霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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高橋警部証人質問(1)

インフォメーション
題名:高橋警部証人質問(1) 著者:
ページ:567
概要:証人・高橋誠治警部に対し、出口王仁三郎の「実印」の保管と、教団の聖地(亀岡・綾部)の土地売却に関する追及がなされている。高橋警部は当初「実印を預かったことは一度もない」と断言していた。しかし土地売却については、王仁三郎が「全てを清算する」と言ったため、中村純一への委任の取次ぎをしたと述べます。弁護側は、警察が王仁三郎の頭を押さえつけ、他の被告人を釈放することを条件に無理やり委任状を書かせたのではないかと厳しく問い詰めたが、証人はこれを全面的に否定した。 備考: タグ: データ凡例:長いので4つに分割した データ最終更新日:2026-06-17 11:09:30 文字数:3450 OBC :B195503c220542
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]大本教団所蔵
 裁判長 高橋誠治ですか
 高橋誠治証人 さうでございます
   〔中略〕
 富沢弁護人 私は御遠慮申上げて警官方に一口も御聞して居らないのです、此の証人に対して特に、御願したい事があるのです、それは考へて頂くことぢやなく直ぐ御分りになることです、それをどうぞ御願したいと思ひます、先づ王仁三郎氏の実印を証人が保管して居つたかどうかと云ふことです。
 裁判長 どうぢや、王仁三郎の実印を保管して居つたか。
  そんなものは保管して居りませぬ。
 裁判長 保管して居つた事実なしと──。
 富沢弁護人 さうですか、全然保管して居りませぬか、今してないと云ふことぢやない前にしたことが全然ないのですか。
 裁判長 前に保管した事はなかつたか。
  私は保管して居りませぬ、其当時も。
 裁判長 元から一遍も預つたことない?
  預つたことありませぬ。
 富沢弁護人 それで王仁三郎所有の土地を売却するに当つた事情を詳しく御訊きしたいのです。
 裁判長 どうです王仁三郎の土地を売却するに当つた事情──。
  先に御伺ひ致しますが、之は矢張り何で御座いますか、直接治安維持法違反事件と……。
 裁判長 関係ないけれ共、言ふたら宜いだらう、どう云ふ趣旨で訊かれたのか、私共の判断の出来かねる所が沢山あるから判つて居ることがあつたら要領よく云つて御覧なさい。
  土地をどうです。
 裁判長 土地を王仁三郎が売却したのですか、売却に至つた事情──。
  売却するに至つた事情ですか。
 裁判長 関係して居つたら云ふて御覧、どう云ふ事で売る様になつたか、関係したことを。
  私は王仁三郎に確かさう云ふ話をした様に思ひますね。
 裁判長 さう云ふ話と云ふのは何う云ふの。
  土地を亀岡と綾部町に売却すると云ふ風な。
 裁判長 亀岡……。
  亀岡と綾部町に売却すると云ふ様なことを……。
 裁判長 売却せよと云ふたのかどうなんだ。
  それは、はつきり記憶ありませぬがね。
 富沢弁護人 考へることぢやないぢやないか。
 裁判長 王仁三郎に売る様に話したのか証人が──。
  売れとは申しませぬね、どうもはつきり言葉を覚へませぬ。
 裁判長 関係して居らぬのか、関係したのか。
  何か一度私が判を調べた関係上ですね、其委任状か何かを私が持つて居つたやうな気が致しますけれ共、委任状でしたかな、どうもはつきり覚えませぬがそう云ふ話をした事はありまするが。
 裁判長 委任状はつきり覚へぬ。
  出口王仁三郎からもう総てを捜査した最後ですね記憶ありませぬが、総てを私は清算致しますと──もう之で総てを清算するから土地も何も要りませぬ、建物も要りませぬ、と云ふことを云ひましてですね、さうして之の処分ですね、全部何か誰かに任すと云ふ様なことを云つたように思ひますが。
 裁判長 誰に?
  中村純也でしたかな。
 出口王仁三郎 違ふ(と絶叫す)。
  任すと云ふようなことを云つたような気がしました、任すと云ふ様に云ひました、之はあまり事件と本件と関係がない様に思ひますから。
 裁判長 そんな関係があるか、ないか分らぬ、分るなら云つて貰ひたひと弁護人が訊くのですから。
 林弁護人 本件と密接な関係があるのですから、それで富沢弁護人が訊くのです、証人が関係ないと判断されちや困る。
 富沢弁護人 私共は暴行脅迫のみが人権蹂躙ぢやないと思ひます、斯う云ふことも人権蹂躙の一原因を成すから御聞きするのです。
 林弁護人 速記には考へる時間も入れて置いて下さい、それで其のあとはどうなんださつぱり分らぬ。
 富沢弁護人 大きい声で御願致します。
    (四、五十秒考へる)
  大分前のことですから、はつきり致しませぬが、総てを整理するから斯う云ふ風にして置けと何か内容ははつきり分りませぬが総てを財産も総てを整理するから。
 裁判長 財産を整理するから。
  中村純也かに委任すると云ふ風なことを云つた其取次をした様に思ひますね。
 裁判長 誰に?
  中村純也に。
 裁判長 中村純也に、純也と云ふと純一か。
  純一ですか。
 富沢弁護人 あなたが王仁三郎氏の頭を押して無理無理委任状を書かした様な事情はありませぬか。
  左様なことはありませぬ。
 富沢弁護人 さうすると其時に純也、或は中村に会はして貰つたならば……それぢや会はしてやるから判をつけ、それから尚其時に此の委任状に判をついたならば外の被告を全部許してやる、それだから判をつけ、──そして判をつかせられたと云ふ事を云つて居りますがそう云ふ事を御存じありませぬか。
 裁判長 どうです。
  そんなことはありませぬ。
 富沢弁護人 それからそこで王仁三郎氏は中村が許されたと思つてさうして中村の自宅の方へ取消の通知を出した何ぞ計らん許されてないで警察に居つたので一日違ひで届けてしまつたと云ふ事実があるのですがそれも御存じありませぬか。
 裁判長 どうちや、高橋、考へちやいかぬそ。
  私はそんな事は──其の外にさうした何ですね、出口王仁三郎と中村純也との間の取次を委任状か何か取次をしたと思ひますが、そんな後のことは何も知りませぬ。
 富沢弁護人 それで今、王仁三郎氏が自分を清算しやうと云ふ、所謂清算と云ふ事は……。
  清算と云ふ意味は。
 裁判長 あとから整理と云つて居つたね。
  其の気持をなんですね、斯う云う事件を起したのだから斯う云ふことはもう大本教ももう解散してしまうて、さうして建物を潰して了ふてと云ふ様な意味ですね此清算と云ふ意味は──。
 富沢弁護人 さうすると賃貸価格の値段を以て中村に委任状を書くことを頼んでやつたのですか。
  賃貸価格とか何とか云ふことは、はつきり私は分りませぬが。
 富沢弁護人 分りませぬぢやない、委任状に書かれて居るぢやありませぬか、御取次になつた委任状を私も見て知つて居ります、而もあなたが無理に書かしたと云ふじやありませぬか。
    (暫く熟考)
  細いことはどうも、はつきり記憶ありませぬが、其委任状に誰か判をつきましたか、王仁三郎氏の判を中村が持つて居りましたか──。
 富沢弁護人 本当のことを云ふて下さい。
  判はそれは誰が持つて居つたのでせう。
 富沢弁護人 中村か?
  中村か誰か知りませぬけれ共。
 富沢弁護人 知りませぬつて中村以外にそれに関与したものがありますか。
 裁判長 本人はどうですか、判は持つて居ませぬか。
  其点は記憶ありませぬが、判を押したのは王仁三郎が押したのであるから。
 富沢弁護人 王仁三郎が押したと云ふのですか、松江に旅行するのに実印を持つて行くものがありますか、とぼけないで下さい、それは宜しうございます、分らなければ──それから、スミに対してはどう云ふ事をおやりになりました。
  スミと云ふのは出口スミですか。
 富沢弁護人 そうです、スミの不動産に付て如何なる処置をなしたるや。
  スミの事は私は何も存じませぬが。
 富沢弁護人 存じませぬ、あなたは一向関係しない?
  はあ。
 富沢弁護人 それでは無論御存知な事でせうが、スミの委任状の文句と、王仁三郎氏の委任状の文句の違ふこともあなた御承知ございませぬね。
  そんなこともはつきり存じませぬ。
 富沢弁護人 登記はどなたがおやりになつたのですか。
  左様なことは私は分りませぬ。
 富沢弁護人 待つて下さい、王仁三郎氏の委任状に依つて中村がいろいろの書類を造り──中村は牢に入つてゐるのですよ、──出口家のもの或は信者の方々が動いたものは一人もありませぬよ──。
 裁判長 登記に関係したのか、せぬのか。
  登記に私は関係せぬ……。
 富沢弁護人 関係しなくても登記の書類はどうしたのですか。
  見ませぬ、そんなものは──。
 富沢弁護人 見ない訳がない、どうも現にして居るのだ、中村が此証人に依つて委任状を造つて渡して居ると云ふことを云ふて居るのです。
  私は中村の意を取〔り〕ついで其後のことは一切分りませぬ。
 富沢弁護人 さうしますと、それからもう一つ伺ひますが、スミの方には全然やつて居らなかつたのですね。
  待つて下さいよ、はつきり記憶ありませぬ。
 富沢弁護人 さうすると之も記憶ないのなら御訊きしても仕方ないのですが之は王仁三郎氏も中村氏も出して居らないのです、之は登記書類が付いて居るのです、之はどう云ふことでせうか。
  そんな事は私は分りませぬ。
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