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霊界物語
天祥地瑞（第73～81巻）
第73巻（子の巻）
序文
総説
第1篇 紫微天界
第1章 天之峯火夫の神
第2章 高天原
第3章 天之高火男の神
第4章 ⦿の神声
第5章 言幸比古の神
第6章 言幸比女の神
第7章 太祓
第8章 国生み神生みの段
第9章 香具の木の実
第10章 婚ぎの御歌
第11章 紫微の宮司
第12章 水火の活動
第13章 神の述懐歌（一）
第14章 神の述懐歌（二）
第2篇 高照神風
第15章 国生みの旅
第16章 八洲の河
第17章 駒の嘶き
第18章 佐田の辻
第19章 高日の宮
第20章 廻り逢ひ
第21章 禊の段
第22章 御子生みの段
第23章 中の高滝
第24章 天国の旅
第25章 言霊の滝
第3篇 東雲神国
第26章 主神の降臨
第27章 神秘の扉
第28章 心内大蛇
第29章 無花果
第30章 日向の河波
第31章 夕暮の館
第32章 玉泉の月
第33章 四馬の遠乗
第34章 国魂の発生
第35章 四鳥の別れ
第36章 荒野の駿馬
第37章 玉手の清宮
余白歌
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霊界物語
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天祥地瑞（第73～81巻）
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> 第2篇 高照神風 > 第17章 駒の嘶き
＜＜＜ 八洲の河
(B)
(N)
佐田の辻 ＞＞＞
第一七章
駒
(
こま
)
の
嘶
(
いなな
)
き〔一八四八〕
インフォメーション
著者：
出口王仁三郎
巻：
霊界物語 第73巻 天祥地瑞 子の巻
篇：
第2篇 高照神風
よみ（新仮名遣い）：
たかてるしんぷう
章：
第17章 駒の嘶き
よみ（新仮名遣い）：
こまのいななき
通し章番号：
1848
口述日：
1933（昭和8）年10月13日（旧08月24日）
口述場所：
水明閣
筆録者：
白石恵子
校正日：
校正場所：
初版発行日：
1933（昭和8）年11月22日
概要：
舞台：
あらすじ
[?]
このあらすじは東京の望月さん作成です（一部加筆訂正してあります）。一覧表が「
王仁DB
」にあります。
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：
高照山の聖地を指していくと、途中の小川に、禊をしている美しい比女神がいた。
顕津男の神が名を問うと、八十柱の比女神の一人、如衣比女（ゆくえひめ）であるとわかった。
如衣比女は顕津男の神への想いのたけを歌うが、顕津男の神は、諸神の目があること、聖地高照山への途上であることなどを気にして、承諾しかねている。
大御母の神はその様子を見かねて、顕津男の神の心は確かなので、ただ時がくるのをしばらく待つよう、如衣比女に歌い諭す。
如衣比女は、大御母の神の歌に感謝し、三頭の銀の馬を献上する。馬の名はそれぞれ、天龍、銀龍、須佐、といった。
顕津男の神が天龍に、大御母の神が銀龍に、如衣比女が須佐にまたがり、高照山の聖場に向か
主な登場人物
[?]
【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。
[×閉じる]
：
備考：
タグ：
データ凡例：
データ最終更新日：
OBC ：
rm7317
愛善世界社版：
八幡書店版：
第13輯 72頁
修補版：
校定版：
153頁
普及版：
初版：
ページ備考：
001
太元
(
おほもと
)
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
は、
002
大御母
(
おほみはは
)
の
神
(
かみ
)
に
導
(
みちび
)
かれ、
003
数多
(
あまた
)
の
諸神
(
しよしん
)
を
従
(
したが
)
へて、
004
真清水
(
ましみづ
)
流
(
なが
)
るる
天
(
あめ
)
の
八洲河
(
やすかは
)
を
向津岸
(
むかつぎし
)
にうち
渡
(
わた
)
り、
005
麒麟
(
きりん
)
の
足
(
あし
)
もチヨクチヨクと、
006
高照山
(
たかてるやま
)
の
聖地
(
せいち
)
をさして、
007
道
(
みち
)
の
隈手
(
くまで
)
も
恙
(
つつが
)
なく、
008
タカ
の
言霊
(
ことたま
)
におくられて、
009
とある
小川辺
(
をがはべ
)
に
着
(
つ
)
き
給
(
たま
)
ふ。
010
この
川
(
かは
)
の
辺
(
べ
)
に
脛
(
すね
)
もあらはに
禊
(
みそぎ
)
せる
比女神
(
ひめがみ
)
あり、
011
容姿
(
ようし
)
端麗
(
たんれい
)
にして
玉
(
たま
)
の
如
(
ごと
)
し。
012
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
はこの
美神
(
びしん
)
に
対
(
たい
)
し、
013
『
由縁
(
ゆかり
)
ある
女神
(
めがみ
)
と
思
(
おも
)
へどたしだしに
014
われ
御名
(
みな
)
知
(
し
)
らず
宣
(
の
)
らせ
給
(
たま
)
はれ』
015
比女神
(
ひめがみ
)
『われこそは
神
(
かみ
)
の
依
(
よ
)
さしの
如衣
(
ゆくえ
)
比女
(
ひめ
)
016
岐美
(
きみ
)
来
(
き
)
ますよと
禊
(
みそぎ
)
して
待
(
ま
)
ちし
017
大神
(
おほかみ
)
の
神言
(
みこと
)
畏
(
かしこ
)
みただ
一人
(
ひとり
)
018
けながく
待
(
ま
)
ちぬ
岐美
(
きみ
)
の
出
(
い
)
でまし』
019
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
はこれに
答
(
こた
)
へて、
020
『
八十神
(
やそがみ
)
の
汝
(
なれ
)
は
一
(
ひと
)
つの
細女
(
くはしめ
)
か
021
思
(
おも
)
ひにまかせぬ
我
(
われ
)
を
許
(
ゆる
)
せよ
022
主
(
ス
)
の
神
(
かみ
)
のゆるし
給
(
たま
)
ひし
仲
(
なか
)
なれど
023
百神
(
ももがみ
)
たちの
目
(
め
)
を
如何
(
いか
)
にせむ』
024
比女神
(
ひめがみ
)
『
千早振
(
ちはやふる
)
神
(
かみ
)
のゆるせし
女男
(
めを
)
の
道
(
みち
)
025
はばかり
給
(
たま
)
ふ
心
(
こころ
)
恨
(
うら
)
めし
026
大
(
おほ
)
らかに
居
(
ゐ
)
まさへ
背
(
せ
)
の
岐美
(
きみ
)
天界
(
てんかい
)
の
027
国
(
くに
)
を
治
(
をさ
)
むるいみじき
神業
(
みわざ
)
よ
028
見
(
み
)
るからに
川巾
(
かははば
)
狭
(
せま
)
き
須佐川
(
すさがは
)
も
029
底
(
そこ
)
ひは
深
(
ふか
)
きわがおもひかな
030
須佐川
(
すさがは
)
はよし
底
(
そこ
)
ひまで
乾
(
かわ
)
くとも
031
岐美
(
きみ
)
に
仕
(
つか
)
ふる
心
(
こころ
)
わすれじ』
032
比古神
(
ひこがみ
)
はこれに
答
(
こた
)
へて、
033
『
高照
(
たかてる
)
のみ
山
(
やま
)
にのぼる
道
(
みち
)
なれば
034
わが
心根
(
こころね
)
をはかりて
許
(
ゆる
)
せよ』
035
比女神
(
ひめがみ
)
『
村肝
(
むらきも
)
の
心
(
こころ
)
はげしくどよめきぬ
036
いざみともせむ
高照
(
たかてる
)
の
山
(
やま
)
に
037
高照
(
たかてる
)
の
山
(
やま
)
は
高
(
たか
)
しもさかしもよ
038
わが
駒
(
こま
)
に
召
(
め
)
せ
麒麟
(
きりん
)
をすてて』
039
比古神
(
ひこがみ
)
『
大御母
(
おほみはは
)
神
(
かみ
)
の
賜
(
たま
)
ひし
麒麟
(
きりん
)
なれば
040
我
(
われ
)
いたづらに
捨
(
す
)
てがてに
思
(
おも
)
ふ』
041
比女神
(
ひめがみ
)
『この
駒
(
こま
)
は
雌
(
めす
)
にいませば
神業
(
かむわざ
)
の
042
みたまと
思
(
おも
)
ひて
安
(
やす
)
く
召
(
め
)
しませ
043
白銀
(
しろがね
)
のしろき
若駒
(
わかこま
)
に
跨
(
またが
)
りて
044
国
(
くに
)
つくりませわが
真心
(
まごころ
)
に』
045
比古神
(
ひこがみ
)
は
面
(
おも
)
ほてりながら
答
(
こた
)
へ
給
(
たま
)
ふ。
046
『
如衣
(
ゆくえ
)
比女
(
ひめ
)
神
(
かみ
)
の
神言
(
みこと
)
の
真心
(
まごころ
)
に
047
報
(
むく
)
いむ
術
(
すべ
)
のなきが
悲
(
かな
)
しき
048
高照
(
たかてる
)
のみ
山
(
やま
)
にわれは
進
(
すす
)
みゆく
049
汝
(
なれ
)
は
後
(
あと
)
より
静
(
しづか
)
に
来
(
き
)
ませよ』
050
比女神
(
ひめがみ
)
は
面
(
おもて
)
をくもらせながら、
051
『
情
(
なさけ
)
なき
岐美
(
きみ
)
の
心
(
こころ
)
よおほらかに
052
雄々
(
をを
)
しくいませ
世
(
よ
)
に
憚
(
はばか
)
らで
053
凡神
(
ただがみ
)
の
眼
(
まなこ
)
を
恐
(
おそ
)
れ
給
(
たま
)
はずて
054
神
(
かみ
)
の
依
(
よ
)
さしの
神業
(
みわざ
)
召
(
め
)
しませ』
055
ここに
大御母
(
おほみはは
)
の
神
(
かみ
)
は、
056
両神
(
りやうしん
)
が
応答歌
(
おうたふか
)
を
聞
(
き
)
きて
痛
(
いた
)
ましく
思
(
おも
)
ひ
給
(
たま
)
ひしが、
057
忽
(
たちま
)
ち
麒背
(
きはい
)
を
下
(
くだ
)
り、
058
如衣
(
ゆくえ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
の
御手
(
みて
)
をとり、
059
熱
(
あつ
)
き
涙
(
なみだ
)
をたたへながら、
060
『
妹
(
いも
)
と
背
(
せ
)
の
道
(
みち
)
は
知
(
し
)
らぬにあらねども
061
暫
(
しば
)
しを
待
(
ま
)
たせ
良
(
よ
)
き
日
(
ひ
)
来
(
く
)
るまで
062
汝
(
な
)
が
神
(
かみ
)
の
清
(
きよ
)
き
心
(
こころ
)
はわれも
知
(
し
)
る
063
須佐
(
すさ
)
の
流
(
ながれ
)
の
深
(
ふか
)
きおもひを』
064
比女神
(
ひめがみ
)
は
打
(
う
)
ちうなづきながら、
065
『
情
(
なさけ
)
ある
神
(
かみ
)
の
言葉
(
ことば
)
にまつろひて
066
良
(
よ
)
き
日
(
ひ
)
足
(
た
)
る
日
(
ひ
)
をしのびて
待
(
ま
)
たむ』
067
如衣
(
ゆくえ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
須佐
(
すさ
)
の
川瀬
(
かはせ
)
に
合掌
(
がつしやう
)
し、
068
声
(
こゑ
)
もしとやかに、
069
マモムメミ
の
言霊歌
(
ことたまうた
)
を
宣
(
の
)
り
給
(
たま
)
へば、
070
川
(
かは
)
の
流
(
なが
)
れは
真
(
ま
)
つ
二
(
ぷた
)
つに分れて、
071
中
(
なか
)
より
銀
(
ぎん
)
の
駒
(
こま
)
三頭
(
さんとう
)
躍
(
をど
)
り
出
(
い
)
で、
072
高
(
たか
)
く
嘶
(
いなな
)
きながら
比女神
(
ひめがみ
)
の
側
(
そば
)
近
(
ちか
)
く
寄
(
よ
)
り
来
(
きた
)
る。
073
比女神
(
ひめがみ
)
は
駒
(
こま
)
の
頭
(
かしら
)
を
撫
(
な
)
で
擦
(
さす
)
りながら、
074
『この
駒
(
こま
)
は
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
召
(
め
)
しませよ
075
高照山
(
たかてるやま
)
はさかしくあれば
076
この
駒
(
こま
)
は
大御
(
おほみ
)
母神
(
ははがみ
)
召
(
め
)
しませよ
077
勝
(
すぐ
)
れて
高
(
たか
)
きしろがねの
駒
(
こま
)
078
いや
果
(
はて
)
にのぼり
来
(
きた
)
りし
白駒
(
しろこま
)
に
079
跨
(
またが
)
りわれは
御供
(
みとも
)
に
仕
(
つか
)
へむ』
080
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
は、
081
『
比女神
(
ひめがみ
)
の
生言霊
(
いくことたま
)
ゆ
生
(
うま
)
れたる
082
駒
(
こま
)
をし
見
(
み
)
れば
心
(
こころ
)
動
(
うご
)
くも
083
比女神
(
ひめがみ
)
の
言霊
(
ことたま
)
清
(
きよ
)
し
白銀
(
しろがね
)
の
084
駒
(
こま
)
は
三
(
み
)
つまで
生
(
な
)
り
出
(
い
)
でしはや』
085
と
謡
(
うた
)
ひ
給
(
たま
)
ひて
麒麟
(
きりん
)
をひらりと
下
(
お
)
り、
086
駒
(
こま
)
の
背
(
せ
)
に
乗
(
の
)
りかへ
給
(
たま
)
ふ。
087
この
駒
(
こま
)
の
御名
(
みな
)
を
天龍
(
てんりう
)
と
言
(
い
)
ふ。
088
天龍
(
てんりう
)
は
鬣
(
たてがみ
)
を
振
(
ふ
)
り
尾
(
を
)
をふり、
089
比古神
(
ひこがみ
)
の
僕
(
しもべ
)
となりしを
喜
(
よろこ
)
びて、
090
高
(
たか
)
く
清
(
きよ
)
く
幾度
(
いくたび
)
となく
嘶
(
いなな
)
けり。
091
如衣
(
ゆくえ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
駒
(
こま
)
の
轡
(
くつわ
)
を
右手
(
めて
)
に
握
(
にぎ
)
らせながら、
092
『
白妙
(
しろたへ
)
の
黄金
(
こがね
)
の
駒
(
こま
)
に
跨
(
またが
)
りし
093
岐美
(
きみ
)
の
姿
(
すがた
)
は
雄々
(
をを
)
しかりけり
094
この
駒
(
こま
)
の
清
(
きよ
)
く
白
(
しろ
)
きは
岐美
(
きみ
)
おもふ
095
わが
真心
(
まごころ
)
の
色
(
いろ
)
とこそ
思
(
おも
)
へ』
096
比古神
(
ひこがみ
)
は
欣然
(
きんぜん
)
として
謡
(
うた
)
ひ
給
(
たま
)
ふ。
097
『
一度
(
ひとたび
)
のみとのまぐはひ
無
(
な
)
けれども
098
こころ
楽
(
たの
)
しき
白駒
(
しろこま
)
の
背
(
せな
)
099
汝
(
なれ
)
もまた
駒
(
こま
)
に
召
(
め
)
しませ
高照
(
たかてる
)
の
100
山
(
やま
)
はさかしとわれ
聞
(
き
)
くからは』
101
如衣
(
ゆくえ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は、
102
『ありがたし
岐美
(
きみ
)
の
言葉
(
ことば
)
は
命
(
いのち
)
かも
103
駒
(
こま
)
の
御供
(
みとも
)
を
仕
(
つか
)
へまつらむ』
104
ここに
大御母
(
おほみはは
)
の
神
(
かみ
)
は
銀龍
(
ぎんりう
)
の
駿馬
(
しゆんめ
)
にまたがり、
105
顕津男
(
あきつを
)
の
神
(
かみ
)
は
天龍
(
てんりう
)
に、
106
如衣
(
ゆくえ
)
比女
(
ひめ
)
の
神
(
かみ
)
は
須佐
(
すさ
)
にまたがり、
107
轡
(
くつわ
)
をならべて
戞々
(
かつかつ
)
と、
108
高照山
(
たかてるやま
)
の
聖場
(
せいぢやう
)
に
進
(
すす
)
み
給
(
たま
)
ふぞかしこけれ。
109
麒麟
(
きりん
)
にまたがる
万神
(
ばんしん
)
も
鳳凰
(
ほうわう
)
の
背
(
せ
)
に
乗
(
の
)
れる
神々
(
かみがみ
)
も「ウオーウオー」と
叫
(
さけ
)
びつつ
歓呼
(
くわんこ
)
の
声
(
こゑ
)
は
天
(
てん
)
に
満
(
み
)
ち、
110
高照山
(
たかてるやま
)
の
聖場
(
せいぢやう
)
も
動
(
うご
)
くばかりに
見
(
み
)
えにけり。
111
（
昭和八・一〇・一三
旧八・二四
於水明閣
白石恵子
謹録）
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【第17章 駒の嘶き｜第73巻｜天祥地瑞｜霊界物語｜／rm7317】
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