霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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〔一一〕海幸山幸之段

インフォメーション
題名:〔一一〕海幸山幸之段 著者:出口王仁三郎
ページ:191 目次メモ:
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2021-06-14 09:07:51 OBC :B121805c112
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]神霊界 > 大正9年9月11日号(第126号) > 古事記言霊解(二)
 古事記(こじき)上巻(じやうくわん)に、火遠理命(ほをりのみこと)竜宮(りうぐう)御出(おい)でになつて、潮満(しほみつ)(たま)御持(おも)(かへ)りになりました、といふことが()つて()ります。(いま)()大略(たいりやく)現代(げんだい)(あは)せて、講義(かうぎ)(いた)したいと(おも)ひます。何時(いつ)(まを)(とほ)()古事記(こじき)古今(ここん)(つう)じて(あやま)らず、(これ)中外(ちうぐわい)(ほどこ)して(もと)らない、と()ふのでありまして、神代(かみよ)(むかし)今日(こんにち)も、(また)()(さき)()(すべ)ての(こと)も、測知(そくち)することが出来(でき)(やう)()かれてあるので、(これ)天下(てんか)名文(めいぶん)である所以(ゆゑん)であります。(しか)して()古事記(こじき)上巻(じやうくわん)にある(こと)は、大抵(たいてい)ミロク出現(しゆつげん)(ぜん)(おい)て、(すべ)ての(こと)実現(じつげん)する(こと)になつて()ります。(まへ)(はう)(りやく)して、(つぎ)(かう)から御話(おはなし)(いた)さうと(おも)ひます。
(かれ)火照命(ほてりのみこと)は、海佐知毘古(うみさちひこ)として、鰭広物(はたのひろもの)鰭挟物(はたのさもの)()りたまひ、火遠理命(ほをりのみこと)は、山佐知毘古(やまさちひこ)として、毛麤物(けのあらもの)毛柔物(けのにごもの)()りたまひき。(ここ)に、火遠理命(ほをりのみこと)()(いろせ)火照命(ほてりのみこと)に、(かたみ)佐知(さち)相易()へて、(もち)ひてむといひて、三度(みたび)()はししかども、(ゆる)さざりき。()れども、(つひ)(わづか)に、()相易()へたまひき。(かれ)火遠理命(ほをりのみこと)海佐知(うみさち)()ちて魚釣(なつ)らすに、(かつ)一魚(ひとつ)()たまはずて、(また)()(つりばり)をさへ、(うみ)(うしな)ひたまひき。於是(ここに)()(いろせ)火照命(ほてりのみこと)()(はり)()ひて、山佐知(やまさち)も、(おの)佐知々々(さちさち)海佐知(うみさち)も、(おの)佐知々々(さちさち)(いま)(おのもおのも)佐知(さち)(かへ)さむと()(とき)に、()(いろと)火遠理命(ほをりのみこと)答白()りたまはく、(みまし)(つりばり)魚釣(なつ)りしに一魚(ひとつ)()ずて、(つひ)(うみ)(うしな)ひてきとのりたまへども、()(いろせ)(あなか)ちに()(はた)りき。(かれ)()(いろと)御佩(みはかし)十拳剣(とつかつるぎ)(やぶ)りて、五百鉤(いほはり)(つく)りて、(つぐな)ひたまへども、()らず。(また)千鉤(ちはり)を作りて、(つぐの)ひたまへども、()けずて、()()正本(もと)(はり)()むとぞ()ひける』
 火照命(ほてりのみこと)経綸(けいりん)海幸彦(うみさちひこ)で、釣鉤(つりばり)(こと)であり、火遠理命(ほをりのみこと)経綸(けいりん)山幸彦(やまさちひこ)で、弓矢(ゆみや)であります。()()ふものは一直線(いつちよくせん)に、目的(もくてき)(むか)つて(すす)んで()つて、さうして(まと)にあたるのであります。海幸彦(うみさちひこ)外国(ぐわいこく)()(かた)で、(はり)()()けて美味(うま)いものの(やう)(よそほ)うて()る。さうすると(うを)()()て、釣鉤(つりばり)があると()らずに()んで、生命(いのち)()られてしまふのである。今日(こんにち)日本(につぽん)国民(こくみん)全体(ぜんたい)が、(すべ)日本(につぽん)()(かた)(ふる)いとか色々(いろいろ)(こと)()うて、一切(いつさい)(こと)(かろ)んじて、さうして外国(ぐわいこく)(はり)()が、ぷんぷんとして()るのに、(すべ)ての(もの)(こころ)()せて()る。(しか)るに(これ)()べて()るが最後(さいご)(くち)()つかけられて生命(いのち)()られて(しま)ふ。一方(いつぱう)()(はう)は、(おのれ)(ただ)しうして(のち)(はな)つて(はじ)めてパンと(あた)る。此方(こちら)(ただ)しくなければ()うしても(まと)(あた)らぬのである。()(はう)此方(こちら)仰向(あふむ)けになつて()()つても()つかかるのであるが、()(はう)中々(なかなか)練習(れんしふ)(えう)する。(たましひ)肉体(にくたい)とが一致(いつち)せぬことには、山幸(やまさち)出来(でき)ぬのであります。それで山幸彦(やまさちひこ)日本(につぽん)御教(みをしへ)で、(すなは)火遠理命(ほをりのみこと)は、皇祖(くわうそ)皇宗(くわうそう)御遺訓(ごゐくん)真直(まつすぐ)に、正直(せいちよく)(みち)(もつ)て、()()(なか)(をさ)めて()くと()ふので、つまり(これ)(ふう)されたのであります。
 海幸彦(うみさちひこ)(はう)権謀(けんぼう)術数(じゆつすう)方法(はうほふ)(もち)ひる。(うま)いものを(まへ)()()して、さうして()実質(じつしつ)(まが)つて()る。(うま)いものだと()せて、()(あご)()つかけて(しま)ふ。()海幸(うみさち)山幸(やまさち)とは、大変(たいへん)(ちが)ふのであります。海幸彦(うみさちひこ)(はう)鹽沫(しほなわ)()りて()るてふ外国(ぐわいこく)(すなは)(うみ)(くに)であります。山幸彦(やまさちひこ)日本(やまと)(くに)(こと)であります。(ところ)他人(たにん)(はな)(うつく)しく()える、(また)自宅(うち)牡丹餅(ぼたもち)より(となり)糠団子(ぬかだんご)()うて、自分(じぶん)商売(あきなひ)よりも、(ひと)商売(あきなひ)結構(けつこう)()えるのであります。であるから、(だれ)でも商売(あきなひ)()へたいと(おも)つて()る。日本人(につぽんじん)外国人(ぐわいこくじん)結構(けつこう)だと(おも)つて()るし、外国人(ぐわいこくじん)日本人(につぽんじん)結構(けつこう)だと(おも)つて()る。日本人(につぽんじん)外国人(ぐわいこくじん)(すこぶ)文明(ぶんめい)(くに)()(ところ)ばかりだと(おも)つて()るが、豈図(あにはか)らむや(うら)(はう)()つて()ると、惨憺(さんたん)たる地獄(ぢごく)状態(じやうたい)であると()(こと)(わか)るのであります。
 それで山幸彦(やまさちひこ)海幸彦(うみさちひこ)を、一つ(ため)して()たいと(おも)つた。(これ)所謂(いはゆる)和光(わくわう)同塵(どうぢん)であつて、(むか)ふの制度(せいど)日本(につぽん)(うつ)し、日本(につぽん)制度(せいど)(むか)ふに(うつ)さむとされたのであります。丁度(ちやうど)今日(こんにち)日本人(につぽんじん)一般(いつぱん)が、()釣鉤(つりばり)にかかつて()るのであります。(しか)()釣鉤(つりばり)たるや、太公望(たいこうばう)(やう)真直(まつすぐ)(はり)ではない、(みな)(まが)つて()つて、()がつけてある。(しか)()うしても日本(につぽん)(これ)()はぬから、()(ところ)は一つも()い、のみならず()はぬから、(うみ)(おと)したと()()ります。
 (また)海幸彦(うみさちひこ)山猟(やまがり)には失敗(しつぱい)した。矢張(やは)(これ)外国(ぐわいこく)には適当(てきたう)せぬのであります。国魂(くにたま)()はぬのであります。それで矢張(やは)(もと)(とほ)りに()へよう、外国(ぐわいこく)外国(ぐわいこく)()(かた)に、日本(につぽん)日本(につぽん)()(かた)にする、到底(たうてい)日本(につぽん)皇祖(くわうそ)皇宗(くわうそう)御遺訓(ごゐくん)を、()のまま外国(ぐわいこく)(うつ)(こと)出来(でき)ない。(また)(むか)ふの(くに)のものを、()のまま日本(につぽん)でやる(こと)出来(でき)ぬ。元通(もとどほ)りにやると()(とき)に、如何(いか)なるはづみか()らぬが、(もと)(はり)(うみ)()ちて()(やう)なことになつた。そこで海幸彦(うみさちひこ)(もと)(はり)(かへ)して()れ、と()請求(せいきう)(やかま)しい。
 日本(につぽん)(くに)外国(ぐわいこく)文明(ぶんめい)羨望(せんぼう)したので、明治(めいぢ)初年(しよねん)外国(ぐわいこく)文明(ぶんめい)(はい)つて()た。さうして日本(につぽん)文明(ぶんめい)(これ)交換(かうくわん)したのである。所謂(いはゆる)外国(ぐわいこく)日本(につぽん)(くに)指導(しだう)して、自分(じぶん)貿易国(ぼうえきこく)にしようとか、(あるひ)(これ)()つかけようとか(おも)つたに(ちが)ひない。(ところ)(すで)()(はり)は、海底(かいてい)(しづ)んで(しま)つた。丁度(ちやうど)(むか)ふの(をしへ)日本(につぽん)(くに)()つて()ると、(あだか)熱帯(ねつたい)植物(しよくぶつ)寒帯(かんたい)()つて()(やう)に、到底(たうてい)(そだ)(こと)出来(でき)ない。此方(こちら)のものも、(むか)ふには適当(てきたう)せぬと()(こと)になる。さうすると()賠償(ばいしやう)として、御佩(みはか)せる十拳剣(とつかのつるぎ)(やぶ)つて五百鉤(いほはり)(つく)つて(つぐな)はうと(おも)つた。日本(につぽん)武士(ぶし)二本(にほん)さして()つたのが、帯刀(たいたう)()られて(しま)ふ。一本差(いつぽんざし)()られて(しま)ふ。丁度(ちやうど)廃刀令(はいたうれい)(くだ)すの余儀(よぎ)なきに立到(たちいた)つたのである。(これ)十拳剣(とつかのつるぎ)(やぶ)つて色々(いろいろ)(はり)(つく)られた(こと)で、所謂(いはゆる)(むかし)(つるぎ)より(いま)菜刀(ながたな)()()(こと)になつて()た。(むかし)武士(ぶし)()はねど高楊枝(たかやうじ)()つて()たが、(いま)中々(なかなか)さう()(こと)出来(でき)ない。矢張(やは)(ひもじ)いので、千松(せんまつ)(やう)(こと)になる。その(ため)十拳剣(とつかのつるぎ)をすつかり()つて、(むか)ふの()(とほ)りになつて、丸裸(まるはだか)丸腰(まるごし)になつて(しま)うた。それでもまだ(むか)ふは得心(とくしん)()かない。(もと)(はり)(かへ)(かへ)せと()つて(しきり)(せま)る。(しか)日本(につぽん)貿易国(ぼうえきこく)にしようとか、(うま)(こと)(かんが)へて()つた()(はり)()ちて(しま)つた。さうして(かへ)つて此方(こちら)から、カナダや米国(べいこく)移民(いみん)したり、(あるひ)英国(えいこく)植民地(しよくみんち)移住(いぢゆう)するとか()(やう)(こと)で、(はり)(はう)(くに)(はう)へ、日本人(につぽんじん)がどんどん()つて(しま)ふ。今度(こんど)日本人(につぽんじん)(はり)使(つか)ふやうになつて()た。それが(ため)に、海幸彦(うみさちひこ)(もと)(はり)()むとして(しきり)()めるが、(むか)ふの(くに)()維新(ゐしん)(ぜん)には()うかして(うま)(しる)()ひたいと(かんが)へて()つたが、今日(こんにち)となつては、ああして()いては大変(たいへん)だ、吾々(われわれ)(まくら)(たか)うして(ねむ)(こと)出来(でき)ぬ。それで一刻(いつこく)(はや)(なん)とかして、利権(りけん)獲得(くわくとく)して(しま)はうと()(かんが)えを(おこ)して()るのであります。所謂(いはゆる)(もと)釣鉤(つりばり)(のぞ)んで()ると()ふやうな(こと)(ふう)されてあるのであります。それが今日(こんにち)現実的(げんじつてき)実現(じつげん)して()るのであります。
於是(ここに)()(いろと)海辺(うみべ)()(うれ)ひて()ます(とき)に、鹽椎神(しほつちのかみ)(きた)問曰(とひけら)く、(いか)にぞ、虚空津日高(そらつひだか)()(うれ)ひたまふ所由(ゆゑ)はといへば、答言(こた)へたまはく、(あれ)(いろせ)(つりばり)()へて、()(はり)(うしな)ひてき。(かく)()(はり)()(ゆゑ)に、(あまた)(はり)(つぐな)ひしかども、()けずて、(なほ)()(もと)(はり)()むと()ふなり。(かれ)()(うれ)ふと()りたまひき。(ここ)に、鹽椎神(しほつちのかみ)(あれ)()(みこと)(みため)に、(よきこと)(はかり)せむと()ひて、(すなは)ち、無間勝間(まなしかたま)小船(こぶね)(つく)りて、()(ふね)()せまつりて(をしへ)(けら)く、(あれ)()(ふね)()(なが)さば、差暫(ややしば)(いで)ませ、味御路(うましみち)あらむ。(すなは)()(みち)()りて()ましなば、魚鱗(いろこ)(ごと)所造(つくれ)宮室(みや)()綿津見神(わたつみのかみ)(みや)なり。()(かみ)御門(みかど)(いた)りましなば、(かたへ)井上(ゐのへ)に、湯津香木(ゆつかつら)()らむ。(ゆゑ)()()(うへ)()しまさば、()海神(わたのかみ)(みむすめ)()相談(はから)むものぞと(をし)へまつりき』
 (ここ)(おい)火遠理命(ほをりのみこと)当惑(たうわく)して()(かなし)んだ。(すなは)神界(しんかい)(おい)ては、世界(せかい)状態(じやうたい)(およ)(とく)日本(につぽん)(くに)政治(せいぢ)経済(けいざい)商業(しやうげふ)実業(じつげふ)一切(いつさい)状態(じやうたい)非常(ひじやう)憂慮(いうりよ)()(かなし)んで()られると()(こと)であります。そこへ鹽椎翁(しほつちのおきな)(あらは)れる。鹽椎翁(しほつちのおきな)()(こと)は、つまり水火地翁(しほつちのおきな)()(こと)で、肉体(にくたい)(をんな)(みたま)(をとこ)(すなは)()()先祖(せんぞ)(さま)である国常立尊(くにとこたちのみこと)が、出口(でぐち)(かみ)(あら)はれたと()(こと)でありませう。鹽椎翁(しほつちのおきな)は、(なに)(ため)(この)()(なか)(をさ)まらぬかと、色々(いろいろ)()心配(しんぱい)になつて()ると()(こと)を、よく()(ぞん)じでありますから、()(そば)()つてお(たづ)ねになつた。(なに)()めに()()きになるのか。さうすると火遠理命(ほをりのみこと)は、(われ)猟具(れふぐ)釣鉤(つりばり)()へて(すなど)りした(ところ)が、()釣鉤(つりばり)(うしな)つて(しま)つた。そこで色々(いろいろ)(はり)(つく)つたけれども、(もと)(はり)(かへ)せと()つて()められる。それで()くのである。(じつ)日本(につぽん)現状(げんじやう)は、()きも(もど)りも出来(でき)ない(こと)になつて()た。今日(こんにち)日本(につぽん)外国(ぐわいこく)(をしへ)()けた(ため)に、皇祖(くわうそ)皇宗(くわうそう)御遺訓(ごゐくん)充分(じうぶん)発揮(はつき)するどころか、()日本人(につぽんじん)(こころ)まで、海幸彦(うみさちひこ)釣鉤(つりばり)にかかつて(しま)つて()るのであります。(ここ)(おい)鹽椎翁(しほつちのおきな)無間勝間(まなしかたま)(ふね)(つく)り、さうしてそれに火遠理命(ほをりのみこと)御乗(おの)(まを)した。
 メナシは、(みづ)(もら)さぬと()(こと)。カタマは、(かた)くして(たた)いても(くづ)れぬと()(こと)である。(すなは)皇祖(くわうそ)皇宗(くわうそう)御遺訓(ごゐくん)真解(しんかい)(たま)はつた(ところ)大本(おほもと)神諭(しんゆ)()れであらうと(おも)ふのであります。神様(かみさま)(をしへ)()して、メナシカタマの(ふね)()ふ。何故(なぜ)かと()へば、(この)(ふね)()つて()つたならば、如何(いか)なる狂瀾(きやうらん)怒涛(どたう)()ふと(いへど)も、(くつが)へる、(おぼ)れると()(こと)()い、(じつ)世界(せかい)済度(さいど)する(ところ)(ふね)である。(これ)(つく)つてさうして(これ)()せて綿津見(わたつみ)(かみ)(みや)へ、御出(おい)でなさいと(まを)したのである。綿津見(わたつみ)(みや)竜宮(りうぐう)(こと)であります。竜宮(りうぐう)には(うみ)竜宮(りうぐう)と、(あげ)竜宮(りうぐう)とが()るのであります。
(かれ)(をし)へし(まにま)に、(すこ)()でましけるに、(つぶさ)()(こと)(ごと)くなりしかば、(すなは)ち、()香木(かつら)(のぼ)りて()しましき。(ここ)に、海神(わたのかみ)(みむすめ)豊玉毘売(とよたまひめ)従婢(まかたち)玉器(たまもひ)()ちて、水酌(みづく)まむとする(とき)に、()(かげ)あり。(あふ)ぎて()れば、(うるは)しき壮夫(をとこ)あり。(いと)異奇(あやし)以為(おも)ひき。(かれ)火遠理命(ほをりのみこと)()(まかたち)()たまひて、(みづ)()しめよと()ひたまふ。(まかたち)(すなは)(みづ)()みて、玉器(たまもひ)()れて貢進(たてまつ)りき。(ここ)に、(みづ)をば()みたまはずして、御頸(みくび)(たま)()かして、口著(みくち)(ふく)みて、()玉器(たまもひ)(つばき)()れたまひき。於是(ここに)()(たま)(もひ)()きて、(まかたち)(たま)()(はな)たず。(かれ)(たま)()けながら、豊玉毘売命(とよたまひめのみこと)(たてまつ)りき。(かれ)()(たま)()(まかたち)に、()(かど)()(ひと)()りやと、()ひたまへば、()井上(ゐのへ)香木(かつら)(うへ)(ひと)(いま)す、(いと)(うるは)しき壮夫(をとこ)にます。()(きみ)にも(まさ)りて、(いと)(たふと)し。(かれ)()(ひと)(みづ)()はせる(ゆゑ)に、(たてまつ)れば、(みづ)をば()まさずて、()(たま)をなも(つばき)()れたまへる。()得離(えはな)たぬ(ゆゑ)に、()れながら(もちまゐ)()て、(たてまつ)りぬとまをしき。
 (かれ)豊玉毘売命(とよたまひめのみこと)(あや)しと(おもほ)して、()()て、(すなは)見感(みめで)目合(まぐはひ)して、()(ちち)に、()(かど)に、(うるは)しき(ひと)(いま)すと(まを)したまひき。(ここ)に、海神(わたのかみ)(みづか)出見(いでみ)て、()(ひと)は、天津日高之御子(あまつひだかのみこ)虚空津日高(そらつひだか)にませりと()ひて、(すなは)(うち)()()(まつ)りて、美智(みち)(かは)(たたみ)八重(やへ)()き、(また)絁畳(ぬたたみ)八重(やへ)を、()(うへ)()きて()(うへ)()せまつりて、百取机代物(ももとりのつくゑしろもの)(そな)へて御饗(みあへ)して、(すなは)ち、()(みむすめ)豊玉毘売(とよたまひめ)(あは)せまつりき(かれ)三年(みとせ)といふまで、()(くに)()みたまひき。
 於是(ここに)火遠理命(ほをりのみこと)()(はじめ)(こと)(おもほ)して、(おほき)なる(なげき)一つしたまひき。(かれ)豊玉毘売命(とよたまひめのみこと)其歎(そのなげき)()かして、()(ちち)(まを)したまはく、三年(みとせ)()みたまへども、(つね)(なげ)かすことも()かりしに、今夜(こよひ)(おひき)なる(なげき)一つ()たまひつるは、()(なに)由故(ゆゑ)あるにかと(まを)したまへば、()(ちち)大神(おほかみ)()聟夫(みむこのきみ)()ひまつらく、今旦(けさ)()(むすめ)(かた)るを()けば、三年(みとせ)()しませども、(つね)(なげ)かすことも()かりしに、今夜(こよひ)(おひき)なる(なげき)()たまひつと(まを)せり、()(ゆゑ)ありや。(また)此間(ここ)()ませる(ゆゑ)は、奈何(いか)にぞととひ(まつ)りき。(かれ)()大神(おほかみ)に、(つぶ)さに、()(いろせ)の、()せにし(つりばり)(はた)れる(さま)(かた)りたまひき。(ここ)()て、海神(わたのかみ)(ことごと)海之大小魚(はたのひろものはたのさもの)召集(よびあつ)めて、()()(つりばり)()れる(うを)ありやと()(たま)ふ。(かれ)(もろもろ)(うを)ども(まを)さく、頃者(このごろ)赤海鯽魚(たひ)なも、(みのど)(のぎ)ありて物得食(ものえく)はずと(うれ)ふるなれば、(かなら)()()りつらむとまをしき。於是(ここに)赤海鯽魚(たひ)(みのど)(さぐ)りしかば、(つりばり)あり。(すなは)取出(とりい)でて、清洗(すま)して、火遠理命(ほをりのみこと)(たてまつ)(とき)に、()綿津見大神(わたつみのおほかみ)(をし)へまつりけらく()(はり)を、()(いろせ)にたまはむ(とき)に、()りたまはむ(さま)は、()(はり)は、淤煩鉤(おぼち)須須鉤(すすち)貧鉤(まぢち)宇流鉤(うるち)()ひて、後手(しりへで)(たま)へ。(しか)して、()(いろせ)高田(あげた)(つく)らば、()(みこと)下田(くぼた)(つく)りたまへ。()(いろせ)下田(くぼた)(つく)らば、()(みこと)高田(あげた)(つく)りたまへ。然為(しかし)たまはば、(あれ)(みづ)()れば、三年(みとせ)(あひだ)(かなら)()(いろせ)貧窮(まづし)くなりなむ。()し、()れ、然為(しかし)たまふ(こと)恨怨(うら)みて、攻戦(せめ)なば、鹽盈珠(しほみつたま)(いだ)して(おぼ)らし、()し、()れ、愁請(うれひまを)さば、鹽乾珠(しほひるたま)(いだ)して(いか)し、如此(かく)して惚苦(たしな)めたまへと(まを)して、鹽盈珠(しほみつたま)鹽乾珠(しほひるたま)(あは)せて両箇(ふたつ)(さづ)けまつりて、(すなは)(ことごと)に、和邇魚(わに)どもを召集(よびあつ)めて、問曰(とひ)たまはく、(いま)天津(あまつ)日高(ひだか)御子(みこ)虚空津日高(そらつひだか)上国(うはつくに)出幸(いで)まさむとす。(たれ)幾日(いくか)(おく)(まつ)りて(かへりごと)(まを)さむととひ(たま)ひき。(かれ)各各(おのもおのも)己身(おのがみ)尋長(ながき)(まにま)に、()(かぎ)りて(まを)(なか)に、一尋和邇(ひとひろわに)(あれ)一日(ひとひ)(おく)りまつりて(かへ)()なむと(まを)す。故爾(かれ)()一尋和邇(ひとひろわに)に、然者(しからば)(なれ)送奉(おくりまつ)りてよ、()海中(わたなか)(わた)(とき)に、な惶畏(かしこま)せまつりそとのりて、(すなは)()和邇(わに)(くび)()せまつりて、(おく)()しまつりき。(かれ)如期(いひしがごと)一日(ひとひ)(うち)(おく)(まつ)りき。()和邇(わに)(かへ)りなむとせし(とき)に、所佩紐小刀(みはかせるひもがたな)()かして、()(くび)()けてなも(かへ)(たま)ひける。(かれ)()一尋和邇(ひとひろわに)をば、(いま)に、佐比持神(さひもちのかみ)とぞいふなる。
 (ここ)()て、(つぶ)さに海神(わたのかみ)(をし)へし(こと)(ごと)くして、()(つりばり)(あた)(たま)ひき。(かれ)(それ)より(のち)稍愈(いよよ)(まづ)しくなりて、(さら)(あら)(こころ)(おこ)して迫来(せめく)()めむとする(とき)鹽盈珠(しほみつたま)(いだ)して(おぼ)らし、()れ、(うれ)ひを(まを)せば鹽乾珠(しほひるたま)(いだ)して(すく)ひ、如此(かく)して惚苦(たしな)めたまふ(とき)に、稽首(のみ)(まを)さく、()は、(いま)より以後(ゆくさき)()(みこと)の、夜昼(よるひる)守護人(まもりびと)()りてぞ(つか)(まつ)らむとまをしき。(かれ)(いま)(いた)るまで、()(おぼ)れし(とき)種種(くさぐさ)(わざ)()えず(つか)(まつ)るなり。
 於是(ここに)海神(わたのかみ)(みむすめ)豊玉毘売命(とよたまひめのみこと)(みづか)参出(まゐで)(まを)したまはく、(あれ)(はや)くより妊身(はらめ)底本では「妊」ではなく異体字の「姙」。るを、(いま)(みこう)むべき(とき)()りぬ。()(おも)ふに、天神(あまつかみ)御子(みこ)海原(うなばら)()みまつるべきにあらず。(かれ)参出(まゐで)()つと(まを)したまひき。(かれ)(すなは)ち、その海辺(うみべた)波限(なぎさ)に、()()葺草(かや)()て、産殿(うぶや)(つく)りき。於是(ここに)()産殿(うぶや)(いま)葺合(ふきあ)へぬに、御腹(みはら)()へがたくなりたまひければ、産殿(うぶや)入坐(いりま)しき。(ここ)に、(みこう)みまさむとする(とき)に、()日子(ひこぢ)白言(まを)したまはく、(すべ)て、佗国(あだしくに)(ひと)は、産時(こうむをり)()れば、本国(もとつくに)(かたち)になりてなも産生(うむ)なる。(かれ)(あれ)(いま)(もと)()になりて()みなむとす。()勿見(なみ)(たま)ひそとまをし(たま)ひき。於是(ここに)()(こと)(あや)しと(おもほ)して、()(まさかり)(みこう)(たま)ふを窃伺(かさま)みたまへば、八尋和邇(やひろわに)()りて、葡萄委蛇(はひもこよ)ひき。(かれ)見驚(みおどろ)(かしこ)みて、遁退(にげそ)きたまひき。(ここ)に、豊玉毘売命(とよたまひめのみこと)()伺見(かきまみ)たまひし(こと)(しら)して、心恥(うらはづ)かしと以為(おもほ)して、(すなは)()御子(みこ)生置(うみお)きて、妾恒(あれつね)は、海道(うみつぢ)(とほ)して往来(かよ)はむとこそ(おも)ひしを、()(かたち)(かきま)見給(みたま)ひしが、(いと)(はづ)かしきことと(まを)して、(すなは)ち、海坂(うなざか)()きて返入(かへりい)りましき。(ここ)()て、()所産(あれませる)御子(みこ)(みな)を、天津(あまつ)日高(ひだか)日子(ひこ)波限建(なぎさたけ)鵜葺草(うがや)葺不合(ふきあへずの)(みこと)(まを)す。
 (しか)れども(のち)は、()(かきま)(たま)ひし(みこころ)(うら)みつつも、(こひ)しき(こころ)得忍(えた)(たま)はずて、()御子(みこ)治養(ひた)しまつる(よし)()りて、()(いろと)玉依毘売(たまよりひめ)()けて、(うた)をなも(たてまつ)りける。()歌曰(うた)
  阿加陀麻波(あかだまは) 袁佐閇比迦礼杼(をさへひかれど) 斯良多麻能(しらたまの) 岐美何余曾比斯(さみがよそひし) 多布斗久阿理祁理(たふとくありけり)
 (かれ)()比古遅(ひこぢ)(こた)へたまひける歌曰(みうた)
  意岐都登理(おさつとり) 加毛度久斯麻邇(かもどくしまに) 和賀違泥斯(わがゐねし) 伊毛波和須礼士(いもはわすれじ) 余能許登碁登邇(よのことごとに)
 さうして竜宮(りうぐう)()つてから、自分(じぶん)(おと)した釣鉤(つりばり)(こと)(つい)(きた)れる所以(ゆゑん)()(はな)しになつた。それから豊玉比売(とよたまひめ)(きさき)として、三年(さんねん)海外(かいぐわい)留学(りうがく)をせられたと()(こと)になる。つまり日本国(につぽんこく)メナシカタマ(ふね)(あらは)れて()て、それに()つて、(はじ)めて皇道(くわうだう)(ひかり)(やや)発揮(はつき)しかけて()た。三年(さんねん)(ほど)(あひだ)に、皇道(くわうだう)(ひかり)発揮(はつき)しかけて()たのである。丁度(ちやうど)今日(こんにち)時代(じだい)適応(てきおう)して()るのであります。
 さうして()(うち)に、火遠理命(ほをりのみこと)以前(いぜん)(こと)(おも)うて、(おほ)きな(なげ)きを一つし(たま)うた。(すなは)(むかし)(こと)(おも)うて、()()結構(けつこう)(をしへ)(わが)(くに)にある。
 『澆季(げうき)末法(まつぽふ)此世(このよ)には、諸善(しよぜん)竜宮(りうぐう)()(たま)ふ』
和讃(わさん)(しる)されてある(とほ)り、本当(ほんたう)(わが)(くに)には(まこと)(をしへ)本当(ほんたう)大和(やまと)(だましひ)生粋(きつすゐ)(をしへ)があつたのである。さう()結構(けつこう)(をしへ)があつたのを()らずに、三年間(さんねんかん)()つた。()真直(まつすぐ)なる山幸(やまさち)()てて、さうして海幸(うみさち)になつて()つたと()(こと)を、(はじ)めて(さと)られて、(おほい)(あやま)つて()つたと()(こと)を、神界(しんかい)(おい)(なげ)かれたのであります。ここに(おほい)なる(なげ)きをせられたので、綿津見(わたつみ)大神(おほかみ)は、豊玉姫命(とよたまひめのみこと)()(わけ)()かれると是々(これこれ)爾々(しかじか)()(こと)であつた。そこで綿津見(わたつみ)(かみ)大小(だいせう)魚共(うをども)(ことごと)(あつ)めて、(はり)行方(ゆくへ)(さが)した。()(うを)(なか)でも()()られて()る、(たと)へばウイルソンの(ごと)く、()()世界(せかい)()られて()ると()ふやうな(うを)名主(なぬし)(この)(うを)(なか)一番(いちばん)王様(わうさま)といういふのが(たひ)であります。その(たひ)(のど)(はり)(つま)つて()つた。つまり(くち)では(うま)(こと)()つて()るけれども、(なに)奥歯(おくば)(もの)(つま)つた(やう)な、(した)(つるぎ)がある(やう)な、()つかける(ところ)言葉(ことば)釣鉤(つりばり)(やう)言葉(ことば)がある。国際(こくさい)連盟(れんめい)とか、平和(へいわ)とか、民族(みんぞく)自決(じけつ)とか、(あるひ)色々(いろいろ)(こと)()つて()りますけれども、釣鉤(つりばり)といふものを(くち)(なか)()れて()る。みな言葉(ことば)()つて(しま)ふのであります。正義(せいぎ)人道(じんだう)とか、平和(へいわ)とか()つて、(いくさ)はしないと()つて()る。()(しり)からどんどん軍備(ぐんび)拡張(くわくちやう)して、(おのれ)野心(やしん)(たくま)しうせむとしつつあるのであります。所謂(いはゆる)()(たひ)(のど)に、海幸彦(うみさちひこ)(はり)(かく)れて()る。()(はり)発見(はつけん)して(これ)()(かへ)つて()た。つまり(たひ)()(こと)(あて)にはならぬ。(すべ)()()ふものを(のど)()つかけて()る。()くして綿津見(わたつみ)(かみ)(ちから)()つて(これ)発見(はつけん)して、さうして(これ)(もら)つて、()(かへ)りになると()(こと)になつたのであります。
 かくて()(いろせ)に、()(はり)(わた)(とき)に、憂鬱針(おぼち)狼狽針(すずち)貧窮針(まぢち)痴呆針(うるち)()つて、()(しりへ)(まは)して()(かへ)しなさいと、綿津見(わたつみ)(かみ)()はれた。(いろせ)とは(あに)(こと)で、外国(ぐわいこく)思想(しさう)にかぶれたものである。今日(こんにち)物質(ぶつしつ)()であるから、外国(ぐわいこく)(あに)である。三つ(ぐらゐ)日本(につぽん)(おとうと)と、七つ(ぐらゐ)(あに)喧嘩(けんくわ)すれば、()うしても(おとうと)()けるにきまつて()る。それから()(おほ)きな(たひ)の、所謂(いはゆる)ウイルソンか(なに)()らぬけれども、()(なか)(はり)()つて(かへ)つたといふ(こと)であります。それで世界(せかい)平和(へいわ)とか、文明(ぶんめい)とか()つて()るけれども、これを有難(ありがた)がつて()連中(れんちう)()()れないのであります。
 憂鬱針(おぼち)──今日(こんにち)所謂(いはゆる)憂鬱針(おぼち)()られて()るのであります。(すなは)物質(ぶつしつ)文明(ぶんめい)()ふもので、()(みだ)れて()た。(あるひ)はマツソンの手下(てした)となつて()るといふ有様(ありさま)である。憂鬱病(いううつびやう)にかかつて、自殺(じさつ)したり、(あるひ)鉄道(てつだう)往生(わうじやう)をしたり、もう悲観(ひくわん)()つてしまつて、(なに)をしても面白(おもしろ)くないと()人間(にんげん)(ばか)りであります。
 狼狽鉤(すずち)──(これ)非常(ひじやう)狼狽(らうばい)して()るといふ状態(じやうたい)で、(たと)へば政治界(せいぢかい)()ても、外交(ぐわいかう)(じやう)狼狽(らうばい)(すなは)支那(しな)問題(もんだい)とか、朝鮮(てうせん)問題(もんだい)とか、()()思想(しさう)(じやう)問題(もんだい)一切(いつさい)のものが、(みな)狼狽(らうばい)をして()る。(これ)狼狽針(すずち)であります。
 貧窮針(まぢち)──(これ)(まを)すまでもなく貧乏(びんぼう)(こと)であります。
 痴呆針(うるち)──馬鹿(ばか)()(こと)であります。日本人(につぽんじん)全体(ぜんたい)には大和(やまと)(だましひ)があるけれども、外国(ぐわいこく)横文字(よこもじ)にはほうけて阿呆(あほう)になつて()る。横文字(よこもじ)必要(ひつえう)ではあるが、それにほうけて自分(じぶん)(ふところ)には(なに)もない。大和(やまと)(だましひ)がないといふのは所謂(いはゆる)痴呆針(うるち)にかかつたといふ(こと)であります。折角(せつかく)竜宮(りうぐう)(まで)()つて、()んな釣鉤(つりばり)()つて(かへ)つたかといふと、こんなもの(ばか)りであつた。
 綿津見神(わたつみのかみ)(つづ)けて(まを)されるのには、是等(これら)(はり)兄上(このかみ)(かへ)すには後手(しりへで)()(わた)しなさい。さうして()(いろせ)(おこ)つて高田(たかた)(つく)つたならば、()(みこと)下田(しもた)(つく)(たま)へ。()(いろせ)下田(しもた)(つく)つたならば、()(みこと)高田(たかた)(つく)(たま)へと(まを)されたのは、(なん)でも反対(はんたい)()けといふ意味(いみ)であります。つまり外国(ぐわいこく)()しも(かさ)にかかつて()てきて戦争(せんさう)をしかけたならば、此方(こちら)(つつし)んで戦争(いくさ)をせない(やう)にせよ。()(また)日本(につぽん)(むか)つて無理(むり)(こと)()つて()る、人道(じんだう)(はん)した(こと)()つて()るならば、此方(こちら)充分(じうぶん)皇道(くわうだう)(もとづ)いて、正々(せいせい)堂々(だうだう)(まこと)(みち)(たか)(とま)つて、()手段(しゆだん)()れ。()ういふ(やう)(こと)であります。さうして潮満珠(しほみつたま)潮乾珠(しほひるたま)といふ二つの(たから)()たされました。()()くまで先方(せんぱう)反対(はんたい)して()るならば、潮満珠(しほみつたま)()()しになれば、(かなら)(みづ)()きでて兄様(あにさま)(おぼ)れさせますし、()しあやまつたならば、潮乾珠(しほひるたま)(はう)()して()かしてやり、活殺(くわつさつ)自在(じざい)にたしなめておやりなさい、と(まを)されました。(すなは)(これ)仏教(ぶつけう)(まを)しますと、如意宝珠(によいほつしゆ)(たま)といふ(こと)であります。
 ()(しほ)といふ(こと)は、火水(ひみづ)(あひ)合致(がつち)したものでありまして、吾々(われわれ)(みな)一人(ひとり)々々(ひとり)潮乾珠(しほひるたま)潮満珠(しほみつたま)()つて()るのであります。(これ)言霊学(げんれいがく)(じやう)からいひますと、伊都能売(いづのめ)(みたま)といふ(こと)になります。
 火遠理命(ほをりのみこと)一尋鰐(ひとひろわに)()つて、愈々(いよいよ)(もと)(くに)()(もと)(くに)へ、(かへ)られたのであります。()一尋鰐(ひとひろわに)といふ(こと)には、非常(ひじやう)重大(じゆうだい)意味(いみ)があります。(また)()火遠理命(ほをりのみこと)は、日子穂々出見(ひこほほでみの)(みこと)(こと)であります。()筆先(ふでさき)にも『日子穂々出見(ひこほほでみの)(みこと)()になるぞよ』といふことがありますが、愈々(いよいよ)()()(あが)つた(ごと)中天(ちうてん)(かがや)(ところ)()盛徳(せいとく)()つた、日子穂々出見(ひこほほでみの)(みこと)が、海原(うなばら)()(わた)りになる。()(とき)一尋(ひとひろ)もある大鰐(おほわに)が、(これ)(たす)けたと()(こと)になつて()るのであります。()(とき)豊玉姫(とよたまひめ)(とも)()()(かへ)りになりました。さうすると豊玉姫(とよたまひめ)妊娠(にんしん)せられた。御子(おこ)さんが出来(でき)たのであります。(しか)()()(こと)原子(げんし)分子(ぶんし)一切(いつさい)()である。それから、非常(ひじやう)(はら)(ふく)れるといふ(こと)になつて()()む。竜宮(りうぐう)(うみ)(はな)れた(しま)ですから、()竜宮(りうぐう)()(こと)になります。それでお二人(ふたり)(なか)一人(ひとり)()出来(でき)た。さうすると豊玉姫(とよたまひめ)は、()()まむとする(とき)(をつと)(むか)つて、(わらは)国津神(くにつかみ)()であるから、(もと)姿(すがた)になつて()()みますから、産屋(うぶや)御覧(ごらん)ならないやうに、何処(どこ)かへ()つて()(くだ)さい、と(かた)(まを)されました。そこで鵜葺草葺不合(うがやふきあへずの)(みこと)()まれました。()()(はね)屋根(やね)()()へない(うち)()(うま)れになつたから、さう(まを)すのであります。
 ()()(はね)といふ(うち)には、(ふか)意味(いみ)があるのであります。()(はね)(もつ)屋根(やね)()く、()()といふ(こと)は、稚比売君(わかひめぎみの)(みこと)(ふか)因縁(いんねん)のある(こと)であります。()神様(かみさま)非常(ひじやう)(からす)因縁(いんねん)がある。()()(こと)()()(こと)であります。()(はね)なくては駄目(だめ)である。それで()(はね)(もつ)屋根(やね)()く、()出来(でき)ない(うち)御子(みこ)(うま)れたのであります。火遠理命(ほをりのみこと)(こは)いもの()たさで、そつと御窺(おうかが)ひになると、立派(りつぱ)(たま)(やう)御子(みこ)御出来(おでき)()つて()る。御子(みこ)(うま)れて()りますが、()(はは)豊玉姫(とよたまひめ)竜神(りうじん)本体(ほんたい)(あらは)して()る。(おほい)なる竜神(りうじん)(たま)(やう)()()いて()る。それを()(おほい)(おどろ)いた。竜神(りうじん)といふものは、天津神(あまつかみ)(ばか)りと(おも)つて()たが、地津神(くにつかみ)にもあるかと()(こと)でお(おど)きになつた。(むし)()(おど)きは恐怖(きようふ)(おど)きでなくして、感心(かんしん)(あま)りの吃驚(びつくり)せられたのであります。さうすると豊玉姫命(とよたまひめのみこと)は、自分(じぶん)姿(すがた)()られたものですから、(はづ)かしくてもう御目(おめ)にかかれませぬと()うて、(もと)(うみ)(かく)れた。()御子(みこ)さんの(こと)を、天津(あまつ)日高(ひだか)日子(ひこ)波限建(なぎさたけ)鵜葺草(うがや)葺不合(ふきあへずの)(みこと)(まを)()げるのであります。()(かみ)皇室(くわうしつ)()めに(つく)さむとして()るのであります。(また)豊玉姫(とよたまひめ)還元(くわんげん)して()現状(げんじやう)()られて、申訳(まをしわけ)がないと()(こと)になつて(ふたた)(うみ)(かく)れて、(もと)(ところ)潜伏(せんぷく)せられ、()御産(おう)になつた鵜葺草(うがや)葺不合(ふきあへずの)(みこと)()(そだ)てする(ため)に、玉依姫(たまよりひめ)()竜宮(りうぐう)一番(いちばん)()(ところ)の、()りに()つた神様(かみさま)()(つか)はしになつて、()(そだ)てになつたのであります。()(とき)()()(うた)御言附(おことづ)けになりました。()(うた)中々(なかなか)意味(いみ)があります。
 『赤珠(あかだま)()さへ(ひか)れど白珠(しらたま)の (きみ)(よそ)ひし(たふと)くありけり』
 赤珠(あかだま)──()大神(おほかみ)白珠(しらたま)──(つき)大神(おほかみ)()(たま)()が、()(ひか)つて()つたといふ(こと)である。(きみ)──伊邪那(いざな)伊邪那(いざな)とか、神漏(かむろ)神漏(かむろ)とかのキミで、(すなは)(りやう)陛下(へいか)()してキミと(まを)すのです。『キ』は太陽(たいやう)で『ミ』は(つき)(こと)であります。(いづ)(みたま)()(みづ)(みたま)(つき)(すなは)天辰日月(てんしんじつげつ)(かがや)いて、完全(くわんぜん)無欠(むけつ)なる(うつく)しい、()(たふと)(くに)出来(でき)たといふ(こと)を、非常(ひじやう)()(よろこ)びになつたのであります。()玉依姫(たまよりひめ)(こと)竜宮(りうぐう)乙姫(おとひめ)(さま)()うて()ります。()神様(かみさま)()(そだ)てした、鵜葺草(うがや)葺不合(ふきあへずの)(みこと)()たれると、天下(てんか)()(をさ)まつて、日月(じつげつ)晧々(かうかう)として(かがや)き、陰陽(いんやう)上下(しやうか)(とも)一致(いつち)する。(すなは)ち『(たふと)くありけり』と()はれたのは天下(てんか)泰平(たいへい)宇宙(うちう)(をさ)まつた(ところ)(かたち)をば、讃美(さんび)されたのであります。()以前(いぜん)日子穂々出見(ひこほほでみの)(みこと)(また)の名火遠理命(ほをりのみこと)が、豊玉姫(とよたまひめ)()(おく)りになつた(うた)があります。
 『(おき)(とり)(かも)()(しま)(わが)()()し (つま)(わす)れじ()のことごとに』
 (おき)(とり)()(こと)は、(おき)(しま)といふ(こと)であります。()日本(につぽん)以外(いぐわい)外国(ぐわいこく)()して()ふのであります。(あるひ)竜宮(りうぐう)(しま)()して()つたのであります。(かも)()(しま)──(しま)本稿の中に「嶋」が8回、「島」が6回使われている。文字を使い分けているのかどうか分からないが、底本の通りにした。()(こと)は、山篇(やまへん)(とり)である。(しま)には(かも)とか、(かもめ)底本では「鷗」、異体字とか()(とり)沢山(たくさん)(むら)がつて()る。()しも(とり)()なかつたならば(しま)ではない。女島(めしま)男島(をしま)真白(まつしろ)けに(とり)(むら)がつて()る。(とり)沢山(たくさん)()(しま)(かも)どく(しま)である。(わが)()()し──といふ(こと)(とも)(くら)したいといふ(こと)であります。(つま)(わす)れじ──ツは大津(おほつ)といふ(こと)で、(おほ)きな(うみ)(みづ)(こと)であります。マは(まは)つて()るといふ()である。(たと)へば(しま)のシと()(こと)(みづ)であつて、マと()(こと)(まは)(こと)(すなは)(みづ)(まは)つて()ると()(こと)で、(ちい)さい(しま)意味(いみ)になります。(あるひ)(また)シメと()ふのも、ぐるぐる(みづ)(まは)つて()(かたち)である。(また)真中(まんなか)建造物(たてもの)のあるのは、(しろ)とも()ふのである。(ゆゑ)日本国(につぽんこく)秀津真(ほつま)(くに)()ふのである。
 ツとシとは反対(はんたい)であつて、ツは外国(ぐわいこく)(こと)である。潮流(てうりう)(など)日本(につぽん)反対(はんたい)(なが)れて()ります。(わす)れじ()のことごとに──といふ(こと)は、万国(ばんこく)を一つに平定(へいてい)される(こと)である。()のことごとに、は(まも)るといふ(こと)である。幾万年(いくまんねん)(かは)つても、()(くに)(わす)れないで、()()神勅(しんちよく)()つて(をさ)めなければならない。日月星辰(じつげつせいしん)のある(かぎ)り、()くまでも(をさ)めてやると()ふ、有難(ありがた)()言葉(ことば)であります。
(大正九・八・二四亀岡ニテ講演筆記 九・九・一一号神霊界)
 

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