霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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古寺の奇遇

インフォメーション
題名:古寺の奇遇 著者:出口王仁三郎
ページ:164
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-10-31 04:40:00 OBC :B120200c21
海老坂(ゑびさか)の峠の風にふかれつつはげしき息を休めゐたりき
百鳥(ももとり)のこゑは(ひと)しほ()えにつつ青葉のかをる峠の風景
青葉かをる峠に腰かけ(やす)らへば以前の巡査のぼり()にけり
()の巡査いやらしき微笑を(うか)べつつ黙黙(もくもく)として峠を(くだ)
法律の研究のため周山(しうざん)の本署にいそぐ旅と見えたり
海老坂を(くだ)りて人見(ひとみ)(すま)ひたる海老坂地蔵の古寺(ふるでら)()
この寺に以前の巡査休みをり人見と何か親しげに語る
わが姿見るより人見は座を立ちてよくも入来(じゆらい)と愛嬌ふりまく
この巡査は園部(そのべ)小山(こやま)安太郎(やすたらう)(なれ)従弟(いとこ)よと人見は語る
不思議なる邂逅(かいこう)に巡査も驚きて従弟(いとこ)なるかと(おも)をてらせり
三人の親戚一度にあつまりて今日の奇遇を驚きにけり
失礼をしたと小山(こやま)安太郎(やすたらう)わが手を握り()()りてをり
台所に鼎坐(ていざ)しながら四方山(よもやま)の話に春日(はるひ)はかたむきにけり
信教の自由こまごま説きつれば小山(こやま)(やうや)くうなづきにけり
口中(くちなか)はわが叔父佐野(さの)清六(せいろく)の部下の教師と小山(こやま)は語れり
世の中は広くて狭きものなりと驚きにつつ春日(はるひ)くれたり
安太郎(やすたらう)はいそぎ安掛(あがけ)へ帰りゆくわれ古寺(ふるでら)一宿(いつしゆく)をなす
小夜(さよ)()くるまで両人は語りあひて既成宗教の矛盾を(ののし)
朧夜の月
春の()は明けやすくして百鳥(ももとり)の声(には)()に響き渡れり
古寺(ふるでら)の松の大樹(おほぎ)に声たかく(かささぎ)鳴きてからりと明けたり
一夜(ひとよ)さを眠りもあへず語らひし疲れ()せんと昼寝の夢みる
目ざむれば春の太陽天心(てんしん)にかかりてつつじの花は笑へり
安太郎(やすたらう)巡査に聞きしと口中(くちなか)はわれに謝罪をかねて(きた)れり
(わたくし)は佐野先生のお弟子です昨日の無礼を許せとて泣く
商売心(しやうばいごころ)やめてお道につくせよと懇懇(こんこん)さとせば口中(くちなか)泣き()
かくの如き尊き師とは知らずして密告したる不徳を許せよ
愛善に(ぢゆう)するわれは何人(なにびと)もうらまず(こころ)安かれとさとす
今日もまた三人一度にあつまりて長き春日(はるひ)を語り(くら)せり
古寺(ふるでら)の庭に立ち()朧夜(おぼろよ)の月をながめて春をたのしむ
天心(てんしん)に動かぬおぼろの月かげをみつつ思ふもわが行末(ゆくすゑ)
世に処する法は(おぼろ)に限るべしとしみじみさとりぬ山鳩(やまばと)の声
口中(くちなか)人見(ひとみ)もつぎつぎ庭に立ちて花の()(かよ)ふ風をほめ()
峰を吹く風やはらかに常磐木(ときはぎ)の松の(こずゑ)は春をねむれり
小夜(さよ)()けを三人(みたり)臥床(ふしど)()りにつつ寝ながら話に()は明けにけり
道連れ
山つつじ所せきまで匂ひたる庭の(あした)はのどかなりけり
おそ()きのつつじの花を見てあれば要助夫婦(いき)せき(きた)
わが姿みるより二人は合掌しお()びに()しと言ひつつ涙す
園部(そのべ)まで送らせ給へと要助は妻もろともにたのみ()りける
こころざし有難(ありがた)けれど途中にて待つ人あればとかたく辞したり
せめてもの御恩(はう)じにわが妻を送らせ給へとしきりにたのむ
幾度(いくたび)もことわりみれどかの(をんな)要助二人は泣きつつ願ふ
一同に別れの挨拶(かは)しつつ彼女をともなひ帰り()につく
その昔(した)しかりし()との道連れはいささか困れど憎しと思はず
道の()の芝生の上に腰おろし若き園部(そのべ)のありし日を語る
()(をんな)どことはなしにじめじめと心に一物(いちもつ)もてるが如し
わがこころ一物(いちもつ)もなし()(をんな)胸に一物(いちもつ)わが荷物もつ
帰り()()()の村の古寺(ふるでら)に集へる人をみつつ立ち寄る
竜頭蛇尾
寺の名は忘れたれども庭(ひろ)し堂の内外(うちと)は人()ちてをり
二人曳(ににんびき)腕車(くるま)をはせて穴太寺(あなをでら)院主行円(ぎやうゑん)()りきたりけり
行円(ぎやうゑん)()演壇に立ちこまごまと懸河(けんが)(べん)にて法談をなす
父母(ちちはは)のめぐみも深き粉河寺(こかはでら)の因縁つぶさに行円(ぎやうゑん)師かたる
(あつま)れる信徒(まめひと)たちをみわたせば老爺(ぢぢ)老婆(ばば)とでうづまりてをり
(らち)もなき法話に鼻をすするあり涙の雨をふらす婆婆(ばば)あり
わが国の既成宗教の有様(ありさま)をつくづく見つつ神国(みくに)をあやぶむ
婆嬶(ばばかか)のふところばかりに生きてゐる坊主の心裡(しんり)をあはれみにけり
壇上に立てる行円(ぎやうゑん)わが姿ふとながめつつ(おも)くもらせり
穴太(あなを)より八里の道をはるばると()行円(ぎやうゑん)を気の毒におもふ
行円(ぎやうゑん)の法談にはかに(ちから)なく竜頭(りうとう)蛇尾(だび)におち()りにけり
行円(ぎやうゑん)にしたがひ(きた)りし(たけ)さんはわがゐるを見て(くち)をとがらす
喜楽さんあなたは神道の宣伝者お寺に来ては困るとなじる
穴太寺(あなをでら)法会(ほふゑ)(たび)に店を出す竹さんは畳屋の(せがれ)なりけり
救世の道に進めるわれなれば仏教しらぶる必要ありと云ふ
竹さんは(くち)をとがらし穴太寺(あなをじ)得意(とくい)をとりに来たのかと(いか)
営業的既成宗教は信徒(まめひと)を得意といふもことはりと思ふ
行円(ぎやうゑん)一室(ひとま)()りて顔みせず竹さんわれに毒ついてをり
商売の邪魔になるなら帰るよといひつつ寺の石段(くだ)
野天狗
これでよし家に帰れとうながせど彼女は首をふりて動かず
宣伝の旅を(をんな)におくられてしづごころなき春の山みち
帰り()を小林(かた)にたちよれば貞蔵(ていざう)おやぢにこにこ出迎ふ
その(のち)の様子いかにと(たづ)ぬればまたも野天狗(のてんぐ)かかると答ふる
()(をんな)小林貞蔵の顔をみてごきげんよろしと挨拶してをり
要助の病気如何(いか)にと貞蔵はいと親切に彼女に問ひをり
不思議にも山本要助は貞蔵氏の(をひ)にあたれる人なりにけり
師の(きみ)のめぐみによりてわが(をつと)全快せりと彼女は答ふ
とも(かく)今宵(こよひ)はわが()にとまりませと貞蔵夫婦がとどめてやまず
急ぐべき旅にあらねば二人とも一宿(ひとやど)願ふこととなりけり
貞蔵にかかる天狗を言向(ことむ)けてそのあくる日を園部(そのべ)に帰る
○余白に
あやまれる政事(せいじ)宗教教育(けういく)はますます地上を常闇(とこやみ)となさむ
地の(うへ)に最上唯一(ゆいつ)大道(たいだう)は人類愛善のまことなりけり
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