霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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的外れ

インフォメーション
題名:的外れ 著者:出口王仁三郎
ページ:408
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-10-31 04:40:00 OBC :B120200c39
(ぜん)教師土田(つちだ)は京都にはせのぼり旧友(きういう)集めて支部を(ひら)けり
金明会(きんめいくわい)支部は谷口(たにぐち)房次郎(ふさじらう)の居宅を以てこれに当てたり
会員の協議の結果谷口の(せがれ)熊吉(くまきち)を綾部にのぼらす
わがそばに三週間の修行して天眼通力(てんがんつうりき)授けられたり
天眼通(てんがんつう)得たる熊吉(くまきち)慢心し綾部の聖地をねらひ()めたり
かく迄もわが霊術の進みたるは霊魂(みたま)に素養ありしと(ほこ)
われこそは将来綾部大本の教主になるべきものと自称す
昔からの深い因縁あればこそ天眼通を得たりとほこる
これからは及ばずながら熊吉が神を表にあらはすとほざく
上田さんにお世話になつた御礼(おんれい)(かね)を与へて帰せと(かれ)いふ
熊吉の言葉きくよりあきれはて開祖は顔を(にら)みいませり
御返答(ごへんたふ)次第でわたしも考へがあると熊吉教祖にせまる
熊『熊吉が金明会をかまふたら日本国中すぐにひろまる』
熊『上田さんが綾部にゐられるやうなれば一人も寄らんと云うてゐますぞ』
熊『大本(おほもと)の将来をおもひ開祖様のお(ため)を思うて申し上げます』
熊『開祖様は上田の馬鹿を買ひかぶりうつつと皆が言うてゐますぞ』
谷口(たにぐち)は開祖の御返事待ち兼ねて如何(どう)なさるかと(ひざ)詰め寄せる
開『三日でも教へて貰うた先生を追ひ出さうとする人はいやです』
開『どこまでも私は上田さんと手を引いて神の御用をする覚悟です』
開『そんなこと言ふ人はいやだ一日も早う綾部を帰つて下さい』
反対に開祖に退却命ぜられ目算(もくさん)外れて谷口(たにぐち)あをくなる
谷口(たにぐち)は首尾悪さうな顔をしてすぐさま上谷(うへだに)さしてかけゆく
谷口(たにぐち)は第二の策戦計画にかかり信者を籠絡(ろうらく)してをり
野心家
大本(おほもと)世継(よつぎ)は澄子と筆先にあるを野心家たがひに争ふ
野心家は足立(あだち)正信(まさのぶ)四方(しかた)春蔵(はるざう)竹村(たけむら)仲蔵(なかざう)谷口(たにぐち)熊吉(くまきち)
この四人互ひに(しのぎ)を削りつつ養子たらむと争ふをかしさ
確信を持てるわれには争へる四人の心をあはれとおもへり
身の(ほど)を知らぬ四人の(めくら)ども及ばぬ望みを争ふをかしさ
(こん)限り(ちから)かぎりに争へる四人のおもては()れてゐたりき
八人(はちにん)のわが子に(まさ)(ちから)ぞとある筆先を知らずに騒ぐも
()(がた)彼等(かれら)四人は及ばざる望みいだきて(たがひ)にあらそふ
谷口(たにぐち)四方(しかた)をそしり正信(まさのぶ)はまた谷口を排斥せんとす
竹村は正信(まさのぶ)春蔵(はるざう)熊吉(くまきち)を退去させんと(まう)運動なす
澄子さへ自由になればわれこそは大本教主と暗闘つづくる
以心伝心(かれ)(われ)知りわれはまた彼を知りつつじつと見てをり
福島は依然と丑寅(うしとら)金神(こんじん)に成りすましつつ(たけ)り狂へり
三人の反対組は福島は利用しますます(われ)をくるしむ
福島の自称丑寅(うしとら)金神(こんじん)は狂態ますます激烈となりぬ
開祖様に隠退(いんたい)せまりその(うへ)にわれを綾部ゆ放逐せんとす
福島を綾部の大本開祖とし四方(しかた)春蔵を会長にせんと騒ぐ
四方(しかた)足立谷口(たにぐち)竹村四人とも()が排斥に福島を利用せり
穴太(あなを)から上田がきよつて大勢を発狂させたと口口(くちぐち)(ののし)
霊学の弊害を説き信徒(まめひと)をわれに反対させんとたくめり
その(うち)に一人村上(むらかみ)房之助(ふさのすけ)は霊学上の諒解を持ちをり
福島の乱暴神憑(かむがかり)鎮めんと村上審神(さには)(はじ)めんとせり
村上が審神(さには)をすれば福島は言句(げんく)(つま)りて神力(しんりき)見よと狂ふ
福島は(いか)り狂ひて村上の首筋つかみ地上になげつく
この野郎(かみ)に反対いたす(ゆゑ)見せしめなりと得意の福島
福島の乱暴ただちに鎮めんと出口澄子は()せつけにけり
福島は出口澄子に(にら)まれてたちまち身体強直(きやうちよく)をなす
野心家に悪霊(あくれい)あつまり大本(おほもと)の道場あらしに余念なかりき
○余白に
地の(うへ)の人はことごと驚かむ生神(いきがみ)あつぱれ世に()れし日を
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