霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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小幡神社

インフォメーション
題名: 著者:
ページ:
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: 文字数: OBC :B120200c07
朝あけの小幡(をばた)の宮の庭に立てば東天(とうてん)あかく春まだ若し
春若(わか)き小幡(をばた)の宮に額(ぬか)づきてわれは祈りぬ世のゆくさきを
わが宣れる祝詞の声はさえにつつ心自(みづか)ら春めきわたる
朝のいきを心ゆくまで呼吸しつ杜(もり)ふく風のささやきを聞く
参道ゆ人の足音かそけくも聞(きこ)ゆるままに社側(しやそく)にかくれぬ
ひそやかに社側(しやそく)にたちてうかがへば階段(きざはし)上(のぼ)るは西塔(さいたふ)なりけり
鈴の緒(を)に手をかけながら西塔(さいたふ)は賽銭(さいせん)投げてがらがらならせり
産土のあしたの庭になりひびく鈴の音(ね)清(すが)しくわが耳を洗ふ
欲なこと申さぬ一度米相場(こめさうば)に勝たせ給へと祈るをかしさ
山も田も家も残らずとられます何卒(どうぞ)お助け下されと祈る
性懲(しやうこ)りもなく米相場をしてるかと思へば可哀(かあい)さうになりたり
いつまでも天津祝詞を奏上し執念深くうつぶしていのる
うつ伏(ぶ)して祈れる隙間(すきま)をうかがひて足音しのばせそと通りたり
足音に気づきたりけん西塔(さいたふ)は頭を上げてうしろ向きたり
西塔(さいたふ)はわが姿みて顔赤(あか)め手もちぶさたな素振りして居り
お早うと声をかくれば西塔(さいたふ)はにたりと笑ひ目礼(もくれい)をなせり
この頃は儲かりますかと吾(われ)問へば貧乏の上(うは)ぬりばかりと答ふる
有(あ)りもせぬ金(かね)を相場に又(また)とられ二進(につち)も三進(さつち)もゆかぬと答ふる
神様に見捨てられたか相場すればする程(ほど)負けるといふ顔淋(さび)し
気の毒に思へどせん術(すべ)あらざれば神前(みまへ)を辞(じ)してわが家(や)に帰る
嘲笑の声
わが家(いへ)に帰れば祖母も母上も笑顔たたへて迎へたまへり
不二(ふじ)の山三保(みほ)の松原珍(めづ)らしき景色語りて母に聞かせり
旧友の上田(うへだ)和一郎(わいちらう)とひ来(きた)りもうかりますかと冷笑的にいふ
商売にあらざる限り神の道に金(かね)もうけする心なしと答ふ
金(かね)あれば馬鹿も賢(かしこ)う見える世に君は量見(りやうけん)ちがふと友(とも)いふ
喜『大いなる希望の準備最中(さいちう)よ金(かね)もうけするわれにひまなし』[※行頭の「喜」は上田喜三郎、「和」は上田和一郎のこと。]
和『働かず遊んで気楽に暮(くら)さうと思うてる君はずるい男よ』
和『兄弟をこの老人にまかせおきてひどいと人が笑うて居(を)るぞよ』
凡俗(ぼんぞく)におれの心がわかるかと言へば大声あげてあざ笑ふ
嘲笑(てうせう)の声の不快さ腹立(た)ちてかもうてくれなと言ひ放ちたり
凡俗(ぼんぞく)が聖者(せいじや)へ意見はすまないと云ひつつ腮(あご)をしやくる和一郎(わいちらう)
十年後の吾(わ)が成功を見給へと言ひ放ちたる吾(わ)が身をあやぶむ
和一郎(わいちらう)不承(ふしよう)不承(ぶしよう)に帰りたるあとより訪(と)ひ来(く)る一人の友だち
和一郎(わいちらう)のあとに来(きた)りし若者は医脇(いわき)秀吉(ひできち)といふ友なり
村人(むらびと)は今迄お前を神人(しんじん)と買ひかぶりゐたと秀吉(ひできち)が言ふ
さうだらう僕は神人(しんじん)ならずしてこの世の中の大馬鹿者(おほばかもの)なり
併(しか)しながら大馬鹿者(おほばかもの)にあらざれば世の大業(たいげふ)は成就せざらん
秀吉(ひできち)はわれの返答(いらへ)を解(と)きかねて只(ただ)茫然(ばうぜん)とわが顔みつむる
弟の由松(よしまつ)は治郎松(ぢろまつ)ともなひて足音たかく帰りきたれり
こりや兄貴(あにき)何をうろうろしてゐよる年寄り子供をどうする積(つも)りだ
喜『神様の道に仕ふるその代(かは)り神はかならずたすけ給はん』
金儲(かねもう)けきらひな兄貴一時(いつとき)もはやく出てゆけと弟うながす
治郎松(ぢろまつ)は口(くち)をとがらしあかんべーしつつからかふ状(さま)にくらしも
気のきいた奴狸(どたぬき)なればきん袋(ぶくろ)八畳じきよと又もからかふ
はるばると駿河(するが)の国までうろついて金(かね)もうけたかと舌出す治郎松(ぢろまつ)
故郷(ふるさと)の有象(うざう)無象(むざう)のさまたげをのがれんとして若森(わかもり)にゆく
○余白に
今までの世はことごとく偽善者の所を得(え)つつはばりたるなり
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