霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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高熊山

インフォメーション
題名:高熊山 著者:出口王仁三郎
ページ:75
概要:28歳の頃 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-05-08 22:04:06 文字数:1186 OBC :B119800c031
二十八歳の頃
皐月空(さつきぞら)雲ひくうしてほととぎす高熊山の夕ぐれをなく
きくものは若葉をわたる初夏の風時鳥(ほととぎす)のみ高熊山の夕べ
常磐木(ときはぎ)の松(まつ)ケ枝(え)もるる月かげを浴びて千引(ちびき)の岩(いは)ケ根(ね)にすわる
如月(きさらぎ)のさむき夕べにひきかへて夜(よる)あたたかき高熊の山
しんしんと夜(よ)は更けわたり幽斎の修行はますます深まりにけり
青葉わたる風の囁(ささや)きしみじみときく高熊の夜(よる)はしづけし
四十八宝座のうへに端坐してわれ幽斎の境(きやう)にいりけり
天(あま)かけり国(くに)かけりつつわが魂(たま)は天(あめ)の八衢(やちま)さしていそぎ
知る知らぬ数多(あまた)の人に出会ひけりわが魂(たましひ)は八衢(やちまた)の辻(つじ)に
生(い)ける人もみまかりし人も八衢(やちまた)の辻に迷へるさまを怪しみぬ
精霊の世界にいりてややしばしわれ現世(うつしよ)のこと忘れゐし
珍(めづ)らしも意志想念の世界にはみまかりし人の生きて語れる
われ行けど言葉をかくる人もなしただぼんやりと見てゐたるのみ
山を越え谷川(たにがは)わたり芒野(すすきの)をくぐりて行けど行手(ゆくて)はてなし
行きゆけば青草(あをくさ)もゆる岡のべに千年(ちとせ)の老松(らうしよう)一本たちをり
老松(らうしよう)の木下(こした)の岩に腰かけてあたりの山河(さんか)見入(みい)るすがしさ
この松をさかひに天国八衢(やちまた)のけじめあるらし風光(ふうくわう)かはる
天津(あまつ)人(びと)の奏(かな)づるならむ笙(しやう)の音(ね)は風のまにまにほのかに聞(きこ)ゆる
甲冑(かつちう)をつけし老武者(おいむしや)ひよろひよろとわが前にたちて苦笑(にがわら)ひせり
何(なに)びとと言葉かくれば老武者(おいむしや)はわれは時川(ときがは)安家(やすいへ)と宣(の)る[※「時川安家」という武将は存在しない。「徳川家康」の仮名か?]
三百年のむかし身(み)失(う)せし安家(やすいへ)が何故(なにゆゑ)生きてゐるかとなじる
業因(ごふいん)の未(いま)だ果てねど地獄界を救はれ八衢(やちまた)にありと答へぬ
月光山(げつくわうざん)うづの宮居(みやゐ)に祀られし身ながら魂(たま)は八衢と歎く
汚(けが)れたる身を神宮に祀られて吾(われ)はひとしほ苦しと歎けり
汝(なれ)こそは三千世界の救世主われを救へといひつつなみだす
三百年の天下を治めし汝(なれ)にしてこの有様はとなじり問ひける
道ならぬ道をたどりて天(あめ)ケ下(した)にぎりし罪の今に消えずも
音楽(おんがく)の音(ね)さやさやに聞(きこ)えつつ言霊別(ことたまわけ)の神くだり来(き)ぬ
天使降臨
言霊別(ことたまわけ)神(かみ)の光にうたれけむばたりとその場に倒れし老将
この状(さま)を見かしこみてひれ伏せば瑞(みづ)の御霊(みたま)と神使(みつかひ)よばせり
何神(なにがみ)にますやと聞けばわれこそは汝(な)が幸魂(さちみたま)言霊別(ことたまわけ)と宣らす
不思議なることを宣らすと思ひつつ頭あぐれば已(すで)にかげなし
見上(みあ)ぐれば雲のあなたに一(ひと)すぢの光は次第に遠ざかりゆく
道のべにうち倒れたる老将は息もせきぜき頭もたぐる
やうやくに起き上(あが)り老武者(おいむしや)の面(おも)は涙にひたぬれてをり
天国にわれを救へと言ひながら両手を合(あは)す老武者(おいむしや)あはれ
言霊別(ことたまわけ)神の御言葉(みことば)ききしよりにはかに神の心地するわれ
何気なくゆるすと言へば老武者(おいむしや)は鎧(よろひ)ぬぎ捨て若人(わかうど)と変(かは)る
老いさびし武者の精霊若(わか)やぎて面(おもて)かがやく三十歳前後に
老将のかげは何時(いつ)しか消えはてて天津日かがよふ三十度の位置
若者となりし安家(やすいへ)ほほゑみておもてにみゆる感激のなみだ
雲の上たどるがごとき心地してわれにかへれば高熊の巌窟(いはや)
大空(おほぞら)をふと見あぐれば常磐木(ときはぎ)の松にかかれる月はうごかず
霊界は時間空間超越し古今の差別(けじめ)なきをさとりぬ
青葉吹く風の涼しさわが面(おも)をそよろになでて夜(よ)の峰わたる
○
第二回修行の間に眺めたる霊界のさまつぎつぎ歌はむ
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