霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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忍路

インフォメーション
題名:忍路 著者:出口王仁三郎
ページ:281
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-10-30 20:57:00 文字数:468 OBC :B119300c065
二十五六歳の頃
白梅(しらうめ)の花から桃へ桜へと蝶のごとくにうつらふわかき日
桃色の面(おも)はうるはし桜花(さくらばな)のかをるもめぐし春のこころは
吾(わ)が軒(のき)に巣くふ燕(つばめ)の仲のよさつらつらみつつもゆる胸の火
紫雲英(れんげ)咲く田の面(も)にたてばその君(きみ)の姿霞(かすみ)のなかにうきをり
春の野は人の目しげし紫雲英(れんげ)咲くああこの赤き花のむしろよ
二尺余(あま)りのびたる麦の畑(はた)いくつすかして見ゆる姉(あね)さんかぶりよ
吾(わ)がもゆる心も雲雀(ひばり)は白雲(しらくも)の空からしきりにぞよいてゐやがる
森かげに簔(みの)うちしきてやすみをれば彼女は母とわが前とほる
吾(わ)が恋(こ)ふる人の母とは思へども心に淡きいまはしさのわく
母親の後(あと)よりちらちらふりむきて吾(わ)が面(おも)見つつゆく女かな
吾(われ)もまた彼女のかげの隠(かく)るまで目をそばだててのびあがりつつ
掌中(しやうちう)の玉を奪(と)られし心地してわれ森かげに呆然と立てり
○
あしびきの山鳥(やまどり)の尾の長(なが)ながし春空(はるぞら)の日はかたむかぬかな
やうやくに日はかたむきぬ野良仕事をはりて吾(われ)は家路(いへぢ)に帰る
夕飯(ゆふはん)の箸(はし)投げ捨ててしのびしのび彼女が家の軒(のき)にたたずむ
おそること一つも知らぬ吾(われ)ながら何故(なぜ)か彼女の前には弱かり
春の夜(よ)はなやましかりき花にほひ鳥はうたへど吾(わ)が恋遠(とほ)し
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