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言霊学より見たる鳥(承前)

インフォメーション
題名:言霊学より見たる鳥(承前) 著者:王仁
誌名:神霊界 掲載号: ページ:22 目次メモ:
概要: 備考: タグ: データ凡例:共通凡例B データ最終更新日:2021-03-24 21:15:24 OBC :M192919180915c05
[#前号からの続き]
言霊学より見たる鳥(承前)

      王仁

   ◎(すずめ)

ススメとは、は鳥の霊なり、ムレ(かへし)「反」とは言霊反し(ことたまかへし)のこと。底本にフリガナは無いが読者の便宜を考え「かへし」とフリガナを付けた。以下同じ。にして、群れ鳥といふ名なり。

   ◎水鶏底本では「鶏」ではなく「雞」。

クヒナとはは土のことなり、ハシ(かへし)は鳴くことにして(はし)を以て土を鳴らすといふ名なり、故に()くとは()はずして叩くといふなり。

   ◎(つばくら)

ツバクラとは、は渦巻くこと、は土也、クラとは寝座(ねぐら)鳥巣(とくら)クラと同じく土を以て渦巻きたる巣を造るといふを名としていふなり。

   ◎(さぎ)

サギとは、本語はシラキなるをシラ(かへし)にてサギといふ、に通ひてシロキなり、白を名にして鷺といふ。

   ◎翡翠(かはせみ)

カハセミとは川瀬見の義にして(この)鳥は喬木(たかき)に居て川瀬を登る魚を取りて喰ふなり、(これ)を名として川瀬見といふ、毛色の美しきに()りて翡翠ひすいの文字を借るなり。

   ◎ウ

とは、は黒きこと沈むことにて、(その)色黒くして()く水中に潜るを名となす也。

   ◎(うぐいす)

ウグイスとは、ウクは浮くなり、は火なり、は鳥なり、即ち(うぐ)()()といふことにして、陰中に潜まりたる陽の浮出る事を知る鳥といふ名なり、故に文字の形火火「鴬」の旧字体「鶯」は頭に「火」が二つある。は即ち火なり、「鶯」の火火の下にあるワ冠のこと。にして()なり陰なり、火(ゐん)の上に(なら)び現る鳥といふ画なり。此の鳥の鳴く声を聞くにホホホケキヤウ(きこ)ゆ、ホホホとは即ち火火火なり。は正しきこと気にして(あや)なり。()()()と天地の気(あら)はれて正しく(あや)をなすといふ音にして、()く春の来るを知る鳥なり、故に古今集に
「春きぬと人はいふとも鴬の 鳴かぬ限りはあらじとぞ思ふ」壬生忠岑(みぶのただみね)作。
と読るは(この)義なり。

   ◎子規(ほととぎす)

ホトトギスといふ()なり、ひふ「ひふ」は小さな活字。活用(はたら)き、トキとは(はや)きことにしては鳥なり、(この)鳥は火の気強く飛ぶこと(はや)きといふ名なり、故にヲチカヘリ鳴くなど云ふヲチ(をち)の義にして、遠きに鳴かんとすれば(たちま)ち近きに帰りて(なく)ことにて遠近(をちこち)の疾きをいふなり、此鳥をシデノタヲサといふことの本は早苗を植る時に鳴いて即ちシツケの田長の義によるの名なり、シツケツケ(かへし)にしてシデ田長(たをさ)といふ故に
『名のみたつしでの田長はけさぞなく いほりあまたにうとまれぬれば』伊勢物語 43段
『いくばくの田を作くればかほととぎす しでの田長をあさなあさななく』古今和歌集 第19巻 1013番 藤原敏行(ふじわらのとしゆき)作。
とも読みたり、其シデは死出と響くを以て転用して冥途の鳥ともいふ、皆(ことば)の活用より設けていふなり。元来冥土に鳥の有るべき義は無し。
田長(たをさ)とは長百姓(をさびやくしやう)のことなり、名主は公を(つかさど)るなり、長百姓は耕作を宰るなり、故に田長といふ)

   ◎(はと)

ハトとは、ハト(かへし)なり、鳴音ホホホウ(きこ)ゆ、此こゑを名としてハトといふ也。

   ◎(ふくろ)

フクロとは、フクロ(かへし)なり、其こゑホホウホウホウと鳴く、其こゑを名としてフクロといふなり。

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