不敬罪で正式起訴
司法当局の〝断〟決る
大本教清掃 治安法適用は慎重
大本教の大弾圧後司法部としては該問題の処分につゐては慎重を期して居るが十日午後三時より司法部長官会同で上京中の吉益大阪検事長は大臣官舎に小原法相を訪ねて長島次官、光行検事総長、金山東京検事長、岩村刑事局長らを加へて午後五時まで重大なる協議を為し大本教の専恣横暴極り無き状態につゐて吉益検事長より詳細なる報告あり、司法部としての今後の対策等につき万遺策無きを期することとなり、まづ第一に大本教主出口王仁三郎氏を不敬罪をもつて近く正式起訴し、ついで他の被疑者をも容赦無く断乎たる処分を為すことに決定した
今回は前回の如き微温的のものでなく邪教一掃を目的として国民の思想を幻惑せしむる如き言動をなす大本教を根本的に弾圧して将来に禍根を残さぬ方針であるが、既に大検索の結果夥しき不穏文書や皇室の尊厳を冒す文書を押収してゐるのでこの証拠材料を基礎として続々事件の真相を摘発する筈である
なほ一部に唱へられた治安維持法の適用につゐては部内に相当異論があるので慎重に研究することとなつた