霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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弥仙山麓

インフォメーション
題名:弥仙山麓 著者:出口王仁三郎
ページ:453
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-10-31 06:24:00 文字数:916 OBC :B120900c83
月見草(つきみさう)の花は小雲(こくも)の川の洲(す)に咲き乱れつつ夕風(ゆふかぜ)冷(ひ)えたり
弥仙山(みせんざん)尾の上(へ)の紅葉(もみぢ)あせにつつ夕(ゆふ)吹く風にはかなくも散る
紅葉(もみぢ)散る弥仙(みせん)の山の夕暮(ゆふぐれ)は淋しきものを開祖はこもれり
凩(こがらし)の吹きのはげしき山路(やまみち)をわれは弥仙(みせん)の山にわけ入(い)る
御開祖は弥仙(みせん)の山の深林に朝夕(あさゆふ)安国(あんこく)の祈願こめたまふ
狒々退治
白髪(はくはつ)の開祖のすがたに杣人(そまびと)は村に帰りて猩猩(しやうじやう)棲(す)むと伝ふ
村人(むらびと)は各自に得物(えもの)たづさへて狒狒(ひひ)退治とて山にわけ入(い)る
山深き於与岐(およぎ)の村の人人(ひとびと)はまだ文明の空気に触れず[※於与岐の「於」は底本では「淤」。]
中(なか)の宮の社(やしろ)をめあてに村人(むらびと)は石を拾ひて投げつけにけり
狒狒(ひひ)がをるうてよ殺せと云ひながら社前(しやぜん)に石を投ぐる危(あやふ)さ
神業(しんげふ)にいそしみ給ふ御開祖を怪物出(い)でしと村人さわぐも
山ふかき於与岐(およぎ)の村の人たちは開祖の白髪(しらが)に胆(きも)を冷(ひや)せり
弥仙山(みせんざん)中(なか)の神社に石投げて騒ぎまはれる村人あはれ
御開祖は窓より首をさし出してさわぐなわれよとなだめ給へり
御開祖の白髪(はくはつ)童顔みるよりも村人おどろき山下(くだ)りゆく
中の宮
鬱蒼(うつさう)と天を封じてそそりたつ中(なか)の社(やしろ)は昼なほくらし
梟(ふくろふ)の声はおもたく向(むか)つ尾(を)の茂樹(しげき)の枝に啼(な)きそめにけり
秋の夜(よ)の月はみ空(そら)に皎皎(くわうくわう)と弥仙(みせん)の神山(みやま)をしづかに照らせり
太幹(ふとみき)の欅(けやき)の梢(こずゑ)になでられてみ空(そら)の月はみえつかくれつ
しんしんと夜(よ)は更(ふ)けわたり猿の声児(こ)をせむるごとあたりに響(ひび)かふ
ひとしきり梢(こずゑ)にうなる山颪(やまおろし)やしろの窓をたたきて寒し
碁盤(ごばん)格子(がうし)の窓の破れゆしのび入(い)る深夜の風は身にしみわたる
祭神(さいじん)は彦火火出見(ひこほほでみ)の命(みこと)なり千四百年前(ぜん)に祭れる
吹く風のとぎれとぎれに滝の音手(て)にとる如くきこえ来(く)るなり
吾(われ)もまた開祖のそばに侍(はべ)りつついろいろ神示をかうむりにけり
風あれし秋の一夜(ひとよ)は明(あ)けそめて向(むか)つ山(やま)べに小男鹿(さをしか)のなく
暁(あかつき)の空にむらがる鵲(かささぎ)は中の神社の棟(むね)におり来(く)る
鵲(かささぎ)のいつせいになく声声(こゑごゑ)に天(あま)の岩戸(いはと)の開(ひら)くここちす
篤き茣蓙
しづしづと谷間の霧をおし分けて近寄り来(きた)る人のかげあり
御開祖の身を案じつつ上杉(うへすぎ)の木下(きのした)亀次郎(かめじらう)茣蓙(ござ)をもて来(く)る
御開祖の寒さおもひて木下は厚き茣蓙(ござ)をばあみしと語る
御開祖は木下(きのした)の心を喜びて感謝しながら受けとりたまふ
あたたかき藁茣蓙(わらござ)の上(へ)に端坐して朝夕(あさゆふ)開祖は祈願こらせり
しんしんと夜(よ)は更(ふ)けわたり尾の上(へ)吹く風の老樹(おいき)を揉む音(おと)高し
樹(こ)の間(ま)漏(も)る月の光を力(ちから)とし深夜に開祖は山路(やまぢ)辿(たど)らす
弥仙山(みせんざん)頂上にたつ金峰(きんぷ)神社御前(みまへ)に開祖は神言(かみごと)宣らせり
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