霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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地裁判決書(抄)(5)

インフォメーション
題名:地裁判決書(抄)(5) 著者:
ページ:554
概要:判決の根拠となる証拠の列挙と、適用された法律についての説明である。裁判所は、被告人らの法廷での供述、予審での訊問調書、および押収された膨大な文献(『神諭』『霊界物語』『大本総合日記』等)を総合的に判断し、犯罪事実を認定した。
これらの行為は治安維持法の「結社組織・加入・目的遂行」および刑法の不敬罪、出版法・新聞紙法違反に該当するとされ、被告人ごとの役割や情状に応じて最終的な量刑が決定された。最後に、一部の公訴事実について主文で無罪を言い渡さない理由などが付記され、裁判官三名の署名をもって締めくくられている。
備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2026-06-17 10:05:50 文字数:6266 OBC :B195503c22045
 犯罪構成事実に付証拠を案ずるに、判示冒頭所掲の事実中
 被告人出口王仁三郎の判示学歴、経歴の点、宗教類似団体としての大本の発端、其の昭和三年三月三日迄の沿革及発展状況が判示の如くなりし点竝主祭神として天照皇大神(即大本皇大神)を奉斎し判示神諭霊界物語を教典と為したる点は、
  被告人王仁三郎の当公廷の供述に依り之を認め
 判示開窟奉賽祭が判示の如き目的を以て執行せられたることは
   同被告人に対する予審第三十四回訊問調書中判示同旨の供述記載に依り之を認め
 判示神諭、霊界物語を神書、神示なりと宣伝し其随所に大本教義を包蔵したる点及判示教義構成の由来に関する点は、
  一、同被告人に対する予審第四回訊問調書中供述記載
  二、     〃    第五回  〃  供述記載
  三、     〃    第七回  〃  供述記載
  四、     〃    第八回  〃  供述記載
  五、     〃    第九回  〃  供述記載
  六、被告人出口伊佐男に対する予審第五回訊問調書中供述記載
  七、被告人出口王仁三郎に対する押収証千二百六十四号神諭天之巻及火之巻、同証第三千六百五十八号及第五百五十号霊界物語第一篇乃至第八十一篇
を綜合して之を認め
 霊代関係が判示の如くなる点は
  一、被告人出口伊佐男に対する予審第十三回訊問調書中供述記載
  二、同被告人に対する      第十四回  〃  供述記載
を総合して之を認め
 大本教義の内容が判示の如くなる点は
  一、被告人出口王仁三郎の当公廷供述
  二、同被告人に対する予審第二十回、第二十一回、第二十三回及第二十五回乃至第二十八回各訊問調書中供述記載
  三、同被告人に対する予審第十六回乃至第十八回訊問調書供述記載
  四、    〃    予審第五十二回訊問調書中供述記載
  五、被告人出口伊佐男に対する予審第十七回、第十八回及第二十回乃至第二十四回各訊問調書供述記載
  六、被告人出口王仁三郎に対する押収証第九十三号大正七年二月発行神霊界(第九頁以下及第四十一頁以下)中に
    「太古の神の因縁」と題し記載あると
  七、同被告人に対する押収証第二十四号王仁文庫第八篇八面鋒(第三十二頁以下)中に「至聖殿落成所感」と題し記載あると
  八、同被告人に対する押収証第三千六百五十八号霊界物語第一篇第十八章「霊界の情勢」と題し記載あると
  九、同霊界物語第一篇第二十章「国祖御隠退の御因縁」と題し記載あると
  十、同号証霊界物語第二篇総説
  十一、同号証霊界物語第四七篇総説中
を綜合して之を認むるに足り
 判示大本の根本目的がみろく神政成就(立替立直)にして其の内容が判示の如くなる点は、
  一、被告人出口王仁三郎に対する予審第十四回訊問調書供述記載
  二、     〃     予審第三十九回訊問調書供述記載
  三、     〃     予審第四十四回訊問調書供述記載
  四、     〃     予審第五十三回訊問調書供述記載
  五、被告人出口伊佐男に対する予審第十回訊問調書供述記載
  六、証人浅野遙に対する予審第一回訊問調書供述記載
  七、被告人出口王仁三郎に対する押収証第九十三号大正六年三月発行神霊界第十一頁
  八、同証第九百六十四号皇道大本事務便覧中皇道大本規定第一条
  九、同被告人に対する押収証第三千六百六十八号原稿用紙
  十、被告人出口伊佐男に対する押収証第十三号手帳を綜合して之を認め
 判示の如く巧に根本目的を隠蔽し敬神尊皇愛国の教団なる如く擬装したる点及判示根本目的教義を織込みたる霊界物語を発行し密意を覚らしむべく之等教典の熟読方を奨励し信者の獲得に努めたる点は
  一、被告人出口王仁三郎当公廷供述
  二、    〃    予審第十二回訊問調書中供述記載
  三、    〃    〃 第十三回訊問調書中供述記載
  四、    〃    〃 第十一回訊問調書中供述記載
  五.    〃    〃 第三二回訊問調書中供述記載
  六.    〃    〃 第五十回訊問調書中供述記載
  七、被告人東尾吉三郎に対する予審第二十二回訊問調書中供述記載
  八、被告人出口王仁三郎に対する押収証第九十三号大正六年一月発行神霊界中 皇道大本信条
  九、同証第九十三号大正七年一月発行神霊界(第四頁)中 皇道大本信条第二条
  十、同証第五百七十九号大正八年十月発行神霊界(第二頁)中 皇道大本信条第三条
  十一、前顕証第九百六十四号昭和八年三月発行皇道大本事務便覧中皇道大本信条第三条
を綜合して之を認め
 判示経緯の下に判示目的を有する大本なる結社が組織せられたる点は
  一、被告人出口王仁三郎の当公廷の供述
  二、被告人桜井同吉の当公廷の供述
  三、共同被告人たりし亡湯川貫一の当公廷の供述
  四、被告人出口王仁三郎、出口スミ、出口伊佐男、井上留五郎、東尾吉三郎、高木鉄男、桜井同吉、御田村竜吉、西村昂三、湯浅斎治郎の当公廷に於ける判示日、判示場所に於てみろく大祭が挙行せられみろく菩薩として出現したりとする出口王仁三郎が判示の者等を随へて至聖殿に昇殿したることに関し判示同趣旨の各供述
  五、被告人出口王仁三郎に対する公判準備調書供述記載
  六、    〃    予審第三十五回訊問調書供述記載
  七、    〃    〃 第三十六回訊問調書供述記載
  八、    〃    〃 第五十二回訊問調書供述記載
  九、被告人出口スミに対する予審第九回訊問調書供述記載
  十、      〃      第十回訊問調書供述記載
  十一、被告人出口伊佐男に対する予審第二十七回訊問調書供述記載
  十二、       〃      第二十八回訊問調書供述記載
  十三、被告人井上留五郎に対する予審第十九回訊問調書供述記載
  十四、     〃        第二十四回訊問調書供述記載
  十五、被告人東尾吉三郎に対する予審第十八回訊問調書供述記載
  十六、被告人高木鉄男に対する予審第十二回訊問調書供述記載
  十七、被告人桜井同吉に対する予審第九回訊問調書供述記載
  十八、    〃        第十回訊問調書供述記載
  十九、    〃        第十一回訊問調書供述記載
  二十、被告人御田村竜吉に対する予審第十三回訊問調書供述記載
  二十一、      〃      第十四回訊問調書供述記載
  二十二、被告人湯浅斎治郎に対する予審第九回訊問調書供述記載
  二十三、       〃      第十回訊問調書供述記載
  二十四、被告人西村昂三に対する予審第十二回訊問調書供述記載
  二十五、      〃      第十三回訊問調書供述記載
  二十六、共同被告人たりし亡湯川貫一に対する予審第十回訊問調書供述記載
  二十七、証人浅野遙に対する予審第二回訊問調書供述記載
  二十八、被告人出口王仁三郎に対する押収証第三千八百四十一号大本総合日記の内昭和三年三月二日の欄記載
  二十九、同証第三千八百四十一号 総務会議記録中 昭和三年三月二日の欄記載
  三十、同証第四千二百十五号、昭和三年三月五日号の真如能光記載
  三十一、同号証同年同月十五日号真如能光中「みろく大祭概況」記載
  三十二、同証第百四十四号、昭和三年三月十一日発行瑞祥新聞中「大本とは神意を実行する団体 真の力の神の顕現」記載
を彼此綜合すれば之を認定するに足り、判示結社たる大本が其の組織内容を整備し判示の如き活動方針に基き拡大強化を図りたる結果、昭和十年十二月上旬迄には判示の如く発展したる点は
  一、被告人出口王仁三郎の当公廷に於ける判示発展状況に関し其の旨の供述
  二、    〃     予審第三十七回第三十八回第四十六回乃至第四十八回各訊問調書を通し判示同趣旨の供述記載
に依り之を認め
 判事第一乃至第五十五の犯罪事実は
  一、以上に掲げたる各証拠と
  二、被告人出口王仁三郎に対する予審第三十七回訊問調書中供述記載
  三、被告人東尾吉三郎に対する予審第十二回訊問調書中供述記載
  四、被告人出口王仁三郎を除く各被告人の当公廷に於ける同被告人等の各判示関係部分の学歴、経歴大本入信の動機並活動したる事実に付各判示同趣旨の供述あると
 省略(判示第一事実乃至、判示第五十五事実)
を夫々彼此綜合して考覈「考覈(こうかく)」とは、「考え調べて物事を明らかにすること」〔広辞苑〕。すれば之を認定するに十分なりとす
 而して判示犯意継続の点は被告人出口王仁三郎、高木鉄男、桜井重雄、浜中助三郎、伊藤伊助、中野与之助、武田仙蔵、関由太郎、竹原弘、富井徳太郎が夫々短期間内に同種の行為を反覆累行したる事蹟に徴し明なり仍て判示犯罪事実を認定す
 法律に照すに
 被告人等の判示所為中
 被告人出口王仁三郎、出口スミ、出口伊佐男、井上留五郎、東尾吉三郎、高木鉄男、桜井同吉、御田村竜吉、湯浅斎治郎、西村昂三の判示結社を組織し、其の目的遂行の為にする行為を為したる点は孰れも結社組織の包括一罪として昭和三年勅令第百二十九号治安維持法第一条第一項前段中結社組織に関する規定に、
 被告人大深浩三、中村純一、山県猛彦、出口貞四郎、北村隆三、土井靖都、田中省三、桜井重雄、河津雄次郎、広瀬義邦、森慶三郎、瓜生鑅吉、藤原勇造、藤津進、木下愛隣の判示結社に加入し、其の役員たる任務に従事し同結社の目的遂行の為にする行為を為したる点は孰れも同結社の役員たる任務に従事したる行為の包括一罪として、同法第一条第一項前段中結社の役員たる任務に従事したる行為に関する規定に爾余の各被告人の判示結社に加入し、其の目的遂行の為にする行為を為したる点は孰れも同結社加入の包括一罪として同法第一条第一項後段に、
 被告人出口王仁三郎、高木鉄男、桜井重雄、浜中助三郎、伊藤伊助、木下愛隣、中野与之助、関由太郎、武田仙蔵、竹原弘、富井徳太郎の不敬の点は各刑法第七十四条第一項に、
 被告人高木鉄男、桜井重雄の皇室の尊厳を冒涜する文書を出版したる点は各出版法第二十六条刑法施行法第十九条、第二条、第二十条に、
 被告人高木鉄男、桜井重雄の皇室の尊厳を冒涜する事項を新聞紙に掲載発行したる点は各新聞紙法第四十二条に、
 被告人浜中助三郎の事実上の編輯担当者として新聞紙に右事項を編輯掲載したる点は同法第九条第一号、第四十二条に夫々該当するところ
 被告人出口王仁三郎の不敬、同高木鉄男の判示第六の㈠の(丙)の⑴⑵の不敬、出版法違反、新聞紙法違反.同桜井重雄の不敬、出版法違反、新聞紙法違反、同浜中助三郎の不敬、新聞紙法違反、同伊藤伊助の不敬、同中野与之助の判示第五十の㈠の㋺の不敬と右各被告人の治安維持法に該る所為とは夫々一個の行為にして数個の罪名に触るる場合にして、且被告人出口王仁三郎、高木鉄男、桜井重雄、浜中助三郎、伊藤伊助、中野与之助の不敬、被告人高木鉄男の出版法違反、被告人高木鉄男、桜井重雄、浜中助三郎の新聞紙法違反の各所為は夫々犯意継続に係るを以て刑法第五十四条第一項前段、第五十五条、第十条に則り孰れも結局最も重き被告人出口王仁三郎、高木鉄男に付結社組織に関する罪の刑に、同桜井重雄に付結社の役員たる任務に従事したる行為に関する罪の刑に、同浜中助三郎、伊藤伊助、中野与之助に付結社加入に関する罪の刑に従ふべく、
 被告人関由太郎、武田仙蔵、竹原弘、富井徳太郎の各不敬の行為は犯意継続に係るを以て各刑法五十五条を適用し夫々連続一罪とし、
 被告人出口王仁三郎以外の各被告人の治安維持法に関する罪に付孰れも所定刑中有期懲役刑を選択し、
 被告人木下愛隣、関由太郎、武田仙蔵、竹原弘、富井徳太郎の治安維持法に該る罪と不敬罪とは夫々刑法第四十五条前段の併合罪なるを以て同法第四十七条本文、第十条に則り各其の最も重き治安維持法に該る罪の刑に法定の加重を為し且同法第四十七条但書の制限に従ひ、
 被告人北村隆三に対しては犯罪の情状憫諒すべきものあるを以て同法第六十六条、第七十一条、第六十八条第三号に依り酌量減刑を為し、
 被告人出口王仁三郎に対し所定刑中無期懲役刑を選択して、同被告人を無期懲役に処し、爾余の各被告人に対し夫々其の所定刑期範囲内に於て主文の刑を量定処断すべく被告人出口王仁三郎、伊藤伊助を除く其の他の各被告人に対しては、同法第二十一条に依り主文記載の未決勾留日数を各本刑に算入し、
 被告人出口王仁三郎に対する押収証第三千五百五十一号、霊界物語第六十巻、同第四千百六十号、霊界物語第十巻、同第四千百六十号、霊界物語第十巻、同第四千二百二十七号、瑞祥新聞(昭和十年三月一日号及同年四月一日号)中の各不敬事実記載部分は同被告人の判示第一の㈡の㋑㋭㋷㋦、
 被告人高木鉄男に対する押収証第三号手帳中の不敬事実記載部分は同被告人の判示第六の㈡、
 被告人中野与之助に対する押収証第一号十二段返しの歌と題する不敬文書は被告人伊藤伊助の判示第四十六の㈡の各不敬の犯罪行為より生じたる物、
 被告人出口王仁三郎に対する押収証第千九十九号、昭和十年日記は被告人高木鉄男の判示第六の㈠の(丙)の⑴の㋑の出版法違反、同第千百四十五号瑞祥新聞(昭和九年九月一日号)は同被告人の判示第六の㈠の(丙)の⑵の㋑の新聞紙法違反、
 被告人浜中助三郎に対する押収証第九号、第十号の各瑞祥新聞(昭和十年四月一日号及同年三月一日号)は同被告人の判示第三十五の㈡の新聞紙法違反の各犯罪行為を組成したる物にして孰れも右各被告人以外の者に属せざるを以て同法第十九条第一項第一号、第三号第二項に則り之を没収し、訴訟費用は刑事訴訟法第二百三十七条第一項を適用し、主文掲記の如く之を負担せしむべきものとす
 本件公訴事実中
一、被告人桜井重雄が判示結社の拡大強化を図る目的を以て京都府亀岡町天恩郷に於て編纂者として、㋑昭和七年十月三十日発行霊界物語第七巻第三版第六十一頁に御皇室を呪詛し奉る短歌㋺同年十一月三十日発行同物語第八巻第三版第百十六頁に、御皇統を誹謗し奉る王仁三郎の口述筆記、㋩昭和八年四月十日発行同物語第三十八巻第四版第九十四頁に御皇統の断絶を暗示し奉る短歌を各掲載して出版し、以て右結社の目的遂行の為にする行為を為すと共に不敬及出版法違反の行為を為したりとの点
二、被告人木下愛隣が判示結社の拡大強化を図る目的を以て昭和九年五月頃岡山市岡山分所に於て高坂幹之助に対し不敬文書を閲読せしめ、以て右結社の目的遂行の為にする行為を為すと共に不敬の行為を為したりとの点
は一の各出版行為が昭和九年法律第四十七号を以て改正せられたる現行出版法第二十六条施行前の所為に係り右改正前の出版法中には皇室の尊厳冒涜に関する規定を欠きたるを以て、該行為を目し出版法違反として問擬すべきに非らざるのみならず、其の他の一、二の事実に関し其の犯罪の証明十分ならざるものなるも右一に付ては、被告人桜井重雄の判示治安維持法又は出版法違反、不敬の各犯罪事実、右に付ては被告人木下愛隣の判示治安維持法又は不敬の各犯罪事実と孰れも包括一罪若くは連続犯の関係ありとして、公判に繋属したるものなるを以て特に之等の点に付主文に於て無罪の言渡を為さず
仍て主文の如く判決す
   昭和十五年二月二十九日
      京都地方裁判所第一刑事部
         裁判長判事 庄司直治
            判事 大西和夫
            判事 黒坂一男
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