霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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峠の春

インフォメーション
題名:峠の春 著者:出口王仁三郎
ページ:136
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-10-31 04:40:00 OBC :B120200c19
百鳥(ももどり)の声におくられ海老坂(ゑびさか)古寺(ふるでら)の朝を立ち()でにけり
人見(ひとみ)氏は峠までわれを見送りぬほの(あたた)かき風に吹かれつ
長閑(のどか)なる風の過ぎゆく海老坂の峠ににほふ山つつじ(ばな)
むらさき赤桃色(ももいろ)つつじ海老坂の峠の春の朝をにほへり
人見氏はわれにわかれて帰りゆくその後姿(うしろで)を親しみ見送る
山桜(やまざくら)青葉となりし坂道をこころすがしく(くだ)りてゆくも
海老坂の峠(くだ)れば道のべの岩に腰かけやすむ()のあり
この(をんな)若く見ゆれど姥桜(うばざくら)春たけなはの葉ざくら色()
先生と声かけながらつと立ちてわが(うしろ)べにしたがひ(きた)
上田さんあなたを訪ねてゆくところ園部(そのべ)()かずにすみしと語る
名も知らぬ姥桜(うばざくら)よとよく見れば四五年(しごねん)(まへ)の心の友なり
ああ(きみ)かいづくに()るよとわが問へば安掛(あがけ)の村に(とつ)ぎしといふ
三年前に(とつ)ぎし(つま)(とこ)しばり悲しき家庭を救はせ給へ
あらたかな神の大道(おほぢ)を歩み給ふと聞きしゆわれは訪ねゆく道
大変な評判ですよと()(をんな)つつましげなり昔に(かは)りて
はづかしきあばら()なれどわが(つま)の祈願のために()ませと願ふ
この(をんな)以前に(かは)(ほほ)やせて見まがふ(ばか)りふけて見ゆるも
いつの間にかくやつれしとわれ問へば(つま)(やまひ)と貧苦のためといふ
左右(さう)の目ゆ落つる涙をかくしつつ笑顔をつくるさまあはれなり
牧場(ぼくぢやう)()なよな通ひしこの女園部(そのべ)住居(すまゐ)(わか)かりにけり
二十(にじふ)(さい)を二つ越えたる身ながらにやつれて三十(さんじふ)四五(しご)と見えたり
生活になやめるさまのありありと痩せたる頬にあらはれてをり
山裾(やますそ)をめぐり野路(のぢ)越え橋こえていとささやけき(かれ)()につく
悪霊退散
(やぶ)れたる雨戸を(ひら)きてつと()れば病める(をつと)のうめき声(きこ)
門口(かどぐち)をくぐれば(あや)しき影いくつ患者の(すそ)より飛び出しにけり
(ねつ)(くさ)きにほひはわが(はな)突きにつつ薄き布団に横たはる(つま)
枕頭(ちんとう)にわれ端坐して祝詞のれば病者(びやうしや)(ねつ)はたちまちさめたり
この(いへ)主人(あるじ)要助(えうすけ)三年(さんねん)の重きいたづき半ば()えたり
いたづける主人(あるじ)要助(えうすけ)起きあがり両手を(あは)せて感謝してをり
わが()きし姿に悪霊(あくれい)驚きて逃げたるあとは心地よくなりし
この(いへ)の夫婦は神徳よろこびて神をまつらせ給へと頼む
()の国に落ちしわが()(にぎは)しく(てら)させ給ふは(きみ)よとて泣く
如何(いか)ならん神の経綸(しぐみ)()(きみ)に救はれたりと彼女は語る
この女そつと()(おも)眺めをりわれ知らぬがに彼の顔見る
はつきりとものは言はねど(こと)()の奥にこもれる情熱の色
いつ迄もわが()に道を説きませと夫婦の頼み去りがてにゐる
晩春(ばんしゆん)のこの山里(やまざと)のやぶれ()にわれは四五日(しごにち)足とどめけり
要助の(やまひ)日日(にちにち)たてなほり(みづか)ら茶をたてわれにすすむる
礼詣り
産土(うぶすな)御礼(おれい)まゐりと要助は妻とわれとをいざなひてゆく
老松(らうしよう)の天を封じてそそり立つ昼なほくらき宮に詣でぬ
(こけ)むして(かむ)さび立てる若杉のかげにし立てば春なほ寒き
要助が家の無事をば守りませとわれもろともに神前(みまへ)に祈りぬ
海老坂(ゑびさか)を越ゆれば丹波北桑田(きたくはだ)山野(さんや)の景色とみに(かは)れり
昼もなほ(ふくろふ)のなくこの森はほの(ぐら)きまで桂木(かつらぎ)しげれり
桂木(かつらぎ)の森を封じてそそり立つ(ひのき)と松はめづらしく太き
階段(きざはし)(くだ)りながらに思ふかなさすがは神の御国(みくに)なるよと
山奥の小さき村にも神まつる手ぶりは日本の姿なりけり
要助はいやさきに立ちいそいそと宮の階段(きざはし)(くだ)りて帰る
()(をんな)神のみまへに(ぬか)づきて何かねぎつつ泣きじやくりをり
御主人(ごしゆじん)ははや帰らせり(なれ)もまた帰らせたまへとわれうながせり
あなたとの固き約束裏切(うらぎ)りし(つみ)と言ひつつ彼女は泣けり
何事も因縁なりとわれ言へば(うら)めしさうにわが(おも)見つむる
約束を裏切られたる(さいは)ひは神に仕ふるわが身となりぬる
山桜(やまざくら)花は散れども新緑のこずゑ(ひと)しほ(すが)しとわれいふ
山桜(やまざくら)も花はなければ(せん)なしといらへる(をんな)の恨めしげなるも
痛くない腹さぐられてはたまらぬとわれ階段(きざはし)(くだ)()めたり
振りかへりふり返りつつ階段(きざはし)(くだ)れど彼女は動くともせず
()むを得ず百の階段(きざはし)(くだ)りゆけば(かし)()かげに(をつと)待ちをり
いつ迄も家内(かない)は何してゐますかと問はれて何かためらひ心地す
要助が家に帰りて(やす)らひあれば(ほど)()て彼女は帰り(きた)れり
山里の春
せめてもう四五日(しごにち)逗留(とうりう)遊ばせと妻は頼めり(をつと)は願へり
両人の切なる願ひにほだされて長き春日(はるひ)も四五日暮れたり
要助のながの(やまひ)の治りしと噂を聞きて人の寄りくる
質朴(しつぼく)山家(やまが)育ちの人人(ひとびと)の信仰あつきに驚かされつつ
(あかつき)(とり)のなく声()みきりて朝庭(あさには)すがし山つつじばな
いむかへる山はことごと紫のつつじの花にいろどられつつ
天国の(さま)にも似たるこの里に春をうたへる鳥の()(たの)
山を越え谷川わたり(もう)でくる人足(ひとあし)日日(ひび)にしげくなりぬる
冬さればこの山里は一丈()()りつみて(のき)(うづ)むといふ
鳥うたひつつじは咲けど山裏(やまうら)のくぼみに(のこ)んの雪はありけり
要助のいたづき()えてをちこちに神徳(しんとく)うけしと宣伝をなす
宣伝の効果つぎつぎあらはれてとりつぎ(せは)しく()もねむられず
(ほど)近き野添(のぞへ)の村に何事かありしとみえて警鐘(けいしよう)ひびけり
警鐘(けいしよう)乱打(らんだ)太鼓(たいこ)(おと)のいそがしく村人野添(のぞへ)に向つて()せゆく
野添(のぞへ)より二人の若者走り(きた)り人を救へとしきりに頼む
○余白に
徳をもて世ををさめずばいつまでも乱れはてなむ智慧の政事(せいじ)
地の(うへ)の人ををさむる神法(しんぽふ)はただ愛善のまことあるのみ
政治(せいぢ)宗教教育(けういく)科学芸術(げいじゆつ)大本(たいほん)あかす大本(おほもと)の道
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