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霊界物語
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
第72巻(亥の巻)
序文
総説
第1篇 水波洋妖
第1章 老の高砂
第2章 時化の湖
第3章 厳の欵乃
第4章 銀杏姫
第5章 蛸船
第6章 夜鷹姫
第7章 鰹の網引
第2篇 杢迂拙婦
第8章 街宣
第9章 欠恋坊
第10章 清の歌
第11章 問答所
第12章 懺悔の生活
第13章 捨台演
第14章 新宅入
第15章 災会
第16章 東西奔走
第3篇 転化退閉
第17章 六樫問答
第18章 法城渡
第19章 旧場皈
第20章 九官鳥
第21章 大会合
第22章 妖魅帰
筑紫潟
余白歌
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>
山河草木(第61~72巻、入蒙記)
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第72巻(亥の巻)
> 第3篇 転化退閉 > 第17章 六樫問答
<<< 東西奔走
(B)
(N)
法城渡 >>>
第一七章
六樫
(
むつかし
)
問答
(
もんだふ
)
〔一八二六〕
インフォメーション
著者:
出口王仁三郎
巻:
霊界物語 第72巻 山河草木 亥の巻
篇:
第3篇 転化退閉
よみ(新仮名遣い):
てんかたいへい
章:
第17章 六樫問答
よみ(新仮名遣い):
むつかしもんだふ
通し章番号:
1826
口述日:
1926(大正15)年07月01日(旧05月22日)
口述場所:
天之橋立なかや別館
筆録者:
北村隆光
校正日:
校正場所:
初版発行日:
1929(昭和4)年4月3日
概要:
舞台:
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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:
スガの宮では、キューバーの後釜として、薬種問屋の門番をしていたアルとエスが、便所掃除をしている。
スガの宮に仕える一同が、食堂に集まって朝食を取っていると、表に高姫がやってきて、宗教問答の挑戦に来たと呼ばわる。
ヨリコ姫は、まずダリヤ、花香が最初に問答を仕掛け、かなわないようであれば最後に自分が出るようにと順番を決める。
高姫は、この世の根本の神の神名を尋ねる。
ダリヤはそれは国常立の神様であると答えるが、高姫に根本の誠の神は大弥勒、と説き負かされてしまう。
次に、花香姫が登場し、高姫は問答を仕掛けて言う。
「根本の昔に、猿が三匹飛んできて、三千世界をかき回し、この世に暗と明かりと雨降りをきたしたのは、どういう訳か」
花香はそれには答えず、高姫が自分の出す問題に答えられたら、回答しよう、と言って問う。
「根本の昔に猿が六匹飛んできて、それぞれ、雪隠、頭、恥じ、借用証文、おかゆ、そこら辺り、をかき回し、ついでにお尻をかき回した。」
高姫は、わけのわからないことを言う女と問答はできないと、ヨリコ姫を出すように騒ぎ出し、花香は奥へ引っ込んでしまう。
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
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:
備考:
タグ:
データ凡例:
データ最終更新日:
2019-02-13 15:10:35
OBC :
rm7217
愛善世界社版:
203頁
八幡書店版:
第12輯 675頁
修補版:
校定版:
209頁
普及版:
79頁
初版:
ページ備考:
001
懺悔
(
ざんげ
)
生活
(
せいくわつ
)
の
偽君子
(
ぎくんし
)
、
002
スコブッツエン
宗
(
しう
)
の
教祖
(
けうそ
)
と
名乗
(
なの
)
る
妖僧
(
えうそう
)
キユーバーは
003
ダリヤ
姫
(
ひめ
)
に
対
(
たい
)
する
恋衣
(
こひごろも
)
のすげなくも
破
(
やぶ
)
れしより、
004
もとより
心
(
こころ
)
の
汚
(
きたな
)
い
便所
(
はばかり
)
掃除
(
さうぢ
)
、
005
糞度胸
(
くそどきよう
)
を
据
(
す
)
ゑ、
006
捨台詞
(
すてぜりふ
)
を
残
(
のこ
)
して
007
問答所
(
もんだふどころ
)
より
屁
(
へ
)
の
如
(
ごと
)
く
消
(
き
)
え
去
(
さ
)
つた。
008
あとはヨリコ、
009
花香
(
はなか
)
、
010
ダリヤの
三
(
さん
)
人
(
にん
)
、
011
何程
(
なにほど
)
女丈夫
(
をんなぢやうぶ
)
でも
男
(
をとこ
)
の
受持
(
うけも
)
つべき
掃除
(
さうぢ
)
は
永
(
なが
)
く
続
(
つづ
)
かないとて、
012
薬種
(
やくしゆ
)
問屋
(
どひや
)
の
主人
(
しゆじん
)
イルクに
掛合
(
かけあ
)
ひ
013
門番
(
もんばん
)
のアル、
014
エスを
臨時
(
りんじ
)
掃除番
(
さうぢばん
)
として、
015
手伝
(
てつだ
)
はしむることとなつた。
016
朝
(
あさ
)
も
早
(
はや
)
うから、
017
新参者
(
しんざんもの
)
の
掃除番
(
さうぢばん
)
はキユーバー、
018
ダリヤが
奮戦
(
ふんせん
)
苦闘
(
くとう
)
の
古戦場
(
こせんじやう
)
、
019
上雪隠
(
かみせつちん
)
の
掃除
(
さうぢ
)
しながら、
020
アル『オイ、
021
エス、
022
主人
(
しゆじん
)
の
言付
(
いひつけ
)
だから
是非
(
ぜひ
)
もなく、
023
エースと
云
(
い
)
つて
返事
(
へんじ
)
はしたものの、
024
本当
(
ほんたう
)
に
糞忌々
(
くそいまいま
)
しい、
025
バカ
臭
(
くさ
)
い
目
(
め
)
に
遇
(
あ
)
ふぢやないか、
026
エー、
027
これだから
人
(
ひと
)
に
使
(
つか
)
はれるのは
辛
(
つら
)
いと
云
(
い
)
ふのだ』
028
エス『
何
(
なに
)
程
(
ほど
)
辛
(
つら
)
いと
云
(
い
)
つても
仕方
(
しかた
)
がないぢやないか、
029
何一
(
なにひと
)
つ
人
(
ひと
)
に
勝
(
すぐ
)
れた
芸能
(
げいのう
)
が
アル
と
云
(
い
)
ふでもなし、
030
雪隠
(
せつちん
)
の
虫
(
むし
)
のやうに、
031
ババの
尻
(
しり
)
斗
(
ばか
)
り
狙
(
ねら
)
つてゐるやうな
事
(
こと
)
で、
032
気
(
き
)
の
利
(
き
)
いた
大役
(
たいやく
)
も
勤
(
つと
)
まりさうな
事
(
こと
)
がないぢやないか。
033
いつも
雪隠
(
せんち
)
と
云
(
い
)
ふやつは、
034
紛擾
(
ふんぜう
)
の
種
(
たね
)
を
蒔
(
ま
)
く
奴
(
やつ
)
だ。
035
昨日
(
きのふ
)
もスコブッツエン
宗
(
しう
)
の
小便使
(
せうべんし
)
、
036
キユーバーとかキユー
フン
とか
云
(
い
)
ふ
糞坊主
(
くそばうず
)
が
037
ダリヤさまに
糞糟
(
くそかす
)
にこきおろされ、
038
犬
(
いぬ
)
の
糞
(
くそ
)
のやうに
云
(
い
)
はれ、
039
終
(
しま
)
ひの
果
(
はて
)
にや
040
糞然
(
ふんぜん
)
として
屁
(
へ
)
つ
放
(
ぴ
)
り
腰
(
ごし
)
で
雲
(
くも
)
を
霞
(
かすみ
)
と
逃
(
に
)
げ
散
(
ち
)
つたりと
云
(
い
)
ふ
為体
(
ていたらく
)
、
041
その
跡釜
(
あとがま
)
に
据
(
す
)
ゑられた
俺
(
おれ
)
達
(
たち
)
アまるつきり
雪隠虫
(
せんちむし
)
だ、
042
然
(
しか
)
し
雪隠虫
(
せんちむし
)
だつて
落胆
(
らくたん
)
するにや
及
(
およ
)
ばないよ、
043
少時
(
しばし
)
糞壺
(
くそつぼ
)
の
中
(
なか
)
でウヨウヨしてる
間
(
あひだ
)
に
羽
(
はね
)
が
生
(
は
)
え、
044
立派
(
りつぱ
)
な
金襴
(
きんらん
)
の
衣
(
ころも
)
を
着
(
つ
)
けて、
045
金蠅
(
きんばへ
)
となり、
046
ヨリコ
姫
(
ひめ
)
の
頭
(
あたま
)
へでも
止
(
とま
)
つて
糞
(
くそ
)
小便
(
せうべん
)
を
放
(
ひ
)
りかけるやうになるのだからのう』
047
アル『
門番
(
もんばん
)
も
今日
(
けふ
)
はお
尻
(
しり
)
の
門番
(
もんばん
)
と
048
成
(
な
)
り
下
(
さが
)
りけり
糞忌々
(
くそいまいま
)
し。
049
仰
(
あふ
)
ぎ
見
(
み
)
て
穴恐
(
あなおそ
)
ろしと
雪隠虫
(
せんちむし
)
050
泣
(
な
)
くに
泣
(
な
)
かれぬ
糞
(
くそ
)
を
被
(
かぶ
)
りつ。
051
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
の
臭
(
くさ
)
い
味
(
あぢは
)
ひ
しり
の
穴
(
あな
)
052
やがて
羽衣
(
はごろも
)
着
(
つ
)
くる
雪隠虫
(
せんちむし
)
。
053
金襴
(
きんらん
)
の
衣
(
ころも
)
まとへば
糞虫
(
くそむし
)
も
054
人
(
ひと
)
の
頭
(
あたま
)
にとまり
糞
(
くそ
)
放
(
ひ
)
る』
055
エス『ヨリコ
姫
(
ひめ
)
ダリヤと
しり
(知)
合
(
あひ
)
の
穴
(
あな
)
なれば
056
肥
(
こ
)
え(
光栄
)ならむと
糞虫
(
くそむし
)
云
(
い
)
ふらむ。
057
美
(
うる
)
はしき
乙女
(
をとめ
)
の
尻
(
しり
)
はよけれども
058
糞婆
(
くそばば
)
の
尻
(
しり
)
いと
臭
(
くさ
)
きかな。
059
天香
(
てんかう
)
は
雪隠
(
せんち
)
空
(
むな
)
しうせぬと
云
(
い
)
ふ
060
日
(
ひ
)
に
三回
(
さんくわい
)
の
飯礼
(
はんれい
)
ありせば』
061
斯
(
か
)
く
話
(
はな
)
してゐる
所
(
ところ
)
へヨリコ
女帝
(
によてい
)
が
盲腸
(
まうちやう
)
、
062
結腸
(
けつちやう
)
、
063
直腸
(
ちよくちやう
)
辺
(
あた
)
りの
大
(
だい
)
清潔法
(
せいけつはふ
)
を
施行
(
しかう
)
すべく、
064
やつて
来
(
き
)
た。
065
アルはこれを
見
(
み
)
て、
066
アル
『あな
尊
(
たふ
)
とひ
しり
の
君
(
きみ
)
の
御
(
ご
)
降臨
(
かうりん
)
067
アル
にあられぬ
恥
(
はぢ
)
を
見
(
み
)
しかは』
068
ヨリコ『
雪隠
(
せつちん
)
と
云
(
い
)
ふ
字
(
じ
)
は
雪
(
ゆき
)
に
隠
(
かく
)
るなり
069
白妙
(
しろたへ
)
の
衣
(
きぬ
)
まとふ
糞虫
(
くそむし
)
』
070
エス『
白妙
(
しろたへ
)
の
衣
(
きぬ
)
をまとひて
糞虫
(
くそむし
)
は
071
黄金
(
こがね
)
の
餌
(
ゑじき
)
朝夕
(
あさゆふ
)
に
喰
(
く
)
ふ』
072
ヨリコ『アル、エスの
二人
(
ふたり
)
の
君
(
きみ
)
よ
心
(
こころ
)
して
073
黄金仏
(
わうごんぶつ
)
にならぬやうにせよ』
074
アル『
アル
望
(
のぞ
)
み
抱
(
かか
)
へし
吾
(
われ
)
は
糞度胸
(
くそどきよう
)
075
すゑてかかりぬ
便所
(
はばかり
)
掃除
(
さうぢ
)
に』
076
エス『
アル
望
(
のぞ
)
みなどと
しり
顔
(
がほ
)
するでない
077
糞奴
(
くそやつこ
)
めが
いばり
散
(
ち
)
らすな』
078
ヨリコ『アル、エスの
二人
(
ふたり
)
の
君
(
きみ
)
よ
今
(
いま
)
少時
(
しばし
)
079
はばかり
玉
(
たま
)
へ
吾
(
わが
)
帰
(
かへ
)
るまで』
080
アル『はばかりの
掃除
(
さうぢ
)
はすれどこの
男
(
をとこ
)
081
はばかり
乍
(
なが
)
ら
腕
(
うで
)
に
骨
(
ほね
)
あり』
082
エス『えらさうに
しり
顔
(
がほ
)
なしてブツブツと
083
口先
(
くちさき
)
過
(
す
)
ぎてババ
垂
(
た
)
れるなよ』
084
両人
(
りやうにん
)
はヨリコ
姫
(
ひめ
)
の
用
(
よう
)
を
足
(
た
)
す
間
(
あひだ
)
、
085
便所
(
はばかり
)
遠
(
とほ
)
く
庭
(
には
)
の
隅
(
すみ
)
のパインの
下
(
もと
)
にクルツプ
砲
(
はう
)
の
難
(
なん
)
を
避
(
さ
)
けた。
086
アル『いか
程
(
ほど
)
に
容姿
(
みめ
)
美
(
うる
)
はしき
女帝
(
によてい
)
さへ
087
下
(
した
)
から
見
(
み
)
れば
愛想
(
あいそ
)
やつきむ』
088
エス『
裏門
(
うらもん
)
を
開
(
ひら
)
いて
出
(
い
)
づる
兵卒
(
へいそつ
)
の
089
ラツパの
声
(
こゑ
)
も
勇
(
いさ
)
ましきかな』
090
アル
『バカ
云
(
い
)
ふな
ばば
垂
(
た
)
れ
腰
(
ごし
)
を
眺
(
なが
)
めたら
091
かたい
約束
(
やくそく
)
も
小便
(
せうべん
)
し
度
(
た
)
くならむ』
092
エス
『
草木
(
くさき
)
もゆる
谷
(
たに
)
の
流
(
なが
)
れをピユーピユーと
093
鵯越
(
ひよどりごえ
)
の
進
(
すす
)
むよしなし。
094
谷
(
たに
)
の
戸
(
と
)
を
開
(
ひら
)
いて
出
(
で
)
るは
鶯
(
うぐひす
)
の
095
声
(
こゑ
)
ならずして
鵯
(
ひよどり
)
の
声
(
こゑ
)
』
096
アル
『
思
(
おも
)
うたよりヨリコの
姫
(
ひめ
)
の
長雪隠
(
ながせんち
)
097
心
(
こころ
)
短
(
みじか
)
き
俺
(
おれ
)
は
堪
(
たま
)
らぬ』
098
エス
『こんなことヨリコの
姫
(
ひめ
)
に
聞
(
きこ
)
えたら
099
糞腹
(
くそばら
)
立
(
た
)
てて
尻
(
しり
)
や
持
(
も
)
て
来
(
こ
)
む。
100
何事
(
なにごと
)
も
皆
(
みな
)
しりの
穴
(
あな
)
ヨリコ
姫
(
ひめ
)
101
尻
(
しり
)
もて
来
(
く
)
れば
猫婆
(
ねこばば
)
きめる。
102
猫婆
(
ねこばば
)
をきめる
積
(
つも
)
りでキユーバーが
103
便所
(
はばかり
)
掃除
(
さうぢ
)
請合
(
うけあひ
)
しならむ。
104
こつぴどくこき
卸
(
おろ
)
されて
糞腹
(
くそばら
)
立
(
た
)
て
105
糞垂
(
ばばた
)
れ
腰
(
ごし
)
の
糞坊主
(
くそばうず
)
去
(
い
)
ぬ』
106
ヨリコ
姫
(
ひめ
)
は
便所
(
べんじよ
)
から、
107
しとやかに
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た。
108
アル、
109
エスは
先
(
さき
)
を
争
(
あらそ
)
うて
手洗鉢
(
てうづばち
)
の
前
(
まへ
)
により、
110
柄杓
(
ひしやく
)
の
柄
(
え
)
をとり
水
(
みづ
)
を
無暗
(
むやみ
)
矢鱈
(
やたら
)
にかけながら、
111
アル『
弁天
(
べんてん
)
の
化身
(
けしん
)
のやうな
女帝
(
によてい
)
様
(
さま
)
の
112
お
手
(
て
)
洗
(
あら
)
ふさへ
しやく
の
種
(
たね
)
なる』
113
エス『このやうな
美人
(
びじん
)
を
妻
(
つま
)
にする
男
(
をとこ
)
114
面
(
つら
)
見
(
み
)
るさへも
小
(
こ
)
しやく
にさはる』
115
ヨリコ『
八
(
はち
)
尺
(
しやく
)
の
二人
(
ふたり
)
の
男
(
をとこ
)
が
漸
(
やうや
)
くに
116
五勺
(
ごしやく
)
許
(
ばか
)
りの
水
(
みづ
)
を
呉
(
く
)
れたり。
117
雪隠
(
せつちん
)
の
掃除
(
さうぢ
)
も
神
(
かみ
)
の
御恵
(
みめぐ
)
みよ
118
天香
(
てんかう
)
さまの
出世
(
しゆつせ
)
見
(
み
)
給
(
たま
)
へ』
119
アル『
何
(
なに
)
程
(
ほど
)
に
出世
(
しゆつせ
)
したとて
何時
(
いつ
)
迄
(
まで
)
も
120
尻掃除
(
しりさうぢ
)
とはバツとしませぬ』
121
ヨリコ『
左様
(
さやう
)
ならアルさまエスさま
別
(
わか
)
れませう
122
又
(
また
)
明日
(
あす
)
の
朝
(
あさ
)
会
(
あ
)
ふを
楽
(
たの
)
しみに』
123
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
らヨリコ
姫
(
ひめ
)
は
吾
(
わが
)
居室
(
ゐま
)
に
帰
(
かへ
)
つて
行
(
ゆ
)
く。
124
○
125
ヨリコ
姫
(
ひめ
)
、
126
花香
(
はなか
)
、
127
ダリヤ、
128
アル、
129
エスの
聯合
(
れんがふ
)
家族
(
かぞく
)
は
130
食堂
(
しよくだう
)
に
集
(
あつま
)
つて
四方山
(
よもやま
)
の
話
(
はなし
)
に
耽
(
ふけ
)
り
乍
(
なが
)
ら
朝飯
(
あさめし
)
を
喫
(
きつ
)
してゐると、
131
表
(
おもて
)
の
玄関
(
げんくわん
)
に
向
(
むか
)
つて
甲走
(
かんばし
)
つた
女
(
をんな
)
の
声
(
こゑ
)
が
聞
(
きこ
)
えて
来
(
き
)
た。
132
高姫
(
たかひめ
)
『ハイ、
133
御免
(
ごめん
)
なさいませ、
134
一寸
(
ちよつと
)
物
(
もの
)
をお
尋
(
たづ
)
ね
申
(
まを
)
します。
135
ヨリコさまと
云
(
い
)
ふ
無冠
(
むくわん
)
の
女帝
(
によてい
)
さまはお
宅
(
たく
)
で
御座
(
ござ
)
いますかな、
136
宗教
(
しうけう
)
問答
(
もんだふ
)
のためにウラナイ
教
(
けう
)
の
教主
(
けうしゆ
)
、
1361
千草
(
ちぐさ
)
の
高姫
(
たかひめ
)
が
参
(
まゐ
)
りました。
137
別
(
べつ
)
に
驚
(
おどろ
)
くやうな
女
(
をんな
)
ぢや
御座
(
ござ
)
いませぬ、
138
第一
(
だいいち
)
霊国
(
れいごく
)
の
身魂
(
みたま
)
、
139
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
の
生宮
(
いきみや
)
、
140
下津
(
したつ
)
岩根
(
いはね
)
の
大弥勒
(
おほみろく
)
の
化身
(
けしん
)
で
御座
(
ござ
)
いますよ』
141
と
呼
(
よば
)
はつてゐる。
142
ヨリコ『ホツホヽヽヽ、
143
朝
(
あさ
)
つぱらから、
144
何処
(
どこ
)
の
狂人
(
きちがひ
)
か
知
(
し
)
らないが、
145
妙
(
めう
)
な
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
うて
来
(
き
)
よつたものだ。
146
ダリヤさま、
147
妾
(
わたし
)
の
代理
(
だいり
)
となつて
少時
(
しばらく
)
相手
(
あひて
)
になつてやつて
下
(
くだ
)
さいな』
148
ダリヤ『
女帝
(
によてい
)
様
(
さま
)
の
仰
(
おほ
)
せでは
御座
(
ござ
)
いますが、
149
狂者
(
きちがひ
)
を
相手
(
あひて
)
にする
事
(
こと
)
は
真平
(
まつぴら
)
御免
(
ごめん
)
を
蒙
(
かうむ
)
り
度
(
た
)
う
御座
(
ござ
)
います』
150
ヨリ『
第一線
(
だいいつせん
)
に
貴女
(
あなた
)
出
(
で
)
て
下
(
くだ
)
さい、
151
もしも
戦況
(
せんきやう
)
危
(
あやふ
)
しと
見
(
み
)
た
時
(
とき
)
は
第二線
(
だいにせん
)
として
花香
(
はなか
)
に
行
(
い
)
つて
貰
(
もら
)
ひます。
152
その
第二線
(
だいにせん
)
が
破
(
やぶ
)
れました
時
(
とき
)
、
153
殿
(
しんがり
)
として
此
(
この
)
ヨリコが
大
(
だい
)
獅子吼
(
ししく
)
を
致
(
いた
)
しますからね』
154
アル『もしもし
女帝
(
によてい
)
様
(
さま
)
、
155
あんな
狂者
(
きちがひ
)
にダリヤ
姫
(
ひめ
)
さまなんか、
1551
出
(
だ
)
すのは
勿体
(
もつたい
)
ないぢやありませぬか、
156
先陣
(
せんぢん
)
は
私
(
わたくし
)
が
勤
(
つと
)
めますから
157
何卒
(
どうぞ
)
此
(
この
)
役目
(
やくめ
)
をアルに
譲
(
ゆづ
)
つて
下
(
くだ
)
さいませ、
158
タカガ
知
(
し
)
れた
狂者
(
きちがひ
)
ぢやありませぬか』
159
ヨリコ『お
前
(
まへ
)
さまは
決
(
けつ
)
して
相手
(
あひて
)
になつちやいけませぬよ、
160
いくつ
位
(
くらゐ
)
の
女
(
をんな
)
か
161
一寸
(
ちよつと
)
様子
(
やうす
)
を
調
(
しら
)
べて
来
(
き
)
て
貰
(
もら
)
ひさへすれば
宜
(
よろ
)
しい』
162
アル『ハイ、
163
承知
(
しようち
)
致
(
いた
)
しました、
164
オイ、
165
エス、
166
お
前
(
まへ
)
は
俺
(
おれ
)
の
副将軍
(
ふくしやうぐん
)
だ、
167
ソツト
後
(
あと
)
から
従
(
つ
)
いて
来
(
こ
)
い』
168
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
169
早
(
はや
)
くも
玄関口
(
げんくわんぐち
)
に
立
(
たち
)
塞
(
ふさ
)
がり、
170
アル
『イヨー!
何
(
なん
)
とマア チツト
許
(
ばか
)
り
年
(
とし
)
はよつて
居
(
ゐ
)
るが、
171
ステキなものだなア』
172
高
(
たか
)
『これ
奴
(
やつこ
)
さま、
173
ナーンぢやいな、
174
失礼
(
しつれい
)
な、
175
お
客
(
きやく
)
さまの
前
(
まへ
)
で
立
(
たち
)
はだかつて、
176
挨拶
(
あいさつ
)
一
(
ひと
)
つ
知
(
し
)
らない
穀潰
(
ごくつぶ
)
しだな、
177
僕
(
しもべ
)
のやり
方
(
かた
)
を
見
(
み
)
りや
大抵
(
たいてい
)
主人
(
しゆじん
)
の
性質
(
せいしつ
)
が
分
(
わか
)
るものだ。
178
此
(
この
)
下駄
(
げた
)
の
脱
(
ぬ
)
ぎ
方
(
かた
)
と
云
(
い
)
ひ、
179
乱離
(
らんり
)
骨灰
(
こつぱい
)
、
180
まるつきりなつちやゐないぢやないか。
181
ヘン
偉
(
えら
)
相
(
さう
)
に
宗教
(
しうけう
)
問答所
(
もんだふどころ
)
なんて、
182
まるつきり
狂者
(
きちがひ
)
の
沙汰
(
さた
)
だ』
183
アル『オイ、
184
高姫
(
たかひめ
)
とか
云
(
い
)
ふ
中婆
(
ちうばば
)
さま、
185
人
(
ひと
)
の
所
(
ところ
)
の
宅
(
うち
)
へ
出
(
で
)
て
来
(
き
)
て、
186
履物
(
はきもの
)
の
小言
(
こごと
)
まで
云
(
い
)
うてくれな、
187
俺
(
おれ
)
方
(
たち
)
の
悪口
(
あくこう
)
をつくのならまだ
虫
(
むし
)
を
堪
(
こら
)
へておくが、
188
天下
(
てんか
)
無双
(
むさう
)
の
才女
(
さいぢよ
)
、
189
ヨリコ
姫
(
ひめ
)
女帝
(
によてい
)
の
悪口
(
あくこう
)
まで
吐
(
ぬ
)
かすに
於
(
おい
)
ては、
190
断
(
だん
)
じて
此
(
この
)
玄関
(
げんくわん
)
は
通
(
とほ
)
さない。
191
エー
糞忌々
(
くそいまいま
)
しい、
192
婆
(
ばば
)
の
来
(
く
)
る
所
(
ところ
)
ぢやない、
193
屁
(
へ
)
なつと
嗅
(
か
)
いで
去
(
い
)
んでくれ』
194
高
(
たか
)
『ホツホヽヽヽ、
195
お
前
(
まへ
)
がさう
云
(
い
)
はいでも、
196
此
(
この
)
高姫
(
たかひめ
)
がヨリコ
姫
(
ひめ
)
の
膏
(
あぶら
)
を
絞
(
しぼ
)
り、
197
蛸
(
たこ
)
を
釣
(
つ
)
り
灸
(
きう
)
をすゑ、
198
鼬
(
いたち
)
の
最後屁
(
さいごぺ
)
を
放
(
ひ
)
らして
往生
(
わうじやう
)
さしてやるから
臭
(
くさ
)
い
顔
(
かほ
)
して
待
(
まつ
)
て
居
(
ゐ
)
なさい、
199
ド
奴
(
やつこ
)
の
糞奴
(
くそやつこ
)
め。
200
こんなガラクタ
男
(
をとこ
)
を
使
(
つか
)
うて、
201
えらさうに
構
(
かま
)
へ
込
(
こ
)
んでゐるとは
誠
(
まこと
)
に
以
(
もつ
)
て
噴飯
(
ふんぱん
)
の
至
(
いた
)
りだ、
202
ホツホヽヽヽ』
203
アル『エー、
204
とても、
205
こんな
気違
(
きちがひ
)
婆
(
ばば
)
は
俺
(
おれ
)
方
(
たち
)
の
挺棒
(
てこぼう
)
に
合
(
あ
)
はない、
206
サア
第一線
(
だいいつせん
)
だ
第一線
(
だいいつせん
)
だ』
207
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
奥
(
おく
)
に
飛
(
と
)
び
込
(
こ
)
み、
208
アル『もしもし
女帝
(
によてい
)
様
(
さま
)
、
209
竹
(
たけ
)
に
210
鶯
(
うぐひす
)
、
211
梅
(
うめ
)
に
雀
(
すずめ
)
と
云
(
い
)
ふやうな
婆
(
ばば
)
が
来
(
き
)
ましたよ』
212
ヨリコ『ホツホヽヽヽそれは
木違
(
きちが
)
ひ
鳥違
(
とりちが
)
ひと
云
(
い
)
ふのだらう、
213
サア
之
(
これ
)
から
梅
(
うめ
)
に
雀
(
すずめ
)
の
婆
(
ばあ
)
さまに
向
(
むか
)
つて、
214
戦闘
(
せんとう
)
開始
(
かいし
)
をやつて
下
(
くだ
)
さい』
215
ダリヤ『ハイ、
216
及
(
およ
)
ばず
乍
(
なが
)
ら
第一線
(
だいいつせん
)
に
立
(
た
)
ちませう、
217
どうか
後援
(
こうゑん
)
を
頼
(
たの
)
みます』
218
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら
玄関口
(
げんくわんぐち
)
に
出
(
で
)
た。
219
ダリヤ『
玉鉾
(
たまぼこ
)
の
道
(
みち
)
の
問答
(
もんだふ
)
せむものと
220
遥々
(
はるばる
)
尋
(
たづ
)
ね
来
(
きた
)
りし
君
(
きみ
)
はも。
221
いざさらば
問答席
(
もんだふせき
)
へ
通
(
とほ
)
りまし
222
及
(
およ
)
ばずながら
案内
(
あない
)
申
(
まを
)
さむ』
223
高
(
たか
)
『むづかしき
歌
(
うた
)
よみかけて
高姫
(
たかひめ
)
を
224
困
(
こま
)
らさむとす
猾
(
ずる
)
さに
呆
(
あき
)
れし。
225
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も
此
(
この
)
家
(
や
)
の
奥
(
おく
)
へ
踏
(
ふ
)
ん
込
(
こ
)
んで
226
狸
(
たぬき
)
の
化
(
ばけ
)
の
皮
(
かは
)
むいて
見
(
み
)
む』
227
と
云
(
い
)
ひ
乍
(
なが
)
ら、
228
ダリヤ
姫
(
ひめ
)
に
従
(
したが
)
ひ
問答席
(
もんだふせき
)
についた。
229
ダリ『いざさらば
寛
(
くつろ
)
ぎ
給
(
たま
)
へ
椅子
(
いす
)
の
上
(
へ
)
に
230
世
(
よ
)
の
悉
(
ことごと
)
は
しり
の
穴
(
あな
)
の
君
(
きみ
)
』
231
高
(
たか
)
『
賢
(
さか
)
しげな
事
(
こと
)
を
云
(
い
)
へども
何処
(
どこ
)
やらに
232
息
(
いき
)
のぬけたる
汝
(
なれ
)
の
顔
(
かほ
)
かも。
233
汝
(
なれ
)
こそはヨリコの
姫
(
ひめ
)
の
身代
(
みがは
)
りと
234
吾
(
わが
)
慧眼
(
けいがん
)
に
見
(
み
)
えたり
如何
(
いか
)
にや』
235
ダリ『
妾
(
わらは
)
こそヨリコの
姫
(
ひめ
)
の
妹
(
いもうと
)
よ
236
ダリヤの
花
(
はな
)
の
名
(
な
)
を
負
(
お
)
ひし
姫
(
ひめ
)
。
237
何
(
なん
)
なりと
問答
(
もんだふ
)
遊
(
あそ
)
ばせ
立板
(
たていた
)
に
238
水
(
みづ
)
の
流
(
なが
)
るる
如
(
ごと
)
く
答
(
こた
)
へむ』
239
高
(
たか
)
『
美
(
うる
)
はしき
女
(
をんな
)
にも
似
(
に
)
ず
出
(
だ
)
し
抜
(
ぬ
)
けに
240
大法螺
(
おほぼら
)
を
吹
(
ふ
)
く
しり
の
太
(
ふと
)
さよ。
241
いざさらば
吾
(
わが
)
問
(
と
)
ふことに
答
(
こた
)
へかし
242
今日
(
けふ
)
こそ
汝
(
なれ
)
が
生死
(
いきしに
)
の
境
(
さかひ
)
ぞ』
243
ダリ『
如何
(
いか
)
ならむ
賢
(
かしこ
)
き
人
(
ひと
)
の
来
(
きた
)
るとも
244
後
(
あと
)
へはひかぬ
弦
(
つる
)
離
(
はな
)
れたる
征矢
(
そや
)
』
245
高姫
(
たかひめ
)
いかい
目
(
め
)
をむいて
246
ダリヤの
姫
(
ひめ
)
の
面上
(
めんじやう
)
を
247
ハツタと
睨
(
にら
)
み
大口
(
おほぐち
)
を
248
斜
(
ななめ
)
に
開
(
ひら
)
き
白歯
(
しろは
)
をば
249
むき
出
(
だ
)
し
乍
(
なが
)
ら
手
(
て
)
を
振
(
ふ
)
つて
250
演説
(
えんぜつ
)
口調
(
くてう
)
で
語
(
かた
)
り
出
(
だ
)
す
251
高
(
たか
)
『お
前
(
まへ
)
はヨリコの
妹
(
いもうと
)
と
252
名乗
(
なの
)
つたからは
高姫
(
たかひめ
)
が
253
宣
(
の
)
る
言霊
(
ことたま
)
を
一々
(
いちいち
)
に
254
川瀬
(
かはせ
)
の
水
(
みづ
)
の
流
(
なが
)
る
如
(
ごと
)
255
答
(
こた
)
へて
裁
(
さば
)
くで
御座
(
ござ
)
らうな
256
よしよしそんなら
高姫
(
たかひめ
)
が
257
一
(
ひと
)
つの
問題
(
もんだい
)
出
(
だ
)
しませう
258
この
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
を
造
(
つく
)
りたる
259
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
は
何神
(
なにがみ
)
か
260
何卒
(
なにとぞ
)
聞
(
き
)
かして
貰
(
もら
)
ひませう
261
それが
分
(
わか
)
らぬやうな
事
(
こと
)
で
262
問答所
(
もんだふどころ
)
の
役員
(
やくゐん
)
と
云
(
い
)
へませうか
263
サアサア
如何
(
いか
)
に』と
詰寄
(
つめよ
)
れば
264
ダリヤはニツコと
打
(
うち
)
笑
(
わら
)
ひ
265
ダリ『
如何
(
いか
)
なる
難
(
むつか
)
しいお
尋
(
たづ
)
ねと
266
思
(
おも
)
つてゐたのに
何
(
なん
)
のこと
267
この
世
(
よ
)
の
御
(
ご
)
先祖
(
せんぞ
)
は
云
(
い
)
はいでも
268
世界
(
せかい
)
に
知
(
し
)
れた
厳霊
(
いづみたま
)
269
国常立
(
くにとこたち
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
よ
270
この
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
は
泥海
(
どろうみ
)
を
271
造
(
つく
)
り
固
(
かた
)
めて
山川
(
やまかは
)
や
272
草木
(
くさき
)
の
神
(
かみ
)
迄
(
まで
)
生
(
う
)
みました
273
吾
(
われ
)
方
(
ら
)
の
誠
(
まこと
)
の
親
(
おや
)
です』と
274
云
(
い
)
へば
高姫
(
たかひめ
)
反
(
そり
)
かへり
275
フフンと
笑
(
わら
)
ふ
鼻
(
はな
)
の
先
(
さき
)
276
高姫
『
三五教
(
あななひけう
)
のトチ
呆
(
ばう
)
け
277
大根本
(
だいこんぽん
)
の
根本
(
こつぽん
)
の
278
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
は
大弥勒
(
おほみろく
)
279
底津
(
そこつ
)
岩根
(
いはね
)
の
神
(
かみ
)
様
(
さま
)
よ
280
人間姿
(
にんげんすがた
)
の
分際
(
ぶんざい
)
で
281
誠
(
まこと
)
の
神
(
かみ
)
は
分
(
わか
)
らうまい
282
そんな
下
(
くだ
)
らぬ
事
(
こと
)
云
(
い
)
うて
283
沢山
(
たくさん
)
の
人
(
ひと
)
を
欺
(
だま
)
すより
284
早
(
はや
)
くすつこんで
居
(
を
)
りなされ
285
お
前
(
まへ
)
ぢや
事
(
こと
)
が
分
(
わか
)
らない
286
肝腎要
(
かんじんかなめ
)
の
当
(
たう
)
の
主
(
ぬし
)
287
ヨリコの
姫
(
ひめ
)
を
呼
(
よ
)
んでおいで
288
余
(
あま
)
りに
相撲
(
すまう
)
が
違
(
ちが
)
ふので
289
阿呆
(
あはう
)
らしくて
話
(
はなし
)
になりませぬ』
290
云
(
い
)
へばダリヤはうつ
向
(
む
)
いて
291
顔
(
かほ
)
を
真赤
(
まつか
)
に
染
(
そ
)
め
乍
(
なが
)
ら
292
すごすご
立
(
た
)
つて
奥
(
おく
)
に
入
(
い
)
る
293
つづいて
出
(
で
)
て
来
(
く
)
る
美婦人
(
びふじん
)
は
294
天女
(
てんによ
)
に
擬
(
まが
)
ふ
花香姫
(
はなかひめ
)
295
千草
(
ちぐさ
)
の
高姫
(
たかひめ
)
見
(
み
)
るよりも
296
いと
慇懃
(
いんぎん
)
に
会釈
(
ゑしやく
)
して
297
静
(
しづか
)
に
梅花
(
ばいくわ
)
の
口
(
くち
)
開
(
ひら
)
き
298
声
(
こゑ
)
しとやかに『
妾
(
わらは
)
こそ
299
ヨリコの
姫
(
ひめ
)
に
仕
(
つか
)
へたる
300
梅
(
うめ
)
の
花香
(
はなか
)
と
申
(
まを
)
します
301
何卒
(
なにとぞ
)
お
見知
(
みし
)
りおかれませ
302
いかなる
問答
(
もんだふ
)
か
知
(
し
)
らねども
303
即座
(
そくざ
)
にお
答
(
こた
)
へ
申
(
まを
)
しませう
304
遠慮
(
ゑんりよ
)
会釈
(
ゑしやく
)
は
要
(
い
)
りませぬ
305
何
(
なん
)
なとお
尋
(
たづ
)
ねなさいませ』
306
云
(
い
)
へば
高姫
(
たかひめ
)
反
(
そ
)
りかへり
307
高
(
たか
)
『
妾
(
われ
)
こそ
誠
(
まこと
)
の
救世主
(
きうせいしゆ
)
308
高天原
(
たかあまはら
)
の
霊国
(
れいごく
)
の
309
第一
(
だいいち
)
天人
(
てんにん
)
の
霊魂
(
みたま
)
ぞや
310
下津
(
したつ
)
岩根
(
いはね
)
の
大弥勒
(
おほみろく
)
311
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
の
救世主
(
きうせいしゆ
)
312
日出
(
ひのでの
)
神
(
かみ
)
と
現
(
あら
)
はれて
313
トルマン
国
(
ごく
)
のスガの
町
(
まち
)
314
天降
(
あまくだ
)
りたるウラナイの
315
教
(
をしへ
)
の
道
(
みち
)
の
神柱
(
かむばしら
)
316
必
(
かなら
)
ず
粗相
(
そさう
)
のないやうに
317
謹
(
つつし
)
み
敬
(
うやま
)
ひ
吾
(
わが
)
言葉
(
ことば
)
318
胸
(
むね
)
にたたんでトツクリと
319
考
(
かんが
)
へなされよ
花香
(
はなか
)
さま
320
サアサアこれから
高姫
(
たかひめ
)
が
321
貴女
(
あなた
)
に
質問
(
しつもん
)
致
(
いた
)
すぞや
322
抑々
(
そもそも
)
天地
(
てんち
)
の
根本
(
こんぽん
)
の
323
大根本
(
だいこんぽん
)
の
根本
(
こんぽん
)
の
324
その
又
(
また
)
根本
(
こんぽん
)
の
根本
(
こんぽん
)
の
325
まだまだ
根本
(
こんぽん
)
の
根本
(
こんぽん
)
の
326
昔
(
むかし
)
の
昔
(
むかし
)
のさる
昔
(
むかし
)
327
ま
一
(
ひと
)
つの
昔
(
むかし
)
の
又
(
また
)
昔
(
むかし
)
328
ま
一
(
ひと
)
つの
昔
(
むかし
)
の
大昔
(
おほむかし
)
329
又
(
また
)
も
昔
(
むかし
)
のその
昔
(
むかし
)
330
ドツト
張込
(
はりこ
)
んでその
昔
(
むかし
)
331
猿
(
さる
)
が
三匹
(
さんびき
)
飛
(
と
)
んで
来
(
き
)
て
332
三千
(
さんぜん
)
世界
(
せかい
)
を
掻
(
か
)
きまはし
333
この
世
(
よ
)
に
暗
(
やみ
)
と
明
(
あか
)
りと
雨
(
あめ
)
降
(
ふ
)
りを
334
来
(
きた
)
した
訳
(
わけ
)
は
如何
(
どう
)
ですか
335
この
訳
(
わけ
)
聞
(
き
)
かして
貰
(
もら
)
ひませう』
336
云
(
い
)
へば
花香
(
はなか
)
は
噴
(
ふ
)
き
出
(
いだ
)
し
337
花
(
はな
)
『
弥勒
(
みろく
)
の
弥勒
(
みろく
)
のまだ
弥勒
(
みろく
)
338
ま
一
(
ひと
)
つ
弥勒
(
みろく
)
のその
弥勒
(
みろく
)
339
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
の
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
のまだ
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
340
も
一
(
ひと
)
つ
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
のその
日
(
ひ
)
の
出
(
で
)
341
昔
(
むかし
)
の
昔
(
むかし
)
の
大昔
(
おほむかし
)
342
猿
(
さる
)
が
六匹
(
ろつぴき
)
飛
(
と
)
んで
来
(
き
)
て
343
一
(
ひと
)
つは
雪隠
(
せんち
)
を
掻
(
か
)
きまはす
344
一
(
ひと
)
つは
頭
(
あたま
)
をかきまはす
345
一
(
ひと
)
つは
恥
(
はぢ
)
をかきまはす
346
一
(
ひと
)
つは
借用
(
しやくよう
)
証文
(
しようもん
)
書
(
か
)
きまはす
347
一
(
ひと
)
つはお
粥
(
かゆ
)
をかきまはす
348
一
(
ひと
)
つはそこらをかきまはす
349
も
一
(
ひと
)
つお
尻
(
しり
)
をかきまはす
350
此奴
(
こいつ
)
の
謎
(
なぞ
)
がとけたなら
351
お
前
(
まへ
)
さまの
問題
(
もんだい
)
に
答
(
こた
)
へませう』
352
等
(
など
)
と
分
(
わか
)
らぬ
予防線
(
よばうせん
)
353
鉄条網
(
てつでうまう
)
を
張
(
は
)
りまはし
354
用心
(
ようじん
)
堅固
(
けんご
)
に
備
(
そな
)
へしは
355
流石
(
さすが
)
はヨリコの
妹
(
いもうと
)
と
356
生
(
うま
)
れし
甲斐
(
かひ
)
ぞ
見
(
み
)
えにける
357
高姫
(
たかひめ
)
拳
(
こぶし
)
を
固
(
かた
)
めつつ
358
力
(
ちから
)
限
(
かぎ
)
りに
卓
(
たく
)
を
打
(
う
)
ち
359
高
(
たか
)
『これやこれや
女
(
あま
)
つちよ
痩
(
や
)
せ
女郎
(
めらう
)
360
そんな
事
(
こと
)
云
(
い
)
うて
高姫
(
たかひめ
)
を
361
煙
(
けむ
)
りに
捲
(
ま
)
かうとはづうづうしい
362
お
前
(
まへ
)
のやうな
分
(
わか
)
らない
363
女
(
をんな
)
を
相手
(
あひて
)
にやして
居
(
を
)
れぬ
364
当
(
たう
)
の
主人
(
しゆじん
)
のヨリコ
姫
(
ひめ
)
365
早
(
はや
)
く
此
(
こ
)
の
場
(
ば
)
へ
引
(
ひき
)
出
(
だ
)
せよ
366
この
高姫
(
たかひめ
)
の
弁舌
(
べんぜつ
)
で
367
道場破
(
だうぢやうやぶ
)
りをして
見
(
み
)
せる
368
あゝ
面白
(
おもしろ
)
い
面白
(
おもしろ
)
い
369
いよいよ
之
(
これ
)
から
正念場
(
しやうねんば
)
370
気
(
き
)
の
毒
(
どく
)
なのはお
前
(
まへ
)
達
(
たち
)
371
折角
(
せつかく
)
建
(
た
)
てた
神館
(
かむやかた
)
372
城
(
しろ
)
明
(
あ
)
け
渡
(
わた
)
しスゴスゴと
373
逃
(
に
)
げねばならぬ
断末魔
(
だんまつま
)
374
いよいよこれが
悪神
(
あくがみ
)
の
375
世
(
よ
)
の
持
(
も
)
ち
終
(
をは
)
りとなつたのだ
376
あゝ
惟神
(
かむながら
)
々々
(
かむながら
)
377
ウラナイ
教
(
けう
)
の
御
(
ご
)
神徳
(
しんとく
)
378
今更
(
いまさら
)
感
(
かん
)
じ
入
(
い
)
りました』
379
花香姫
(
はなかひめ
)
は
高姫
(
たかひめ
)
のあまりの
強情
(
がうじやう
)
に
呆
(
あき
)
れ
果
(
は
)
て、
380
暗
(
やみ
)
に
打
(
う
)
ち
出
(
だ
)
す
鉄砲玉
(
てつぱうだま
)
に
持
(
も
)
てあましつつ
匆々
(
さうさう
)
としてヨリコの
居室
(
ゐま
)
に
駆
(
か
)
け
込
(
こ
)
んで
了
(
しま
)
つた。
381
(
大正一五・七・一
旧五・二二
於天之橋立文珠なかや別館
北村隆光
録)
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