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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第10巻(酉の巻)
序歌
凡例
総説歌
信天翁(一)
第1篇 千軍万馬
第1章 常世城門
第2章 天地暗澹
第3章 赤玉出現
第4章 鬼鼻団子
第5章 狐々怪々
第6章 額の裏
第7章 思はぬ光栄
第8章 善悪不可解
第9章 尻藍
第10章 注目国
第11章 狐火
第12章 山上瞰下
第13章 蟹の将軍
第14章 松風の音
第15章 言霊別
第16章 固門開
第17章 乱れ髪
第18章 常世馬場
第19章 替玉
第20章 還軍
第21章 桃の実
第22章 混々怪々
第23章 神の慈愛
第24章 言向和
第25章 木花開
第26章 貴の御児
第2篇 禊身の段
第27章 言霊解一
第28章 言霊解二
第29章 言霊解三
第30章 言霊解四
第31章 言霊解五
第3篇 邪神征服
第32章 土竜
第33章 鰤公
第34章 唐櫃
第35章 アルタイ窟
第36章 意想外
第37章 祝宴
附録 第三回高熊山参拝紀行歌(三)
余白歌
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第10巻(酉の巻)
> 第1篇 千軍万馬 > 第3章 赤玉出現
<<< 天地暗澹
(B)
(N)
鬼鼻団子 >>>
第三章
赤玉
(
あかだま
)
出現
(
しゆつげん
)
〔四三三〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第10巻 霊主体従 酉の巻
篇:
第1篇 千軍万馬
よみ(新仮名遣い):
せんぐんばんば
章:
第3章 赤玉出現
よみ(新仮名遣い):
あかだましゅつげん
通し章番号:
433
口述日:
1922(大正11)年02月19日(旧01月23日)
口述場所:
筆録者:
外山豊二
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年8月20日
概要:
舞台:
常世城
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
常世城の奥殿では、照山彦、竹山彦が間の国で三宣伝使捕縛の様子を、常世神王と鷹取別に報告していた。常世神王、鷹取別はご機嫌斜めならず、二人に慰労の言葉をかけた。
照山彦は感謝を述べ立てた。竹山彦は三五教の宣伝使は必ず見つけて御前に引き出して見せよう、と意気を露にしたが、広国別が常世神王の影武者になっていることを非難し、照山彦が得意そうに功名を誇っている様を笑い飛ばした。
照山彦は立ち上がり、固虎にすぐに三宣伝使を引き出してつれてくるようにと催促した。すぐに連れて参ります、という固虎の声がしたかと思うと、たちまちあたりは暗黒となり、暴風が吹きすさんだ。
突然、暗黒の中に毬のような一個の玉が現れた。玉は光は発さないが、赤、白、黄色、紫と色を変じながら、照山彦の頭に向かってポンと突き当たった。
照山彦はアイタタ、と叫んでうつぶせに倒れた。玉は照山彦の頭をつきながら跳ねている。玉を打とうとした鷹取別は、仰向けに倒れてしまった。
今度は玉は鷹取別の頭をついて跳ねはじめた。すると鷹取別の体は硬直してしまった。次に玉は常世神王の額に向かって衝突し、高座から打ち倒した。
竹山彦は玉に向かって、悪神退散の言霊を発した。すると玉は姿を消し、猛り狂った風も止んだ。竹山彦は銀燭に火を灯した。玄関には、松・竹・梅の三宣伝使を伴い来た固虎が、腰を抜かしていた。
竹山彦は、松・竹・梅の三姉妹に、常世神王、鷹取別、照山彦の介抱を命じた。たちまち辺りは馥郁たる香りに包まれ、喨々たる音楽が聞こえてきた。
常世神王、鷹取別、照山彦は三姉妹に介抱されて痛さも忘れ、悦に入っている。これ以降、三姉妹と竹山彦は常世神王に重用され、重要な決定には必ず参画するほどになった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-07-15 17:31:02
OBC :
rm1003
愛善世界社版:
25頁
八幡書店版:
第2輯 399頁
修補版:
校定版:
28頁
普及版:
11頁
初版:
ページ備考:
001
花毛氈
(
はなまうせん
)
を
敷
(
し
)
き
詰
(
つ
)
めたる
常世城
(
とこよじやう
)
の
大奥
(
おほおく
)
には、
002
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
中央
(
ちうあう
)
の
高座
(
かうざ
)
に
現
(
あら
)
はれ、
003
鷹取別
(
たかとりわけ
)
、
004
玉山彦
(
たまやまひこ
)
を
左右
(
さいう
)
に
侍
(
はべ
)
らせ、
005
鶴翼
(
かくよく
)
の
陣
(
ぢん
)
を
張
(
は
)
りしが
如
(
ごと
)
く
傲然
(
がうぜん
)
として
構
(
かま
)
へ
居
(
ゐ
)
る。
006
照山彦
(
てるやまひこ
)
、
007
竹山彦
(
たけやまひこ
)
はズツと
退
(
さが
)
つて
下座
(
げざ
)
に
控
(
ひか
)
へ、
008
間
(
はざま
)
の
国
(
くに
)
に
使
(
つか
)
ひせし
一伍
(
いちぶ
)
一什
(
しじふ
)
の
顛末
(
てんまつ
)
を
喋々
(
てふてふ
)
として
陳
(
の
)
べ
立
(
た
)
つれば、
009
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
は
機嫌
(
きげん
)
斜
(
ななめ
)
ならず、
010
常世神王(広国別)
『
天晴
(
あつぱ
)
れ
天晴
(
あつぱ
)
れ
汝
(
なんぢ
)
らが
功名
(
こうみやう
)
、
011
流石
(
さすが
)
の
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
も、
012
汝
(
なんぢ
)
等
(
ら
)
が
縦横
(
じうわう
)
無尽
(
むじん
)
の
機略
(
きりやく
)
には
舌
(
した
)
を
捲
(
ま
)
くであらう。
013
今後
(
こんご
)
はますます
力
(
ちから
)
を
尽
(
つく
)
し、
014
抜群
(
ばつぐん
)
の
功名
(
こうみやう
)
手柄
(
てがら
)
を
顕
(
あら
)
はせよ』
015
照山彦
『ヤア、
016
思
(
おも
)
ひがけなき
御
(
お
)
褒
(
ほめ
)
の
御
(
お
)
言葉
(
ことば
)
、
017
照山彦
(
てるやまひこ
)
の
身
(
み
)
として、
018
分
(
ぶん
)
に
過
(
す
)
ぎたる
勿体
(
もつたい
)
なさ。
019
今後
(
こんご
)
はますます
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
の
御
(
おん
)
為
(
ため
)
に、
020
粉骨
(
ふんこつ
)
砕身
(
さいしん
)
、
021
犬馬
(
けんば
)
の
労
(
らう
)
を
吝
(
をし
)
まざるの
覚悟
(
かくご
)
で
御座
(
ござ
)
ります』
022
鷹取別
(
たかとりわけ
)
『わが
推量
(
すゐりやう
)
に
違
(
たが
)
はず、
023
今日
(
こんにち
)
の
使命
(
しめい
)
を
首尾
(
しゆび
)
よく
果
(
はた
)
せし
両人
(
りやうにん
)
、
024
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
におかせられても
嘸
(
さぞ
)
御
(
ご
)
満足
(
まんぞく
)
ならむ。
025
鷹取別
(
たかとりわけ
)
も
感
(
かん
)
じ
入
(
い
)
りたり』
026
竹山彦
『これはしたり、
027
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
とやら、
028
広国別
(
ひろくにわけ
)
の
大国彦
(
おほくにひこ
)
、
029
大国彦
(
おほくにひこ
)
の
広国別
(
ひろくにわけ
)
、
030
何
(
なに
)
が
何
(
なん
)
だか
自由
(
じいう
)
自在
(
じざい
)
に
千変
(
せんぺん
)
万化
(
ばんくわ
)
の
大自在天
(
だいじざいてん
)
だと、
031
途上
(
とじやう
)
にての
噂
(
うはさ
)
、
032
聞
(
き
)
いたる
時
(
とき
)
の
竹山彦
(
たけやまひこ
)
の
心
(
こころ
)
の
裡
(
うち
)
の
腹立
(
はらだた
)
しさ。
033
竹山彦
(
たけやまひこ
)
の
竹
(
たけ
)
を
割
(
わ
)
つたる
清
(
きよ
)
い
正
(
ただ
)
しい
心
(
こころ
)
は
何
(
なん
)
とやら、
034
常世
(
とこよ
)
の
暗
(
やみ
)
の
雲
(
くも
)
につつまれた
心地
(
ここち
)
ぞ
致
(
いた
)
したり。
035
如何
(
いか
)
に
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
、
036
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
に
来
(
きた
)
るとも、
037
竹山彦
(
たけやまひこ
)
のあらむ
限
(
かぎ
)
りは、
038
わが
天眼通
(
てんがんつう
)
力
(
りき
)
にて
所在
(
ありか
)
を
探
(
たづ
)
ね、
039
一々
(
いちいち
)
御前
(
ごぜん
)
に
引摺
(
ひきず
)
り
出
(
いだ
)
し
御
(
おん
)
目
(
め
)
に
懸
(
か
)
けむ。
040
頭
(
あたま
)
も
光
(
ひか
)
る
照山彦
(
てるやまひこ
)
の
人
(
ひと
)
も
無
(
な
)
げなる
功名顔
(
こうみやうがほ
)
、
041
余
(
あま
)
りの
可笑
(
をか
)
しさ
臍茶
(
へそちや
)
の
至
(
いた
)
り、
042
ワハヽヽヽヽ』
043
と
四辺
(
あたり
)
に
轟
(
とどろ
)
く
竹山彦
(
たけやまひこ
)
の
笑
(
わら
)
ひ
声
(
ごゑ
)
。
044
日
(
ひ
)
は
早
(
はや
)
西
(
にし
)
に
傾
(
かたむ
)
きて、
045
黄昏
(
たそがれ
)
告
(
つ
)
ぐる
村鴉
(
むらがらす
)
、
046
カハイカハイと
鳴
(
な
)
きながら、
047
塒
(
ねぐら
)
を
指
(
さ
)
して
帰
(
かへ
)
り
行
(
ゆ
)
く。
048
無常
(
むじやう
)
を
告
(
つ
)
ぐる
鐘
(
かね
)
の
音
(
ね
)
は、
049
コーンコーンコーン、
050
コンコンコンと
響
(
ひび
)
くなり。
051
間毎
(
まごと
)
を
照
(
て
)
らす
銀燭
(
ぎんしよく
)
の、
052
眩
(
まばゆ
)
きばかり
頭
(
あたま
)
の
光
(
ひか
)
り
照山彦
(
てるやまひこ
)
は、
053
むつく
と
立
(
た
)
ち
上
(
あが
)
り、
054
照山彦
『ヤアヤア、
055
固虎
(
かたとら
)
々々
(
かたとら
)
、
056
何
(
なに
)
を
愚図
(
ぐづ
)
々々
(
ぐづ
)
いたして
居
(
を
)
るか。
057
早
(
はや
)
く
三
(
さん
)
人
(
にん
)
をこの
場
(
ば
)
へ
誘
(
いざな
)
ひ
来
(
きた
)
れ』
058
と
呼
(
よば
)
はれば、
059
声
(
こゑ
)
の
下
(
した
)
より
固虎
(
かたとら
)
は、
060
固虎
『
只今
(
ただいま
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
、
061
それへ
召伴
(
めしつ
)
れ
参
(
まゐ
)
ります。
062
暫
(
しば
)
らく
待
(
ま
)
たせられよ』
063
と
言
(
い
)
ふ
折
(
をり
)
しも、
064
忽
(
たちま
)
ち
四面
(
しめん
)
暗黒
(
あんこく
)
となり、
065
暴風
(
ばうふう
)
吹
(
ふ
)
き
荒
(
すさ
)
び、
066
奥殿
(
おくでん
)
の
柱
(
はしら
)
は
前後
(
ぜんご
)
左右
(
さいう
)
に
揺
(
ゆる
)
ぎ
出
(
だ
)
し、
067
百雷
(
ひやくらい
)
の
一
(
いち
)
時
(
じ
)
に
轟
(
とどろ
)
く
如
(
ごと
)
き
地響
(
ぢひびき
)
、
068
続々
(
ぞくぞく
)
として
鳴動
(
めいどう
)
し、
069
燦然
(
さんぜん
)
たる
銀燭
(
ぎんしよく
)
の
光
(
ひかり
)
は
忽然
(
こつぜん
)
として
消
(
き
)
え
失
(
う
)
せ、
070
黒白
(
あやめ
)
も
分
(
わ
)
かぬ
真黒
(
しんこく
)
の
闇
(
やみ
)
の
岩戸
(
いはと
)
は
下
(
おろ
)
されたり。
071
鷹取別
(
たかとりわけ
)
は
暗中
(
あんちう
)
より
大音声
(
だいおんじやう
)
、
072
鷹取別
『ヤアヤア
者
(
もの
)
ども、
073
咫尺
(
しせき
)
も
弁
(
べん
)
じ
難
(
がた
)
きこの
暗黒
(
あんこく
)
、
074
片時
(
へんじ
)
も
早
(
はや
)
く
燈火
(
とうくわ
)
を
点
(
てん
)
ぜよ』
075
と
呼
(
よば
)
はる
声
(
こゑ
)
は、
076
百雷
(
ひやくらい
)
の
一
(
いち
)
時
(
じ
)
に
轟
(
とどろ
)
く
如
(
ごと
)
くなる
大音響
(
だいおんきやう
)
に
包
(
つつ
)
まれて、
077
聞
(
きこ
)
えざるこそもどかしき。
078
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
は
心
(
こころ
)
も
心
(
こころ
)
ならず、
079
暗中
(
あんちう
)
に
端坐
(
たんざ
)
し、
080
如何
(
いかが
)
成
(
な
)
り
行
(
ゆ
)
くならむと、
081
黙然
(
もくねん
)
として
胸
(
むね
)
躍
(
をど
)
らせ
控
(
ひか
)
へ
居
(
ゐ
)
る。
082
暗中
(
あんちう
)
を
縫
(
ぬ
)
うて
毬
(
まり
)
の
如
(
ごと
)
き
一箇
(
いつこ
)
の
玉
(
たま
)
、
083
座敷
(
ざしき
)
の
中央
(
ちうあう
)
に
忽然
(
こつぜん
)
として
現
(
あら
)
はれ、
084
見
(
み
)
るみる
座敷
(
ざしき
)
の
中央
(
ちうあう
)
を
右
(
みぎ
)
に
左
(
ひだり
)
に、
085
前
(
まへ
)
に
後
(
うしろ
)
に
浮遊
(
ふいう
)
し
始
(
はじ
)
めたり。
086
されど
色
(
いろ
)
赤
(
あか
)
きのみにて
少
(
すこ
)
しも
光輝
(
くわうき
)
を
放射
(
はうしや
)
せず、
087
玉
(
たま
)
は
赤
(
あか
)
、
088
白
(
しろ
)
、
089
黄
(
き
)
、
090
紫
(
むらさき
)
、
091
いろいろと
色
(
いろ
)
を
変
(
へん
)
じ、
092
照山彦
(
てるやまひこ
)
の
禿頭
(
はげあたま
)
に
向
(
むか
)
つて、
093
ポンと
突
(
つ
)
き
当
(
あた
)
れば、
094
照山彦
『アイタヽヽ』
095
と
照山彦
(
てるやまひこ
)
は
俯伏
(
うつぶ
)
せになる。
096
玉
(
たま
)
は
子供
(
こども
)
の
毬
(
まり
)
をつくやうに
照山彦
(
てるやまひこ
)
の
頭
(
あたま
)
を
基点
(
きてん
)
として、
097
ポンポンポンポンとつき
出
(
いだ
)
すにぞ、
098
鷹取別
(
たかとりわけ
)
はその
玉
(
たま
)
を
打
(
う
)
たむとして
座席
(
ざせき
)
より
踏
(
ふ
)
み
外
(
はづ
)
し、
099
スツテンドウと
仰向
(
あふむ
)
けに
倒
(
たふ
)
れたれば、
100
玉
(
たま
)
は
所
(
ところ
)
を
替
(
か
)
へて、
101
鷹取別
(
たかとりわけ
)
の
仰向
(
あふむ
)
けに
倒
(
たふ
)
れた
頭
(
あたま
)
の
上
(
うへ
)
を、
102
又
(
また
)
もやポンポンポンポンと
毬
(
まり
)
つき
始
(
はじ
)
めぬ。
103
不思議
(
ふしぎ
)
や、
104
鷹取別
(
たかとりわけ
)
の
身体
(
からだ
)
は
強直
(
きやうちよく
)
してビクとも
動
(
うご
)
き
得
(
え
)
ず、
105
玉
(
たま
)
は
又
(
また
)
もや
位置
(
ゐち
)
を
替
(
か
)
へ、
106
鼻
(
はな
)
の
上
(
うへ
)
に
来
(
きた
)
りて
又
(
また
)
もや
毬
(
まり
)
をつく。
107
鷹取別
(
たかとりわけ
)
は、
108
鷹取別
『アイタヽ、
109
アイタヽヽ、
110
鼻
(
はな
)
が
破
(
めげ
)
る。
111
堪
(
た
)
まらぬ
堪
(
た
)
まらぬ』
112
と
泣声
(
なきごゑ
)
をしぼる。
113
玉
(
たま
)
は
又
(
また
)
もや
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
の
額
(
ひたひ
)
に
向
(
むか
)
つて、
114
唸
(
うな
)
りを
立
(
た
)
てて
衝突
(
しようとつ
)
したるその
勢
(
はづみ
)
に、
115
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
は
高座
(
かうざ
)
より
仰向
(
あふむ
)
けに
後方
(
こうはう
)
の
席
(
せき
)
に
筋斗
(
もんどり
)
打
(
う
)
つて
顛倒
(
てんたふ
)
し、
116
息
(
いき
)
も
絶
(
た
)
え
絶
(
だ
)
えに
呻
(
うめ
)
き
苦
(
くる
)
しむ
折
(
をり
)
もあれ、
117
竹山彦
(
たけやまひこ
)
は
暗中
(
あんちう
)
より
大音声
(
だいおんじやう
)
、
118
竹山彦
『ヤア、
119
奇怪
(
きくわい
)
千万
(
せんばん
)
なる
此
(
こ
)
の
場
(
ば
)
の
光景
(
くわうけい
)
、
120
火
(
ひ
)
の
玉
(
たま
)
となつて
風雨
(
ふうう
)
を
起
(
おこ
)
し、
121
唸
(
うな
)
り
声
(
ごゑ
)
を
響
(
ひび
)
かせ、
122
又
(
また
)
もや
常世城
(
とこよじやう
)
を
攪乱
(
かくらん
)
せむとする
心
(
こころ
)
憎
(
にく
)
き
八十
(
やそ
)
曲津
(
まがつ
)
神
(
かみ
)
、
123
わが
言霊
(
ことたま
)
の
威力
(
ゐりよく
)
にくたばれよ』
124
と
言葉
(
ことば
)
の
下
(
もと
)
に、
125
火
(
ひ
)
の
玉
(
たま
)
は
姿
(
すがた
)
を
掻
(
か
)
き
消
(
け
)
し、
126
今
(
いま
)
まで
猛
(
たけ
)
り
狂
(
くる
)
ひし
風
(
かぜ
)
の
響
(
ひびき
)
はピタリと
止
(
や
)
みて、
127
空
(
そら
)
には
一面
(
いちめん
)
の
星
(
ほし
)
光
(
ひか
)
り
輝
(
かがや
)
き
渡
(
わた
)
る。
128
竹山彦
(
たけやまひこ
)
は
火打
(
ひうち
)
を
取
(
と
)
り
出
(
だ
)
し、
129
カチカチ
火
(
ひ
)
を
打
(
う
)
ち
銀燭
(
ぎんしよく
)
を
点
(
てん
)
じたれば、
130
四辺
(
あたり
)
は
昼
(
ひる
)
のごとく
輝
(
かがや
)
き
渡
(
わた
)
りぬ。
131
この
時
(
とき
)
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
を
伴
(
ともな
)
ひ
来
(
きた
)
りし
固虎
(
かたとら
)
は、
132
腰
(
こし
)
を
抜
(
ぬ
)
かして
玄関
(
げんくわん
)
に
蹲踞
(
しやが
)
み
居
(
ゐ
)
たりき。
133
竹山彦
『ヤア、
134
思
(
おも
)
はざる
悪神
(
あくがみ
)
の
襲来
(
しふらい
)
、
135
これはしたり
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
様
(
さま
)
、
136
お
怪我
(
けが
)
は
御座
(
ござ
)
いませぬか。
137
竹山彦
(
たけやまひこ
)
、
138
御案
(
ごあん
)
じ
申
(
まを
)
す。
139
イヤなに
松代姫
(
まつよひめ
)
殿
(
どの
)
、
140
神王
(
しんわう
)
の
御
(
ご
)
介抱
(
かいはう
)
遊
(
あそ
)
ばされよ。
141
これはしたり
鷹取別
(
たかとりわけ
)
殿
(
どの
)
、
142
貴下
(
きか
)
も
常
(
つね
)
ならぬ
御
(
お
)
顔色
(
かほいろ
)
、
143
曲
(
まが
)
の
火玉
(
ひだま
)
に
打
(
う
)
たれ
給
(
たま
)
ひしと
見受
(
みう
)
けたり。
144
竹野姫
(
たけのひめ
)
殿
(
どの
)
、
145
介抱
(
かいはう
)
遊
(
あそ
)
ばされよ。
146
鷹取別
(
たかとりわけ
)
殿
(
どの
)
の
鼻
(
はな
)
は
如何
(
いかが
)
致
(
いた
)
されしや。
147
イヤもう
台
(
だい
)
なしでござる』
148
鷹取別
(
たかとりわけ
)
は、
149
搗
(
つ
)
き
立
(
た
)
ての
団子
(
だんご
)
のやうな
鼻
(
はな
)
をペコペコさせながら、
150
何
(
なに
)
か
フガ
フガ
言
(
い
)
つて
居
(
ゐ
)
るばかり。
151
竹山彦
『
貴殿
(
あなた
)
の
御
(
お
)
言葉
(
ことば
)
は
判然
(
はつきり
)
いたさぬ。
152
フガ
フガとは
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
でござるか。
153
不甲斐
(
ふがひ
)
ないことだとの
御
(
おん
)
歎
(
なげ
)
きか。
154
ヤアヤア
照山彦
(
てるやまひこ
)
殿
(
どの
)
、
155
貴下
(
きか
)
の
頭
(
あたま
)
は
如何
(
いかが
)
遊
(
あそ
)
ばされた。
156
実
(
じつ
)
に
妙
(
めう
)
な
恰好
(
かつかう
)
でござる。
157
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
殿
(
どの
)
、
158
サア
早
(
はや
)
く
御
(
ご
)
介抱
(
かいはう
)
遊
(
あそ
)
ばさるるがよからう』
159
松竹梅の三人
『アイ』
160
と
答
(
こた
)
へて
三
(
さん
)
人
(
にん
)
の
娘
(
むすめ
)
は、
161
竹山彦
(
たけやまひこ
)
の
命
(
めい
)
ずるままに
甲斐
(
かひ
)
々々
(
がひ
)
しく
介抱
(
かいほう
)
に
取
(
と
)
りかかりぬ。
162
固虎
『ヤアヤア、
163
常世
(
とこよ
)
の
国
(
くに
)
の
雪
(
ゆき
)
起
(
おこ
)
しか、
164
城
(
しろ
)
倒
(
たふ
)
しか
何
(
なん
)
だか
知
(
し
)
らないが、
165
生
(
うま
)
れてから
見
(
み
)
たこともない
天狗風
(
てんぐかぜ
)
が
吹
(
ふ
)
きよつて、
166
この
固虎
(
かた
とら
)
も
吃驚
(
びつくり
)
仰天
(
ぎやうてん
)
、
167
歯
(
は
)
の
根
(
ね
)
も
ガタ
ガタ
ガタ
虎
(
とら
)
になつて
了
(
しま
)
つた。
168
皆
(
みな
)
の
方々
(
かた
がた
)
は
美
(
うつく
)
しい
御
(
ご
)
介抱人
(
かいはうにん
)
が
出来
(
でき
)
て
結構
(
けつこう
)
だが、
169
吾々
(
われわれ
)
は
肩
(
かた
)
は
抜
(
ぬ
)
け、
170
腰
(
こし
)
は
抜
(
ぬ
)
け、
171
旁
(
かた
がた
)
型
(
かた
)
の
悪
(
わる
)
いものでござる。
172
三
(
さん
)
人
(
にん
)
のお
方
(
かた
)
は
夫々
(
それぞれ
)
御
(
ご
)
介抱人
(
かいはうにん
)
があつて
結構
(
けつこう
)
だが、
173
この
固虎
(
かた
とら
)
に
限
(
かぎ
)
りて
誰
(
たれ
)
も
世話
(
せわ
)
する
女
(
をんな
)
がないとは、
174
片手落
(
かた
ておち
)
にも
程
(
ほど
)
がある。
175
何
(
いづ
)
れの
方
(
かた
)
か
此
(
こ
)
の
場
(
ば
)
に
現
(
あら
)
はれて、
176
わが
身
(
み
)
の
介抱
(
かいほう
)
して
呉
(
く
)
れてもよささうなものだな』
177
竹山彦
(
たけやまひこ
)
『オイ
固虎
(
かた
とら
)
、
178
貴様
(
きさま
)
は
日頃
(
ひごろ
)
から
無信心
(
むしんじん
)
で、
179
おまけ
にヱルサレムの
宮
(
みや
)
で
昔
(
むかし
)
から
型
(
かた
)
もないやうな
悪戯
(
いたづら
)
をいたしただらう。
180
それが
為
(
ため
)
に
時節
(
じせつ
)
到来
(
たうらい
)
、
181
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
が
仇敵
(
かた
き
)
を
御
(
お
)
討
(
う
)
ち
遊
(
あそ
)
ばしたのぢや。
182
ガタ
虎
(
とら
)
でなうて
カタ
キとられだ。
183
御
(
お
)
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
様
(
さま
)
ながら、
184
生命
(
いのち
)
の
失
(
な
)
くなるまで、
185
其処
(
そこ
)
で
辛抱
(
しんばう
)
なさるがよからう』
186
固虎
『ヤア
竹山彦
(
たけやまひこ
)
殿
(
どの
)
、
187
そんなこと
所
(
どころ
)
ではない。
188
本当
(
ほんたう
)
に
真面目
(
まじめ
)
になつて、
189
誰
(
たれ
)
か
呼
(
よ
)
んで
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さいな』
190
竹山彦
『
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
様
(
さま
)
、
191
お
歴々
(
れきれき
)
の
方々
(
かた
がた
)
のこの
大難
(
だいなん
)
を
救
(
すく
)
はねばならぬ
吾々
(
われわれ
)
の
任務
(
にんむ
)
、
192
汝
(
なんぢ
)
が
如
(
ごと
)
きに
介抱
(
かいほう
)
する
暇
(
いとま
)
があらうか』
193
時
(
とき
)
しも
馥郁
(
ふくいく
)
たる
香気
(
かうき
)
は
室内
(
しつない
)
に
充
(
み
)
ち
渡
(
わた
)
り、
194
嚠喨
(
りうりやう
)
たる
音楽
(
おんがく
)
は
何処
(
いづこ
)
ともなく
聞
(
きこ
)
え
来
(
きた
)
る。
195
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
は
松代姫
(
まつよひめ
)
に
救
(
すく
)
はれ、
196
御
(
ご
)
機嫌
(
きげん
)
斜
(
ななめ
)
ならず、
197
鷹取別
(
たかとりわけ
)
、
198
照山彦
(
てるやまひこ
)
も、
199
竹野姫
(
たけのひめ
)
、
200
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
に
介抱
(
かいほう
)
され、
201
メシヤゲた
頭
(
あたま
)
や
鼻
(
はな
)
の
痛
(
いた
)
さを
忘
(
わす
)
れて
悦
(
えつ
)
に
入
(
い
)
る。
202
音楽
(
おんがく
)
の
音
(
ね
)
はますます
冴
(
さ
)
え
渡
(
わた
)
り、
203
何処
(
どこ
)
となく
四辺
(
あたり
)
は
賑
(
にぎは
)
しくなり
来
(
きた
)
れり。
204
空
(
そら
)
に
轟
(
とどろ
)
く
天
(
あま
)
の
磐船
(
いはふね
)
、
205
鳥船
(
とりふね
)
の
響
(
ひびき
)
は
手
(
て
)
に
取
(
と
)
る
如
(
ごと
)
く
聞
(
きこ
)
え
来
(
きた
)
る。
206
これより
松
(
まつ
)
、
207
竹
(
たけ
)
、
208
梅
(
うめ
)
の
三
(
さん
)
人
(
にん
)
を
始
(
はじ
)
め、
209
竹山彦
(
たけやまひこ
)
は
常世
(
とこよ
)
神王
(
しんわう
)
の
覚
(
おぼ
)
え
目出度
(
めでた
)
く、
210
何事
(
なにごと
)
も
一切
(
いつさい
)
の
重要
(
ぢうえう
)
事件
(
じけん
)
の
帷幕
(
ゐばく
)
に
参
(
さん
)
ずることとはなりぬ。
211
(
大正一一・二・一九
旧一・二三
外山豊二
録)
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