霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
×
設定
印刷用画面を開く [?]プリント専用のシンプルな画面が開きます。文章の途中から印刷したい場合は、文頭にしたい位置のアンカーをクリックしてから開いて下さい。[×閉じる]
話者名の追加表示 [?]セリフの前に話者名が記していない場合、誰がしゃべっているセリフなのか分からなくなってしまう場合があります。底本にはありませんが、話者名を追加して表示します。[×閉じる]
表示できる章
テキストのタイプ [?]ルビを表示させたまま文字列を選択してコピー&ペーストすると、ブラウザによってはルビも一緒にコピーされてしまい、ブログ等に引用するのに手間がかかります。そんな時には「コピー用のテキスト」に変更して下さい。ルビも脚注もない、ベタなテキストが表示され、きれいにコピーできます。[×閉じる]

文字サイズ
ルビの表示


アンカーの表示 [?]本文中に挿入している3~4桁の数字がアンカーです。原則として句読点ごとに付けており、標準設定では本文の左端に表示させています。クリックするとその位置から表示されます(URLの#の後ろに付ける場合は数字の頭に「a」を付けて下さい)。長いテキストをスクロールさせながら読んでいると、どこまで読んだのか分からなくなってしまう時がありますが、読んでいる位置を知るための目安にして下さい。目障りな場合は「表示しない」設定にして下さい。[×閉じる]


宣伝歌 [?]宣伝歌など七五調の歌は、底本ではたいてい二段組でレイアウトされています。しかしブラウザで読む場合には、二段組だと読みづらいので、標準設定では一段組に変更して(ただし二段目は分かるように一文字下げて)表示しています。お好みよって二段組に変更して下さい。[×閉じる]
脚注[※]用語解説 [?][※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]

脚注[*]編集用 [?][※]、[*]、[#]で括られている文字は当サイトで独自に付けた脚注です。[※]は主に用語説明、[*]は編集用の脚注で、表示させたり消したりできます。[#]は重要な注記なので表示を消すことは出来ません。[×閉じる]

外字の外周色 [?]一般のフォントに存在しない文字は専用の外字フォントを使用しています。目立つようにその文字の外周の色を変えます。[×閉じる]
現在のページには外字は使われていません

表示がおかしくなったらリロードしたり、クッキーを削除してみて下さい。
【新着情報】サイトをリニューアルしました。不具合がある場合は従来バージョンをお使い下さい| サブスクのお知らせ

〔一〕神武天皇御東征之段

インフォメーション
題名:〔一〕神武天皇御東征之段 著者:出口王仁三郎
ページ:1
概要: 備考: タグ:アナナヒ(三五、麻柱、あなない) データ凡例: データ最終更新日:2021-06-16 23:55:47 OBC :B121805c102
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]神霊界 > 大正9年11月11日号(第131号) > 皇典と現代(一)
   一
 『そこより(いで)(ゆき)まして、忍坂(おさか)大室(おほむろ)(いた)りませる(とき)に、()()(つち)蜘蛛(ぐも)八十(やそ)(たける)(その)(むろ)()りて、(まち)いなる。かれ(ここ)に、天津(あまつ)(かみ)御子(みこ)(みこと)(もち)て、八十(やそ)(たける)(みあへ)(たま)ひき』
 忍坂(おさか)()(ところ)は、大和(やまと)桜井(さくらゐ)(えき)から、二()(ほど)(へだた)つた山中(さんちう)で、忍坂(おさか)(しのび)(さか)()いて(その)地名(ちめい)おさか()ひます。言霊(ことたま)(うへ)から忍坂(おさか)(さか)(さか)で、(つま)(わる)(もの)()忍耐(にんたい)(にん)でなく、(しの)(かく)れること、(こころ)(まが)つた(ひと)所謂(いはゆる)思想(しさう)(わる)(もの)()つて、(かく)れて()(こと)大室(おほむろ)(おほ)きな(いへ)(つち)(なか)()てて、(その)(なか)官軍(くわんぐん)通過(つうくわ)するのを()つて()る。()()ふる(つち)蜘蛛(ぐも)()()えた(つち)蜘蛛(ぐも)神武(じんむ)天皇(てんわう)()(いで)になつた(ころ)(つち)蜘蛛(ぐも)()人種(じんしゆ)穴居(けつきよ)時代(じだい)人種(じんしゆ)()()えて()ると()ふことは、(この)(まへ)にもありました。(これ)猛獣(まうじう)(てき)であつて、四足(よつあし)精神(せいしん)人間(にんげん)(いひ)である。八十(やそ)(たける)沢山(たくさん)強暴(きやうばう)連中(れんちう)(かしら)であります。()ある(ひと)沢山(たくさん)部下(ぶか)()(ひと)(こと)で、()()ふる(つち)蜘蛛(ぐも)とは四足(よつあし)同様(どうやう)野蛮(やばん)人種(じんしゆ)(あな)(こも)つて()るものであります。神武(じんむ)天皇(てんわう)()(いで)()(かま)へて()つたと()ふことであります。現代(げんだい)にても何処(どこ)にも彼処(かしこ)にも忍坂(おさか)(おほ)室屋(むろや)()ふものが出来(でき)て、悪神(あくがみ)跋扈(ばつこ)跳梁(てうりやう)して鎮魂(ちんこん)仕切(しき)れなくなつて()ります。神様(かみさま)()(くに)()(こと)(かんが)へず、コソコソと(おほ)室屋(むろや)(すなは)(あく)思想(しさう)団体(だんたい)各地(かくち)(いた)(ところ)()てて()る。(この)大本(おほもと)(をしへ)(たい)しても(これ)(たた)(つぶ)さむと、種々(しゆじゆ)奸計(かんけい)(めぐ)らしたり、大本(おほもと)(だい)帝国(ていこく)秩序(ちつじよ)(みだ)さむとして()るとか、現代(げんだい)(のろ)うて()るのでは()るまいかとか、(なん)とか(くさ)して()ります。
 『かれ(ここ)に、天津(あまつ)(かみ)御子(みこ)(みこと)(もち)て、八十(やそ)(たける)(みあへ)(たま)ひき』
 (これ)八十(やそ)(たける)天津(あまつ)(かみ)御子(みこ)(すなは)神武(じんむ)天皇(てんわう)()馳走(ちそう)になつたと()ふことであります。神様(かみさま)(わる)(もの)(わる)思想(しさう)には、厳重(げんぢゆう)審判(しんぱん)されるのであります。天皇(てんわう)神示(しんじ)儘々(まにまに)()馳走(ちそう)()(てき)得心(とくしん)さして言向(ことむけ)()()せ、()()かなかつた(とき)には、その(つるぎ)(もつ)国賊(こくぞく)()せと(あふ)せられた。()馳走(ちそう)には(しよく)(きやう)する(こと)もあり、(みみ)(きやう)する(ため)音楽(おんがく)もあり、()(きやう)するため花火(はなび)()げて()せる馳走(ちそう)もあるけれども、(だい)一の馳走(ちそう)(この)(くち)からであります。
 『(ここ)に、八十(やそ)(たける)(あて)て、八十(やそ)膳夫(かしはで)(まう)けて、(ひと)(ごと)(たち)()けて、その膳夫(かしはで)(ども)(うた)()かば、()()(とも)()れと(をし)(たま)ひき』
 膳夫(かしはで)柏手(かしはで)国音(こくおん)(あひ)(つう)じ、拍手(はくしゆ)して(うた)意味(いみ)にもなります。拍手(かしはで)神様(かみさま)御前(みまへ)とか(また)()()()(いは)ひの(せき)で、()人数(にんずう)()()けて()つものであります。耶蘇(やそ)(けう)には拍手(はくしゆ)はなく、仏教(ぶつけう)数珠(じゆず)()つて()(ばか)りで(けつ)して()()たぬ。言霊(ことたま)(うへ)から()ふと、(なん)(にん)(かみ)()神霊(しんれい)(きた)り、神霊(しんれい)(もつ)(れい)神託(しんたく)()はむとするのであります。万一(まんいち)(かみ)(をしへ)反対(はんたい)して()()れぬ(もの)は、()のマホメットが片方(かたはう)にコウランの経典(きやうてん)()ち一(ぱう)には(つるぎ)(にぎ)つたと(おな)じく、大和(やまと)(だましひ)入要(にふえう)時分(じぶん)()るのであります。天皇(てんわう)(をしへ)(こころ)から帰順(きじゆん)せば(たす)けてやれ、反抗(はんかう)せば()てとの()聖旨(せいし)(この)(つるぎ)(たまは)つたのであります。さうして拍手(はくしゆ)をしながら()かない(もの)(みな)(ほろ)ぼして()()ふ。(これ)最後(さいご)手段(しゆだん)で、(わる)(ところ)のものは(たひら)げて()()はなければならぬ。()(なん)()うても()かなければ、()むを()行動(かうどう)()らなければ()らぬのであります。天皇(てんわう)仁愛(じんあい)()聖旨(せいし)(ほう)ぜず、反対(はんたい)(ちから)(かぎ)(つち)蜘蛛(ぐも)()(むか)うたので、神武(じんむ)天皇(てんわう)()むを()(たひら)げられました。
 『忍坂(おさか)の、(おほ)室屋(むろや)に、(ひと)(さは)に、()(いり)()り』
 (すなは)種々(くさぐさ)不良(ふりやう)なる精神(せいしん)()つて()(おとこ)(おほ)いが、(おほ)室屋(むろや)子孫(しそん)である。(いま)間島(かんたう)()不逞(ふてい)鮮人(せんじん)も、忍坂(おさか)(おほ)室屋(むろや)で、思想(しさう)(じやう)にも(おほ)室屋(むろや)沢山(たくさん)出来(でき)()る。
 『(ひと)(さは)に、(いり)(をり)(とも)()稜威()()()し、久米(くめ)()が、(くぶ)(つつ)い、(いし)(つつ)()ち、(うち)てし()まむ』
 『久米(くめ)()』は神様(かみさま)(くみ)()()ふことで、敬神(けいしん)勤皇(きんわう)報国(はうこく)(もつ)生命(せいめい)とする(せい)なる(かみ)()団体(だんたい)(いひ)であります。(かみ)(くに)との(ため)(つく)団体(だんたい)である。(あるひ)()()()(かし)こき神様(かみさま)(つか)へる青年(せいねん)団体(だんたい)(いひ)皇道(くわうだう)大本(おほもと)(をしへ)()久米(くめ)()である。『(くぶ)(つつ)い』は立派(りつぱ)(あたま)(かぶ)(ひと)表象(へうしやう)であります。『(いし)(つつ)い』と()(こと)は、賢実(けんじつ)至誠(しせい)団体(だんたい)(ちから)であり、(また)(つるぎ)である。何程(なにほど)説明(せつめい)してやつても元来(ぐわんらい)悪人(あくにん)には(やく)()たないから、何時(いつ)まで()うして改心(かいしん)()つて()ても建替(たてかへ)出来(でき)ぬ。(をしへ)(はう)でいかなければ、()むを()ぬから(いし)(つつ)いの(たい)(はう)(すなは)(つるぎ)神力(しんりき)(もつ)()つて仕舞(しま)はなければならぬ。(いま)()てば(よろ)しと()ふことは、(いま)()いて(ほか)()機会(きくわい)がないから、(この)(さい)()つて仕舞(しま)へ、(たひら)げて()まはなければいかぬとの()(のり)であります。暴力(ばうりよく)(たい)しては(つるぎ)である。思想(しさう)問題(もんだい)(おこ)れば、思想(しさう)問題(もんだい)(おさ)へるのが、本当(ほんたう)(くぶ)(つつ)いの(さと)しである。(さと)して()かねば、(いし)(つつ)いの(つるぎ)にかけても天下(てんか)(ため)(これ)(たひら)げる。現代(げんだい)(よろ)しく(いし)(つつ)いを(もち)ふるやうになつてゐる。
   二
 鳥見(とみ)(ひこ)(また)()長髄(ながすね)(ひこ)(すなは)(あし)(なが)盗人(ぬすびと)である。他人(たにん)地面(ぢめん)(なが)占領(せんりやう)するもの、某国(ぼうこく)印度(いんど)併合(へいがふ)()けるも、(おほ)地主(ぢぬし)沢山(たくさん)土地(とち)独占(どくせん)して()るのも、明治(めいぢ)維新(ゐしん)(ぜん)(まで)(なん)(まん)(ごく)(ひと)りで占領(せんりやう)したもの(とう)も、(また)()鳥見(とみ)(ひこ)で、物質(ぶつしつ)()むで()ると()(こと)であります。
 『みつみつし、久米(くめ)()()が、(あは)()には、(かみら)(ひと)(もと)、そねが(もと)()()()つなぎて、(うち)てし()まむ』
 (この)()(うた)(とほ)り、()()(あは)(たま)はつたことが()いてある。(ひと)(つか)みの(あは)沢山(たくさん)(つぶ)(かず)がある。濡手(ぬれて)(あは)(つか)むと、(なん)十万(つぶ)(つか)むことが出来(でき)(その)(ひと)(ひと)つが、(なん)(ばい)(とみ)(かは)つて()る。日々(ひび)(この)(ひと)(つぶ)が、万倍(まんばい)()えて()時機(じき)()る。(はじかみ)生姜(しやうが)のことで、(かみら)(もと)とは()()()仮名(かな)()いて()る。カミラは神世(かみよ)循環(じゆんくわん)することである。神様(かみさま)(をしへ)(しん)ずる、それを(ほう)じて()くこと、それが(かみ)らひともとで、そねめつなぎて(うち)てし()まむ、(おほ)くの(かみ)()(いち)団体(だんたい)()つて上下(しやうか)(いち)()して、(てき)(あた)ることであります。沢山(たくさん)団体(だんたい)であつても、(これ)統括(とうくわつ)するものが()く、所謂(いはゆる)烏合(うがふ)(しう)では(やく)()たぬ。(しか)るに鳥見(とみ)(ひこ)は、烏合(うがふ)(てき)大勢(おほぜい)(もの)(つな)いで奴隷(どれい)にして()る。それを(うち)(たひら)げて仕舞(しま)はなければならぬ。(これ)(かんが)へると、皇道(くわうだう)大本(おほもと)非常(ひじやう)重大(ぢゆうだい)責任(せきにん)があることが、()()()()神文(しんもん)(あら)はれて()ることが(あきら)かになります。
 『御稜威(みづ)々々(みづ)し、久米(くめ)()()が、(かき)(もと)に、()ゑし(はじかみ)(くち)(ひび)く、(われ)(わす)れじ、うちてし()まむ』
 御稜威(みづ)々々(みづ)しき久米(くめ)()が、(ひと)(がき)(つく)つて非常(ひじやう)(おほ)きな団体(だんたい)をつくつて()る。(かき)外来(ぐわいらい)のものを(ふせ)ぐと()言霊(ことたま)で、(せう)日本(につぽん)()()(がき)秀妻(ほづま)神国(しんこく)であります。『(かき)(もと)()ゑし(はじかみ)』とは、(つま)日本(につぽん)神国(しんこく)(をしへ)(ほう)じて(かた)まつた(かみ)(その)に、日本(やまと)(だましひ)(たね)()()け、()れが生長(せいちやう)したのが、ピリリと(から)くて(あぢ)()るハジ(かみ)である。(えう)するに忠勇(ちうゆう)義烈(ぎれつ)なる日本(につぽん)男子(だんし)代名(だいめい)()である。(これ)(もつ)天業(てんげふ)恢弘(くわいこう)せむとの、天皇(てんわう)御詔(みことのり)であります。一()(ひら)くといふ(うめ)(はな)(をしへ)も、(つひ)果実()(むす)(いろ)()いて()ると、(しほ)()けて重宝(ちようはう)がる(やう)になる。(はじかみ)(うめ)()一緒(いつしよ)()けると、(まこと)結構(けつこう)風味(あぢ)()()るが、(はじかみ)()べると(くち)がピリピリとする、(じつ)(から)くて(たま)らぬ。『(くち)(ひび)く』と()(こと)は、言向(ことむけ)(やは)すと()意味(いみ)もある、言霊(ことたま)(もつ)てするときは、如何(いか)なる強敵(きやうてき)帰順(きじゆん)する(ゆゑ)に、(この)(だん)両様(りやうやう)(かい)されます。世界(せかい)各国(かくこく)言霊(ことたま)()(わた)り、(これ)(くも)(うへ)(あた)りまで(とど)いて()る。
 『(われ)(わす)れじ、(うち)てし()まむ』
 ()うしても(くに)(ため)(たみ)(ため)(この)(ぞく)をば(うち)(たひら)げてしまはなければならぬ。(わす)れじと()ふことは、何処(どこ)までもトコトンやつて仕舞(しま)はなければならぬと()ふことであります。
 『神風(かみかぜ)の、伊勢(いせ)(うみ)の、()(いし)に、(はひ)(もと)(ほろ)ふ。しただみの、いはひもとほり、(うち)てし()まむ』
 ()(いし)二見(ふたみ)(うら)海中(かいちう)にある、鳥羽(とば)(はう)(まゐ)りますと沢山(たくさん)ありますけれども、(ふた)つの大石(おほいし)となつて(その)(あひだ)から太陽(たいやう)()()る、不二(ふじ)(さん)()える、(この)二つの(いは)高皇産霊(たかみむすびの)(かみ)神皇産霊(かむみむすびの)(かみ)(また)()()()()(のみこと)()()()()(のみこと)表徴(へうちよう)()つて()るから、(ぞく)夫婦(めをと)(いは)(たた)へて()ります。しただみは(ちひ)さい(かひ)異名(いみやう)で、(すなは)ちしただみとは(した)人民(たみ)である。(えう)するに天皇(てんわう)勅命(ちよくめい)(ほう)ずる(した)人民(たみ)が、至誠(しせい)(もつ)天皇(てんわう)頑強(ぐわんきやう)(てき)()(ところ)の、大石(おほいし)()うな賊徒(ぞくと)(うち)(ほろ)ぼさねば()まない、上下(しやうか)一致(いつち)して(もつ)て、大石(おほいし)(ごと)強賊(がうぞく)撃滅(げきめつ)せねば()まないとの()勅命(ちよくめい)であります。(また)(つい)で、
 『兄磯城(えしき)弟磯城(おとしき)(うち)(たま)へる(とき)に、御軍(みいくさ)(しば)(つか)れたりき』
 えしき()ふのは、(これ)悪魔(あくま)で、(これ)はパン問題(もんだい)から起因(きいん)したもので、エシキは餌食(えじき)()である。今日(こんにち)社会(しやくわい)主義(しゆぎ)(しや)(はい)()うに、吾等(われら)にパンを(あた)へよ、(しか)らざれば(よろ)しく()(あた)へよ、と()ふ、過激(くわげき)思想(しさう)(いだ)いて天則(てんそく)違反(ゐはん)する、不良(ふりやう)人間(にんげん)代名(だいめい)()であるから、結局(けつきよく)パンが豊富(ほうふ)(あた)へらるれば、(ただ)ちに鎮静(ちんせい)して(しま)ひますが、弟磯城(おとしき)(はう)は一(そう)ヒドイ思想(しさう)(いだ)いて()る、(これ)絶対(ぜつたい)(てき)帰順(きじゆん)至誠(しせい)なき賊徒(ぞくと)(いひ)であります。()(もの)(うち)(たま)はむとして、非常(ひじやう)にお(つか)れになつた、それで(こし)()(おろ)しもならぬ、退(しりぞ)くに退(しりぞ)けぬと()状態(じやうたい)に、()(つか)(あそ)ばして、一()退()けぬ破目(はめ)(おちい)らせ(たま)うたのであります。
 『(たた)(なめて)()()()(やま)の、()()よも、()(ゆき)まもらひ、(たたか)へば、(われ)はや()ぬ。島津(しまつ)(とり)、うがいが(とも)(いま)()けに()ね』
 たたなめて()ふことは、(いくさ)(たて)(なら)べてと()(こと)であるが、言霊学(ことたまがく)(じやう)から解釈(かいしやく)すればタタは対照(たいせう)(りよく)であります。(てき)味方(みかた)とは(あひ)対峙(たいじ)して、(たがひ)(しのぎ)(けづ)()(かたち)であります。
 またタタの言霊(ことたま)は、多大(ただい)勢力(せいりよく)といふ(こと)にも()る、大軍(たいぐん)(なら)べてといふ意義(いぎ)であります。今度(こんど)の二()()(あま)岩戸(いはと)(ひら)けるのも、(えう)するに(いづ)御魂(みたま)(みづ)御魂(みたま)とが、霊的(れいてき)位置(ゐち)からと、体的(たいてき)方面(はうめん)からと(たがひ)(あひ)結合(けつがふ)して、(だい)神業(しんげふ)成就(じやうじゆ)(きた)(こと)になつて()ります。
 イナサの(やま)とは(をさ)まつて無為(むゐ)言霊(ことたま)()(だい)金剛(こんがう)(りき)である。()(しづ)神徳(しんとく)(あら)はし、尊厳(そんげん)無比(むひ)意義(いぎ)である。(さわ)(みだ)るるの言霊(ことたま)で、(よど)()(さが)()るといふ意義(いぎ)である。(すなは)(せい)なる神軍(しんぐん)暴悪(ばうあく)無道(むだう)賊軍(ぞくぐん)(たたか)ふと()意義(いぎ)であります。(しか)してタタ()めてと()意義(いぎ)は、手々(たた)(なら)べて、(おほ)くの軍隊(ぐんたい)(かみ)御前(みまへ)拍手(はくしゆ)して、戦勝(せんしよう)祈念(きねん)()らすといふ(こと)であります。(ゆゑ)手々(たた)(なら)べて(かみ)拍手(はくしゆ)して祈念(きねん)すれば、()くの(ごと)敗戦(はいせん)(いた)すまい、それを不図(ふと)(わす)れて()たから、(われ)(はじ)め、一(どう)軍兵(みいくさ)苦戦(くせん)したのであらう。神前(しんぜん)(おい)手々(たた)(なら)べて、拍手(はくしゆ)するのは、神国(しんこく)固有(こいう)(をしへ)(ばか)りである。仏教(ぶつけう)(しや)祈念(きねん)(さい)して、数珠(じゆず)()むが()()たない。キリスト(けう)は、(てん)(むか)つて祈願(きぐわん)するが、(これ)(ただ)(たん)(てん)一方(いつぱう)()して(いの)(ばか)りで、(けつ)して()()たぬ。(むかし)からの(ことわざ)にも『()()千鳥(ちどり)()()(はう)へ』と()(こと)がありますが、今日(こんにち)()(なか)(ごと)く、一寸(いつすん)(さき)(わか)らぬ精神(せいしん)(じやう)盲者(めくら)(つんぼ)(ばか)りでは、モウ一寸(ちよつと)(くに)(たも)つて()(こと)出来(でき)ぬ。サアとなつた(とき)には、(かみ)大前(おほまへ)拝伏(はいふく)して、()()つて(いの)らねば、(なに)(わか)らぬ()うに()つて()るのであります。『島津(しまつ)(とり)()がいが(とも)(いま)()けに()ね』との()勅歌(ちよくか)は、(まこと)御国(みくに)(おも)うて敬神(けいしん)尊皇(そんわう)報国(はうこく)至誠(しせい)(いう)する、所謂(いはゆる)(かみ)(えら)まれたる(ところ)人々(ひとびと)()よ、()(とき)(はや)(わが)神軍(しんぐん)(すく)ひに()たれと、(あふ)せられたのであります。(また)島津(しまつ)(とり)()意義(いぎ)は、(とり)暁天(げうてん)()ぐる(ところ)霊鳥(れいてう)である。(かみ)(をしへ)()(まも)り、暗黒(あんこく)世界(せかい)照明(せうめい)し、()()守護(しゆご)とする(こと)而己(のみ)心身(しんしん)傾注(けいちゆう)する(ところ)の、至誠(しせい)国民(こくみん)()意義(いぎ)であります。皇道(くわうだう)大本(おほもと)忠良(ちうりやう)なる信徒(しんと)諸氏(しよし)は、(すなは)島津(しまつ)(とり)で、()つウガイが(とも)()ふべきものであります。そしてウガイの(とも)天職(てんしよく)は、(だい)一にアナナヒの大道(だいだう)(まも)るを(もつ)主眼(しゆがん)とする。アナナヒとは、自分(じぶん)功績(いさをし)(みな)神様(かみさま)や、天皇(てんわう)陛下(へいか)()功績(こうせき)として(たてまつ)る、純忠(じゆんちう)純良(じゆんりやう)大道(だいだう)であります。祝詞(のりと)末尾(まつび)にも()()(もの)(うな)()(つき)()きて、(かしこ)(かしこ)(まを)すとあるのも、(かみ)(きみ)とに忠良(ちうりやう)なる神子(しんし)()(こと)であります。(ゆゑ)吾々(われわれ)現在(げんざい)日本(につぽん)(こく)世態(せたい)から(かんが)へて()て、(かみ)()(にん)(おん)(ため)に、忠誠(ちうせい)大道(だいだう)(まつた)うし(もつ)て、神恩(しんおん)皇恩(くわうおん)(むく)(まつ)るべき時機(じき)逢遇(ほうぐう)せる(こと)(わす)れてはならぬのであります。
 (おそ)(おほ)(こと)でありますが、(これ)今日(こんにち)皇道(くわうだう)大本(おほもと)(たと)へて()ますと、丁度(ちやうど)神武(じんむ)天皇(てんわう)が、()苦辛(くしん)(あそ)ばしたと同様(どうやう)苦境(くきやう)であります。兄磯城(えしき)弟磯城(おとしき)(さか)んに筆剣(ひつけん)口創(こうさう)(もつ)()めて()る。(だい)自在(じざい)(てん)(えだ)守護(しゆご)(じん)は、随所(ずゐしよ)圧迫(あつぱく)(くは)へる。(じつ)に四(めん)楚歌(そか)(うち)(つつ)まれ、進退(しんたい)(これ)(きは)まるの現状(げんじやう)でありますが、(これ)神様(かみさま)()試煉(しれん)覚悟(かくご)して、勇往(ゆうわう)邁進(まいしん)(つづ)け、一()後退(こうたい)せずに惟神(かむながら)大道(だいだう)()つて、()()()(はら)(いや)(すす)みに(すす)みつつあるのである。一(ぱう)には本宮(ほんぐう)(やま)三体(さんたい)大神(おほかみ)(さま)(だい)神殿(しんでん)建設(けんせつ)(ちう)で、非常(ひじやう)苦心(くしん)(ちう)にも(かか)はらず、外部(ぐわいぶ)からは大敵(たいてき)が、()(つき)(おそ)うて()る。(これ)(ふせ)()(もつ)神軍(しんぐん)(すす)めむとして、大本(おほもと)陸海(りくかい)(ぐん)とも()ふべき言論(げんろん)機関(きくわん)必要(ひつえう)を、(つよ)(つよ)(かん)ずると同時(どうじ)に、(けう)信徒(しんと)諸氏(しよし)赤誠(せきせい)(うつた)へ、(やうや)新聞(しんぶん)発行(はつかう)(はこ)びに(たち)(いた)つた。(すなは)手々(たた)()めて、いなさの(やま)()()()()()(ゆき)(まも)らひ(たたか)ひつつ、兵糧(ひやうろう)弾薬(だんやく)欠乏(けつぼう)(くる)しみ、吾々(われわれ)(ほとん)奔命(ほんめい)(つか)れむとして()るのであります。アア(かみ)至誠(しせい)至忠(しちう)なる島津(しまつ)(とり)ウガイが(とも)なる()(はしら)信者(しんじや)の、(いま)(そう)わが奉仕(ほうし)する神業(しんげふ)(たす)けに()()れないかと()ふのは、現今(げんこん)(わたくし)心情(しんじやう)であります。皇道(くわうだう)大本(おほもと)(はう)も、新聞(しんぶん)(しや)(はう)も、(さいは)ひにして(ひと)()(そろ)うた、(すなは)ちたたなめられました。さうして(かみ)(まこと)(をしへ)のまにまに、社会(しやくわい)(すべ)ての悪魔(あくま)(たたか)つて()るのであります。()()ふものは、一(たん)自分(じぶん)(のど)まで()()んだ(うを)を、飼主(かひぬし)(ため)悉皆(しつかい)()()して(もつ)て、主人(しゆじん)奉仕(ほうし)するものである。(かく)(ごと)(おこな)ひを、神様(かみさま)国家(こくか)(たい)して(おこな)赤誠(せきせい)人士(じんし)を、ウガイが(とも)()ふのであります。皇道(くわうだう)大本(おほもと)はたたなめてイナサの(やま)()()よも、いゆき(まも)らひ(たたか)ひつつ、一(てん)万乗(ばんじやう)大君(おほぎみ)(ため)日本(につぽん)神国(しんこく)(ため)()つは世界(せかい)人類(じんるゐ)救済(きうさい)(ため)に、不惜(ふしやく)身命(しんみやう)活動(くわつどう)(いた)して()る。島津(しまつ)(とり)ウガイが(とも)であります。(ゆゑ)()神示(しんじ)活動(くわつどう)(たす)くる人士(じんし)は、(すなは)(これ)島津(しまつ)(とり)ウガイが(とも)である。アア皇道(くわうだう)(ため)に、国家(こくか)(ため)(つく)しつつある大本(おほもと)を、此時(このとき)此際(このさい)()神諭(しんゆ)()精神(せいしん)真解(しんかい)された神人(しんじん)(たす)けられむ(こと)を、(いは)(まつ)(ばか)りであります。
   三
 『(かれ)(ここ)邇芸速日(にぎはやひの)(みこと)(まゐ)()(あま)(かみ)御子(みこ)(まを)さく。(あま)(かみ)御子(みこ)()()りましぬと(きき)つる(ゆゑ)()ひて(まゐ)(くだり)()つと(まを)して、(すなは)天津瑞(あまつしるし)(たてまつ)(つか)(まつ)りき。(かれ)邇芸速日(にぎはやひの)(みこと)()()()()(いも)()()()()()(めあ)ひて()める(みこ)()()()()()(みこと)()物部(もののべ)(のむらじ)穂積(ほづみ)(おみ)(うねめべ)(おみ)(おや)なり』
 天孫(てんそん)邇芸速日(にぎはやひの)(みこと)鳥見(とみ)(ひこ)(いも)登美夜(とみや)毘売(びめ)(めと)つて、()二方(ふたかた)()(そろ)ひに()つて、中津(なかつ)(くに)知召(しろしめ)されて()られたが、(いま)天津(あまつ)(かみ)御子(みこ)なる天皇(てんわう)が、(この)大和(やまと)(のくに)()(いで)()つた(こと)()(たま)うて、(みづか)(おん)(まへ)にお()しになつて、()自分(じぶん)天津(あまつ)(かみ)(おな)()(すゑ)()ると()証拠(しようこ)天津(あまつ)(しるし)(すなは)大切(たいせつ)宝物(はうもつ)献上(けんじやう)されて(まつた)天津(あまつ)(かみ)御子(みこ)帰順(きじゆん)されました。(いま)までは邇芸速日(にぎはやひの)(みこと)は、立派(りつぱ)なる天孫(てんそん)で、天下(てんか)統治(とうぢ)大権(たいけん)()()ちに()つて()られたなれど、最早(もはや)今度(こんど)天津(あまつ)(かみ)御子(みこ)帰順(きじゆん)すべき、時節(じせつ)到来(たうらい)せる(こと)を、心底(しんてい)より覚悟(かくご)されて、(きは)めて柔順(じうじゆん)に、(すべ)ての(もの)()(ゆづり)(わた)しに()つたのであります。神諭(しんゆ)にも「時節(じせつ)ほど結構(けつこう)なものの(おそ)ろしいものは()い、時節(じせつ)には(かみ)(かな)はぬぞよ。時節(じせつ)()てば(いり)(まめ)にも(はな)()いて、(うれ)(うれ)しの果実()()るぞよ」と()()ります。(うしとら)金神(こんじん)(さま)も、(とき)時節(じせつ)で三千(ねん)(なが)年月(としつき)悪神(あくがみ)祟神(たたりがみ)と、四(はう)(ぱう)から(ののし)られ圧迫(あつぱく)されて、(うしとら)(はう)隠忍(いんにん)して、神政(しんせい)成就(じやうじゆ)時節(じせつ)()たれたのであります。(えう)するに、神武(じんむ)天皇(てんわう)中津(なかつ)(くに)平定(へいてい)して、皇位(くわうゐ)()かせ(たま)うたのも時節(じせつ)なら、邇芸速日(にぎはやひの)(みこと)が、国土(こくど)珍宝(ちんぱう)一切(いつさい)()げて帰順(きじゆん)されたのも時節(じせつ)(ちから)であります。(しか)(うしとら)金神(こんじん)国常立尊(くにとこたちのみこと)は、神界(しんかい)(おもて)()ちて神々(かみがみ)統治(とうぢ)する大権(たいけん)()()けに()つたのでありますが、神武(じんむ)天皇(てんわう)は、邇芸速日(にぎはやひの)(みこと)から、現界(げんかい)統治(とうぢ)大権(たいけん)()受取(うけとり)()つたのであります。(ゆゑ)神界(しんかい)現界(げんかい)とを(はな)して(かんが)へて(いただ)かぬと、()んだ誤解(ごかい)(まね)(おそ)れが出来(でき)(まゐ)ります。今日(こんにち)神諭(しんゆ)誤解(ごかい)して皇道(くわうだう)大本(おほもと)色々(いろいろ)と、批難(ひなん)するものの(あら)はれたのは、()(かん)消息(せうそく)(かい)()ざる浅智(せんち)浅学(せんがく)(しや)の、不明(ふめい)(いた)(ところ)であります。邇芸速日(にぎはやひの)(みこと)御子(みこ)()()()()()(のみこと)は、神武(じんむ)天皇(てんわう)忠勤(ちうきん)(ぬきんで)られ、()即位(そくゐ)(おん)(とき)には、鎮魂(ちんこん)祭事(さいじ)奉仕(ほうし)された(かた)であります。
   四
 『(かれ)(かく)(ごと)(あら)ぶる(かみ)(たち)(こと)()平和(やは)し、不伏人(まつろはぬもの)(ども)退(はらひ)(たひら)げたまひて、畝火(うねび)白梼(かし)原宮(はらのみや)()しまして天下(あめのした)(しろ)しめしき』
 天皇(てんわう)種々(しゆじゆ)雑多(ざつた)()艱難(かんなん)(あそ)ばされ、(もろもろ)悪神(あらぶるかみ)(こと)()平和(やは)し、畝火(うねび)橿(かし)原宮(はらのみや)に、辛酉(かのととり)(とし)正月(しやうぐわつ)元日(ぐわんじつ)に、天津(あまつ)日嗣(ひつぎ)御位(みくらゐ)()かせられました。丁度(ちやうど)来年(らいねん)大正(たいしやう)(ねん))は()即位(そくゐ)(とし)から四十四(くわい)()辛酉(かのととり)(とし)であつて、(じつ)()()()意義(いぎ)(ふか)(とし)でありますから、皆様(みなさま)とともに改心(かいしん)()()うて()紀元(きげん)(せつ)(むか)(まつ)()うに、(いた)()いのであります。
 『(かれ)日向(ひむか)()しましし(とき)阿多(あた)小椅君(をばしのきみ)(いも)()阿比良(あひら)比売(ひめ)()して()みませる(みこ)多芸志美美(たぎしみみの)(みこと)(つぎ)岐須美美(きすみみの)(みこと)二柱(ふたはしら)()せり』
 阿多(あた)はアデヤカの(たま)(がへ)しであつて、艶麗(えんれい)なる容貌(ようばう)意義(いぎ)である。小椅(をばし)(をば)しの意義(いぎ)で、(いも)(つま)()(こと)である。(えう)するに立派(りつぱ)御妃(おきさき)(めと)られた(こと)で、吾人(ごじん)()へば妻帯(さいたい)したと()(こと)であります。
 言霊(ことたま)()(とま)(なり)意義(いぎ)である。(また)()中心(ちうしん)大物(おほもの)(ぬし)言霊(ことたま)である。(えう)するに国津(くにつ)(かみ)(かしら)地位(ちゐ)にある(ひと)で、国色(かほいろ)(すぐ)れたる(ひと)である。
 言霊(ことたま)対照力(たたのちから)(なり)()(あら)はし()(なり)意義(いぎ)である。
 阿比良(あひら)比売(ひめ)言霊(ことたま)は、大本(たいほん)初頭(しよとう)(なり)尊厳(そんげん)(なり)()(なり)高皇(たかみ)産霊(むすび)(のかみ)(なり)霊系(れいけい)(なり)ヒメ高貴(かうき)なる婦人(ふじん)名称(めいしよう)(なり)以上(いじやう)言霊(ことたま)(かい)より(かんが)へる(とき)は、(じつ)申分(まをしぶん)()き、立派(りつぱ)御妃(おきさき)()(こと)であります。()比売(ひめ)()して()みませる御子(みこ)に、多芸志美美(たぎしみみの)(みこと)岐須美美(きすみみの)(みこと)の二皇子(わうじ)があります。()多芸志美美(たぎしみみの)(みこと)は、(つひ)謀反(むほん)(くはだ)て、()()(てい)神沼(かむぬな)河耳(かはみみ)(のみこと)に、(ほろ)ぼされて(しま)はれました。(この)(こと)(のち)(くは)しく(まをし)()げますから、(ここ)(はぶ)いておきます。
 『(しか)れども(さら)(おほ)(きさき)()美人(をとめ)()(たま)(とき)に、(おほ)久米(くめ)(のみこと)(まを)さく、此間(ここ)(かみ)御子(みこ)なりと(まを)媛女(をとめ)()り、()(かみ)御子(みこ)なりと(まを)所以(ゆゑん)は、三嶋溝咋(みしまみぞくひ)(むすめ)()勢夜陀多良(せやだたら)比売(ひめ)(その)容姿(みめすがた)()かりければ、美和(みわ)大物主(おほものぬしの)(かみ)()()でて、()美人(をとめ)大便所(かはや)()れる(とき)に、丹塗矢(にぬりや)()りて、()大便所(かはや)溝流下(した)より、()美人(をとめ)富登(ほと)()きたまひき』
 美和(みわ)大物主(おほものぬし)(のかみ)言霊(ことたま)(じやう)形体(けいたい)具足(ぐそく)(なり)郡類(ぐんるゐ)(なり)(おこ)(たす)くる(なり)()ふる(なり)本元(もと)(なり)(しも)(はたら)(なり)()活用(くわつよう)(なり)()(しづま)(なり)(かた)(しま)(なり)以上(いじやう)活用(くわつよう)()りて大物(おほもの)(ぬし)(かみ)世界(せかい)各国(かくこく)帝王(ていわう)(また)大統領(だいとうりやう)司宰(しさい)すべき(だい)帝王(ていわう)天職(てんしよく)なる(こと)()られるのである。
 勢夜陀多良(せやだたら)比売(ひめ)言霊(ことたま)は、()(はたら)(なり)()(なり)固有(こいう)大父(たいふ)(なり)最強(さいきやう)なる対照力(たたのちから)(なり)()(もと)(なり)「言霊の大要」には、ダの言霊の南東の活用に「名(ひ)の元(もと)也」があり、南の活用に「アの元也」がある。「一(ひ)の元(もと)也」の「一」は、数字の一というよりは、水茎文字のアではないか?平均(へいきん)(りよく)(なり)()(あま)(なり)無量(むりやう)寿(じゆ)(もと)(なり)循環(じゆんくわん)神機(しんき)(なり)()(なり)(あま)()(なり)()()(なり)
 以上(いじやう)言霊(ことたま)綜合(そうがふ)する(とき)は、(うしとら)金神(こんじん)国常立(くにとこたち)(のみこと)()活動(くわつどう)(およ)()神諭(しんゆ)(だい)精神(せいしん)適合(てきがふ)し、(ほとん)皇道(くわうだう)大本(おほもと)活動(くわつどう)状態(じやうたい)()して()るのであります。三輪(みわ)大物(おほもの)(ぬし)(かみ)なる地主(ちしゆ)唯一(ゆゐいつ)物質(ぶつしつ)(かい)帝王(ていわう)が、主義(しゆぎ)精神(せいしん)実行(じつかう)(まこと)立派(りつぱ)なる(こと)を、感賞(かんしやう)して(めと)らせられたといふ意義(いぎ)であります。
 『美和(みわ)大物主(おほものぬしの)(かみ)()()でて、()美人(をとめ)大便所(かはや)()れる(とき)に』
()(こと)は、大便所(かはや)(じつ)雪隠(せつちん)()つて(かく)れたる(ところ)で、(もつと)(ひく)(ところ)である。(しか)して(じつ)(みにく)(ところ)であるが、()蓄積(ちくせき)せる糞尿(ふんねう)は、植物(しよくぶつ)一切(いつさい)大切(たいせつ)なる肥料(ひれう)となるのである。(また)大便(だいべん)蛆虫(うぢむし)発生(はつせい)して、段々(だんだん)生長(せいちやう)羽化(うくわ)して、(はへ)となり立派(りつぱ)人間(にんげん)(あたま)にも()まつたり、神殿(しんでん)へも自由(じいう)自在(じざい)()んで()(やう)になるものである。()神諭(しんゆ)にも『出口(でぐち)(なほ)は、糞糠(くそかす)(おと)して御用(ごよう)()してあるぞよ。世間(せけん)から()ればアンナものがと(まを)せども、(さき)()()()れよ。アンナものがコンナものに()仕組(しぐみ)(いた)してあるぞよ。()いた(くち)(ふさ)がらぬぞよ。牛糞(うしくそ)天下(てんか)()ると(まを)(たと)へは、今度(こんど)(こと)であるぞよ』と(あら)はれて()りますが今日(こんにち)皇道(くわうだう)大本(おほもと)は、(じつ)世俗(せぞく)から()れば、(じつ)(つま)らぬ(ところ)()うに()え、役員(やくゐん)信者(しんじや)は、(みな)今日(こんにち)鼻高(はなだか)さんの()からは糞虫(くそむし)()えるのであります。()(きた)ない(ところ)()()()りに()つて()る、勢夜陀多良(せやだたら)比売(ひめ)なる、(しん)(ちから)ある女神(めがみ)感賞(かんしやう)して、()(した)(かく)れて、()()ひし(たま)三輪(みわ)大物主(おほものぬしの)(かみ)は、現今(げんこん)()()てはめましたなれば、如何(いか)なる神様(かみさま)でありませう()(じつ)意味(いみ)深重(しんちよう)物語(ものがた)りではありませぬ()
 『丹塗矢(にぬりや)()りて、()大便所(かはや)溝流下(した)より、()美人(をとめ)富登(ほと)()きたまひき』
 丹塗矢(にぬりや)言霊(ことたま)内心(ないしん)(した)()(なり)(ねばり)()(なり)()(てり)()(なり)()(なり)(しゆ)(とく)(なり)麻柱(あななひ)()(なり)⦿()(きよく)(なり)(とり)(かたち)(なり)(おや)(いは)(なり)(すなは)(しゆ)()(しん)三徳(みわ)大物主(おほものぬしの)(かみ)極徳(きよくとく)(たも)ちて、大便所(かはや)(なか)(まで)()(さが)(あそ)ばしたと()言霊(ことたま)であります。
 大便所(かはや)言霊(ことたま)(かぶ)(おほ)(なり)(ひか)(かがや)(なり)紋理(あや)起元(おこり)(なり)(うま)()(なり)(おや)(かへり)みる(なり)地球(ちきう)(した)しく包裏(つつみ)()(なり)常世(とこよ)(てん)(てら)()(なり)裏面(りめん)天地(てんち)(なり)以上(いじやう)言霊(ことたま)活用(くわつよう)()れば、外醜(ぐわいしう)内美(ないび)なる神界(しんかい)(だい)経綸(けいりん)(ぢやう)たる(こと)()らるるのであります。三輪(みわ)大物主(おほものぬしの)(かみ)は、丹塗矢(にぬりや)()大便所(かはや)()(さが)しになる(とき)は、太古(たいこ)(ばか)りではありますまい。その(また)大便所(かはや)は、何国(いづこ)山奥(やまおく)()るか、谷底(たにそこ)にあるか、各自(めいめい)霊魂(みたま)(みが)いて、三輪(みわ)大物主(おほものぬしの)(かみ)()うに、()所在(しよざい)(さが)()てねば()りませぬ。
   五   ─(三輪大物主神の段御本文略す「三輪大物主神の段」とは何を指すのか不明。古事記の本文に沿って言霊解が展開しており、何が省略されているのか不明。)─
 三輪(みわ)大物主(おほものぬしの)(かみ)が、大便所(かはや)(した)まで苦心(くしん)して、勢夜陀多良(せやだたら)比売(ひめ)(した)つて、()(さが)(あそ)ばしたと()(こと)は、(じつ)社会(しやくわい)整理(せいり)(じやう)よくよくの(こと)なのである。(これ)現代(げんだい)照合(せうがふ)して(かんが)へて()れば、古今(ここん)東西(とうざい)聖人(せいじん)賢哲(けんてつ)()(たひら)けく(をさ)め、(ひと)身魂(みたま)(やす)んぜむとして、熱誠(ねつせい)()めて唱道(しやうだう)せる宗教(しうけう)倫理(りんり)道徳(だうとく)(せつ)や、政治(せいぢ)方針(はうしん)(これ)反覆(はんぷく)練習(れんしふ)(きた)りしこと(すう)(ねん)(ちやう)年月(ねんげつ)(つひや)して()ましたが、()(もつ)(しん)()社会(しやくわい)平和(へいわ)(すす)め、(ひと)身魂(みたま)安全(あんぜん)ならしむる(こと)出来(でき)なかつたのであります。宗教(しうけう)も、倫理(りんり)も、政治(せいぢ)も、哲学(てつがく)も、古来(こらい)(かく)学者(がくしや)(はい)(くち)()(ふで)によりて主張(しゆちやう)宣伝(せんでん)され、各自(かくじ)学派(がくは)宗派(しうは)党派(たうは)樹立(じゆりつ)し、(もつ)(あひ)凌轢(りようれき)する天下(てんか)混乱(こんらん)状態(じやうたい)は、所謂(いはゆる)神武(じんむ)天皇(てんわう)()(たま)ひし『(つひ)(いふ)(きみ)()り、(むら)(をさ)あらしめ、各自(おのおの)(さかひ)(わか)(もち)ゐ、(あひ)(しの)(きし)ろふ』と(いく)(ばく)差異(さい)がありませう()現代(げんだい)上流(じやうりう)社会(しやくわい)自称(じしよう)する体主(たいしゆ)霊従(れいじう)(てき)人間(にんげん)美衣(びい)美食(びしよく)美酒(びしゆ)美色(びしき)耽溺(たんでき)し、大厦(たいか)高楼(かうろう)起臥(きぐわ)し、尸位(しゐ)素餐(そさん)閑居(かんきよ)不善(ふぜん)(きは)め、(さか)んに成金(なりきん)(ぶり)発揮(はつき)利己(りこ)(ぺん)生活(せいくわつ)(おく)るものがあり、一(ぱう)には営々(えいえい)兀々(こつこつ)として子女(しぢよ)教養(けうやう)し、重税(ぢゆうぜい)(くる)しみつつ、租税(そぜい)醸造(じやうざう)機関(きくわん)たる、枢軸(すうぢく)(てき)所謂(いはゆる)中流(ちうりう)社会(しやくわい)()つて、日夜(にちや)各種(かくしゆ)思想(しさう)問題(もんだい)去就(きよしう)(けつ)()ね、不明(ふめい)不安(ふあん)生活(せいくわつ)(おく)るものがある。一(ぱう)には生活(せいくわつ)物資(ぶつし)()むが(ため)に、岌々(きうきう)()として奔走(ほんそう)勤労(きんらう)しながら、()()其日(そのひ)生活(せいくわつ)家族(かぞく)(くる)しましめ、生命(せいめい)糊口(ここう)不安(ふあん)()られつつ()下流(かりう)社会(しやくわい)がある。全体(ぜんたい)上流(じやうりう)だとか、中流(ちうりう)だとか、下流(かりう)だとか、名称(めいしよう)()するも、人類(じんるゐ)として(はた)して(なん)差異(さい)があるであらう()人生(じんせい)目的(もくてき)たるや、(けつ)して衣食(いしよく)(ぢゆう)のみの(ため)(うま)れたものではあるまい。禽獣(きんじう)(あひ)(ひと)しく生活(せいくわつ)物資(ぶつし)()るため而己(のみ)(うま)れ、生活(せいくわつ)(ため)のみに奔走(ほんそう)すべきものなるの理由(りいう)(だん)じて()いのであります。人生(じんせい)(しん)面目(めんぼく)は、天地(てんち)経綸(けいりん)司宰(しさい)(しや)として、天下(てんか)国家(こくか)(ため)に、各自(かくじ)(ぶん)(おう)じて活動(くわつどう)すべく、神明(しんめい)代表(だいへう)(しや)たる本分(ほんぶん)(つく)すべきもので()ると(おも)ふ。(しか)るに現代(げんだい)(じん)人生(じんせい)本分(ほんぶん)自己(じこ)天職(てんしよく)(わす)れて、物資(ぶつし)財力(ざいりよく)政権(せいけん)(とう)獲得(くわくとく)(もつ)て、人生(じんせい)経綸(けいりん)本義(ほんぎ)誤信(ごしん)し、(もつ)(だい)国際(こくさい)(てき)競争(きやうさう)に、(ちう)政権(せいけん)争奪(さうだつ)に、(たう)(むす)()(きそ)ひ、日夜(にちや)盲進(もうしん)(てき)態度(たいど)持続(ぢぞく)し、(せう)個人(こじん)として利己(りこ)(ぺん)営利(えいり)(あひ)競争(きやうさう)し、各自(かくじ)(あひ)凌轢(りようれき)して、()(しよ)するの惨状(さんじやう)は、()れ二千五百八十(ねん)以前(いぜん)に、神武(じんむ)天皇(てんわう)()(たま)ひし『(いふ)(きみ)()(むら)(をさ)あらしめ、各自(おのおの)(さかひ)(わか)(もち)ゐ、(あひ)(しの)ぎきしろふ』の世態(せたい)と、(ほとん)酷似(こくじ)して()るではありませぬ()。アア如何(いか)にして、無道(むだう)無明(むみやう)現代(げんだい)(すく)ふことが出来(でき)ませう()如何(いか)なる(ひと)混乱(こんらん)累惑(るゐわく)現代(げんだい)匡正(きやうせい)改造(かいざう)するでありませう()皇道(くわうだう)大本(おほもと)出現(しゆつげん)は、(はた)して現代(げんだい)(おい)て、無用(むよう)長物(ちやうぶつ)たる所以(ゆゑん)(みと)める(こと)出来(でき)るでありませう()
 (かしこ)くも明治(めいぢ)天皇(てんわう)国民(こくみん)教育(けういく)根本(こんぽん)(くわん)する(だい)勅語(ちよくご)(くだ)(たま)ひて、
 『()(ミチ)ハ、(ジツ)()皇祖(クワウソ)皇宗(クワウソウ)遺訓(ヰクン)ニシテ、子孫(シソン)臣民(シンミン)(トモ)遵守(ジュンシュ)スヘキ(トコロ)(コレ)古今(ココン)(ツウ)シテ(アヤマ)ラス、(コレ)中外(チウグワイ)(ホドコ)シテ(モト)ラス、(チン)(ナンヂ)臣民(シンミン)(トモ)ニ、拳々(ケンケン)服膺(フクヨウ)シテ、(ミナ)(ソノ)(トク)(イツ)ニセンコトヲ(コヒ)(ネガ)フ』
 嗚呼(ああ)日本(につぽん)(こく)臣民(しんみん)たるもの、(たれ)かこの()聖旨(せいし)奉戴(ほうたい)し、(もつ)国体(こくたい)精華(せいくわ)発揮(はつき)し、天壌(てんじやう)無窮(むきう)皇運(くわううん)扶翼(ふよく)(たてまつ)り、(もつ)祖先(そせん)遺風(ゐふう)顕彰(けんしやう)したる(もの)が、幾人(いくにん)あるであらう()(また)(たれ)か、陛下(へいか)忠良(ちうりやう)なる臣民(しんみん)たるの資格(しかく)(いう)するもの、幾人(いくにん)あるであらう()。六千万の同胞(どうほう)は、上下(じやうげ)(べつ)なく滔々(たうたう)として、世界(せかい)濁流(だくりう)游泳(いうえい)しつつ私産(しさん)(つく)り、虚栄(きよえい)(むさぼ)るに(おい)て、(あへ)手段(しゆだん)善悪(ぜんあく)()はず、偽善(ぎぜん)詐偽(さぎ)不倫(ふりん)(とう)体主(たいしゆ)霊従(れいじう)(てき)行為(かうゐ)根本(こんぽん)(てき)に、人生(じんせい)天賦(てんぷ)徳器(とくき)破壊(はくわい)するも、(さら)(すこ)しも()(かい)せざるの状態(じやうたい)であります。(こと)皇国(くわうこく)(うま)れたる学者(がくしや)にして、『邦家(ほうか)()経緯(けいゐ)王化(わうくわ)()鴻基(こうき)(なり)』と天武(てんむ)天皇(てんわう)()(たま)ひたる、皇祖(くわうそ)皇宗(くわうそう)()遺訓(ゐくん)なる神典(しんてん)の一(だい)精神(せいしん)と一(だい)使命(しめい)(さと)らず、(あだか)西洋(せいやう)印度(いんど)(とう)神話(しんわ)と、(どう)()して(かへり)みざる而己(のみ)ならず、(かへつ)軽侮(けいぶ)(まなこ)(もつ)(これ)(ぐう)するもの()るやに()くのであります。()くの(ごと)く、(もつと)尊重(そんちよう)心服(しんぷく)すべき、斯道(しだう)大本(たいほん)忘却(ばうきやく)()軽侮(けいぶ)しつつ、()徹底(てつてい)(きは)まる泰西(たいせい)迷妄(めいまう)(がく)心酔(しんすゐ)して、自己(じこ)天賦(てんぷ)神霊(しんれい)累惑(るゐわく)せしめたる盲目(もうもく)学者(がくしや)輩出(はいしゆつ)するに(いた)つて、天下(てんか)益々(ますます)無道(むだう)無明(むみやう)(ゐき)墜転(つゐてん)するは、(じつ)遺憾(ゐかん)(かぎ)()次第(しだい)であります。彼等(かれら)盲目(もうもく)なる学者(がくしや)(はい)は、(じつ)日本(につぽん)国体(こくたい)蠧虫(とちう)であつて、(また)教育(けういく)(かい)蠧魚(とぎよ)であります。現代(げんだい)(ごと)秕政(ひせい)その窮極(きうきよく)(たつ)し、一(にち)(おく)りの政治(せいぢ)や、其場(そのば)(かぎ)りの教育(けういく)(もつ)て、如何(どう)して()国体(こくたい)精華(せいくわ)発揮(はつき)(たてまつ)(こと)出来(でき)ませう()。ああ()(じつ)三輪(みわ)大物主(おほものぬしの)(かみ)が、カハヤの(した)まで丹塗(にぬり)()()つて、勢夜陀多良(せやだたら)()()(のみこと)を、(した)(さが)(たま)うた所以(ゆゑん)ではありますまいか。ああ神聖(しんせい)不可(ふか)(はん)なる皇憲(くわうけん)運用(うんよう)(たてまつ)資格(しかく)ある政治(せいぢ)()宗教(しうけう)()教育(けういく)()は、何時(いつ)()出現(しゆつげん)するでありませう()(おも)へば現代(げんだい)政治(せいぢ)教育(けういく)宗教(しうけう)(ぐらゐ)無力(むりよく)()定見(ていけん)なるものは()りますまい。
 『()美人(をとめ)富登(ほと)()(たま)ひき』
 ホト言霊(ことたま)霊地(ほと)であり、秀所(ほと)であり、()高天原(たかあまはら)である。()局処(つぼと)である。神宮(しんぐう)(つぼ)(うち)()意義(いぎ)もあります。
 ()(たま)ひきと()(こと)は、肝腎(かんじん)(かな)めの局所(きよくしよ)()()め、()(きは)められたことであります。
 ヲトメ言霊(ことたま)解説(かいせつ)すれば、
 (まつ)(まも)らしむる(なり)(をさ)(なり)(をさ)(なり)(をしへ)(なり)()(なり)(むす)びて一と()(なり)
 (むす)(さだ)むる(なり)(みな)(をさま)(なり)(とう)(なり)八咫(やあた)(はし)(なり)
 内部(うち)(いきほひ)(ふく)(なり)本性(ほんせい)(うつ)(のこ)(なり)(おや)(なり)発芽(はつが)(なり)(あま)()(なり)()()(なり)
 以上(いじやう)言霊(ことたま)は、天地(てんち)経綸(けいりん)活用(くわつよう)ある女神(めがみ)発顕(はつげん)にして、祭政(さいせい)(けう)()(だい)道場(だうぢやう)である。(すなは)皇祖(くわうそ)皇宗(くわうそう)()遺訓(ゐくん)遵奉(じゆんぽう)し、()顕彰(けんしやう)する神示(しんじ)の、聖団(せいだん)のある()高天原(たかあまはら)である。
 ホト言霊(ことたま)(さら)解釈(かいしやく)すれば、(うへ)(あらは)(なり)活霊(くわつれい)(なり)(てり)()(なり)()(みづ)宿(やど)(なり)()(たる)(なり)
 (とほ)(むす)(をさめ)(なり)(もつと)迅速(じんそく)疾走(しつそう)鋭敏(えいびん)(なり)
 (すなは)ち、(いづ)御魂(みたま)(みづ)御魂(みたま)依宿(いしゆく)し、(もつと)迅速(じんそく)鋭敏(えいびん)活用(くわつよう)()らす()御子(みこ)の、(あし)なる(たり)聖処(せいしよ)()高天原(たかあまはら)なる(こと)(うかが)はれるのであります。
 『(かれ)()美人(をとめ)(おどろ)きて、(たち)(はし)りいすすぎき』
 をとめ三輪(みわ)大物主(おほものぬしの)(かみ)に、局処(きよくしよ)()()められ、非常(ひじやう)恐懼(きようく)()(ところ)()らず、(ただち)()ちて大神(おほかみ)(めい)(ほう)じ、四(はう)奔走(ほんそう)して敬神(けいしん)勤皇(きんわう)報国(はうこく)至誠(しせい)(ため)に、大々(だいだい)(てき)活動(くわつどう)開始(かいし)されたといふ(こと)であります。
 『いすすぎき』と()概略(がいりやく)意義(いぎ)は、(いさ)(すす)君国(くんこく)(ため)至誠(しせい)至忠(しちう)(だい)活動(くわつどう)(いた)(こと)であります。吾々(われわれ)皇道(くわうだう)大本(おほもと)信者(しんじや)も、君国(くんこく)()めに、至誠(しせい)(もつ)天地(てんち)(つらぬ)くの大々(だいだい)(てき)活動(くわつどう)(いた)さねば()らぬ時運(じうん)到達(たうたつ)(いた)したのであります。
 『(かく)()()(もち)()て、(とこ)()()きしかば、(たちま)(うる)はしき壮夫(をとこ)になりて、(たちま)()美人(をとめ)(みあ)ひて()みませる御子(みこ)()富登多々良伊須々岐(ほとたたらいすすぎ)比売(ひめの)(みこと)
 そこで()()(もち)()て、(とこ)()()きしと()意味(いみ)は、改造(かいざう)された三輪(みわ)大物主(おほものぬし)化身(けしん)を、(もつと)(たふと)()()(たてまつ)つて、将来(だい)国家(こくか)経綸(けいりん)を、勢夜陀多良(せやだたら)比売(ひめ)から一々(いちいち)詳細(しやうさい)(まをし)()げると、大物主(おほものぬしの)(かみ)は、(はじ)めて神意(しんい)(さと)(たま)ふと同時(どうじ)に、今迄(いままで)()煩慮(はんりよ)忽然(こつぜん)として()()せ、勇壮(ゆうさう)活溌(くわつぱつ)なる(だい)丈夫(ぢやうふ)身魂(みたま)改造(かいざう)変化(へんくわ)され、将来(しやうらい)(のぞみ)(いだ)かれ、楽天(らくてん)進取(しんしゆ)清潔(せいけつ)統一(とういつ)(だい)精神(せいしん)確持(かくぢ)し、美人(をとめ)瑞霊(ずゐれい))と()()はし(きき)()はし()()はして、立派(りつぱ)御子(みこ)()(たま)うたのであります。
 ミコ言霊(ことたま)(かい)すれば、
 (たま)()(なり)⦿()(あきら)かに()(なり)(しん)(なり)(みつ)(なり)()(なり)形体(けいたい)具足(ぐそく)成就(じやうじゆ)(なり)
 天津(あまつ)(まこと)(なり)脳髄(なうずゐ)(なり)一切(いつさい)真元(しんげん)()(なり)(まつた)(かなま)(なり)
 (すなは)(たま)()(なり)は、(たま)天下(てんか)統治(とうぢ)表象(へうしやう)である。⦿()(あきら)かに()(なり)は、皇国(くわうこく)(だい)使命(しめい)日神(ひのかみ)月神(つきのかみ)(ひかり)()りて(さと)(こと)である。(しん)(なり)至真(ししん)至美(しび)至善(しぜん)神徳(しんとく)である。(みつ)(なり)光輝(くわうき)六合(りくがふ)()(わた)(こと)である。()(なり)(しゆ)()(しん)の三(とく)(およ)び三(しゆ)神器(しんき)である。形体(けいたい)具足(ぐそく)成就(じやうじゆ)(なり)は、君民(くんみん)()神政(しんせい)完了(くわんれう)する(こと)である。
 天津(あまつ)(まこと)(なり)とは、惟神(かむながら)大道(だいだう)にして麻柱(あななひ)究極(きうきよく)である。脳髄(なうずゐ)(なり)は、万有(ばんいう)(さい)司宰(しさい)する主脳(しゆなう)意義(いぎ)である。一(さい)真元(しんげん)(なり)とは、政治(せいぢ)宗教(しうけう)教育(けういく)哲学(てつがく)(とう)(さい)真相(しんさう)本元(ほんげん)究極(きうきよく)し、(かつ)指導(しだう)する(こと)である。(まつた)(かなま)(なり)は、(ぜん)(だい)宇宙(うちう)(かみ)意志(いし)()りて統御(とうぎよ)(かな)むる(こと)である。(じつ)三輪(みわ)大物主(おほものぬしの)(かみ)大便所(かはや)()れる美人(をとめ)肝胆(かんたん)(あひ)(てら)(もつ)宇内(うだい)無比(むひ)のミコを()(たま)ふと()ふ、(じつ)結構(けつこう)なる皇宗(くわうそう)()遺訓(ゐくん)であります。
 『()富登多々良伊須々岐(ほとたたらいすすぎ)比売(ひめの)(みこと)(また)()比売(ひめ)多々良伊須気余理(たたらいすけより)比売(ひめ)(まを)す』
 (()()富登(ほと)()(こと)(にく)みて、(あと)(あらた)めつる御名(みな)なり)
 『(かれ)(これ)(もつ)て、(かみ)御子(みこ)とは(まを)すなりとまをしき』
 言霊(ことたま)真空之全体(あまのはらのかたち)(なり)日本(につぽん)()(じつ)(きよく)(なり)(けつ)して()(じつ)符牒(ふてう)(ひん)にあらず、日本(につぽん)(じん)(こゑ)有機(いうき)(ぶつ)(なり)外国(ぐわいこく)(じん)(こゑ)無機(むき)(ぶつ)(なり)符牒(ふてう)(なり)花美(はなやか)(なり)()(ひら)言霊(ことたま)(なり)
 太陽(たいやう)(めい)(なり)(うへ)(あらは)(なり)
 (とう)(なり)(をさま)(なり)
 (つね)(をさま)(しづま)(なり)
 ()(あらは)()(なり)
 (きよく)()として間断(かんだん)()(なり)
 ア行イ治而無為(をさまつてなすなき)(なり)
 集中(しふちう)(なり)真中(まなか)真心(まごころ)(なり)
 (かきり)()無為(すみきる)(なり)「垣(かきり)」は底本通り。「限(かぎり)」の誤字か? 天祥地瑞(第74巻総説)ではスの言霊に「出入の息限り無く澄みきり」という活用がある。。
 天津(あまつ)御祖(みおや)(しん)(なり)
 大慈(だいじ)大悲(だいひ)(きはみ)(なり)
 地球()(はら)(もの)(てん)()(なり)
 産霊(むすび)(かたち)(あらは)(なり)
 ()()()(なり)
 は一(さい)()(むす)(さだ)(をさ)むる(なり)
 (みぎ)のホトタタライススギヒメノミコトの十五言霊(ことたま)意義(いぎ)(かい)すれば、直霊(なほひ)御霊(みたま)(ひか)り、太陽(たいやう)(ごと)くに(あきら)かに()(わた)り、(くも)(うへ)()()()()(あら)はれて、十(ぜん)具足(ぐそく)神政(しんせい)(じやう)じ、永遠(えいゑん)無窮(むきう)天下(てんか)(をさ)まりて(しづ)かなり、神人(しんじん)として(その)()蒼生(さうせい)(うへ)顕現(けんげん)し、(きよく)()として間断(たえま)()く、不言(ふげん)にして(をさ)まり、無為(むゐ)にして(くわ)し、一(さい)真中(しんちう)真心(しんしん)として、徳望(とくばう)(しん)集中(しふちう)し、(へだて)()平等(びやうどう)(すみ)()り、天津(あまつ)(まこと)真元(しんげん)()し、(もつ)大慈(だいじ)大悲(だいひ)極点(きよくてん)()()()仁政(じんせい)()き、世界(せかい)(とう)一して物質(ぶつしつ)(かい)亡者(まうじや)天国(てんごく)(すく)ひ、生成(せいせい)化育(くわいく)大道(だいだう)発揚(はつやう)し、天来(てんらい)天賦(てんぷ)()()()体現(たいげん)し、宇宙(うちう)万有(ばんいう)()(むす)(をさ)むるの神業(しんげふ)(まを)すのであります。()()()(かみ)御代(みよ)現象(げんしやう)は、(じつ)にホトタタライススギヒメノミコトと(あら)はれるのであります。皇道(くわうだう)大本(おほもと)神教(しんけう)は、(すなは)ちこの女神(めがみ)招来(せうらい)せむとするのであります。
 (また)()はヒメタタライスケヨリヒメと(まを)す。(()()富登(ほと)()(こと)(にく)みて(のち)(あらた)めつる御名(みな)なり)とある意義(いぎ)は、富登(ほと)霊地(れいち)にして、()高天原(たかあまはら)である。(しか)るに()高天原(たかあまはら)は、世界(せかい)人類(じんるゐ)(をし)ゆる(ところ)にして、政治(せいぢ)中府(ちうふ)にあらず、(ゆゑ)にヒメ(すなは)(れい)(てん)最高(さいかう)の、(てん)霊府(れいふ)(あらた)められたるを、富登(ほと)(まを)すことを(にく)みてと、言霊(ことたま)(うへ)から(しめ)されたのであります。
 ()たイスケヨリヒメのイスヒメは、(まへ)()べた(とほ)りの活用(くわつよう)でありますが、ケヨリと(あらた)まつたのは、一(だん)()神業(しんげふ)発展(はつてん)したる意味(いみ)であります、(すなは)朝日(あさひ)(ひがし)(かがや)(わた)る、()(いづ)(くに)国徳(こくとく)にして、後嗣(こうし)再生(さいせい)神徳(しんとく)であります。(てん)(くわ)(すゐ)()調和(てうわ)し、至善(しぜん)至美(しび)極徳(きよくとく)(もつ)て、(あめ)(した)四方(よも)(くに)(のり)つたふる神力(しんりき)(そな)へ、(もつ)万物(ばんぶつ)統御(とうぎよ)し、天壌(てんじやう)無窮(むきう)極治(きよくち)極徳(きよくとく)(ほどこ)(たま)ふと()ふ、(かみ)経綸(けいりん)体現(たいげん)する真人(しんじん)()であります。アア現代(げんだい)世界(せかい)各国(かくこく)(みな)物質(ぶつしつ)(てき)にも精神(せいしん)(てき)にも、内乱(ないらん)続発(ぞくはつ)()(また)戦争(せんさう)物質(ぶつしつ)精神(せいしん)(とも))の益々(ますます)激烈(げきれつ)なる、()無辺(むへん)無明(むみやう)()(すく)ひ、(をさ)(はら)(きよ)(たま)比売(ひめ)(がみ)は、(いま)何処(いづこ)出現(しゆつげん)せむとしつつあるやを、誠心(せいしん)誠意(せいい)天下(てんか)(ため)に、研究(けんきう)すべき時代(じだい)であらうと(おも)ひます。
(大正九・一〇・一一東京確信会席上講演録 大正九・一一・一一号神霊界)
このページに誤字・脱字や表示乱れなどを見つけたら教えて下さい。
返信が必要な場合はメールでお送り下さい。【メールアドレス
合言葉「みろく」を入力して下さい→