霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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2-1

インフォメーション
題名:2-1 著者:出口王仁三郎
ページ:
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-11-01 03:15:00 文字数:2098 OBC :B113800c10
大本教活歴史(二)
百済博士王仁
 世界の文明は日進月歩底止(ていし)する処を知らず、所謂(いわゆる)物質的文明の壮年時代と化し去り、理科学上の新発明は恰(あだか)も神秘の鍵を持(もつ)て神門(しんもん)を開(ひら)きたるが如く、社会は種々(しゆじゆ)の方面に大々的競争の火焔を揚(あげ)つつ偏屈ある道学者、哲学者等(ら)現はれ倫理上の学説は頻々(ひんぴん)として奇抜なる声を放ち来(きた)りて世俗を迷はせ、偽予言者、偽(にせ)救主(きふしゆ)は各所に出現し多数人類を欺瞞し世人は其信拠(しんきよ)する所を知らず。文明利器の交通機関は倍々(ますます)完備し地球の表面は追次(ついじ)狭隘(きやうあい)となり国土は接近し、衣食住は倍々(ますます)贅沢に流れ、世界の各政府は形而下の学説のみを尊重し科学的智育の普及のみに焦慮し、博士学士等(とう)理論に生活する一種の動物は雲霞(うんか)の如くに族生(ぞくせい)し、空理空論の旺盛なる今日の社会より甚(はなは)だしきは無し。盲目(めくら)千人のたとえに漏(もれ)ぬ世俗は皆斯(かか)る物質的文明を謳歌しつつあり。是(これ)向後(こうご)世界の惨憺たる滅亡を招致すべき大原因たるべし。凡て精神的文明の伴(ともな)はざる物質的文明は最も恐怖戦慄すべきものにして決して謳歌す可(べ)きものにあらず。精神的文明の伴(ともな)はざる物質的文明と徳義信仰とは相(あい)両立すべきものにあらず。人類は不完全なる病的智能のみ発達するひ従ひ徳義信仰とは益々(ますます)浮薄(ふはく)となるのみ。
 斯(かか)る人類の日に月に増加する程(ほど)国家社会の為に恐るべきものは無し。今の時に当(あた)つて我(わが)天朝(てんてう)の臣民たるもの大(おほい)に奮起して惟神(ゐしん)の大道(たいどう)を天下に鼓吹(こすゐ)し全世界を覚醒するにあらずんば国家社会の維持最(いと)困難にして、遼(とほ)からず世界の滅亡を招かむこと火を睹(み)るよりも明(あきら)かならむ。吁(ああ)天下の憂(うれひ)に先んじて憂(うれ)ひ天下の覚醒に先んじて覚醒し世道(せどう)人心(じんしん)の救済の為に身命を賭(と)する[*底本では「堵する」。]の偉人出現せざる乎(か)。
 処世小訓(せうくん)に曰く、天下の憂(うれひ)は一国の民人(みんじん)が其の国家に対して無頓着なるより甚(はなは)だしきは無し。即ち天下の憂(うれひ)は、天下の憂(うれひ)をうれふる者なきより甚だしきはなし。剛励(ごうれい)[※「剛戻」(強情でねじけている意)の誤字か?]なるケトー[※古代ローマの政治家マルクス・ポルキウス・カト・ウティケンシス(前95~前46年)のことだと思われる。「大カト」と呼ばれたマルクス・ポルキウス・カト・ケンソリウスの曽孫で「小カト」と呼ばれる。道徳的に高潔で政治の腐敗を嫌ったと言われている。]が羅馬人(ろうまじん)の腐敗を罵りし間は羅馬は未だ全く腐敗せざりし也。慷慨(こうがい)なるテモシニース[※古代ギリシャの都市国家「アテナイ」(現代のギリシャの首都アテネの古名)の政治家テミストクレスのことだと思われる。前493~492年にアテナイの執政官を務め、ペルシア戦争(ペルシア帝国がギリシャを襲撃した戦争)を勝利に導いた。「亜雅」とは「アテナイ」を漢字に宛てたのだと思われる。]が、亜雅(あでん)市民の腑甲斐なきを叫びし際は亜雅(あでしす)の民政は未だ全く地に堕ちかりし也。所謂(いわゆる)非国教徒の良心なるものが政治的勢力の一たる迄は、英国政界の光明は依然として赫々(かくかく)たるべき也。政界の紛擾(ふんぜう)決して意とするに足らず。恐るべきは波無く風無きと同時に生命(せいめい)なき也云々(しかじか)実に至言(しげん)なる哉(かな)。
 茲(ここ)に大本教(だいほんけふ)開祖は天下の腐敗を憂(うれ)ひ抜山(ばつざん)蓋世(がいせい)の勇(ゆう)を以て婦人の身の雄々しくも皇国古有(こいう)の神教(しんきよう)を再興し、以て皇室の尊厳を維持し国民の団結力を強固にし自主的思想を伸長し、以て細矛(くわしほこ)千足(ちたる)の国の民生を教へ導かせ給はむとして現はれ給ひぬ。古語に、国乱れて忠臣現はれ家貧(まづし)ふして孝子(こうし)出(い)で天下道無くして聖人起(おこ)る、と。宜(うべ)なるかな、宗教界の偉人出口開祖の出顕(しゆつけん)されしも至仁至愛にして万物を守らせ給ふ天神天祖の厳(いづ)の配剤なる可(べ)し。アア尊(たふ)とからずや。
 三千世界一時に開く梅の花、艮の金神の世に成りたぞよ 三千世界一時に開き
 須弥山に腰を懸け鬼門の金神が守るぞよ
 昔から此世の来るは知れて居る 絶対絶命の世に成りたぞよ
 吁(ああ)是(こ)れ開祖が開教の始(はじめ)に当(あた)りて大声(たいせい)呼号(こごう)せられたる獅子吼(ししく)なり。文辞(ぶんじ)の雄大にして細微(さいび)に透徹せる、神意の幽玄不可測にして世情を観破(かんぱ)したる、凡人の企(くわだ)て及ばざる所大本教(だいほんけふ)の骨子は茲(ここ)にあり。即ち警世(けいせい)教俗(けふぞく)の本義、神の威力、神の慈愛等(とう)、数言(すうげん)にて尽(つく)されたりと謂ふ可(べ)し。
 御照(おてら)しは一体 七王(ななわう)も八王(やわう)も王が在れば世界の苦説が絶えぬぞよ、世界中一つに丸めて一つの王で治める仕組が致してあるぞよ、日本は神国(しんこく) かみの守る誠の親国(おやくに)ぞよ
 大本教(だいほんけふ)信条第五条の
我等(われら)は大教主の予言の如く、天に一つの太陽ありて万物を統べ給ふ如く、地にも亦(また)一つの国王の顕はれて総ての国を治め給ふに至る事を信ず、とあるは右の聖旨に本(もと)づきしもの也。
 本条の精神を略叙せんに、凡て秩序と統一は宇宙の理法にして森羅万象悉(ことごと)く秩序と統一を有す。例へば一家族は其(その)家長に由(よ)りて統一せられ、一村は其村長によりて統一せられ、一郡は其郡長によりて統一せられ、一府県は其県府知事によりて統一せられ、内務行政は内務大臣に由(より)て統一せられ、外交は外務大臣に由りて統一せらるるが如くに、一国家の総ての事は帝王又は大統領等(とう)に依りて統一せられ、天に一つの太陽ありて天体の運行を統一する如く地にも又一つの主権者に依りて統治せらるべきものたるは当然の勢(いきほひ)なり。
 然るに現今は一国家の統一ありと雖(いへど)も世界には多数の帝王亦(また)は大統領ありて互(たがい)に領土を争ひつつあり。これ至粋至醇(しじゆん)なる惟神(ゐしん)の大道(だいどう)の未だ天下に行はれざるに職由(しよくゆ)せる不道理不自然の極(きわみ)なり。即ち天に一つの太陽ありて万物の中心となり、宇宙を遍照(へんせう)して統一するが如く、地上にも必ずや一人(いちにん)の義(ただ)しき帝王の出顕して個々独立せる世界万国を惟神(ゐしん)大本教(だいほんけふ)の教理の下(もと)に総合統一せらるるべからず。亦(ま)た自然の大道は必ず茲(ここ)に至るべき事を信ずるなり。これ皇祖天照大神を初め本教開祖の唱導し給へる万古不易の確言(かくげん)なり。斯(かか)る事実の出現は前途頗(すこぶ)る遼遠なる論理にして容易の事にあらず。畢竟(ひつきよう)一(いつ)の甘(あま)き空想に過ぎずとして一笑に付し去るものあらんも、是ぞ天下の大勢(たいせい)を知らざる愚者の見(けん)にして大(おほい)なる誤想(ごそう)と謂ふ可し。見よ世界の実際は着々として此予言に近づきつつあるにあらずや。
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