凡て世界各種の経典や教義に対する説き方は、対内的と対外的、即ち自国の人と外人とに対して自ら二様の区別が出来ていることは、宗教研究家の既知しているところであります。
大本もいよいよ世界的になりましたから、御神諭もここに対外的として説き方が多少変わってくる箇所があるのであります。しかしこの御神諭の説きようによりての訂正は、聖師様のみに権限されていることは御筆先に明示してあるところであります。これについてのかの「御筆先は一字も直してはならぬ云々」の御神諭を誤解しておった人もあるようでありますが、その御筆先は明治三十三年に出されたもので、当時役員は日々出る御筆先を筆写することを一つの過程としていたのでありまして、馴るるに従い、重複したように思わるる箇所、また解りかねるところなどを勝手に直したことがあったので、それを戒められた御筆先であります。聖師様に対する特権は索引によってご参照を願います。
またすでに訂正済みとなった御神諭は、天の巻及び火の巻に掲載された御神諭であって、意義には毫末も変わりはありませぬ。たとえば「外国の四つ足身魂」が「邪神界の悪の身魂」と訂正してある如きであります。
現在大本では、この訂正済みの御神諭及び霊界物語の一部を英語、支那語、エスペラント語の三通りに訳して出版されつつあります。またこの訂正済みの御神諭は、宣伝用として天声社より出版さるるはずであります。
ついでに御筆先と御神諭との区別について申し添えておきます。御筆先は開祖様のいろはでお書きになった原文を云うのであって、御神諭は聖師様により原文の字義を明瞭にすべく漢字交じりにして発表されたものであります。