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警官の怒声

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題名：警官の怒声著者：出口王仁三郎

ページ：461

概要：備考：タグ：データ凡例：データ最終更新日：2024-10-31 06:24:00 OBC ：B120900c84

金峰山(きんぷざん)に狒狒猿(ひひざる)棲(す)むと村人は上を下へと騒ぎ立つなり

むらびとは警官一人ともなひて弥仙(みせん)の山に登り来(きた)れり

警官は近寄りもせず大声をはりあげ退去せよと呶鳴(どな)れり

この声に社外をのぞきし御開祖の顔みて警官近寄(ちかよ)り来(きた)る

その方(はう)は何者なるかと警官は声おごそかになじり問ひけり

吾(われ)こそは神の御(おん)ため国のため修業に来(き)しと宣らす御開祖

ともかくも社(やしろ)の中に寝起きするは法律違反と司(つかさ)しやちばる

常闇(とこやみ)の世をあかさんと吾(われ)はいま神に祈ると開祖は答(いら)へり

ともかくも綾部警察に引致(いんち)すと警官開祖の手をとりうながず

神様のことは汝(おまへ)等(ら)にわからぬと開祖はいなみて大石(おほいし)に向(むか)ふ

御帰綾

上杉(うへすぎ)の大石(おほいし)木下(きのした)亀次郎(かめじらう)家に開祖は入(い)らせ給へり

一週間の修業了(を)へし御開祖は綾部に帰らすこととなりたり

御開祖にしたがひわれも信徒(まめひと)も月(つき)てる夕(ゆふ)べ本宮(ほんぐう)に入(い)る

訊問

御開祖を綾部警察に引致(いんち)していろいろ小言(こごと)を並ぶる司(つかさ)

御開祖は儼然として警官の問ひにひるまず答(いら)へ給へり

われもまた開祖にしたがひ警察に出張種種(しゆじゆ)の訊問に答(こた)ふ

解決

神職の嵯峨根(さがね)久兵衛(きうべゑ)の承諾を得たりしことの判然なしたり

神職の承諾あれば是非なしと開祖に帰宅を警官ゆるせり

御開祖は神の経綸(しぐみ)が判らねばいついつ迄も帰らじと宣らせり

警官も開祖の処置に困り果て吾(われ)に向(むか)つて慰撫(ゐぶ)を頼めり

吾(われ)も亦(また)言葉つくして弁ずれば開祖は遂に帰宅されたり

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