霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第四一章 八尋殿(やひろどの)酒宴(しゆえん)の一〔四一〕

インフォメーション
著者:出口王仁三郎 巻:霊界物語 第1巻 霊主体従 子の巻 篇:第5篇 御玉の争奪 よみ(新仮名遣い):みたまのそうだつ
章:第41章 八尋殿の酒宴(一) よみ(新仮名遣い):やひろどののしゅえん(一) 通し章番号:41
口述日:1921(大正10)年10月24日(旧09月24日) 口述場所: 筆録者:外山豊二 校正日: 校正場所: 初版発行日:1921(大正10)年12月30日
概要: 舞台: あらすじ[?]このあらすじは東京の望月さん作成です(一部加筆訂正してあります)。一覧表が「王仁DB」にあります。[×閉じる]
竹熊は、残りの十個の玉を一挙に奪おうと画策した。まず、大八洲彦命の前に出て、涙とともに以前の罪を謝罪する振りをした。
大八洲彦命は竹熊の懺悔を憐れみ、これを許した。竹熊と大虎彦は新しい八尋殿を建てて祝宴を張り、大八洲彦命とその従神たちを歓待した。大八洲彦命が退席した後、黄金水の玉を持っている従神たちをたぶらかして、玉を一気に奪おうとしたのである。
竹熊とその従神たちは、偽の宝玉を出して自慢をし合い、大八洲彦命の従神たちを挑発した。杉生彦、猿彦はまんまと計略に乗って、おのおの持っていた黄金水の玉を取り出して自慢を始めた。
一方、高杉別、森鷹彦、鶴若、亀若、時彦らは、どれほど挑発されても、玉を出そうとはしなかった。
主な登場人物[?]【セ】はセリフが有る人物、【場】はセリフは無いがその場に居る人物、【名】は名前だけ出て来る人物です。[×閉じる] 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :rm0141
愛善世界社版:219頁 八幡書店版:第1輯 124頁 修補版: 校定版:219頁 普及版:113頁 初版: ページ備考:
001 竹熊(たけくま)奸計(かんけい)(めぐ)らし、002やうやく二個(にこ)(たま)()()れたが、003(あと)にまだ十個(じつこ)(たま)(のこ)つてゐるのを()()れねばならぬ。004しかし(これ)はなかなか容易(ようい)(わざ)ではないと(さと)つた竹熊(たけくま)一派(いつぱ)は、005一挙(いつきよ)十個(じつこ)(たま)()むことを企画(きくわく)した。006そこで()第一(だいいち)竜宮城(りゆうぐうじやう)宰相神(さいしやうがみ)なる大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)(たば)かる必要(ひつえう)(せま)られた。007竹熊(たけくま)大虎彦(おほとらひこ)(とも)種々(しゆじゆ)(めづら)しき(たから)()ち、008大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)御前(みまへ)()で、009以前(いぜん)悪逆(あくぎやく)犯行(はんかう)(おも)(つみ)を、010空涙(そらなみだ)とともに謝罪(しやざい)した。
011 その(とき)有様(ありさま)は、012土間(どま)両名(りやうめい)()(ばひ)となり、013(つち)(あたま)()げ、014もつて絶対(ぜつたい)(てき)帰順(きじゆん)(よそほ)うたのである。015大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)元来(ぐわんらい)仁慈(じんじ)無限(むげん)(かみ)にして、016かつ戦闘(せんとう)(この)まず、017悪霊(あくれい)善道(ぜんだう)にみちびき神界(しんかい)泰平(たいへい)ならしめむと、018日夜(にちや)焦慮(せうりよ)してをられた。019そこへ両名(りやうめい)帰順(きじゆん)態度(たいど)()心中(しんちゆう)(ふか)(あは)れみ、020邪悪(じやあく)無道(ぶだう)(てき)ながらも()(どく)なりと、021つひにその()ひを(ゆる)し、022将来(しやうらい)(あひ)提携(ていけい)して神業(しんげふ)奉仕(ほうし)せむことを教示(けうじ)せられた。023両名(りやうめい)感謝(かんしや)()(あら)はし、024(うやうや)しく(れい)()べこの()立去(たちさ)つた。
025 しかして竹熊(たけくま)026大虎彦(おほとらひこ)門外(もんぐわい)()づるや(いな)や、027たがひに(おもて)見合(みあは)せて(した)()し、028苦笑(くせう)した。029このとき大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)は、030田依彦(たよりひこ)031玉彦(たまひこ)竹熊(たけくま)奸計(かんけい)によりて、032(たま)奪取(だつしゆ)されたことを感知(かんち)してゐなかつた。033田依彦(たよりひこ)034玉彦(たまひこ)(おの)失策(しつさく)()められむことを(おそ)れて、035たれにも口外(こうぐわい)せず、036ただ(ひと)煩悶(はんもん)してゐたからである。
037 ここに竹熊(たけくま)038大虎彦(おほとらひこ)は、039(あたら)しき八尋殿(やひろどの)()てて諸々(もろもろ)珍器(ちんき)(かざ)り、040金銀(きんぎん)珠玉(しゆぎよく)をちりばめたる金殿(きんでん)玉楼(ぎよくろう)(つく)り、041平和(へいわ)帰順(きじゆん)目出度(めでたき)記念(きねん)として大祝宴(だいしゆくえん)()らむとし、042第一(だいいち)大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)招待(せうたい)した。043大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)は、044玉照彦(たまてるひこ)045大足彦(おほだるひこ)左右(さいう)にしたがへ、046神彦(かみひこ)047芳彦(よしひこ)048高杉別(たかすぎわけ)049森鷹彦(もりたかひこ)050鶴若(つるわか)051亀若(かめわか)052倉高(くらたか)053時彦(ときひこ)054杉生彦(すぎふひこ)055猿彦(さるひこ)らと(とも)にこの祝宴(しゆくえん)(のぞ)まれた。056また竹熊(たけくま)(はう)では、057大虎彦(おほとらひこ)をはじめ、058玉若(たまわか)059繁若(しげわか)060坂熊(さかくま)061寅熊(とらくま)062桃作(ももさく)063木常姫(こつねひめ)064中裂彦(なかさきひこ)らが(えん)()した。
065 大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)竹熊(たけくま)らの歓待(くわんたい)満足(まんぞく)し、066大盃(たいはい)()げて(しゆく)された。067しかして一同(いちどう)にむかひ、
068()くのごとく(たが)ひに()()帰順(きじゆん)和合(わがふ)(うへ)は、069もはや世界(せかい)敵味方(てきみかた)区別(くべつ)なし。070たがひに(ちから)(あは)(こころ)(いつ)にし、071親子(おやこ)兄弟(きやうだい)のごとく(あひ)()(あひ)(した)しみ、072もつて神業(しんげふ)奉仕(ほうし)せよ』
073との訓示(くんじ)(つた)へ、074かつ竹熊(たけくま)075大虎彦(おほとらひこ)らに(あつ)(れい)()べ、076玉照彦(たまてるひこ)077大足彦(おほだるひこ)とともに鳥船(とりふね)()りて、078竜宮城(りゆうぐうじやう)無事(ぶじ)帰城(きじやう)された。
079 大八洲彦(おほやしまひこの)(みこと)退座(たいざ)されし(のち)は、080もはや(すこ)しの気兼(きがね)なく、081たがひに(こころ)()ちあけ無礼講(ぶれいかう)をなさむとて、082さかんに()(くら)ひ、083かつ乱舞(らんぶ)(とき)(うつ)した。084時分(じぶん)はよしと竹熊(たけくま)は、085田依彦(たよりひこ)086玉彦(たまひこ)より(うば)ひたる(たま)金箔(きんぱく)()り、087(たま)一部分(いちぶぶん)生地(きぢ)(あら)はし、088その生地(きぢ)のところに日月(じつげつ)(かたち)(つく)り、089宴席(えんせき)上座(じやうざ)持出(もちだ)して、
090『これは()がかつて天神(てんしん)より(たま)はりたる金剛水(こんがうすゐ)(たま)なり、091この(たま)ある(とき)世界(せかい)自由(じいう)自在(じざい)なり』
092(ほこ)(がほ)()べたてた。093竹熊(たけくま)従臣(じゆうしん)は、094「われにも()かる珍器(ちんき)あり」とて、095(まる)(いし)種々(しゆじゆ)(はく)()せ、096宴席(えんせき)持出(もちだ)し、097非常(ひじやう)(たま)功用(こうよう)(ほこ)つた。098高杉別(たかすぎわけ)以下(いか)竜宮城(りゆうぐうじやう)神司(かみがみ)面目(めんぼく)(うしな)つた。099たちまち()けぬ()になつた芳彦(よしひこ)は、100(ふところ)より(むらさき)(たま)取出(とりだ)し、
101諸神(しよしん)よ、102あまり軽蔑(けいべつ)されな。103われにも()くのごとき宝玉(ほうぎよく)あり』
104席上(せきじやう)持出(もちだ)し、105これを机上(きじやう)()(かた)をはり鼻息(はないき)たかく(あご)()つてみせた。106ここに神彦(かみひこ)は、107「われにも(たま)あり」とて、108黄色(きいろ)(たま)持出(もちだ)し、109机上(きじやう)()ゑてその珍宝(ちんぽう)(ほこ)り、110意気(いき)揚々(やうやう)として()(ふく)した。
111 そのとき大虎彦(おほとらひこ)席上(せきじやう)()ち、
112『われ()部下(ぶか)にはかくの(ごと)数多(あまた)(たま)(いう)す。113(しか)るに竜宮城(りゆうぐうじやう)神司(かみがみ)(たま)(すく)なきは如何(いかん)
114(あん)敵慨心(てきがいしん)挑発(てうはつ)せしめた。115このとき()けぬ()倉高(くらたか)は、
116貴下(きか)らの(たま)は、117(われ)らの所持(しよぢ)する宝玉(ほうぎよく)(くら)ぶれば、118天地(てんち)霄壤(せうじよう)()あり、119天下(てんか)無双(むさう)120古今(ここん)独歩(どくぽ)121珍無類(ちんむるゐ)如意(によい)宝珠(ほつしゆ)(たま)()(おどろ)くな』
122酒気(しゆき)にまかして、123前後(ぜんご)(わきま)へもなく、124鼻高々(はなたかだか)机上(きじやう)()ゑわが(せき)(かへ)つた。125竹熊(たけくま)(おほ)ひに(わら)ひ、
126『いかに立派(りつぱ)なる竜宮(りゆうぐう)宝玉(ほうぎよく)とて、127ただ三個(さんこ)にては(なん)(よう)をかなさむ。128(われ)には無数(むすう)宝玉(ほうぎよく)あり』
129とて、130なほ(おく)()より一個(いつこ)偽玉(にせだま)持出(もちだ)してきた。
131 一見(いつけん)(じつ)立派(りつぱ)なものであるが、132その内容(ないよう)粘土(ねんど)をもつて(かた)められた偽玉(にせだま)である。133羨望(せんばう)(ねん)()られたる杉生彦(すぎふひこ)134猿彦(さるひこ)()けぬ()になり、
135()くのごとき宝玉(ほうぎよく)は、136いかに(ひか)(かがや)くとも(なに)かあらむ、137(いま)わが()()づる(たま)()(きも)(つぶ)すな』
138酒気(しゆき)にまかせて机上(きじやう)持出(もちだ)し、139(たま)由来(ゆらい)(ほこ)(がほ)物語(ものがた)つた。
140 このとき高杉別(たかすぎわけ)141森鷹彦(もりたかひこ)142鶴若(つるわか)143亀若(かめわか)144時彦(ときひこ)(にが)()つた顔色(がんしよく)をなし、145(さけ)(よひ)()(いろ)蒼白(あをざ)めて(ひか)へてゐる。146竹熊(たけくま)147大虎彦(おほとらひこ)五柱(いつはしら)神司(かみ)にむかひ、148言葉(ことば)(きたな)く、
149(なんぢ)らは竜宮城(りゆうぐうじやう)従臣(じゆうしん)なりと()けども、150ただ一個(いつこ)宝玉(ほうぎよく)()し。151ただ(なんぢ)()てるものは(だい)なる肛門(こうもん)(あな)か、152八畳敷(はちぜふじき)睾丸(きんたま)のみならむ』
153冷笑(れいせう)した。154五柱(いつはしら)(いか)心頭(しんとう)(たつ)した。155されども(ふか)(おもんぱか)つて、156容易(ようい)にその(たま)()さなかつた。
157大正一〇・一〇・二四 旧九・二四 外山豊二録)
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