霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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〔一〇〕天若日子之段

インフォメーション
題名:〔一〇〕天若日子之段 著者:出口王仁三郎
ページ:176 目次メモ:
概要: 備考: タグ:御統瓊(美須麻琉) データ凡例: データ最終更新日:2021-07-20 19:37:57 OBC :B121805c111
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]神霊界 > 大正9年9月1日号(第125号) > 古事記言霊解(一)
 古事記(こじき)天照(あまてらす)(おほ)御神(みかみ)()神勅(しんちよく)()けて天若(あまわか)日子(ひこ)地上(ちじやう)(くだ)つて()たといふ(こと)があります。(いま)(これ)略解(りやくかい)(いた)さうと(おも)ひます。(これ)現代(げんだい)(もつと)適切(てきせつ)なるものであります。
 明治(めいぢ)天皇(てんわう)(くだ)(たま)へる教育(けういく)勅語(ちよくご)(うち)に、
 『()(ミチ)(ジツ)()皇祖(クワウソ)皇宗(クワウソウ)遺訓(ヰクン)ニシテ子孫(シソン)臣民(シンミン)(トモ)遵守(ジュンシュ)スヘキ(トコロ)(コレ)古今(ココン)(ツウ)シテ(アヤマ)ラス(コレ)中外(チウグワイ)(ホドコ)シテ(モト)ラス』
(おほ)せられてあります。『()(ミチ)』と()(こと)古事記(こじき)()して()るのであります。
(また)()(でう)()誓文(せいもん)に、
 『智識(チシキ)世界(セカイ)(モト)(オホイ)皇基(クワウキ)振起(シンキ)スヘシ』
()()詔勅(せうちよく)がありますが、(これ)今日(こんにち)(ごと)海外(かいぐわい)から知識(ちしき)(もと)めて、物質(ぶつしつ)文明(ぶんめい)(さかん)にせよ、と(あふ)せになつたのではない。世界(せかい)()(こと)世界(せかい)経綸(けいりん)古事記(こじき)()遺訓(ゐくん)であります。(いま)雑誌(ざつし)婦人(ふじん)世界(せかい)婦女(ふぢよ)(かい)(あるひ)実業(じつげふ)世界(せかい)(など)()つて、世界(せかい)をつけて()りますが、()世界(せかい)()(こと)(すべ)ての経綸(けいりん)(をし)へる書物(しよもつ)代名詞(だいめいし)となつて()ります。それで今日(こんにち)(ひと)知識(ちしき)世界(せかい)(もと)めると()(こと)誤解(ごかい)して、海外(かいぐわい)知識(ちしき)物質(ぶつしつ)文明(ぶんめい)輸入(ゆにふ)すれば、皇基(くわうき)振起(しんき)すると(おも)つて()るが、日本(につぽん)(くに)特別(とくべつ)(くに)でありまして皇基(くわうき)振起(しんき)するには皇祖(くわうそ)皇宗(くわうそう)()遺訓(ゐくん)によらなければならぬ。外国(ぐわいこく)(をしへ)ではいかぬ。日本(につぽん)天皇(てんわう)()詔勅(せうちよく)(まも)る、(すなは)(てん)親神(おやがみ)(さま)()神勅(しんちよく)(たま)はつた()(をしへ)()らなければ、皇基(くわうき)振起(しんき)(まつ)(こと)出来(でき)ませぬ。()証拠(せうこ)には『(コレ)古今(ココン)(ツウ)シテ(アヤマ)ラス(コレ)中外(チウグワイ)(ホドコ)シテ(モト)ラス』と()()言葉(ことば)があります。()しも(これ)(いま)学者(がくしや)解釈(かいしやく)する(やう)に、(ただ)世界(せかい)知識(ちしき)(あつ)めると()(やう)(こと)であつたならば、(これ)()詔勅(せうちよく)()精神(せいしん)矛盾(むじゆん)して()るのであります。世界(せかい)知識(ちしき)(もと)めて()くと()(こと)は、皇祖(くわうそ)皇宗(くわうそう)()遺訓(ゐくん)奉戴(ほうたい)して、世界(せかい)経綸(けいりん)し、その世界(せかい)経綸(けいりん)古事記(こじき)(もとづ)くべしと()()言葉(ことば)であります。これは教育(けういく)勅語(ちよくご)の『古今(ココン)(ツウ)シテ(アヤマ)ラス(コレ)中外(チウグワイ)(ホドコ)シテ(モト)ラス』と()()詔勅(せうちよく)()つて証明(せうめい)せらるるのであります。
 それから天照(あまてらす)(おほ)()(かみ)神代(かみよ)神様(かみさま)(おも)はれて()りますが、(けつ)してさうではない。天照(あまてらす)(おほ)()(かみ)(さま)無限(むげん)絶対(ぜつたい)無始(むし)無終(むしう)にまします神様(かみさま)で、幾億(いくおく)万年(まんねん)(まへ)でも、幾億(いくおく)万年(まんねん)()でも()(とほ)しの神様(かみさま)で、(したが)つて現世(げんせ)にましまして()らるるのであります。()天照(あまてらす)(おほ)()(かみ)()神勅(しんちよく)皇祖(くわうそ)皇宗(くわうそう)()遺訓(ゐくん)であつて、古今(ここん)(つう)じて(あやま)らないところのものであります。古今(ここん)(つう)じて()きて()るのであります。古事記(こじき)上巻(じやうくわん)
 『天照(あまてらす)大御神(おほみかみ)(みこと)()ちて、豊葦原(とよあしはら)()千秋(ちあきの)(なが)五百(いほ)(あき)()水穂(みづほ)(のくに)は、()御子(みこ)正勝(まさか)吾勝(あかつ)(かち)速日(はやひ)(あめの)忍穂耳命(おしほみみのみこと)所知(しらさむ)(くに)と、(こと)(よさし)(たま)ひて、(あま)(くだ)(たま)ひき。於是(ここに)(あめの)忍穂耳命(おしほみみのみこと)(あめの)浮橋(うきはし)多多(たた)して()りたまはく、豊葦原(とよあしはら)()千秋(ちあきの)(なが)五百(いほ)(あき)()水穂(みづほ)(のくに)は、(いた)佐夜芸(さやぎ)てありけりと、()りたまひて、(さら)(かへり)(のぼ)らして、天照(あまてらす)大御神(おほみかみ)(まを)したまひき。(かれ)高御産巣日(たかみむすびの)(かみ)天照(あまてらす)大御神(おほみかみ)(みこと)()ちて、(あめの)安河(やすのかは)河原(かはら)八百万(やほよろづ)(かみ)を、(かむ)(つど)へに(つど)へて、思金(おもひかね)(のかみ)(おも)はしめて、()りたまはく、()葦原(あしはらの)中国(なかつくに)は、()御子(みこ)所知(しらさむ)(くに)と、(こと)(よさし)(たま)へる(くに)なり。(かれ)()(くに)に、()(はや)(ぶる)(あら)(ぶる)(くにつ)(かみ)(ども)(さは)なると(おも)()すは(これ)(いづれ)(かみ)使(つか)はしてか、(こと)()けましとのりたまひき。(ここ)思金(おもひかね)(のかみ)(また)八百万(やほよろづ)(かみ)(たち)(はか)りて、(あめの)菩比(ほひ)(のかみ)()(つか)はしてむと(まを)しき。(かれ)(あめの)菩比(ほひ)(のかみ)(つか)はしつれば、(やがて)大国主神(おほくにぬしのかみ)(こび)()きて、三年(みとせ)になるまで(かへりごと)(まを)さざりき』
とありまして、()(こと)現在(げんざい)にも適当(てきたう)する()遺訓(ゐくん)であります。()豊葦原(とよあしはら)千秋(ちあき)(なが)五百(いほ)(あき)水穂(みづほ)(のくに)()ふのは地球(ちきう)(じやう)全体(ぜんたい)()すのであり、葦原(あしはら)中津(なかつ)(くに)日本(につぽん)(こく)(こと)であります。
 ()世界(せかい)はいたく(さわ)がしくなつて()た。(すべ)ての問題(もんだい)(ゆき)(つま)りになつて()ります。(じつ)人民(じんみん)塗炭(とたん)(くる)しみを()けて()(こと)になつたが、(この)(くに)()(たひら)けく(やす)らけく(をさ)めるには、(いづ)れの神様(かみさま)(つか)はしたならば平定(へいてい)するであらうかと、神廷(しんてい)会議(くわいぎ)(ひら)かれたのであります。さうして思金(おもひかね)(のかみ)()智慧(ちゑ)のある神様(かみさま)()(まね)きになつて()(たづ)ねになつた。(ところ)(あめの)菩比(ほひ)(のかみ)(つか)はすべしと()(こと)で、()(かみ)()(つか)はしになつた。()()()(こと)言霊(ことたま)(がく)()ふと血染(ちぞめ)焼尽(せうじん)()(こと)である。先般(せんぱん)()欧州(おうしう)(だい)戦争(せんさう)(これ)血染(ちぞめ)焼尽(せうじん)(のかみ)(はたら)きであります。()(あめの)菩比(ほひ)(のかみ)(つか)はして(こと)()けせむとなさつた(ところ)が、三(ねん)になつても()()血染(ちぞめ)焼尽(せうじん)でも平定(へいてい)する(こと)出来(でき)なかつた。所謂(いはゆる)(ねん)(わた)つた戦争(せんさう)出来(でき)たのであります。さうして(つひ)大国主神(おほくにぬしのかみ)(むすめ)(した)(てる)比売(ひめ)(こび)りついてしまつた。大国主神(おほくにぬしのかみ)体主(たいしゆ)霊従(れいじう)であります。物質(ぶつしつ)文明(ぶんめい)(もつ)国家(こくか)政治(せいぢ)基礎(きそ)として()(ところ)(しよ)外国(ぐわいこく)政治(せいぢ)であります。()(あめの)菩比(ほひ)(のかみ)霊的(れいてき)文明(ぶんめい)()らず物質(ぶつしつ)文明(ぶんめい)(はう)(こび)りついて仕舞(しま)つて、三(ねん)になつても()うしても(かへ)つて()ぬ。(この)結果(けつくわ)益々(ますます)物質(ぶつしつ)文明(ぶんめい)鞏固(きようこ)ならしめたのであります。世間(せけん)では愈々(いよいよ)世界(せかい)立派(りつぱ)になつたとか、(あるひ)平和(へいわ)条約(でうやく)(むす)ばれたと()ひますけれども、(これ)(みな)大国主神(おほくにぬしのかみ)(こび)りついた(かたち)であつて、世界(せかい)(だい)戦争(せんさう)()めば、(あと)泰平(たいへい)()になるかと(おも)ふと、さうではない。益々(ますます)軍備(ぐんび)拡張(くわくちやう)して()るのであります。(これ)では到底(たうてい)()(をさ)まる(はず)()いのであります。()世界(せかい)戦争(せんさう)()(こと)は、(けつ)して人間(にんげん)(こしら)へたのではない。(その)(はじ)まりは(ただ)(ぱつ)拳銃(ピストル)()つたのが(もと)で、(かく)(ごと)(だい)戦争(せんさう)になつてしまつたのであつて、みな神様(かみさま)()経綸(けいりん)()約束(やくそく)(ほか)ならぬのであります。
 (さて)()(つぎ)には天若(あまわか)日子(ひこ)()(くだ)しになつた。
 『(ここ)()て、高御産巣日(たかみむすびの)(かみ)天照(あまてらす)大御神(おほみかみ)(また)(もろもろ)(かみ)(たち)()ひたまはく、葦原(あしはらの)中国(なかつくに)(つか)はせる天菩比神(あめのほひのかみ)(ひさ)しく(かへりごと)(まを)さず。(また)(いづれ)(かみ)使(つか)はしてば()けむ。(ここ)思金神(おもひかねのかみ)(まを)しけらく。天津国玉神(あまつくにたまのかみ)()天若(あまわか)日子(ひこ)を、(つか)はしてむと(まを)しき。(かれ)(ここ)に、(あめ)()麻迦古弓(まかこゆみ)(あめ)()波波矢(はばや)を、天若(あまわか)日子(ひこ)(たま)ひて(つか)はしき。於是(ここに)天若(あまわか)日子(ひこ)()(くに)(くだり)()きて、(すなは)大国主神(おほくにぬしのかみ)(むすめ)下照(したてる)比売(ひめ)()とし、(また)()(くに)()むと(おもんばか)りて、八年(やとせ)()るまで、(かへりごと)(まを)さざりき。(かれ)(ここ)に、天照(あまてらす)大御神(おほみかみ)高御産巣日(たかみむすびの)(かみ)(また)(もろもろ)(かみ)(たち)()ひたまはく、天若(あまわか)日子(ひこ)(ひさ)しく(かへりごと)(まを)さず。(また)(いづれ)(かみ)(つか)はしてか、天若(あまわか)日子(ひこ)(ひさ)しく(とどま)所由(ゆゑ)()はしめむと()ひたまひき。於是(ここに)(もろもろ)(かみ)(たち)(また)思金神(おもひかねのかみ)()()さく雉名鳴女(きぎしななきめ)(つか)はしてむと(まを)(とき)()りたまはく、(いまし)()きて、天若(あまわか)日子(ひこ)()はむ(さま)は、(いまし)葦原(あしはらの)中国(なかつくに)使(つか)はせる所以(ゆゑ)は、()(くに)荒振(あらぶる)(かみ)(たち)を、言趣(ことむけ)(やは)せとなり、(なぞ)八年(やとせ)()るまで(かへりごと)(まを)さざると、とへとのりたまひき。(かれ)(ここ)に、名鳴女(ななきめ)(あめ)より(くだり)()きて、天若(あまわか)日子(ひこ)(かど)なる、()()(かつら)(うへ)()委曲(まつぶさ)に、天津(あまつ)(かみ)詔命(おほみことのり)(ごと)()りき』
 天若(あまわか)日子(ひこ)()(こと)は、(これ)はすべて天地(てんち)大道(だいだう)()き、治国(ちこく)安民(あんみん)(みち)()(ところ)意義(いぎ)であります。(わか)()ふのは()けると()(こと)である。(しか)一方(いつぱう)(わか)()(こと)は、充分(じうぶん)充実(じうじつ)して()らない、何処(どこ)にか()初初(うひうひ)しい(ところ)があると()(せつ)もあります。今日(こんにち)()うしても(これ)では()けぬと()ふので、民族(みんぞく)自決(じけつ)であるとか、自由(じゆう)平等(びやうどう)であるとか、デモクラシーであるとか、労働(らうどう)問題(もんだい)とか、普通(ふつう)選挙(せんきよ)とか、婦人(ふじん)参政(さんせい)(けん)問題(もんだい)とか、()()(こと)(おこ)つて()()る。是等(これら)成就(じやうじゆ)したならば()(なか)天下(てんか)泰平(たいへい)(をさ)まる(やう)(みな)(おも)うて()りますが、(これ)実行(じつかう)したならば、()(なか)益々(ますます)(さわ)ぎが(はなはだ)しくなります。(これ)天若(あまわか)日子(ひこ)なのであります。労働(らうどう)問題(もんだい)とか(なん)とか、(すべ)てのものは(みな)物質(ぶつしつ)(もと)として()る。日本(につぽん)(くに)皇祖(くわうそ)皇宗(くわうそう)()遺訓(ゐくん)()(こと)(すこ)しも念頭(ねんとう)()いて()らない。どの団体(だんたい)でも大国主神(おほくにぬしのかみ)下照(したてる)比売(ひめ)(こび)りついて()る。つまり(をんな)覇張(はば)(こと)なのである。男女(だんぢよ)同権(どうけん)とか、(あるひ)婦人(ふじん)参政(さんせい)(けん)(あた)へるとか()ふことは、(みな)下照(したてる)比売(ひめ)捕虜(ほりよ)となつて()るのである。()下照(したてる)比売(ひめ)()(こと)男女(だんぢよ)同権(どうけん)()(やう)(こと)で、労働(らうどう)問題(もんだい)とか、普通(ふつう)選挙(せんきよ)とか、婦人(ふじん)参政(さんせい)(けん)(など)(あた)へて、婦人(ふじん)向上(かうじやう)発展(はつてん)をして、しまひには男女(だんぢよ)同権(どうけん)()(やう)(こと)になつて()た。(しか)今日(こんにち)(ある)意味(いみ)(おい)ては男女(だんぢよ)同権(どうけん)であります。(をとこ)(をんな)(たた)いたなれば(つみ)になる。(をんな)(をとこ)(たた)いても矢張(やはり)(つみ)になるので、刑法(けいはふ)(じやう)から()へば同権(どうけん)である。(しか)夫婦(ふうふ)になると、他所(よそ)(をんな)(こしら)へるとか芸者(げいしや)(あそ)びや(なに)かしても(つま)から(うつた)ふる(こと)出来(でき)ない。(これ)(はん)して(つま)姦通(かんつう)して()ると(をつと)からは(うつた)へられる。()(へん)同権(どうけん)ではない。(をつと)権利(けんり)はあるが(をんな)にはない。(しか)(これ)()うしても(うへ)(した)(うら)(おもて)(ひだり)(みぎ)であるから、男女(だんぢよ)(たい)とならなければならぬ。夫婦(ふうふ)同権(どうけん)では(をさ)まらぬ。日本(につぽん)(くに)()うしても(をつと)(さき)()(つま)(したが)ふ。(をつと)(ひだり)(つま)(みぎ)である。()()()()()()()()(のみこと)(くに)()みの(とき)にも、(をんな)(こと)(さき)だちしに()りて(ふさ)はずと()(こと)があります。牝鳥(めんどり)がトキを()げる(いへ)には不幸(ふかう)がある。(かかあ)天下(でんか)では(をさ)まらぬ。()()下照(したてる)比売(ひめ)跋扈(ばつこ)したならば、()(なか)段々(だんだん)(みだ)れて()ます。家庭(かてい)円満(ゑんまん)()ふものを益益(ますます)(やぶ)(こと)になつて、()いては国家(こくか)安寧(あんねい)(がい)すると()(こと)になります。()()(こと)天若(あまわか)日子(ひこ)()(かた)である。
 世界(せかい)平安(へいあん)無事(ぶじ)(をさ)めようとして、色々(いろいろ)手段(しゆだん)方法(はうはふ)(かう)じたけれども、天若(あまわか)日子(ひこ)は八(ねん)になるも(かへ)つて()なかつた。そこで今度(こんど)天照(あまてらす)大御神(おほみかみ)高木神(たかぎのかみ)()相談(さうだん)になつて、天若(あまわか)日子(ひこ)何時(いつ)(まで)()つても復命(ふくめい)(かへ)つて()ない。それでしまひには、下照(したてる)比売(ひめ)(こび)りついたので、()益々(ますます)(ひど)くなる。今度(こんど)(いづ)れの(かみ)()やりになつたら()からうと(まを)した(ところ)が、思金神(おもひかねのかみ)(こた)へて(まを)すのに、雉名鳴女(きぎしななきめ)()(つか)はしになつたら()いでせうと(まを)された。(きじ)()(こと)(かみ)()(こと)である。()()(かな)しむ(ところ)(をんな)()(こと)()()()(とき)めいて()(ところ)()婦人(ふじん)()ふのではない。田舎(ゐなか)婦人(ふじん)(こと)であります。つまり開祖(かいそ)(さま)()されたのでありませう。
 さうして()(あらた)めよと()(こと)(あふ)せられた。()末期(まつき)(ひん)して()つて、とても()(まま)では日本(につぽん)世界(せかい)維持(ゐじ)して()(こと)出来(でき)ない。(はや)()(あらた)めよと(やかま)しく()はれたのであります。さうして()雉名鳴女(きぎしななきめ)(つか)はす(とき)に、()(おほ)()けられた。天若(あまわか)日子(ひこ)葦原(あしはら)中津(なかつ)(くに)にやつたのは、()(くに)(あら)ぶる国津(くにつ)(かみ)をば(こと)()()はして(をさ)めようとさせたのだ。何故(なにゆゑ)天若(あまわか)日子(ひこ)国津(くにつ)(かみ)一緒(いつしよ)になつて、大神(おほかみ)()命令(めいれい)()かないのか、()()(わけ)であるか、一応(いちおう)(つた)へて()いと()はれたのであります。さうして名鳴女(ななきめ)天若(あまわか)日子(ひこ)(もん)(いた)つた。(しか)るに(あめ)佐具女(さぐめ)()非常(ひじやう)(わる)悪魔(あくま)()(こゑ)()いた。佐具女(さぐめ)()(こと)はサヤグメと()(こと)であります。佐具女(さぐめ)(をんな)(こと)であります。今日(こんにち)世界(せかい)(ひと)大方(おほかた)(をんな)になつて()ります。大方(おほかた)佐具女(さぐめ)であります。(をとこ)(かみ)にチックをつけたり、(かほ)(しろ)()()つたりして、さうして柔弱(じうじやく)になつて(をんな)真似(まね)(ばか)りして()る。(みな)(あめ)佐具女(さぐめ)になつて()ります。(また)今日(こんにち)銘々(めいめい)交際(かうさい)して()りながら、(うそ)ばかり()つて()るのである。巧言(かうげん)令色(れいしよく)であつて、(むかし)(やう)武士(ぶし)言葉(ことば)二言(にごん)はないと()(こと)(おこな)はれて()らない。()(こと)度々(たびたび)()ふが、(すこ)しも(おこな)つて()らないのである。(うそ)()方便(はうべん)()(くらゐ)商売(しやうばい)掛引(かけひき)にも、(あるひ)外交(ぐわいかう)(じやう)掛引(かけひき)其他(そのた)政事(せいじ)()教育(けういく)()(すべ)てが物質(ぶつしつ)()むがために(うそ)(ばか)りを()つて()る。さうして(ひと)(おく)(さぐ)り、欠点(けつてん)があつたならば、(あるひ)弱点(じやくてん)があつたならば、(つき)()んでやらう。()()(こと)(ばか)(かんが)へて()る。()()連中(れんちう)(あめ)佐具女(さぐめ)同様(どうやう)に、()雉名鳴女(きぎしななきめ)(まこと)(てん)言葉(ことば)非常(ひじやう)邪魔(じやま)になつて、(みみ)(ざは)りになつて仕様(しやう)がない。
 『(ここ)に、(あめの)()()()()(とり)()ふことを()きて、天若(あまわか)日子(ひこ)()げて()はく、()(とり)は、(なく)(こゑ)(いと)()(かれ)()(ころ)したまひねと(いひ)(すす)むれば、(すなは)天若(あまわか)日子(ひこ)天神(あまつかみ)(たま)へる(あめ)()()(ゆみ)(あめ)()()()()ちて()(きぎし)()(ころ)しつ。(ここ)()()(きぎし)(むね)より(とほ)りて、(さかさま)()(あげ)らへて、(あめの)安河(やすのかは)河原(かはら)()します、天照(あまてらす)大御神(おほみかみ)高木神(たかぎのかみ)御所(みもと)(いた)りき。()高木神(たかぎのかみ)は、高御産巣日(たかみむすびの)(かみ)別名(またのみな)なり。(かれ)高木神(たかぎのかみ)()()()らして(みそなは)すれば、()()()()()きたりき。於是(ここに)高木神(たかぎのかみ)()()は、天若(あまわか)日子(ひこ)所賜(たまへり)()ぞかしと()りたまひて、(すなは)(もろもろ)(かみ)(たち)()せて、()りたまへらくは、(もし)天若(あまわか)日子(ひこ)(みこと)(たが)へず、(あら)ぶる(かみ)()たりし()()つるならば、天若(あまわか)日子(ひこ)(あた)らざれ、(もし)邪心(きたなきこころ)しあらば、天若(あまわか)日子(ひこ)()()()()()()りたまひて、()()()らして、()()(あな)より(つき)返下(かへ)したまひしかば、天若(あまわか)日子(ひこ)が、胡床(あぐら)()たる、(たか)(むな)(さか)(あた)りて(みうせ)にき。(また)()(きぎし)(かへ)らず、(かれ)(いま)(ことわざ)に、(きぎし)(ひた)使(づかひ)といふ(もと)(これ)なり』
 そこで(あめ)佐具女(さぐめ)天若(あまわか)日子(ひこ)(むか)つて()ふのには、あの(とり)非常(ひじやう)にいやな鳴声(なきごゑ)をする、()(づら)いから(はや)くあれを()(ころ)して(くだ)さいと(そその)かした。天若(あまわか)日子(ひこ)言霊(ことたま)弓矢(ゆみや)(もつ)て、(これ)()(ころ)したのであります。丁度(ちやうど)開祖(かいそ)()昇天(しようてん)になつた(とき)であります。開祖(かいそ)(あめ)佐具女(さぐめ)天若(あまわか)日子(ひこ)(ため)()昇天(しようてん)になつたと(おな)(こと)である。それは神界(しんかい)現界(げんかい)との(ちが)ひであつて、つまり神界(しんかい)(こと)現界(げんかい)(うつ)つて()る。(これ)神界(しんかい)消息(せうそく)(わか)からぬ(かた)には牽強(けんきやう)附会(ふくわい)(きこ)えますけれども、充分(じうぶん)霊学(れいがく)(じやう)(おく)(はい)りましたならば、(その)(こと)はよく(わか)つて()ます。さうして()(はな)つた(ところ)()は、天照(あまてらす)大御神(おほみかみ)高木神(たかぎのかみ)()手許(てもと)()んで()つた。()ると()()には()がついて()る。(ここ)(おい)高木神(たかぎのかみ)は、()()(かつ)天若(あまわか)日子(ひこ)()つたものである。さうして()()をもろもろの神々(かみがみ)()せて(あふ)せらるるには、()天若(あまわか)日子(ひこ)天照(あまてらす)大御神(おほみかみ)()命令(めいれい)(ほう)じて、(ぜん)なる地位(ちゐ)()るならば(よろ)しいが、()(これ)()(ちが)つて物質(ぶつしつ)主義(しゆぎ)(をしへ)(まじは)つて、(わる)国津(くにつ)(かみ)一緒(いつしよ)にやつて()るならば、(これ)(てん)命令(めいれい)(そむ)いたものである。(あら)ぶる(かみ)(ども)()(ところ)()ならばよし、()(これ)(てん)命令(めいれい)(ほう)じて(つかは)した(ところ)雉名鳴女(きぎしななきめ)()(ところ)()であつたなれば、()()天若(あまわか)日子(ひこ)(たふ)せと()つて、(さか)しまに(てん)から地上(ちじやう)()()天若(あまわか)日子(ひこ)()けて(はな)たれた。天若(あまわか)日子(ひこ)胡坐(あぐら)()をして、グウグウ高鼾(たかいびき)、もう雉名鳴女(きぎしななきめ)()(ころ)して(しま)つたから大丈夫(だいぢやうぶ)だと()つて、胡坐(あぐら)になつて()()ると、()()(むね)(あた)つて(つひ)国替(くにがへ)をした。()国替(くにがへ)をしたと()(こと)は、今日(こんにち)労働(らうどう)問題(もんだい)とか、(なん)とか色々(いろいろ)天若(あまわか)日子(ひこ)(てき)問題(もんだい)は、(みな)(すで)()したと同様(どうやう)であります。()()(こと)()したのである。本年(ほんねん)の三(ぐわつ)(ごろ)までは賃金(ちんぎん)段々(だんだん)(あが)つて()る、労働(らうどう)(しや)天下(てんか)()(やう)工合(ぐあひ)になつた。さうすると労銀(らうぎん)(すくな)い、八時間(じかん)(せい)とか六時間(じかん)(せい)とか、勝手(かつて)(きはま)()放題(はうだい)()つて()つたが、今日(こんにち)()うであるか、(やす)くても就職(しうしよく)(ぐち)()いと()有様(ありさま)で、(ほとん)()()えたやうな状態(じやうたい)であります。労働(らうどう)(たう)(あま)気乗(きの)りがせぬ(やう)になつた。グヅグヅして()ると(めし)(たね)()くなる。(やす)給金(きふきん)でも使(つか)うて(もら)はなければならぬと()(やう)になつて(まゐ)りました。(これ)所謂(いはゆる)天若(あまわか)日子(ひこ)()(あた)つて()したのである。(これ)神様(かみさま)(ぐう)して()()()きになつて()られるのであります。そこで天若(あまわか)日子(ひこ)(かく)(ごと)(たふ)れてしまつて今日(こんにち)(ほとん)(かげ)()せぬ(やう)になつて()ります。(ここ)(おい)下照(したてる)比売(ひめ)非常(ひじやう)()(さけ)んで()る。(すで)外国(ぐわいこく)では女子(ぢよし)参政(さんせい)(けん)(ゆる)したと()(こと)になつて()る。日本(につぽん)では(また)婦人(ふじん)参政(さんせい)問題(もんだい)(おこ)つて()()ります。(これ)下照(したてる)比売(ひめ)()(かな)しむ(こゑ)である。()(さわ)いで()(ところ)(こゑ)である。()()(こゑ)神様(かみさま)()(そば)(とど)いたのである。さうすると天若(あまわか)日子(ひこ)(ちち)天津国玉神(あまつくにたまのかみ)(あま)(くだ)つて()て、(これ)()いて()(かな)しんだ。
 『(かれ)天若(あまわか)日子(ひこ)()下照(したてる)比売(ひめ)(なか)せる(こゑ)(かぜ)(むた)(ひび)きて、(あめ)(いた)りき。於是(ここに)(あめ)なる天若(あまわか)日子(ひこ)(ちち)天津国玉神(あまつくにたまのかみ)(また)()妻子(めこ)ども()きて、(くだ)()(なき)(かなし)みて、(すなは)其処(そこ)喪屋(もや)(つく)りて、河雁(かはがり)()()()(もち)とし、(さぎ)掃持(ははきもち)とし、翠鳥(そに)御食(みけ)(びと)とし、(すずめ)碓女(うすめ)とし、(きぎし)哭女(なきめ)とし、如此(かく)(おこな)(さだ)めて()()()()()()(あそ)びたりき。()(とき)阿遅志貴(あじしき)高日子根(たかひこねの)(かみ)(きま)して天若(あまわか)日子(ひこ)()(とぶら)ひたまふ(とき)(あめ)より降到(くだりき)つる、天若(あまわか)日子(ひこ)(ちち)(また)()()(みな)()きて、()()()なずて()りけり、()(きみ)()なずて()しけりと()ひて、手足(てあし)(とり)(かか)りて()(かな)しみき。()(あやま)てる所以(ゆゑ)は、()二柱(ふたはしら)(かみ)容姿(かほ)(いと)()相似()たり。(かれ)(ここ)()(あやま)てるなり。於是(ここに)阿遅志貴(あじしき)高日子根(たかひこねの)(かみ)(いた)(いか)りて()ひけらく、()(うるは)しき(とも)なれ(こそ)(とぶらひ)()つれ。(なに)とかも、(あれ)(きたな)死人(しにびと)(なぞ)ふると()ひて、()(はか)せる()(つか)(つるぎ)()きて、()喪屋(もや)(きり)()せ、(あし)()(くゑ)(はな)()りき。()美濃(みぬ)(のくに)(あゐ)()(がは)河上(かはかみ)なる、喪山(もやま)といふやまなり。()()ちて()れる大刀(たち)()大量(おほばかり)()ふ。(また)()は、神度(かむどの)(つるぎ)とも()ふ。
 (かれ)阿遅志貴(あじしき)高日子根(たかひこねの)(かみ)は、忿(おもほて)りて、(とび)()りたまふ(とき)に、()()()()(たか)()()(のみこと)()御名(みな)(あらは)さむと(おも)ひて、(うた)ひけらく。
 阿米那流夜(あめなるや)淤登多那婆多能(おとたなばたの)宇那賀世流(うながせる)多麻能美須麻流(たまのみすまる)美須麻流邇(みすまるに)阿那陀麻波夜(あなだまはや)美多邇布多和多良須(みたにふたわたらす)阿遅志貴(あぢしき)多迦比古泥能迦微(たかひこねのかみ)曽也(ぞや)
 ()(うた)は、(ひな)(ぶり)なり』
 さうして葬式(とむらひ)をしようとしたのであります。(けつ)して鄭重(ていちよう)葬式(さうしき)ではない。(きじ)哭女(なきめ)とし(すずめ)春女(うすめ)となし、(ほとん)人間(にんげん)(あつか)ひをせられず小鳥(ことり)(あつかひ)()けたと()(こと)である。それから高姫(たかひめ)(がみ)(あに)阿遅志貴(あぢしき)高日子根(たかひこねの)(かみ)()(くだ)りになつて()た。(この)阿遅志貴(あじしき)高日子根(たかひこねの)(かみ)天若(あまわか)日子(ひこ)とは至極(しごく)()()てゐる。阿遅志貴(あぢしき)()(こと)幽玄(いうげん)微妙(びめう)にして(はか)()るべからざる(ところ)(はたらき)――権威(けんゐ)がある。()()()(こと)知食(しろしめす)(くに)()(こと)である。()阿遅志貴(あぢしき)()ふのは、天下(てんか)(たひら)けく(やす)らけく(をさ)(たま)(ところ)(おん)(みち)(こと)であります。(たか)日子(ひこ)()()(こと)は、(おそ)(おほ)くも大神(おほかみ)別名(べつめい)でありまして、(つま)天津(あまつ)日継(ひつぎ)天皇(てんわう)が、世界(せかい)(たひら)けく(やす)らけく(をさ)(たま)(みち)が、(じつ)阿遅志貴(あぢしき)(たか)日子(ひこ)()()(こと)になります。底本にはこの句点は無く前後が続いている。()陛下(へいか)天照(あまてらす)大神(おほかみ)()(だい)(しん)()名代(みやうだい)として、万世(ばんせい)一系(いつけい)世界(せかい)()君臨(くんりん)(あそ)ばして、万民(ばんみん)(たひら)けく(やす)らけく(をさ)(あそ)ばされる(ところ)()天職(てんしよく)があるのであります。()承知(しようち)(ごと)日本(につぽん)(くに)陛下(へいか)吾々(われわれ)()先祖(せんぞ)である。(じやう)(おい)(おや)(さま)であり、主人(しゆじん)であり(また)師匠(ししやう)であります。(すなは)陛下(へいか)()(なら)うて()けば()いのである。それ(ゆゑ)日本(につぽん)(くに)精神(せいしん)(てき)(だい)家族(かぞく)制度(せいど)になつて()るのであります。(すなは)神別(しんべつ)皇別(くわうべつ)(あるひ)源平(げんぺい)藤橘(とうきつ)(せい)皇族(くわうぞく)から(わか)れたのであります。さう()(ふう)(ただ)しく子孫(しそん)(つた)はつて()るのであつて、其本(そのもと)(たづ)ねると(じつ)四海(しかい)同胞(どうほう)であるのであります。皇道(くわうだう)大本(おほもと)精神(せいしん)(てき)(だい)家族(かぞく)制度(せいど)(とな)へると、新聞(しんぶん)()社会(しやくわい)主義(しゆぎ)(しや)其他(そのた)官憲(くわんけん)(これ)共産(きやうさん)主義(しゆぎ)()()したり財産(ざいさん)平均(へいきん)(ろん)(かんが)(ちが)ひをして()るのであります。皇道(くわうだう)大本(おほもと)(とな)ふるところは、(けつ)して財産(ざいさん)平均(へいきん)(ろん)ではない。(もと)(たづ)ねて()くと(ひと)つであるから、(たがひ)(たす)けて()かなければならぬ。(みな)親子(おやこ)兄弟(きやうだい)であるから君臣(くんしん)()(あるひ)四海(しかい)同胞(どうほう)(みな)()(こころざし)(ひと)しうして()くと()(だい)家族(かぞく)制度(せいど)であります。()(だい)家族(かぞく)制度(せいど)共産(きやうさん)主義(しゆぎ)()たり、(あるひ)財産(ざいさん)平均(へいきん)(ろん)()()すのは、(みな)物質(ぶつしつ)(かた)まつて()るからである。(すなは)阿遅志貴(あぢしき)高日子根(たかひこねの)(かみ)天若(あまわか)日子(ひこ)とを()(ちが)へて()るのであります。天若(あまわか)日子(ひこ)(ちち)妻子(つまこ)()は、阿遅志貴(あぢしき)高日子根(たかひこねの)(かみ)()て、我子(わがこ)は『()なずて()りけり』と()つて(よろこ)んだ。(ところ)阿遅志貴(あぢしき)高日子根(たかひこねの)(かみ)は『(なに)とかも(われ)(きたな)死人(しにびと)(くら)ぶるか』と()つて立腹(りつぷく)して、()()られたと()(こと)()()ります。
 (また)私有(しいう)財産(ざいさん)云々(うんぬん)()(こと)(つい)ては、()(すぢ)から注意(ちゆうい)がありましたが、(これ)世間(せけん)誤解(ごかい)からであります。(けつ)して私有(しいう)財産(ざいさん)云々(うんぬん)するのではない。現在(げんざい)(あま)りに彼我(ひが)程度(ていど)差異(さい)がある。一方(いつぱう)には無茶(むちや)苦茶(くちや)贅沢(ぜいたく)をして、妾宅(せふたく)(かま)へ、栄耀(えいえう)栄華(えいぐわ)(たくま)しうして()るのに、一方(いつぱう)では一(わん)(めし)満足(まんぞく)()られない(もの)さへある。祖先(そせん)は一つで(みな)兄弟(きやうだい)であるのに、(かく)(ごと)くであつては、精神(せいしん)(てき)(だい)家族(かぞく)制度(せいど)とは()はれない。自分(じぶん)()(しよく)(ぢゆう)にさへ(さし)(つか)へなければそれで()いのである。私有(しいう)財産(ざいさん)無茶(むちや)苦茶(くちや)()めると()ふよりも、公益(こうえき)(ため)(つく)すが()い、陛下(へいか)(ため)(つく)すが()いと()(ところ)から、私有(しいう)財産(ざいさん)(かろ)んずと()ふのであるが、それよりももつともつと(たふと)(ところ)(もの)は、霊的(れいてき)(たから)(てん)()めよと(あふ)せられて()られるのであります。(かく)(ごと)(まつた)阿遅志貴(あぢしき)高日子根(たかひこねの)(かみ)天若(あまわか)日子(ひこ)(とり)(ちが)へて()るのであります。天下(てんか)(たひら)けく(やす)らけく(をさ)(たま)御道(おんみち)()(つた)(ところ)皇道(くわうだう)大本(おほもと)なのであります。()阿遅志貴(あぢしき)高日子根(たかひこねの)(かみ)忠実(ちうじつ)なる(はたらき)をして()るのであります。忿(おもほて)りと()(こと)は、憤怒(ふんぬ)()(こと)であります。(あま)馬鹿(ばか)にするない、(じつ)暗黒(あんこく)()(なか)とはいひながら(あま)りである。(さぎ)(からす)区別(くべつ)()かぬとは(あま)りであると()つて、(おほい)(いか)つて()()らむとする(とき)に、()妹神(いもがみ)高姫(たかひめ)(のみこと)が、()本名(ほんめい)(あらは)さむと(おも)つて(うた)(たま)うた()神歌(しんか)は、
  (あめ)なるや、(おと)棚機(たなばた)の (うな)がせる (たま)御統(みすまる) ()統瓊(すまるに)
穴玉(あなだま)はや ()(たに) (ふた)(わた)らす 阿遅志貴(あぢしき)
(たか)日子(ひこ)()(かみ)ぞや。
証明(しようめい)されたのである。
 (あめ)なるや――(あめ)にあるや。(あめ)にましました(ところ)のと()()
 (おと)棚機(たなばた)の――(おと)言霊(ことたま)(こと)棚機(たなばた)天地(てんち)経綸(けいりん)(こと)太陽暦(たいやうれき)太陰暦(たいいんれき)恒天暦(かうてんれき)()(こと)()宇宙(うちう)充満(じうまん)して(だい)宇宙(うちう)組織(そしき)せられて活動(くわつどう)して()ると()(こと)で、みくらだなたなばた()(こと)であります。火水(ひみづ)経綸(けいりん)()(こと)で、(みづ)(よこ)経綸(けいりん)()(たて)経綸(けいりん)(すなは)天地(てんち)経綸(けいりん)()つて活動(くわつどう)して()るのであります。今日(こんにち)宇宙(うちう)構成(こうせい)したのは、所謂(いはゆる)(はた)()ると()(こと)で、太陽暦(たいやうれき)太陰暦(たいいんれき)恒天暦(かうてんれき)経緯(けいゐ)()(こと)であります。
 (うな)がせる――(くび)(たま)()けて()(こと)であります。
 (たま)御統(みすまる)――善悪(ぜんあく)(たがひ)(まじは)つて()曲玉(まがたま)(こと)で、()(たま)には(あを)とか()とか(あか)とか(しろ)とか()(いろ)があるが、それを一つに(とほ)して(つら)ねる(こと)(たま)御統(みすまる)である。()の三(しゆ)神器(しんき)曲玉(まがたま)は、()()()御統(みすまる)(たま)()(こと)であります。世界(せかい)各国(かくこく)色々(いろいろ)(たま)――黄色(きいろ)とか、(しろ)とか、(あを)とか、(あか)とか、(あるひ)(なが)いのとか、(みじか)いのとか、(おほ)きいのとか、(ちひ)さいのとかと()曲玉(まがたま)(みな)(むす)んで()る。()(なか)(とほ)つて()(ところ)(ひも)(これ)(すなは)万世(ばんせい)一系(いつけい)()(ひも)でありまして、世界(せかい)国魂(くにたま)(ひと)つに(あつ)めてあるのでありますから、御統(みすまる)(たま)()ふのであります。
 穴玉(あなだま)はや――(あきら)かなる(たま)明玉(めいぎよく)(こと)。はやと()(こと)(ひか)(かがや)くと()(こと)で、一つの(たま)があるとしたならば、あちらでも(ひか)り、此方(こちら)でも(ひか)つて()ると()(たま)である。それに反映(はんえい)して、(ほか)(たま)までが(みな)(ひか)つて()るのであります。
 真谷(みたに)――(きよ)(みづ)(なが)れる(たに)()(こと)
 (ふた)(わた)らす――()時期(じき)まで(ふた)をして()るから(わか)らないのである。それでありますから、阿遅志貴(あぢしき)高日子根(たかひこねの)(かみ)天若(あまわか)日子(ひこ)(とり)(ちが)へるのであります。けれども(すで)阿遅志貴(あぢしき)高日子根(たかひこねの)(かみ)(わか)つたのであります。(しか)(これ)(まで)()真谷(みたに)(ふた)(わた)らして()るので(わか)らなかつた。()皇道(くわうだう)大本(おほもと)阿遅志貴(あぢしき)高日子根(たかひこねの)(かみ)活動(くわつどう)誤解(ごかい)して、(これ)天若(あまわか)日子(ひこ)()(ちが)へて()る。現在(げんざい)()れが()うだか(わか)らぬと()(とき)でありますから、一刻(いつこく)(はや)()阿遅志貴(あぢしき)高日子根(たかひこねの)(かみ)活動(くわつどう)を、天下(てんか)(しめ)さなければならぬのであります、(これ)吾々(われわれ)諸君(しよくん)(とも)()責任(せきにん)があるのであります。
(大正九・八・二四講演筆記 九・九・一号神霊界)

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