霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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神諭

インフォメーション
題名:神諭 著者:
誌名:神霊界 掲載号: ページ:1 目次メモ:
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :M192919190301c01
大正八年二月十八日
艮の金神国常立之尊が世界の中心田庭の国の神屋敷、神宮本宮坪の内、竜宮やかたの地の高天原に現はれて、瑞の御魂の宿りて居る言霊幸彦命の手を借りて、世の根本からの大略の因縁を書いて置くぞよ。恋しくば尋ね来て見よ丹波の、山と山との畳並ベる綾部の里の谷間の、世の大本に咲く花の薫る在所を。
 二度目の世の立替改造は、天の在る限り地の在る極み、根底の国のドン底までも、説いて聞かせる綾部の大本であるぞよ。変性男子と変性女子の身魂が現はれて、世界の改造を致して居る事は、此の節分からは明白に成りて来て居ろうがな。明治二十五年から三十年で世の立替立直しを致すと申して、出口直の手と口とで知らした事の実地が、誰の眼にも付く如うになりて来て居るのに、肝心の大本ヘ這入りて永らく筆先を読みて居る人民に何も判らぬので、神界の経綸は世界から一日ましに実現するなり、膝下はアフンと致して結構な神徳を後の烏に奪つて帰られるからと、毎度気を付けてありたから、今に成りて元の役員は何程地団駄踏んで悔しがりても追付かぬから、素直に致して何なりと身に合ふた御用を、一生懸命に勤めて下されよ。今迄は元の役は皆慢神いたして瑞の御魂の五六七の世の御用の邪魔計り致して居りたから、大変な神界の御気障り、世界改造の御用が十年も後れて居るから、明治二十五年に三十年の間に全部世界改造を遂功て、結構な神界に致そうと思ふた仕組を、元の役員が女子の御用の邪魔計り致して、十年余り後れさして居るから、余程御詫を致して、十分の活動を致さんと天地から御許しがないぞよ。毎時出口直の手で、変性女子は大化物であるから、取違いを致すなと申して知らしてあれど、余り慢神の強い、訳の分らぬ身魂で在るから、力一杯変性女子の御用の邪魔を致して置いて、大変な結構な御用を致して来た様に思ふて、今に大きな取違い計り致して居るぞよ。此の大本は元の役員が在りたならこそ、茲まで発達したのぢやと云ふやうな心で居るが、それがヱライ慢神取違いであるぞよ。元の役員が覇張らずに控えて居りたなら、モウ十年早く物事が運びて、世界の人民も早く助かり、神界もモチト早ふ満足して戴けるので在りたなれど、十二人の役員の慢神取違いが今に響ひて来て、世界の事が大変に後れて了ふて、神も迷惑を致して居るぞよ。早く大本の中の元からの役員の身魂の改正を致さねば、神界の経綸の邪魔に成る計りで在るから、今の中に改心が出来れば良し、堂しても改心が出来ねば、可愛〔哀〕想でも世界の万民と少しの人民とは代えられんから、小の虫を殺して父も大の虫を助けねば成らぬから、重ねて気を附けるぞよ。後から参りた役員も未だ時日が浅いから、判らぬのも無理はないから、余り八釜敷うは申さぬなれど、世界の物事が絶命の所まで迫りて居るから、神界も急ぐから、一日も早く身魂を研いて、誠の日本魂を発揮して下され。油断はチツトも出来ぬ世界の大本であるぞよ。
 いよいよ三千年の神界の経綸の時節が来たぞよ。三千年と申しても、百を三十重ねた意味では無いぞよ。数十万年の永き神の世一代を指して申す事であるぞよ。古き神世の有様を早く世界の人民に解いて聞かさんと、日本の神国の人民が、天地を経綸する主宰者で在りながら、外国の人民と同じ如うに成りて了ふて居るから、第一番に日本の人民が我身魂の天職を覚りて、日本魂に立帰りて、神世からの尊い因縁を覚りた上、世界の人民を助けて与らねば成らぬ、天来の大責任者であるぞよ。世界に大混雑が起るのも、悪い病が流行るのも、日本の人民の上下の身魂が曇りて、天までも曇らして、日本魂の活動が出来ぬからの事で在るぞよ。世界の小言の絶えぬのも、日本国の責任であるから、斯の地の世界を守護いたす、日本の守護神と人民が一番に改心を致して、天地の間を清浄に致さねば、何時までも天下泰平には治まらんぞよ。日本の人民は尊とき天地の神の宮に拵らへてあるので在るから、神の生き宮を余程清浄に致さんと、神が生きた宮に住みて、天地経綸の御用を勤める事は出来んから一日も早く今までの汚ない心や、小さい物慾を速川の瀬に流し捨てゝ、身禊の行を致して居らんと、肝腎要めの世界改造の御用が勤め上がらんぞよ。此の時代に生れて来た日本の人民は、特別に神界の仕組に仕ふやうに生れさして在るのであるから、今の日本の人民は、天地の使命が中昔の世の人民とは一層重大いのであるぞよ。同じ地の世界でも日本の国ぐらい結構な国はないぞよ。其の結構な日本の神国に生を享けた神民は、猶更この上もなぎ仕合せもので在るから、世界万国に対する責任が、外国の人民よりは何十倍も重いので在るから、自己本意の精神では日本の人民とは申されんぞよ。斯の結構な神国の神民が、霊主体従の行り方を薩張り忘れて了ふて、外国の体主霊後の世の持ち方に八分も九分も成りて了ふて居るのも、昔の神代に露国で育ちた八尾八頭の大蛇の悪霊に欺し込まれて、泥の世界に浸み切つて居るから、艮の金神が神世一代の苦労を致して、五六七の大神様の御加勢で、水晶の神世に立直す経綸であれども、永らくの間泥に浸みた守護神人民であるから、何程言ひ聞かしても耳へ這入らず、泥の世界から暗の世界ヘ落ち行うと致す、一寸先きの見えぬ盲目同様の身魂に成りて、今では外国人よりも劣りた人民が沢山出来て居るから、神も中々骨が折れるぞよ。今が世界の大峠の坂に掛りた所で危機一髪の場合であるから、攻めて因縁ありて引き寄せられた大本の役員信者が、一日も早く改心いたして、我身の荷物を軽くいたして、千騎一騎の活動を致して、千載一遇の神業に参加いたして、末代の晴れの舞台を踏みて下されよ。神は信心の旧い新しいは申さんから、判りた人から我一と神国成就の為に活動いたして、天地の祖神様の御神慮を安んじ奉るように致して下され。小さい物質の慾位いに心を曳かれて居るやうな事では、到底此度の大神業は勤まりは致さんぞよ。神の方には役員信者の区別は致さん、身魂の研けた人民から神徳を渡すから誰に由らず身魂次第で、神界から黙りて居りて御用を其人の知らぬ間に致さして居るから、其の覚悟を致してをらねば大間違いが出来るぞよ。神界は誰彼の区別はないから、身魂の研けた人民から其れぐの御用に使ふてをるから、未だ此の大本の名も在所も何も知らぬ人民でも結構な御用が命して在るぞよ。其れで此の大本は外にも沢山に経綸の御用が致さして在るから、油断は一寸も出来んと申して、いつも筆先で気を付けてありたのじやぞよ。是から未だ未だ神界の経綸の良く解る、結構な御用の出来る守護神人民を、地の高天原へ引き寄せるから、大本の神霊界を充分に骨折りて世界へ拡めて下され、神が守護を至すから、未だ未だ経綸の人民が世に隠れてをるぞよ。其人を一日も早く引き寄して、経綸の御用に使はねば、神界が後れる計りで、世界の人民の困難が永く成る計りで在るぞよ。神の警告した筆先を見いでも、少しでも身魂の光りた守護神人民で在りたら、此後の世界の成行きの様子が見当が付かねば成らぬやうに、世の中の様子が変りて来て居るのに、体主霊従の外国の身魂に染み切りて居るから、先きが見えぬどころか、我身の脚下へ火が焼えて来て、身体が半分火傷する所まで気が付かぬやうな、動物よりも劣りた穀潰しの人民が、幾千万人居りた所で、何の役にも立ちは致さん、米喰虫の蛆虫同然、国が立うが立つまいが、外国に奪られようが何うなろうが、我身さヘ気楽に食えさえしたら良いと云ふ今の世界の有様、今に人が人を喰ふやうに成るから、其う成りたら一旦この世界を根本から元の○○に致して、改造さねば成らぬから、可成は此儘で世界の人民を改心さして、世を立てたいのが艮の金神の一心であるから、後で取返しは成らんから、同じ事をクドウ申して知らすので在るから、日本の人民神の生き宮ならチツトは神の心も推量して下されよ。
 艮の金神大国常立之尊が、天照彦之命の御魂の宿りて居る、坤の金神の生き宮、言霊幸彦命の手を借りて天地の開けた時からの世の成立から、神々の各自の御活動を書いて知らすぞよ。田庭の国は世界の始り、游能碁呂島の正中で、天地を造り固めた世の音の世の元、言霊の最初に鳴り出でし、天地経綸の霊地であるぞよ。出口の守と申すのも言霊の活用の事であるぞよ。夫れで綾部の大本へ出て来ねば、天地を一声の下に震動させ、雨風を自由に使い、雷神を駆使すると云ふ事は出来ぬので在るぞよ。天地経綸の神力なる言霊アオウエイ五大母音は綾の高天原の神屋敷が大本であるぞよ。人体を備へた五男三女の神は、近江の国が始り、其他の生物は八木が始まりで在るぞよ。この言霊の初り、丹波綾部、竜宮舘の地の高天原、神宮本宮の神屋敷に、伊都の身魂、瑞能身魂の二柱が表はれて、元の神世へ世を捻じ直す時節が来たのであるぞよ。式三番叟の歌にも、今日の三番叟、天下泰平、国土成就、日は照るとも曇るとも、鳴るは五十鈴の滝の水々々々、千秋万歳、処も富貴繁昌、この色の白き尉どのが治め参らせ候事は何よりも易き事にて候。元の屋敷へ御直り候と申す事は、今度の二度目の世の立替の、変性男子と女子との活動の事やら、綾部に二柱の神の立帰りて、天下泰平に世を治めて、万古末代続かすと云ふ事の神示が、神界から作りて在りたのじやぞよ。三千世界の立替の三番叟も恙なく相済みて、弥々初段が世界に初りたから、皆一日も早く改心致さぬと後の祭りに成りて、肝心の晴の舞台に登場出来んぞよ。
  O
 世界の人民は皆天地の神の分霊分体であり、亦た神々の宿にて世界を開発く生き宮であるぞよ。中にも日本は豊葦原の中津国と申して在るが、其中津国に生れた人民は殊更上級の神々の生宮で在るから、神国の神民は上御一人の現人神を真の親とし主となし師と致して上下心を一に固めて、天地の経綸を行ふ可き天職の有る事を悟り、一日も早く今迄の誤まりた精神を立直して、二度目の天の岩戸を開ひて、常世往く黒白も分かぬ暗黒界を光り輝やく神世に致さねば、天地の神々様に申訳が立たぬぞよ。此の大本の教が真実に腹に納まりて、其行いが出来る人民でありたら、夫れが誠の差添の種で在るぞよ。是から本の種を現はして善と悪とを分けて見せるぞよ。此の神の経綸は何程悪の種でも今度の際に改心さえ致したなら、元の胤を表はさずに善と悪との真釣合はせを致して御用を致さすから、此の金神の慈悲心が心の底に浸徹りたら、如何な悪魔も改心せずには居れぬやうに成りて、心から発根と改心いたすやうに成るから、第一番にこの大本の内部から充分身魂を清らかに致さんと、世界の神と守護神人民に押しが利かんぞよ。今が大本の千騎一騎の改心の時で在るぞよ。一日でも後れる程世界が永く苦しむぞよ。
 この地の世界の初りは世界一体に泥海で在つて、光りも温みも何ものもなかりたぞよ。丁度譬へて曰へば朧月夜の二三層倍も暗い冷たい世界で、山も河も草木も何一種なかつたので在るぞよ。其泥の世界に身の丈けは五百丈ばかり、身の太さは三百丈程も在る蛇体の荒神が住居して居られたのが、御精神の良い大神様の前身で、是が五六七の大神様と御成り遊ばしたので在るぞよ。誠に長閑やかな御神姿で、鱗は一枚もなし、角も一本もなし、体の色は青水晶のやうな立派な神様で、天地の元の祖神と成られたので在るぞよ。斯世を創造して、天地を開く事に非常に苦心遊ばしましたのが、此の大神様が第一番で、ミロクの大神ともツキの大神とも申上げる御神様であるぞよ。世界を造るに就て非常に独神で御心配遊ばして御座る所へ、同じく似たやうな御神姿の大蛇神が現はれたが、此の神には十六本の頭に角が生えて、其角の先から大変な光りが現はれて居る神様に、五六七の大神様が世界創造の御相談をお掛けになつたので在るぞよ。扨て其時の六六六の大神様の御言葉には、何時まで斯うして泥の世界の暗い所に住居を致して居つても、何一つの楽みもなし、何の功能もなし、沢山の眷属も在る事なり。何とか致して立派な天地を造り上げ、万の眷属の楽しく暮すやうに致したいのが、我の大望で在るが、其方様は我の片腕となりて天地を立別け、美はしき地上の世界を造る御心は有りませぬかと御尋ね遊ばしたら、日の大神の前身なる頭に十六本の光る角を生やした大蛇神様が御答には、我身は女体の事なり、且つ又た斯んな業の深い見苦しき姿で在りますから、貴神様の如うな御精神の良い、立派な神様の片腕に成ると云ふ事は、恐れ入りて御言葉に従ふ事が出来ませぬと、大変に嫌だつて御辞退を遊ばしたなれど、六六六の大神様が強いて御頼みに成り我の片腕に成るのは其方様より外にない、我が見込んで居るからとの仰せに、日の大神様も左様なれば御本望の遂ぐるまで我身の力一杯活動いたして見ます、去る代りに天地が立派に出来上りましたら、我を末代貴神様の女房役と致して下され私は女房役となりて万古末代世界を照しますとの御約束が地の高天原の竜宮舘で結ばれたので在りたぞよ。其所へ艮の金神の前身国常立尊の荒神が現ばれて、世界を造り遊ばす御手伝を命して下されと御願申上げたので在りたぞよ。そこで六六六の大神様が早速に御承知被下て仰せ遊ばすには、其方は見掛に由らぬ誠忠無比の神であるから世界の一切を委すから、落度のなきやうに致すが良かろうと仰せられ、其上に国常立之命に思兼の神と申す御名を下され、八百万の神様を天の山河澄の川原に集めて一人の眷属も残さず相談の中間え入れて大集会を遊ばしたので地の在る限りに住居いたして居れる蛇体の神々様が集り合ふて御協議の上、六六六様の仰せの通りに国常立之命を総体の局に選み下さりたのであるぞよ。
 そこで八百万の神々の意見を聞き取りて、其の由を五六七の大神様へ申上げたら、日の大神伊邪那岐之尊様と月の大神五六七様との御弐体の大神様が更に集会あそばして、国常立之尊を地の造り主と致すぞよとの御命令が下りたので、此の方が地の主宰となりて多陀与幣流地面を修理固成いたしたのであるぞよ。天も水(六)中界も水(六)下界も水(六)で世界中の天地中界三才が水(六)計りで在りた世に一番の大将神の御位で御出遊ばしたので六(水)を三つ合せてミロクの大神と申すのであるが、天の水の(六)の中からヽの一霊が地に下りて五(火)と天が固まり地の六(水)にヽの一霊が加はりて地は七(地成)となりたから、世の元から申せば、ミロクは六六六なり、今の世の立直しの御用から申せばミロクは五六七と成るのであるから、六百六十六の守護は今までのミロクで、是からの、ミロクの御働きは五六七と成るので在るぞよ。国常立之尊が世の元を修理固成るに就て、天地中界の区別もなく、世界は一団の泥土泥水で手の附け様がなかりたので、堅いお土の種をミロクの大神様に御願い申し上げたら、大神様が直ぐに御承知になりて一生懸命に息を吹き懸けなされて一凝りの堅いお土が出来たのを国常立之尊の此方に御授けに成りたので其一団の御土を種に致して土と水とを立別け、山、川、原、野、海を拵らえたのが地の先祖の大国常立之尊であるぞよ。艮の金神の金神大国常立之尊の姿は今まで筆先にも現はした事はなかりたなれど、畏れ多きミロクの大神様、日の大神さまの御神姿まで筆先に出して知らしたから、何時までも発表を見合はす事が出来ぬから、実地の姿を書き誌すぞよ。
 大国常立之尊の元の誠の姿は頭に八本角の生えた鬼神の姿で、皆の神々が余り恐ろしいと申して寄り附かぬやうに致した位いの姿で在るから、今の人民に元の真の姿を見せたら、震い上りて眼を廻すぞよ。
 月の大神に御成遊ばした五六七の大神様と日の大神様と、御二体の大神が(水火)を合はして天を固めに御上り遊ばした霊場が今の綾部の神宮本宮の坪の内、竜宮舘の地の高天原であるぞよ。日本は世界の中心であり、綾部は日本の中心で在るから、天地の神々が世の元から昇り降りを致されたり集会を遊ばし坐て、天地を造られる折に御相談なされた結構な霊地であるから、其時分にはたつ鳥も落ちる勢いの場所で言霊の世の元でありたぞよ。其後に艮の金神が八百万の邪神に艮へ押込められてから、一且は悉皆影も形もなきやうに亡びて了ふたが、時節参りて煎豆にも花が咲きて再び国常立之尊の世に世が戻りて来たから、変性男子と女子との身魂を借りて、世の元からの因縁を説いて聞かせる世界一の大本と成りたので在るぞよ。天の固まりたのは御弐体の大神様が天へ上りて各自に水火を合はしてキリキリと左右に三遍御舞い成されて伊吹の狭霧を遊ばすと、夫れで天が完全に固成たので在るぞよ。次に亦た吹き出し玉ふ伊吹の狭霧に由りて天幾億万の星が出現したので在るぞよ。其星の数だけ地の世界に生物が育ちたら夫れで一旦世の洗い替に成るので在るぞよ。天は判然と造れたなれど、未だ地の世界が充分に固まりて居らなんだ際に、頭に十本の角の生へた大蛇神が我は地の世界の修理固成の加勢よりも天へ上りて天上から働き度いと申されて天で○○○○○○と成られたのであるが、大変な御神力が強いので御惣領に為てあるなれど、今の世界の人民の思ふて居る様な事とは神界の様子は又た大変な違いであるぞよ。それで先づ天の方は固まりて動かぬ事に成りたなれど、国常立之尊の主宰する地の世界は未だ充分の所へは行て居らんから、此方が先途に立ちて地の在らん限り方々の神に申付けて持場持場を固めさしたのが国々の国魂神で在るぞよ。其折には何れの神も心一つに素直に活動なされて、地の世界も程なく固まりて眼鼻が付く様に成つたのであるが、今の露国の方面に八頭八尾の大蛇神が住居いたして居りたか、其蛇神の目的は綾部の高天原を中心として置いて、自身が天へ上りて天から末代地の世界を守護いたし度いと云ふ思わくで在りたなれど、夫れより先に天を造りたいと思ふて夫れ夫れ苦労を遊ばしたミロク様なり、一番に相談に乗つて供々に活動なされた日の大神様なり、地の世界は国常立之尊なり、世の元の根本の始りに天地三体の神が八百万の神を集めて天地を創造いたした其後へ八頭八尾の巨蛇神が現はれて、何程天地を自由に致そうと思ふても誰も相手に致すものがなかつたのであるぞよ。其の八頭八尾の蛇神が地の世界を充分乱らして置いて、我の自由に致す考えで種々と甘い事を申して誠の神まで手に入れて、此の神国の世を持荒らし、終には地の先祖の此方まで押込めるやうに企みて悪の目的が今まではトントン拍子に面白い程来たなれど、今度は艮へ押込められて居りた此方が時節で世に出て地の世界の一切を主宰するやうに成りたから、改心いたせば共々に手を曳合ふて神界の御用に立てゝ与るなり、改心出来ねば弥々艮めを刺して往生さすぞよ。

大正八年二月二十日
 艮の金神国常立之命の御魂が瑞の御魂の宿りて居る言霊幸彦之命の手を藉りて世界の根本の成立を書きおくぞよ。天は日の大神月の大神様は御両神が御固め遊ばしで結構で在れど、地の世界は八百万の荒神を使ふて所々の持場をそれぞれに凝めたなれど、山にも野にも草木一本もなく、全然炮烙を伏せた如うな有様で在つたから、国常立之尊が一旦天ヘ登りて御両方の大神様に地上繁栄の御指示を御願申上げたら、天の御二方様が仰せには、世界の大体を固めるには勇猛な神力が要るから、○○の姿でなければ活動が出来ぬなれど、斯の通山川海野が出来上りた上は山野に草木を生やさねば成らぬから、天にも夫婦が水火を合して活動したので在るから、地にも夫婦と云ふ事を拵らえて陰陽を揃えねば成らぬとの御神言で在つたから、艮役の金神が女房を御授け下されたいと御願申上げると、天に坐ます御二方様が頭に角の四本ある○○のヒツシ姫命を女房に御授け下さりたから、艮の金神は未姫の神と夫婦と成り両神が水火を合して山に向つて、ウーとアーの言霊を産み出し、一生懸命に気吹を致すと山の上に雌松が一本生えたのが木の世界に現はれた根元であるぞよ。松が一本限りでは種が出来ぬから、今度はヒツジ姫が一神で気吹放ちを致すと、又た雄松が一本出来たので、二本の松の水火から松傘が実り種を生みして今の様な世界の良き土地に限りて、松が繁り栄えるやうに成りたので在るぞよ。松を木の公と申すのは世界に一番先きに出来たからで在るぞよ。綾部の大本は天地の初発の神が現はれて世界の経綸を致す霊地であるから、松の大本とも申すので在るぞよ。
 天に坐ます日の大神伊邪那岐之尊様が九天の日向のアオウエイ五大母音のカサタナハマヤラワで禊身し給ひ、祓戸四柱の神様を生み遊ばし、最後に右の御眼を洗ひて月球を造り、左の御眼を洗ひて日球を造り、御鼻を洗ひ給ひて素盞嗚之命を生み遊ばし、御自分は天の日能若宮に鎮まり遊ばし、月の大神様は月界の御守護を遊ばす事に成り、天照大御神様は天上の御主宰と成られたが、素盞嗚命は海原を知召す可しと仰せられたので、天より御降りに成り海原の守護と成られたので在るぞよ。海原の守護と申す事は全地上の主宰であるが、艮の金神坤の金神が既に大体を修理固成いたした所へ大地の主宰神が御降りに成つたので、天にも御両方の神様が御固め遊ばした所を天照皇太神宮様が総主権を御持ち遊ばしたので在るから、地の世界も天に従ふて主権を素盞嗚尊に御譲り申上げ艮の金神坤の金神は地の上の一切の世話を致して時節を待つ事に致して居りたぞよ。此大神様は神代の英雄で何事もハキハキと万事を片付ける器量の在る神様で在れど、余り行り方が激しかつたので、地の上の守護神が色々と苦情を申して終には大神の御命令を一柱の神も聞かぬ如うに立到つたので、大神様も地の世界が厭に成り、月の大神様の守護遊ばす夜見の国へ行くと云ふ覚悟を遊ばしたのであるが、夫れまでに天に坐ます姉神の天照皇太神宮に暇乞を成さんと仰せられ、大変な御勢いで天へ御登りに成つたから、山川も国土も一度に震動して大変な事変に成つたので在る。そこで天上に坐ます天照大御神様が非常に驚きなされて、彼の如うな勢いで天へ上り来るのは此の高天原を弟神素盞嗚尊が占領する心算で在ろうと思召して、大変な戦いの用意を為して御待受けになり、天の八洲河原に於て誓約を遊ばし、御両神様の御魂から五男三女の八柱の神が御生れ遊ばしたので在るが、是が神が人間の肉体に成りた初りで在るぞよ。口で申せば短いなれど、此の誓約を遊ばして八柱の神を御生みに成る間と云ふものは数十万年の永い月日が掛りて居るぞよ。其間に艮の金神と坤の金神が相談いたして天照皇太神宮様の御妹神若日女君命を天から下げて戴き、地の世界の主宰神と仰ぎ奉り、世界経綸の機を織りつゝ世界を治めて居りたので在るぞよ。若姫君之尊は三男五女神の八柱神を養育して立派に神代の政治を遊ばして居れた処へ元の素盞嗚之命様か又た地の世界へ降りて非常に御立腹遊ばして若姫君の命の生命を取り天も地も一度に震動させ再び常夜の暗となり、万の妖神が荒れ出し何うにも斯うにも始末が付かぬ如うに成りたので、天に坐ます天照大御神様は終に地球之洞穴へ御隠れ遊ばし、天も地も真の暗みと成つて了ふたので、八百万の神々が地の高天原の竜宮舘に神集ひして、艮の金神は思兼神となりて色々と苦心の末に天之岩戸を開き天地は再び照明に成つたので在るぞよ。
 そこで神々様の協議の結果、素盞嗚尊に重き罪を負はせて外国へ神退いに退はれたので、素盞嗚尊は神妙に罪を負ひ贖罪の為に世界中の邪神を平定遊ばし終には八岐の大蛇を退治して、叢雲の剣を得、之を天照皇大神に奉られたので在るぞよ。其時に退治された八頭八尾の大蛇の霊が近江の国の伊吹山に止まり、日本武命に危害を加へて置いて元の露国の古巣へ迯げ帰り、色々として世界を魔の国に致す企みを致して今度の世界の大戦争を初めたので在るぞよ。日本を一旦は覗ふたなれど、余り神力の強い国土であるから、海を渡りて支那や、印土を乱だし、露国までも潰ぶし、モ一とつ向ふの強い国の王まで世に落し、まだ飽き足らいで今度は一番大きな国へ渡り日本の神国を破りて魔の国に致す仕組を致して居るから、日本の人民は日本魂を研き上げて、一天万乗の大君を守り大神を敬まい誠を貫かねば、今の人民の如うに民主々義に精神を奪られて居るやうな事では、今度は八岐の大蛇に自由自在に潰されて了ふから、日本神国の人民は一日も早く改心致して下されと、クドウ神が申すので在るぞよ。
 素盞嗚命は外国へ御出遊ばして一旦は陣曳を遊ばしたので、地の世界に肝心の主宰神がなく成りたから、撞の大神様が元の地の世界を締固めた国常立之尊に改めて守護致すやうにとの御命令が下りたので、夫婦揃ふて一旦潰れて了ふた同様の世界を守護いたして居りたなれど、余り厳しい固苦しい世の治方であるから、八百万の神々が心を合はして天の大神様へ艮の金神根の国へ退去するやうの御願いを成されたので、天の大神様は兎も角も時節の来るまで差控へよとの厳命でありた故に、神教の通り素直に艮へ退去いたしたので在りたぞよ。其時から艮の金神は悪神と云ふ名を八百万の神から附けられて悔し残念を堪り詰て来た御蔭で、一旦斯世が泥海に成る所を受取りて世の立替の後の立直しの御用を勤めさして頂くやうに成りたので在るから、何事も時節を待てば、煎豆にも枯木にも花の咲く事があるから、時節の力くらい恐いものゝ結構なものはないから、人民も物事を急かずに時節さえ待ちたら何事も結構が出て来るから、辛抱が肝要であるぞよ。
 艮の金神が世の初りに地の世界を造り固め、次に夫婦が呼吸を合して、種々の樹木や草を生み出した其間が数万年、夫れから蛇体の神計りでは世界の隅々まで細やかに開く事が出来ぬから、八百万の神の知らぬ間に人間を作る事を考がえ、終に夫婦の人間を水と火と土とで造りたのが永い間掛りて苦労致したので在るぞよ。五男三女の八柱神は竜体から変じて生れられたので在れど、普通の人間は土の中で蒸し湧いたので在るぞよ。
 今は暗りでも人民が安々と出来るやうに世が開けて、人民が腹に児を孕むやうに容易い事になりて居れども、矢張り艮坤の両神が守護いたさぬ事には猫の子一疋産むと云ふ事は出来ぬので在れども、今の人民は男と女と寄りさへすれば何時でも勝手に児が生れるやうに取違いを致して居るから、神の恩と云ふ事を一つも思はぬから、我児が我の自由に言ふ事を聞かぬ様に成るので在るぞよ。我の体内を借りて生れるから、仮に我児と名を附けさして在れど、実際は神が天地経綸の為に道具に使ふやうに生まして在るのじやぞよ。

大正八年二月二十一日
 艮の金神国常立之尊が竜宮館の地の高天原の神屋敷に現はれて、天照彦之尊の御魂の宿りた言霊幸彦命の体内を借りて世界改造の筆先を誌しおくぞよ。明治二十五年から大出口直の手を借りて世界に出現事変一切を日本の守護神人民に警告てをいた事の実地が近よりて来たぞよ。
 日本の神国に生れて来た身魂は皆日本魂の性来が授けて在りて上中下の三段の身魂が天から降して世界を経綸させるやうに天国の政治が地上に写して、君と臣と民とに立別けて在れども、今は世が逆様に成りて居るから、民の身魂が大臣小臣となり、大臣小臣の身魂が民の位置に落ち、其上に八頭八尾の邪神が守護いたして、斯世を体主霊従の行り方に乱して了ふて今の世界の此の惨害、是を何んとも思はぬやうに成りたのは、日本及び世界の人民が皆な四ツ足に欺され切つて居るからであるぞよ。世界を経綸する天職の備はりた日本の人民は日本魂が薩張り抜けて了ふて、九分まで獣蓄の身魂に成つて居るぞよ。
 天地開闢の初の世からの約束の時節が参りたから、愚図々々致して居れんから、今の静まりて在る間に一日も早く身魂を研いて居らんと、東の大空から西の谷底へ天の火が降る事が出来いたしたら俄に、栃面貌を振つてアフンと致さな成らぬやうになるぞよ。それで一日も早く日本魂を研けと申すので在るぞよ。
 日本魂と申すものは天地の先祖の神の精神と合一した心で在るぞよ。至仁至愛の大精神にして、何事にも心を配り行届き、凶事に逢ふとも、大山の如く、微躯とも致さず、物質慾を断ちて精神は最も安静な心であるぞよ。天を相手とし凡人と争はず、天地万有山野海川を我の所有となし、春夏秋冬も昼も夜も暗も雨も風も雷も霜も雪も皆我言霊の自由に為し得る魂であるぞよ。
 如何なる災禍に逢ふも艱苦を嘗るも意に介せず、幸運に向ふも油断せず、生死一如にして昼夜の往来する如く、世事一切を惟神の大道に任かせ、好みも無く憎みも為さず、義を重んじて心裏常に安静なる魂が日本魂であるぞよ。
 常に心中長閑にして、川水の流るゝ如く、末に至る程深くなりつゝ自然に四海に達し、我意を起さず、才智を頼らず、天の時に応じて神意に随つて天下公共の為に活動し、万難を撓まず屈せず、無事にして善を行ふを日本魂と申すぞよ。
 奇魂能く活動する時は大人の行ひ備はり、真の智者となり、物を以て物を見極め、自己に等しからん事を欲せずして身魂共に平静なり。
 小人なるものは自己を本として物を見、自己に等しからん事を欲するが故に、常に心中静かならず、之を体主霊従の精神と申すぞよ。今の世の中一般の心は皆この心で在るぞよ。
 誠の日本魂のある人民は其意思平素に内にのみ向ひ、自己の独り知る所を慎み、自己の力量才覚を人に知られん事を求めず、天地神明の道に従ひ交はり、神の代表となりて善言美辞を用ひ、光風霽月の如き人格を具へて自然に世に光輝を放つ身魂であるぞよ。
 心神常に空虚にして一点の私心無ければ、常永に胸中に神国あり、何事も優れ勝りたる行動を好み、善者を喜こびて友となし、劣り汚れたるを憐れみ且つ恵む、富貴を欲せず羨まず、貧賤を厭はず侮らず、只々天下の為に至善を盡す事のみに焦心す、是の至心至情は日本魂の発動であるぞよ。
 我身富貴に処しては君国の為に心魂を捧げ、貧に処しては簡易の生活に甘んじ、慾望を制し假にも他を害せず、自暴自棄せず、天命を楽みて自己応分の天職を守る、是が日本魂の発動であるぞよ。
 天下修斎の大神業に参加する共決して周章ず騒がず、身魂常に洋々として大海の如く、天の空うして鳥の飛ぶに任すが如く、海の広くして魚の踊るに従ふが如き不動の精神を常に養ふ、是が神政成就の神業に奉仕する身魂の行動でなけねば成らぬのであるぞよ。
 凡人の見て善事と為す事にても神の法に照して悪しき事は是を為さず、凡人の見て悪と為す事にても神の誠の道に照して善き事は勇みて之を遂行すべし。天意に従ひ大業を為さんとするものは一疋の虫と雖も妄に之を傷害せず、至仁至愛にして万有を保護し世の乱に乗じて望を興さぬ至粋至純の精神を保つ、是が誠の日本魂の発動であるぞよ。
 今度の二度目の天之岩戸開きの御用に立つ身魂は是丈の身魂の覚悟が無ければ到底終りまで勤めると云ふ事は出来んから、毎度筆先で日本魂を研いて下されと申して知らして在るぞよ。
 今の日本の人民は九分九厘まで日本魂が曇り切りて了ふて居るから、今の人民の所作柄と申すものは薩張り精神を利害のために左右せられて、一寸先きは暗黒であるから、何時も心が急ろしうて、一寸の事変にも狼狽え騒いで顔の色まで変えて了ふ人民計りで在るぞよ。是では到底日本の神国の人民とは申されんぞよ。
 今の人民の精神と申すものは体主霊従であるから心は平素外面ばかりに走り、人前だけは殊勝らしく慎しみて居れど、内心と申すものは頑空妄慮であるから、少しの事にも微躯付いて外国の四ツ足に喰えて振るやうな難に逢されて居りても未だ気が附かぬ厄介な人民であるぞよ。
 今の人民は霊界の事実が頭から少とも解りて居らんから、万古末代生き通しの真理を弁まへず、現世でさえ立派に暮したら死後は堂でも構はぬと云ふ一般の馬鹿な身魂で在るから、天地神明の御威光も畏れず、現世の富貴安逸快楽のみに心を奪られて貧を蛇蠍の如くに忌み嫌い、精神が腐ろうが天則を外そうが其んな事には毛程も心配いたさず、黄金万能主義の信者に落ち込み、国家の為に身命を捧げんとする真人を馬鹿ものゝ如うに罵り嘲り、死ぬ事を厭ひ下らぬ体慾に耽りて、肝心の天の使命の降つた神の生き宮の身魂である事を忘れて居るから、世界は日に増しに悪事災害が発生いたすので在るぞよ。
 少し順境に向えば千年も万年も生き度いと申し、少し逆境に落つれば直に斯の結構な神国を畏れ果敢なみ、名聞に恥るが故に誠を忘れ利慾に眼眩みて義を弁へず天命を覚らず、自己よりも富貴の人を羨み且つソネミ、自己よりも貧賤なる人を侮り軽蔑み凌ぎ苦しめ、才知芸能の自己より勝れたる人に従ひ学ぶ事を為さず、却て之を譏り、自己の足らざるを補ふ精神毫もなく、善かれ悪かれ自己を賞め、且つ自己に追従するものを親しみて害毒を招き、遂に又た之を悪み、智者賢者に問ふ事を愧ぢて一生無知愚鈍の生活を送る憐れな今の世界の人民の度根性で在るから、何時までも世の中が暗黒界で、我と我手に要らん困難を致す人民計りで、神の眼からは可愛想で見て居れんから、今度は神が表に現はれて世界の人民の目を醒して改心さして結構な神代に立直すので在るぞよ。
 余り世界の曇りやうが激しいから、神界も中々骨が折れるぞよ。世界の人民の中の悪の身魂を平らげて了ふて、世の立直し致すのなれば容易なれど神は世界の人民を一人もツヽボに致し度もないから、色々と申して永らく出口直の手で警告たので在れども、余り何時までも守護神人民が聞いて下さらぬと止むを得ずのことに致さねば成らぬから、神も中々辛い思ひを致して居るから、日本の人民ならチツトは神の心も推量いたして早く身魂を研いて神国の行動を為て下され。何時までも神は人民に説き諭して居る暇がないから、改心いたすなら今の間であるぞよ。
 今の人民の心に合ふやうな行為は誠の神の心に叶はず、神の心に叶ふ行為いたす人民は俗悪世界の鼻の高い人民の心に叶はぬから、腰の弱い日本魂の腐りた人民は残らず今の世界の人民に従いて了ふて、譬え天道に叶はぬ事でも世界の人民の善いと申す事は靡くなり、天道に叶ふた結構な事業でも世界から悪く言はれたら直ぐに止めて了ふなり、只眼の前の名利を求め、形の慾に迷ふて天津誠を知らず、故に斯の結構な地の高天原の誠の教を迷信教とか、怪宗とか、危険集団とか申して、新聞にまで書いて悪く申すので在るが、今の俗悪世界の新聞などに良く言はれる様な世間向きのする教で在りたら却て斯の大本の教は悪の教であるぞよ。悪く言はれて良く成る経綸であると明治二十五年から知らして置いた事の実地が出て参りたので在るから、世間から悪く言はれる程此の大本の教は結構になるので在るぞよ。
 今の人民は人から褒められると過ぎた事でも大変に歓こび且つ人にほこり高振りたがり、又自己を譏るのを聞いては実際なれば驚き周章て顔の色まで蒼くし、無い事を譏られると大変に立腹いたして名誉恢復の訴訟を起し、自己の過失を飾り、又は隠し非を遂げて改心する事を知らず、自己の心の邪悪なるをしりつゝ人が賞めて呉れると自己の邪悪は誰も知らぬと気を赦し、自己の欲する事は譬え少々罪悪なりと承知しながら善人の諫言を耳に入れず却て其誠の人を悪人扱ひに致すやうに成りた今の世の中であるから、况して誠の神の申す事は聞きさうな筈はなけれども、天から貰ふた直霊の御魂にチツトは尋ねて見たら神の申す事は解らねば成らぬ筈で在るぞよ。結構な直霊を我身に抱え乍ら、小人罪を作りて知らぬとは余りで在るぞよ。
 間がな隙がな人の非事を探したり、人の名誉を毀けて自己の眼識が高く成つたやうに考へ且つ又たそれを偉いやうに思ふて自慢を致したり、天道に背いて俗悪世界の名誉を求めたり、義に背いて利己主義を立貫き高貴に媚びへつらい、以て我身の栄達を計り人の目を眩まして利を企み、浮雲の如き富貴を希望して一生懸命に心身を労し、終には子孫断絶の因と成るを覚らず、我霊魂の永苦省みず、只現在に於てのみ自己在る事を知つて人在る事を知らず、自己に利益あれば公道を破り人を害ふをも顧みずして近きは其身を亡ぼし、遠きは其家を亡ぼす事を知らず、我程の立派な利発ものはなしと慢心して獣族境界に安んじ、親子兄弟他人の区別もなく、利害の為には互に敵視する今の世の中の有様。此様な没義道な汚らはしき世が何時までも続きそうな事はないぞよ。此世が何時までも此調子で行く如うな事で在りたら天地の間は神は一柱もないので在るぞよ。
 今度は地の高天原の竜宮館から天地に神が在るかないかを明白に解けて見せて、世界の人民に改心さして松の世ミロクの神代と致して、世界一列勇んで暮すやうに世を替へて了ふのであるぞよ。夫れに成る迄に世界の黄泉津比良坂が在るから、今の世の中の精神を根本から立替て了ふて誠の日本魂に立帰り、神国成就の御用を勤めて、末代神国の名を残して下され、神が誠のものにはドンナ神力も蔭から渡して与るぞよ。一日も早い改心が結構であるぞよ。
 明治二十五年からの筆先は充分に腹へ入れて見て貰はぬと、大変な取違いを致すものが出来るぞよ。この綾部へ出て来ねば神徳が貰えんやうに思ふて、一家を挙げて移住したり、今迄の結構な職業まで捨てたり、学校を退学したりして迄大本へ出て来るやうな事は神慮に叶はぬぞよ。大本の祝詞の中にも学びの術に戦の法に益々も開け添はりて玉垣の内津御国は細矛千足国心安国と云々と出てあらうがな。学びの術を捨てまで信心いたせとは申さんぞよ。それとも事情止むを得ぬ事があれば仕方はなけれども、悔しい残念を忍耐ることの出来んやうな身魂でありたら到底神の御用どころか我身一つさえも修まらんぞよ。
 是から大本の中も充分気を附け合ふて落度のなき様に心得て下さらんと斯の結構な神国の教の名を汚す事に成りて却て世界から悪るく申されても弁解の出来ぬ事が出来するぞよ。此の大本の名を汚すものは大本の中から出現するぞよ。外部からは指一本さえる事は出来ぬ完全で在と毎度筆先に出て知したが余程是からは何彼の事を気配いたして神の教に背かぬ様に善一筋の行ひを致して神の善き名を出やうに致して下されよ。何も分らずに人民の心の騒ぐ様な事を申で無ぞよ気を附るぞよ。

「神霊界」大正八年三月一日号
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