霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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惚れられる人

インフォメーション
題名:惚れられる人 著者:出口王仁三郎
ページ:17
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2016-11-28 01:42:10 OBC :B195303c110
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]『神の国』昭和7年9月号
 女から惚れられぬ男、男から惚れられぬ女、いずれもそういう人々には、なんの仕事もできるものではない。男からも、女からも、老人からも、子供からも惚れられるような人間であって、はじめて天下にわが志すところのものを、なし遂げえらるるのである。
「今ごろの男は女からすこし秋波を送れば、すぐでれでれしてくる」というのか。王仁(わたし)がいうているのは、そうした技巧を弄してしいて惹きつけるものの()いではない。男が惚れるような男、女が惚れるような女のことである。「桃李物いわず、下おのずから(みち)をなすしというような惚れられ方でなくてはだめである。惚れられる秘訣? 愛善が徹底すればよいのである。自分のことよりも相手の幸福を思ってやる心だ。愛するもののためには自分の幸福を犠牲にするという心だ。
 王仁ははじめてあった人でも、話を聞いているうちにその人の将来まで心配してやる心になる。王仁はいつも他人のことばかり思って、自分のことはちっとも思っていない。だからまた他人が王仁のことを思い、王仁を愛してくれる。王仁はまた、わが愛人に他の愛人ができた場合にも、そのことにたいしてきわめて寛大である。ほんとうに人を愛するならば、愛するものが幸福にあることを、心のそこから祈るのが真の愛である。他にはしったからというて(ねた)(そね)むのならば、それは自己の愛である。相手を愛していたのではなくて、自分の愛欲を満足さすために愛人を犠牲にしていたにすぎない。
 王仁の目から見れば、近代の恋愛は真の恋愛ではない、偏狭なる自己愛のかたまりだ。こういうかたくなな心で、どうして愛が徹底するものか。惚れられる秘訣、ただ相手の幸福をのみ祈る愛善の心だ。そしてまた、その実際化だ。
(「神の国」昭和7年9月)
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