霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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誘惑

インフォメーション
題名:誘惑 著者:出口王仁三郎
ページ:326
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-10-30 20:57:00 文字数:722 OBC :B119300c075
二十六七歳の頃
西条(にしでう)の飲食店にあそぶ夕(ゆふ)べ見知らぬをんな艶書(えんしよ)くれたり
雪隠(せついん)にいりて艶書(えんしよ)をひもとけば明日(あす)の夜(よ)某所に来(きた)れと記せり
友の目の多きその夜(よ)は一目(ひとめ)だも眠らず夜(よる)の明くるを待ちけり
花匂(にほ)ひ蝶は舞へども春の日のたそがれ遅きを待ちあぐみたり
乳牛(ちちうし)に夕(ゆふ)べの食(しよく)をあたへおきて人目(ひとめ)をしのび牧場(ぼくぢやう)を出(い)づ
彼(か)の女(をんな)たづねて行けば影もなしただ一通の置手紙(おきてがみ)あり
置手紙(おきてがみ)とる手遅(おそ)しとひらきみれば内丸町(うちまるちやう)の某家(ぼうけ)と記せり
足速(あしばや)に某家(ぼうけ)に行けば当の女(をんな)酒や肴(さかな)をこさへてまてり
恋人のあつき心を無(む)にせじと舌もつるまで盃(はい)かたむくる
荷車(にぐるま)のゆく音ききて目を覚まし夜明けと思ひとび起きにけり
彼(か)の女(をんな)吾(わ)が衣手(ころもで)をばひきつかみ真夜中ですよと止(とど)めてやまず
昼のごと明(あか)き月夜にあざむかれとむるもきかで飛び出し帰る
彼(か)の女(をんな)追つかけ来(きた)り明日(あす)の夜(よ)はゆつくりネーと半ば泣き居り
○
風(かぜ)の口(くち)の野路(のぢ)に帰れば空暗(くら)くねむけもよほし足も運ばず
真夜中の野路(のぢ)を睡魔(すゐま)におそはれて道に藁(わら)しきよこたはりけり
藁(わら)の上(へ)によこたはりしまま熟睡(うまゐ)して華胥(くわしよ)の御国(みくに)に遊ぶ春の夜(よ)
野(の)の小路(をぢ)にいねたるわれは牛車(うしぐるま)ひく大牛(おほうし)に起(おこ)されにけり
目覚むれば牛は鼻にて吾(わ)が顔を息もあらあらかぎてゐたるも
牛の鼻ぐつとつかみてやうやくに微傷(びしやう)だもせず起(お)きあがりたり
牛車(うしぐるま)ひきたる人は六人(むたり)づれ夜(よる)のあそびの友のみなりき
こりや喜楽馬鹿にするなよ亀岡へ行きよつたのだおごれと呶鳴る
おごるともそりやおごるともおごるとも牝牛(めうし)の睾丸(きんたま)もてこいといふ
馬鹿にすな牝牛(めうし)に睾丸(きんたま)あるならば馬にも角(つの)があると友いふ
風(かぜ)の口(くち)の朝(あした)の空を春風(はるかぜ)にふかれて帰る眠たさつらさよ
車清(くるませ)の土橋(どばし)を渡るねむた目の足の千鳥(ちどり)のあやふかりけり
小幡川(をばたがは)板橋(いたばし)渡れば朝風(あさかぜ)のぼやぼや眠(ねむ)し朝がへりの身に
小幡(をばた)神社(みや)華表(とりゐ)の下に手を合はせ昨夜(さくや)の吾(われ)の行為を詫(わ)びたり
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