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霊界物語
霊主体従(第1~12巻)
第10巻(酉の巻)
序歌
凡例
総説歌
信天翁(一)
第1篇 千軍万馬
第1章 常世城門
第2章 天地暗澹
第3章 赤玉出現
第4章 鬼鼻団子
第5章 狐々怪々
第6章 額の裏
第7章 思はぬ光栄
第8章 善悪不可解
第9章 尻藍
第10章 注目国
第11章 狐火
第12章 山上瞰下
第13章 蟹の将軍
第14章 松風の音
第15章 言霊別
第16章 固門開
第17章 乱れ髪
第18章 常世馬場
第19章 替玉
第20章 還軍
第21章 桃の実
第22章 混々怪々
第23章 神の慈愛
第24章 言向和
第25章 木花開
第26章 貴の御児
第2篇 禊身の段
第27章 言霊解一
第28章 言霊解二
第29章 言霊解三
第30章 言霊解四
第31章 言霊解五
第3篇 邪神征服
第32章 土竜
第33章 鰤公
第34章 唐櫃
第35章 アルタイ窟
第36章 意想外
第37章 祝宴
附録 第三回高熊山参拝紀行歌(三)
余白歌
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<<< 意想外
(B)
(N)
附録 第三回高熊山参拝紀行歌(三) >>>
第三七章
祝宴
(
しゆくえん
)
〔四六七〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第10巻 霊主体従 酉の巻
篇:
第3篇 邪神征服
よみ(新仮名遣い):
じゃしんせいふく
章:
第37章 祝宴
よみ(新仮名遣い):
しゅくえん
通し章番号:
467
口述日:
1922(大正11)年02月27日(旧02月01日)
口述場所:
筆録者:
河津雄
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1922(大正11)年8月20日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
祝宴の中、村人たちは、石凝姥神の宣伝歌で知った時公の失態をあげつらって時公を囲んでいる。時公はどこ吹く風で、またしても法螺話を始めた。村人たちはまともに取らずにはやしている。
鰤公は、時公から娘は食われたと聞いていたので、祝宴の中でも大泣きしている。村人の一人が鰤公に、娘は死んでおらず、祝宴に来て鰤公を探している、あれは時公がお前を脅かしただけだ、と伝えた。ここに鰤公は妻と娘と再会を果たし、嬉し涙を流している。
祝宴の最後に、梅ケ香姫が三五教の教えを誓いを宣伝歌に歌った。酋長の鉄彦は、後事を妻の鉄姫に託して、宣伝使の供としてアーメニヤに進んで行くこととなった。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2020-08-01 20:06:26
OBC :
rm1037
愛善世界社版:
292頁
八幡書店版:
第2輯 496頁
修補版:
校定版:
300頁
普及版:
132頁
初版:
ページ備考:
001
鉄彦
(
かなひこ
)
夫婦
(
ふうふ
)
は
最愛
(
さいあい
)
の
一人娘
(
ひとりむすめ
)
清姫
(
きよひめ
)
の
大難
(
だいなん
)
を
免
(
まぬ
)
がれ、
002
かつ
国中
(
くにぢう
)
の
禍
(
わざはひ
)
の
種
(
たね
)
を
除
(
のぞ
)
かれたるは、
003
全
(
まつた
)
く
神
(
かみ
)
の
御恵
(
みめぐ
)
みと、
004
天津
(
あまつ
)
祝詞
(
のりと
)
を
奏上
(
そうじやう
)
し、
005
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
奉唱
(
ほうしやう
)
し、
006
祝
(
いは
)
ひの
宴
(
えん
)
を
開
(
ひら
)
き、
007
村中
(
むらぢう
)
数百
(
すうひやく
)
の
老若
(
らうにやく
)
男女
(
なんによ
)
は、
008
上下
(
じやうげ
)
の
区別
(
くべつ
)
なく
祝
(
いは
)
ひの
酒
(
さけ
)
に
酔
(
ゑ
)
ひ
潰
(
つぶ
)
れ、
009
喜
(
よろこ
)
んで
泣
(
な
)
く
者
(
もの
)
、
010
笑
(
わら
)
ふ
者
(
もの
)
、
011
法螺
(
ほら
)
を
吹
(
ふ
)
く
者
(
もの
)
など、
012
沢山
(
たくさん
)
現
(
あら
)
はれ
来
(
きた
)
り、
013
其
(
その
)
中
(
なか
)
より
四五
(
しご
)
の
若者
(
わかもの
)
は
門番
(
もんばん
)
の
時公
(
ときこう
)
を
取
(
と
)
り
巻
(
ま
)
き、
014
甲
(
かふ
)
『オイ
時公
(
ときこう
)
、
015
貴様
(
きさま
)
は
随分
(
ずゐぶん
)
えらい
勢
(
いきほひ
)
で
帰
(
かへ
)
つて
来
(
き
)
て、
016
途法
(
とほふ
)
途轍
(
とてつ
)
もない
法螺
(
ほら
)
を
吹
(
ふ
)
き
居
(
を
)
つたが、
017
宣伝使
(
せんでんし
)
様
(
さま
)
の
御
(
お
)
歌
(
うた
)
を
聴
(
き
)
けば、
018
何
(
なん
)
だ、
019
貴様
(
きさま
)
は
腰
(
こし
)
を
抜
(
ぬ
)
かして、
020
吠面
(
ほえづら
)
かわいたぢやないか。
021
何
(
なん
)
でソンナ
空威張
(
からゐばり
)
をするのだ』
022
時公
(
ときこう
)
『
吠面
(
ほえづら
)
かわくつて
当然
(
あたりまへ
)
だ。
023
ところで
吠
(
ほ
)
えぬ
犬
(
いぬ
)
はないと
言
(
い
)
ふぢやないか。
024
法螺
(
ほら
)
を
吹
(
ふ
)
くのも
吠面
(
ほえづら
)
かわくのも、
025
時公
(
ときこう
)
にとつての
愛嬌
(
あいけう
)
だよ』
026
甲
『また
洒落
(
しやれ
)
よるナ。
027
貴様
(
きさま
)
ア、
028
昔
(
むかし
)
は
時野川
(
ときのがは
)
と
言
(
い
)
つて
小角力
(
こずまふ
)
をとつたと
言
(
い
)
つただらう。
029
サア、
030
俺
(
おれ
)
と
一
(
ひと
)
つ、
031
此
(
この
)
座敷
(
ざしき
)
で
角力
(
すまふ
)
をとつて
見
(
み
)
ようかい』
032
時公
『
措
(
お
)
け
措
(
お
)
け、
033
危
(
あぶ
)
ないぞ。
034
葱
(
ねぶか
)
の
様
(
やう
)
なヒヨロヒヨロ
腰
(
ごし
)
で、
035
鉄
(
かね
)
のやうな
時
(
とき
)
さまに
当
(
あた
)
るのは、
036
自滅
(
じめつ
)
を
招
(
まね
)
くやうなものだ。
037
それよりもアルタイ
山
(
さん
)
に
行
(
い
)
つた
時
(
とき
)
の
実地談
(
じつちばなし
)
を
聴
(
き
)
かしてやらうかい』
038
乙
(
おつ
)
『オイ、
039
皆
(
みな
)
の
者
(
もの
)
、
040
此奴
(
こいつ
)
の
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
は、
041
いつも
法螺
(
ほら
)
ばかりだ。
042
眉毛
(
まゆげ
)
に
唾
(
つば
)
を
付
(
つ
)
けて
聴
(
き
)
いてやれ』
043
時公
『ヨー、
044
俺
(
おれ
)
に
敬意
(
けいい
)
を
表
(
へう
)
して
ツハモノ
と
言
(
い
)
ふのか。
045
イザこれより
時公
(
ときこう
)
がアルタイ
山
(
ざん
)
の
曲神
(
まがかみ
)
退治
(
たいぢ
)
の
梗概
(
あらまし
)
を
物語
(
ものがた
)
るから
確
(
しつ
)
かり
聴
(
き
)
け。
046
抑々
(
そもそも
)
アルタイ
山
(
さん
)
は
深山
(
しんざん
)
幽谷
(
いうこく
)
、
047
これに
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く
者
(
もの
)
は、
048
虎
(
とら
)
狼
(
おほかみ
)
か
山犬
(
やまいぬ
)
か、
049
但
(
ただ
)
しは
熊
(
くま
)
か
時公
(
ときこう
)
さまか……』
050
甲
(
かふ
)
『オイオイ、
051
初
(
はじ
)
めから
吹
(
ふ
)
くなよ。
052
吾々
(
われわれ
)
も
唐櫃
(
からびつ
)
を
舁
(
かつ
)
いで、
053
現
(
げん
)
に
登
(
のぼ
)
つた
連中
(
れんちう
)
ぢやないか』
054
時公
『ヤア、
055
縮尻
(
しくじ
)
つた。
056
これからが
真実
(
ほんたう
)
の
物語
(
ものがたり
)
だ。
057
そもそも
汝
(
なんぢ
)
ら
村
(
むら
)
の
弱虫
(
よわむし
)
等
(
ども
)
に、
058
砦
(
とりで
)
の
前
(
まへ
)
で
別
(
わか
)
れてより、
059
暗
(
くら
)
さは
暗
(
くら
)
し、
060
雨
(
あめ
)
は
車軸
(
しやぢく
)
と
降
(
ふ
)
つて
来
(
く
)
る、
061
風
(
かぜ
)
は
唸
(
うな
)
りを
立
(
た
)
てて
岩石
(
がんせき
)
も
飛
(
と
)
び
散
(
ち
)
るばかりの
凄
(
すさま
)
じさ。
062
それを
物
(
もの
)
とも
致
(
いた
)
さず
時公
(
ときこう
)
さまは、
063
三五教
(
あななひけう
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
石凝姥
(
いしこりどめ
)
を
従
(
したが
)
へて、
064
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
を
舁
(
かつ
)
ぎつつ
巌窟
(
いはや
)
を
指
(
さ
)
して、
065
天地
(
てんち
)
も
呑
(
の
)
まむず
勢
(
いきほひ
)
に、
066
七八
(
しちはつ
)
尺
(
しやく
)
も
一足
(
ひとあし
)
に
跨
(
また
)
げながら、
067
巌戸
(
いはと
)
の
前
(
まへ
)
にと
立現
(
たちあら
)
はれ、
068
ウン、
069
ウーンとばかりに
唸
(
うな
)
つて
見
(
み
)
せた。
070
流石
(
さすが
)
に
剛
(
つよ
)
き
蛇掴
(
へびつかみ
)
の
野郎
(
やらう
)
も、
071
吾
(
わが
)
言霊
(
ことたま
)
に
縮
(
ちぢ
)
み
上
(
あが
)
つて
大
(
だい
)
なる
火
(
ひ
)
の
玉
(
たま
)
と
変
(
へん
)
じ、
072
小
(
ちひ
)
さき
火玉
(
ひだま
)
と
諸共
(
もろとも
)
に、
073
天
(
てん
)
に
舞
(
ま
)
ひ
昇
(
のぼ
)
り、
074
西南
(
せいなん
)
の
空
(
そら
)
を
指
(
さ
)
して、
075
アーメニヤに
逃
(
に
)
げ
去
(
さ
)
つたり、
076
と
思
(
おも
)
つたのは
彼
(
かれ
)
が
計略
(
けいりやく
)
、
077
忽
(
たちま
)
ち
時公
(
ときこう
)
さまの
身体
(
しんたい
)
に
神憑
(
かむがか
)
りいたし「ヤア、
078
吾
(
われ
)
こそはアルタイ
山
(
さん
)
の
主神
(
ぬしがみ
)
蛇掴
(
へびつかみ
)
であるぞ」と
呶鳴
(
どな
)
り
立
(
た
)
てた。
079
流石
(
さすが
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
も
慄
(
ふる
)
ひ
上
(
あが
)
つて、
080
モシモシどうぞ
生命
(
いのち
)
ばかりはお
助
(
たす
)
け
下
(
くだ
)
され、
081
コヽこの
通
(
とほ
)
り
腰
(
こし
)
の
骨
(
ほね
)
が
宿替
(
やどが
)
へ
致
(
いた
)
しました、
082
と
ほざき
よるのだ。
083
そこでこの
時公
(
ときこう
)
さまに
憑
(
かか
)
つて
来
(
き
)
た
蛇掴
(
へびつかみ
)
奴
(
め
)
が「ヤア、
084
この
時公
(
ときこう
)
は
赦
(
ゆる
)
す
積
(
つも
)
りで
居
(
を
)
れども、
085
副
(
ふく
)
守護神
(
しゆごじん
)
の
蛇掴
(
へびつかみ
)
が
赦
(
ゆる
)
さない。
086
頭
(
あたま
)
から
塩
(
しほ
)
をつけてムシヤムシヤとかぶつて
喰
(
く
)
つてやらうか」と
仰有
(
おつしや
)
るのだ。
087
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
は
白
(
しろ
)
い
手
(
て
)
を
合
(
あは
)
して「モシモシ
時公
(
ときこう
)
さま、
088
どうぞ
石凝姥
(
いしこりどめ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
を
助
(
たす
)
けて
下
(
くだ
)
さい」と
可愛
(
かあい
)
い
顔
(
かほ
)
して
頼
(
たの
)
むものだから、
089
時公
(
ときこう
)
さまも、
090
副
(
ふく
)
守護神
(
しゆごじん
)
も、
091
俄
(
にはか
)
に
憐
(
あは
)
れを
催
(
もよほ
)
して「
今晩
(
こんばん
)
は
喰
(
く
)
ひ
殺
(
ころ
)
す
処
(
ところ
)
なれど、
092
汝
(
なんぢ
)
の
優
(
やさ
)
しい
顔
(
かほ
)
に
免
(
めん
)
じて
赦
(
ゆる
)
してやらう」と
仰有
(
おつしや
)
つた。
093
さうすると
宣伝使
(
せんでんし
)
が
平蜘蛛
(
ひらぐも
)
になつて、
094
喜
(
よろこ
)
ぶの
喜
(
よろこ
)
ばないのつて、
095
譬
(
たと
)
へるに
物
(
もの
)
なき
次第
(
しだい
)
なりけりだ』
096
丙
(
へい
)
『オツト、
097
時公
(
ときこう
)
、
098
待
(
ま
)
つた。
099
そりやお
人
(
ひと
)
が
違
(
ちが
)
やせぬか』
100
時公
『
人
(
ひと
)
の
一人
(
ひとり
)
ぐらゐ
違
(
ちが
)
つたつて
何
(
なん
)
だ。
101
一寸
(
ちよつと
)
身代
(
みがは
)
りになつて
言
(
い
)
つとるのだ』
102
乙
(
おつ
)
『ハハー、
103
さうすると
時公
(
ときこう
)
が
石凝姥
(
いしこりどめ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
で、
104
その
宣伝使
(
せんでんし
)
が
時公
(
ときこう
)
としたら
真実
(
ほんたう
)
だな』
105
時公
『そんな
種明
(
たねあ
)
かしをすると、
106
酒
(
さけ
)
の
座
(
ざ
)
が
醒
(
さ
)
める。
107
マア
黙
(
だま
)
つて
聴
(
き
)
かうよ。
108
それからこの
時公
(
ときこう
)
が
手頃
(
てごろ
)
の
岩
(
いは
)
を
拾
(
ひろ
)
つて、
109
フツと
息
(
いき
)
を
吹
(
ふ
)
きかけ、
110
固
(
かた
)
いかたい
石
(
いし
)
の
槌
(
つち
)
を
造
(
つく
)
つて、
111
鬼
(
おに
)
の
化石
(
くわせき
)
の
首
(
くび
)
を
片
(
かた
)
つ
端
(
ぱし
)
からカツンカツンとやつた。
112
その
腕力
(
わんりよく
)
は
炮烙
(
はうらく
)
でも
砕
(
め
)
ぐやうに、
113
首
(
くび
)
は
中空
(
ちうくう
)
に
舞
(
ま
)
ひ
上
(
あが
)
つて、
114
どれもこれもアーメニヤに
向
(
むか
)
つて
飛
(
と
)
んで
行
(
い
)
つてしまつたよ。
115
アハヽヽヽ』
116
甲
(
かふ
)
『オイ
鰤公
(
ぶりこう
)
、
117
チツト
勇
(
いさ
)
まぬか。
118
この
目出度
(
めでた
)
い
酒
(
さけ
)
に、
119
何
(
なに
)
をベソベソと
吠
(
ほ
)
えてゐるのだ』
120
鰤公
(
ぶりこう
)
は
泣
(
な
)
き
声
(
ごゑ
)
で、
121
鰤公
『
貴様
(
きさま
)
達
(
たち
)
は
嬉
(
うれ
)
しからうが、
122
俺
(
おれ
)
は
三
(
さん
)
年
(
ねん
)
振
(
ぶ
)
りでヤツト
故郷
(
こきやう
)
へ
帰
(
かへ
)
つたと
思
(
おも
)
へば、
123
俺
(
おれ
)
の
娘
(
むすめ
)
は
今年
(
ことし
)
の
春
(
はる
)
、
124
蛇掴
(
へびつかみ
)
の
悪神
(
わるがみ
)
に
喰
(
く
)
はれてしまつたと
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
だ。
125
天
(
てん
)
にも
地
(
ち
)
にも
一人
(
ひとり
)
よりない
娘
(
むすめ
)
の
顔
(
かほ
)
を
見
(
み
)
ようと
思
(
おも
)
つて、
126
今
(
いま
)
の
今
(
いま
)
まで
楽
(
たの
)
しんでゐたのが、
127
噫
(
あゝ
)
夢
(
ゆめ
)
となつたか。
128
夢
(
ゆめ
)
の
浮世
(
うきよ
)
と
云
(
い
)
ひながら、
129
さてもさても
悲
(
かな
)
しい
事
(
こと
)
だワイ。
130
これが
泣
(
な
)
かずにゐられよか。
131
アーン アーン アーン』
132
時公
(
ときこう
)
『ウアハヽヽヽヽヽ』
133
鰤公
『ヤイヤイ、
134
貴様
(
きさま
)
は
何
(
なに
)
が
可笑
(
をか
)
しい。
135
俺
(
おれ
)
が
大切
(
たいせつ
)
な
娘
(
むすめ
)
を
喰
(
く
)
はれて
悲
(
かな
)
しんでゐるのに、
136
笑
(
わら
)
ふと
云
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
があるものかい。
137
ヤイ、
138
アーン アーン アーン』
139
時公
『ワハヽヽヽヽヽ』
140
鰤公
(
ぶりこう
)
は
四辺
(
あたり
)
かまはず、
141
鰤公
『ウオーン ウオーン ウオーン』
142
と
狼泣
(
おほかみな
)
きをする。
143
甲
(
かふ
)
『オイオイ
鰤公
(
ぶりこう
)
、
144
泣
(
な
)
くな。
145
貴様
(
きさま
)
とこ
の
娘
(
むすめ
)
は、
146
そら、
147
そこに
来
(
き
)
て
居
(
ゐ
)
るぢやないか。
148
最前
(
さいぜん
)
から
貴様
(
きさま
)
が
帰
(
かへ
)
つたと
言
(
い
)
ふ
事
(
こと
)
を
聞
(
き
)
いて、
149
探
(
さが
)
しまはして
居
(
ゐ
)
るのだけれど、
150
あまり
色
(
いろ
)
が
黒
(
くろ
)
くなつたものだから、
151
分
(
わか
)
らぬので
迷
(
まよ
)
つてゐるのだ。
152
時公
(
ときこう
)
の
奴
(
やつ
)
、
153
貴様
(
きさま
)
を
威
(
おど
)
かしてやらうと
思
(
おも
)
つて、
154
アンナ
法螺
(
ほら
)
を
吹
(
ふ
)
きよつたのだよ』
155
鰤公
(
ぶりこう
)
『ウオーン ウオーン ウオーン、
156
娘
(
むすめ
)
、
157
娘
(
むすめ
)
、
158
居
(
を
)
るか
居
(
を
)
るか、
159
女房
(
にようばう
)
も
居
(
を
)
るか』
160
此
(
この
)
声
(
こゑ
)
に
女房
(
にようばう
)
も
娘
(
むすめ
)
も
走
(
はし
)
り
来
(
きた
)
つて、
161
鰤公
(
ぶりこう
)
に
取
(
と
)
り
付
(
つ
)
き
嬉
(
うれ
)
し
泣
(
な
)
きに
泣
(
な
)
き
立
(
た
)
てる。
162
清姫
(
きよひめ
)
は
立上
(
たちあが
)
り、
163
声
(
こゑ
)
も
涼
(
すず
)
しく
歌
(
うた
)
ひ
始
(
はじ
)
めた。
164
清姫
『
年
(
とし
)
てふ
年
(
とし
)
は
多
(
おほ
)
けれど
165
月
(
つき
)
てふ
月
(
つき
)
は
多
(
おほ
)
けれど
166
日
(
ひ
)
といふ
日
(
ひ
)
にちは
多
(
おほ
)
けれど
167
世界晴
(
せかいばれ
)
した
今日
(
けふ
)
の
日
(
ひ
)
は
168
如何
(
いか
)
なる
吉日
(
よきひ
)
の
足日
(
たるひ
)
ぞや
169
曲津
(
まがつ
)
の
神
(
かみ
)
に
呪
(
のろ
)
はれて
170
命
(
いのち
)
も
既
(
すで
)
になきところ
171
あな
有難
(
ありがた
)
や
三五
(
あななひ
)
の
172
神
(
かみ
)
の
教
(
をしへ
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
173
石凝姥
(
いしこりどめ
)
の
神司
(
かむづかさ
)
174
梅ケ香姫
(
うめがかひめ
)
の
御
(
おん
)
恵
(
めぐ
)
み
175
神
(
かみ
)
の
御稜威
(
みいづ
)
の
輝
(
かがや
)
きて
176
吾
(
わが
)
身
(
み
)
はここにアルタイの
177
山
(
やま
)
より
高
(
たか
)
き
父
(
ちち
)
の
恩
(
おん
)
178
母
(
はは
)
の
恩
(
おん
)
にも
弥
(
いや
)
勝
(
まさ
)
る
179
神
(
かみ
)
の
恵
(
めぐみ
)
の
露
(
つゆ
)
に
濡
(
ぬ
)
れ
180
湿
(
しめ
)
り
果
(
は
)
てたる
吾
(
わが
)
袖
(
そで
)
の
181
涙
(
なみだ
)
も
乾
(
かわ
)
く
今日
(
けふ
)
の
空
(
そら
)
182
噫
(
あゝ
)
有難
(
ありがた
)
やありがたや
183
吾
(
わ
)
が
父母
(
ちちはは
)
と
諸共
(
もろとも
)
に
184
今
(
いま
)
より
心
(
こころ
)
を
改
(
あらた
)
めて
185
天教山
(
てんけうざん
)
に
現
(
あ
)
れませる
186
日
(
ひ
)
の
出神
(
でのかみ
)
や
木
(
こ
)
の
花
(
はな
)
の
187
厳
(
いづ
)
の
御魂
(
みたま
)
の
御教
(
みをしへ
)
と
188
黄金山
(
わうごんざん
)
に
現
(
あ
)
れませる
189
埴安彦
(
はにやすひこ
)
や
埴安姫
(
はにやすひめ
)
の
190
神
(
かみ
)
の
命
(
みこと
)
の
御教
(
みをしへ
)
を
191
麻柱
(
あなな
)
ひまつり
祝
(
ほ
)
ぎまつり
192
地教
(
ちけう
)
の
山
(
やま
)
に
現
(
あ
)
れましし
193
神
(
かむ
)
伊邪那美
(
いざなみ
)
の
大神
(
おほかみ
)
の
194
鎮
(
しづ
)
まり
給
(
たま
)
ふ
月夜見
(
つきよみ
)
の
195
円
(
まる
)
き
身魂
(
みたま
)
を
洗
(
あら
)
ひつつ
196
この
世
(
よ
)
の
暗
(
やみ
)
を
照
(
てら
)
すべし
197
朝日
(
あさひ
)
は
照
(
て
)
るとも
曇
(
くも
)
るとも
198
月
(
つき
)
は
盈
(
み
)
つとも
虧
(
か
)
くるとも
199
たとへ
天地
(
てんち
)
は
覆
(
かへ
)
るとも
200
三五教
(
あななひけう
)
を
守
(
まも
)
ります
201
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
は
世
(
よ
)
を
救
(
すく
)
ふ
202
救
(
すく
)
ひの
舟
(
ふね
)
に
棹
(
さを
)
さして
203
浮世
(
うきよ
)
の
浪
(
なみ
)
を
漕
(
こ
)
ぎ
渡
(
わた
)
り
204
大海原
(
おほうなばら
)
に
棹
(
さを
)
さして
205
高天原
(
たかあまはら
)
に
漕
(
こ
)
ぎ
行
(
ゆ
)
かむ
206
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
も
清姫
(
きよひめ
)
の
207
清
(
きよ
)
き
心
(
こころ
)
の
真寸鏡
(
ますかがみ
)
208
隈
(
くま
)
なく
光
(
ひか
)
る
今日
(
けふ
)
の
空
(
そら
)
209
光
(
ひか
)
り
輝
(
かがや
)
く
今日
(
けふ
)
の
空
(
そら
)
210
あゝ
諸人
(
もろびと
)
よ
諸人
(
もろびと
)
よ
211
返
(
かへ
)
すがへすも
三五
(
あななひ
)
の
212
教
(
をしへ
)
に
魂
(
たま
)
を
研
(
みが
)
けかし
213
神
(
かみ
)
に
身魂
(
みたま
)
を
任
(
まか
)
せかし
214
祈
(
いの
)
れよ
祈
(
いの
)
れよ
真心
(
まごころ
)
を
215
神
(
かみ
)
に
捧
(
ささ
)
げて
祷
(
いの
)
れかし
216
祈
(
いの
)
るは
命
(
いのち
)
の
基
(
もと
)
なるぞ
217
祈
(
いの
)
るは
命
(
いのち
)
の
基
(
もと
)
なるぞ』
218
と
歌
(
うた
)
ひ
終
(
をは
)
り、
219
賑
(
にぎや
)
かに
此
(
この
)
宴会
(
えんくわい
)
は
閉
(
とざ
)
された。
220
茲
(
ここ
)
に
鉄彦
(
かなひこ
)
は、
221
二人
(
ふたり
)
の
宣伝使
(
せんでんし
)
と
共
(
とも
)
に
宣伝歌
(
せんでんか
)
を
歌
(
うた
)
ひながら
後事
(
こうじ
)
を
妻
(
つま
)
の
鉄姫
(
かなひめ
)
に
託
(
たく
)
し、
222
アルタイ
山
(
ざん
)
を
右
(
みぎ
)
に
見
(
み
)
て、
223
西
(
にし
)
へ
西
(
にし
)
へと
クス
野ケ原
(
のがはら
)
の
曠野
(
ひろの
)
を
進
(
すす
)
み
行
(
ゆ
)
く。
224
(
大正一一・二・二七
旧二・一
河津雄
録)
225
(全文 昭和一〇・三・三〇 王仁校正)
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(B)
(N)
附録 第三回高熊山参拝紀行歌(三) >>>
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