま)神(宗教)の本義は
精神教育は、人生の本義により、生死往来する天地経綸の大道を明らかならしむる事である。

 以上の五柱の神名は、世界的国家経綸の憲章である、神律(しんりつ)である。
第一八章 神聖なる皇訓
 とこしへに(たみ)安かれと祈るなる(わが)世を守れ伊勢の大神

 明治天皇の御製(ぎょせい)御製とは天皇が詠んだ和歌のことは、畏くも万世一系の大御心(おおみこころ)である。この故に治国安民の大業は、神聖なる皇訓に依因(えいん)しなければ断じて不可能である。彼の世界的大戦乱に由来する所に徴し、はたまた国民大多数の生活的困苦の状態を目撃する時は、一日(ひとひ)片時も猶予する事を許さないのは経済制度の根本革新であって、この革新こそは御国体の精華を発揮し(たてまつ)る第一機関となるのである。
 日本の国民中には、(かしこ)くも皇祖御遺訓の存在を信じない(やから)があって、吾人が絶叫する御国体の根本義を無視するのみならず、かえって半狂人と罵り、自惚心(うぬぼれしん)の強き奴と(けな)し、中には誇大妄想狂と断じ、あるいは迷信者と冷評するの(やから)さえあるのである。
 こういう連中は、いわゆる上流社会及び学者階級に最も多い。(こと)に皇室の藩屏たる爵位を有する輩にこの徒のあるは、実に憤慨に堪えないところである。彼らは族籍と肉体とは日本人であるが、その精神なるものは外国魂性から出て居るのはもちろんである。
 要するに種々原因はあれども、金銀為本的生存競争に成功したものか、または東西学術の捕虜となった俗輩(ぞくはい)で、神州の神民たるべき天性を根本より累惑忘失せるによるものである。
 累惑宗の某教育家「大正維新に就て」では某教育家が「福沢諭吉」になっているは曰く『帝室は政治以外の物なり、帝室は学芸等の奨励を以て任ずべし、曰く名誉の代表なり』と。彼は政争の累を皇室に及ぼさん事を(おもんぱか)りて説を為したる事はもちろんであるが、また一面より観る時はそ、の神聖なる祖宗の御遺訓と、御国体の根本義を解し得ないのに原因しているのであらう。
 皇運発展的時代の推移は、戊申詔書に明確にその遵守淬励(さいれい)気をひきしめて励むことの誠を(いた)すべき事を強調し給う。しかるに何ぞや、現日本臣民中、殊に世俗より敬意を表せらるべき(やから)にして、神聖なる祖宗の御遺訓を無視し、御国体の根本義を無視して、違勘(いかん)的暴言を流布する者あるに至っては、実に獅子身中(しんちゅう)の虫よりもなお憎むべき鼠輩(そはい)である。
第一九章 千載一遇の時機
 現代人生生活の状態を目撃する時は、実に神聖なる祖宗の御遺訓に悖戻(はいれい)して居る事、最も明らかな事実である。
 安逸飽食して巨万の財を収め、かつ、これを増殖して、ますます蛮的欲望を逞うする。一方には僅々(きんきん)少額の資財を得んとして得られず、艱苦(かんなん)辛労(しんろう)その生を終わるに至るものもあり。他方には日夜孜々(しし)として勤労し、なお妻子を養うに困難せるものもある。貧富の懸隔激甚なる事かくの如く、その(さま)の惨然たる斯の如きは何故ぞ。全くこれ人生悖理(はいり)上より湧起せる国家経済矛盾の因果的現象と言わねばならぬ。
 しかるに古今東西の学者や為政者輩は、これを以て人生不可離の必然的結果なるが如く信じたるは、即ち人文未開の証拠である。
 天運循環、ここに神威顕現せられて、神聖なる皇祖の御遺訓を顕彰し給い、済世安民の鴻業(こうげふ)は大日本皇国によって大成せしめ給う千載一遇の時機と成ったのである。現代世界の惨状を根本から消滅せしめ、松の世、神国(しんこく)の世松の世、神国の世とは、みろくの世の別名に復古せしむる天地神明の大経綸を、経済的国家家族制度と為すは、畏くも皇祖の御遺訓と、神訓に垂示し給える人本主義的社会経済の根本要義と為すのである。
第二〇章 世界大家族制度の根本義
 次に世界大家族制度の根本義について述べる。
 日本天皇は先天的に世界の大元首に坐しまして世界の国土及び財産の所有権を有したまい、国土財産の行使権及び人類の統治権を絶対に享有し給うが故に、大日本国に天壌無窮の皇統を垂れたまい、神聖なる皇祖()遺詔(いしょう)宏謨(こうぼ)(したが)い、皇国において統治の洪範を経綸し、治国安民の政体を世界に宣揚し、以て(はん)を天下に垂れ、世界を総攬統治し給う御事(おんこと)の由来は、皇典古事記に垂示し給える天理の大憲章である。
 しかれば今後の経済的社会の制度は、

 皇道経済を実行する事
 国民の一般的男女の職業を制定する事
 産業は国家経綸の目的によって国民共同的に従事する事
 貿易は国家事業として国際的に行わるべぎ事
 国民の生活に関する一切の物資は、経済者(商人)によりて円満に供給せらるる事
 全国の交通機関は、必要に応じ全国民無料にて使用あるいは乗用に供せらるべき事。

 以上は神聖なる皇祖御遺訓の大精神による国民的経済に関する国家経綸の大要である。
 現代の議員制度においても、根本的改良を必要とし、第一神政後の議会は面目を一新して神聖なる神廷会議となすのである。しかして貨幣制度、租税制度を根本廃絶すべき事は、前既に述べた通りである。
 古今の弊政を根本変革して、神聖なる祖宗の御遺訓を奉体し、以て国民発展の基本を確立し皇運を扶翼し(まつ)るのが最大要件である。しかして時機は既に既に到来して居るが故に、案外に易々たるべき業たる事を確信する。
 かく論ずる時は、社会の智者学者輩またはその筋の人々より色眼鏡を掛けて見らるる時は、社会主義者、共産主義者と誤解さるる事もあろうと思うが、日本肇国(ちょうこく)国をはじめることの精神である以上は、如何(いかん)ともする事は出来ない。誰が何と言っても皇運発展の為に現代世界的国家の経綸を根本変革して、祖先の遺風を顕彰すべき現代日本臣民が焦眉の急務なのである。
 明治二年正月二十三日、毛利、島津、鍋島、山内の諸侯が上表して、土地人民を奉還せん事を乞ひ(たてまつ)った時の奏上文薩長土肥の四藩主が連名で明治新政府に提出した版籍奉還の建白書のことを見れば、実に皇道維新の見当が付いて来るのである。
(しん)某等(それがしら)頓首(とんしゅ)百拝。謹みて案ずるに、朝廷一日も失うべからざる者は大体(だいたい)なり。天祖(はじめ)て国を開き(もと)を建て玉ひしより、皇統一系、万世無窮(むきゅう)普天(ふてん)率土(そつど)その(ゆう)にあらざるはなく、その臣に非ざるは無し。これ大体とす。かつ与え、かつ奪い、爵禄以て(これ)を維持し、尺土も()に有すること(あた)わず、一民も(わたくし)(やぶら)むこと能わず。これ大権(だいけん)とす。在昔(ざいせき)朝廷海内(かいだい)を統御する一にこれにより。聖躬(せいきゅう)これを()らす。故に名実(めいじつ)並び立て、天下無事なり。(以下略)
 時代の推移は、いよいよここに皇道維新、皇道経済神政復古の機運を醸成し、大国主神なる世界的国土経営のやむを得ざる時運に達したのである。
(完)
   
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