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米搗

インフォメーション
題名:米搗 著者:出口王仁三郎
ページ:142
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-10-30 20:57:00 OBC :B119300c033
二十三四歳の頃
旱魃(かんばつ)稲田(いなだ)(みづ)をそそがんと昼夜(ちうや)わかたず注水(ちゆうすゐ)をなす
稲の田は白くかわきて土地亀裂(きれつ)(しな)びし稲葉(いなば)見る目もさびし
用水井(ようすゐゐ)掘らんと水筋(みづすぢ)かんがへて深夜に地下の水脈さぐりぬ
地の中の流るる水の脈さぐることに(めう)得しわれとなりけり
村人(むらびと)に頼まれ地中の水脈を探りて()掘ればあやまたざりけり
用水井(ようすゐゐ)掘る村人はかならずやわが指揮(しき)待ちて水筋(みづすぢ)にあたる
百姓の夜業(やげふ)に毎晩(こめ)()(あし)のだるさにくるしみなやむ
どうかして楽に米の()ける機械発明せんと日夜焦慮(せうりよ)
後前(あとさき)唐臼(からうす)()(きね)つけて米搗(こめつ)き見れど結果良くなし
米搗(こめつき)の機械の発明失敗し父にしかられ村びとにわらはる
米搗(こめつき)の機械の失敗したるより米屋(こめや)綽名(あだな)付けられにける
このほかに二三の農具の発明を考案したれどいづれも失敗
冬去れば雪()小柴(こしば)かきわけて小柴を刈りぬ百姓()れは
春の日は芝草(しばくさ)を刈り車()き貧乏生活平気に暮れ行く
秋来れば松山に()落松葉(おちまつば)(かご)に充たして(のう)を楽しむ
夏の日は仕事の(ひま)溝川(みぞがは)小魚(こうを)をあさりて楽しみし()
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