すべての宗教は、何れも皇道に帰結すべき貴重性も有つた天産物でありますが、宗教が人生にとつて必需的、日用的のものである関係上、少くも左の三つの事実を知つて置くことは、宗教家は勿論何人にも必要であるのであります。
一、各種の宗教は人種、民族、国土、歴史、時代、文化等に応じて与へられた霊の糧であり又霊の薬であるから、適不適があつて人類共通のものとは言ひ得られないこと。
一、有機生活体たる国家社会の発育や変遷に対し、宗教の活用が次第に不完全となり、遂に今日の如く宗教改造論、無用論、反宗教運動を見るに到つたこと。
一、日本には世界的各種の宗教が行はれてゐるばかりでなく、宗教的生命は日本に於てのみ保留されてゐるといふ状態であるが、これは二千年前、崇神天皇が和光同塵の御政策即ち受動的政策により世界の宗教、政治、文物等を吸収消化して世界経綸の準備を始め給ひしためであつて、その結果、明治を画期時代として日本が俄然能動的、世界的に活躍するやうになつたのは当然の道程であること。
そして宗教が日本に於て生命を保留してゐるのは、皇道の感化を受くるためであること。