霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第一章 神政復古の本義

インフォメーション
題名:第1章 神政復古の本義 著者:出口王仁三郎
ページ:377
概要: 備考:2023/10/04校正。 タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-10-04 05:22:19 OBC :B121802c160
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]『このみち』大正5年4月11日
 明治(めいぢ)天皇(てんわう)王政(わうせい)復古(ふくこ)同時(どうじ)神政(しんせい)復古(ふくこ)御聖慮(ごせいりよ)(まし)ませし(こと)は、明治(めいぢ)(ねん)正月(しやうぐわつ)祭政(さいせい)一致(いつち)(せい)(あきらか)にし大教(たいけう)宣布(せんぷ)(みことのり)(くだ)(たま)うたのを拝承(はいしやう)すれば、(すこぶ)明瞭(めいれう)なる事実(じじつ)であります。
(すなは)(みことのり)(いは)
(チン)(ウヤウヤ)シク(オモン)ミルニ、天神(テンシン)天祖(テンソ)(キヨク)()(トウ)()レ、列皇(レツクワウ)(アヒ)()(コレ)()(コレ)()ヘ、祭政(サイセイ)一致(イツチ)億兆(オクテフ)(ココロ)(オナジ)フシ、地教(チケウ)(カミ)(メイ)ニ、風俗(フウゾク)(シモ)(ウル)ハシ、(シカウ)シテ中世(チウセイ)以降(イカウ)(トキ)汚隆(ヲリユウ)()リ、(ミチ)顕晦(ケンクワイ)()リ、今也(イマヤ)天運(テンウン)循環(ジユンクワン)百度(ヒヤクド)(コレ)(アラタ)(ヨロ)シク治教(チケウ)(アキラカ)ニシ(モツ)惟神(カムナガラ)大道(タイドウ)宣揚(センヤウ)スベキ(ナリ)(ヨツ)(アラタ)宣教使(センケウシ)(メイ)(モツ)天下(テンカ)布教(フケウ)ス、(ナンヂ)群臣(グンシン)衆庶(シユウシヨ)()(コノ)(ムネ)(タイ)セヨ
 神政(しんせい)復古(ふくこ)聖旨(せいし)()(あきらか)御宣布(ごせんぷ)になりましたけれども、宣教使(せんけうし)(にん)ぜられし人々(ひとびと)日本(につぽん)皇国(くわうこく)本来(ほんらい)惟神(かむながら)(みち)理解(りかい)されず、(したが)つて神政(しんせい)復古(ふくこ)聖旨(せいし)(こた)(たてまつ)(こと)出来(でき)ずして、明治(めいぢ)(ねん)(ぐわつ)には(すで)神祇省(しんぎしやう)(はい)され教部省(けうぶしやう)()ち、仏教(ぶつけう)合併院(がつぺいいん)たる大教院(だいけういん)設立(せつりつ)()るに(いた)りました。明治(めいぢ)(ねん)(ぐわつ)大教院(だいけういん)(はい)したと同時(どうじ)に、(まつた)祭政(さいせい)一致(いつち)聖旨(せいし)()()つたやうな有様(ありさま)立至(たちいた)つたのは、(なん)とも(まをし)()げやうのない(おそ)(おほ)(こと)であつた(わけ)でありました。(じつ)痛恨(つうこん)(かぎ)りなき次第(しだい)であります。憤慨(ふんがい)(さら)()むる(こと)出来(でき)ない次第(しだい)であつたのであります。(しか)しながら(これ)(まつた)御神慮(ごしんりよ)なるべく、大本(おほもと)大神(おほかみ)御出現(ごしゆつげん)()いて必然(ひつぜん)順路(じゆんろ)であつたのであります。
 斯様(かやう)痛恨(つうこん)(かぎ)りなき次第(しだい)なりしにも(かか)はらず、神道者(しんだうしや)(りう)一向(いつかう)本来(ほんらい)日本(につぽん)国教(こくけう)(くわん)して、寝食(しんしよく)(わす)れて研鑽(けんさん)するだけの熱心(ねつしん)()く、(また)徳能(とくのう)もなく、時流(じりう)()かせて惰眠(だみん)(むさぼ)るの有様(ありさま)経過(けいか)(いた)したのであります。王政(わうせい)本義(ほんぎ)(まつた)完成(くわんせい)(いた)しましたと同時(どうじ)に、神政(しんせい)復古(ふくこ)国民(こくみん)一切(いつさい)から(はら)()られて(たれ)一人(ひとり)として、それに(こころ)()(もの)がなくなつたのでありました。(しか)るに明治(めいぢ)二十七八(ねん)戦役(せんえき)(をは)りました(ころ)より神勅(しんちよく)不思議(ふしぎ)(かふむ)りました。丹波(たんば)(くに)一角(いつかく)神典(しんてん)研鑽(けんさん)曙光(しよくくわう)(はつ)したのであります。蛍火(ほたるび)(ごと)(ちい)さき(ひかり)であつたけれども、貧者(ひんじや)一灯(いつとう)根強(こんづよ)金剛力(こんごうりき)があつた(ため)に、漸次(ぜんじ)発見(はつけん)された事実(じじつ)(しん)偉大(ゐだい)金神力(こんじんりき)があつたのであります。()時分(じぶん)には古典(こてん)研鑽者(けんさんしや)()ふのは、本居(もとをり)豊頴(とよかい)()()(ふる)意味(いみ)研鑽者(けんさんしや)多少(たせう)命脈(めいみやく)()いでは()りましたが、一般(いつぱん)世人(せじん)一人(ひとり)として斯様(かやう)(ふる)い、利益(りえき)(とほ)い、世閒(せけん)(うと)学問(がくもん)には、(みみ)(かたむ)ける(もの)()かつたのであります。(しか)るに稗田(ひゑだの)阿礼(あれ)出生(しゆつしやう)したる隣郷(りんきやう)(うま)れました王仁三郎(わにさぶらう)は、(なん)となく(たふと)いやうな(なん)となく()さねば()()まぬやうな()がして、牧畜業(ぼくちくげふ)(かたは)比較的(ひかくてき)熱心(ねつしん)研究(けんきう)従事(じゆうじ)しました(ため)に、追々(おひおひ)深遠(しんえん)義理(ぎり)了解(りやうかい)されて()て、(つい)には世界(せかい)唯一(ゆゐいつ)大極典(たいきよくてん)詳解(しやうかい)()るまでに(いた)るやうになりました。(ここ)(もつと)不可思議(ふかしぎ)(かん)ぜらるるのは、吾人(ごじん)研究(けんきう)(あゆみ)(すす)めば(すす)(ほど)()(なか)神典(しんてん)研究(けんきう)必要(ひつえう)ならしめて()(こと)でありまして、吾人(ごじん)(かく)れたる研究(けんきう)(つね)現実(げんじつ)世情(せじやう)証明(しやうめい)されるやうな()がして、(ほぼ)研究(けんきう)大成(たいせい)()るの()神政(しんせい)復古(ふくこ)曙光(しよくくわう)明確(めいかく)となり、旭日(きよくじつ)昇天(しやうてん)()(ちか)きを自覚(じかく)するに(いた)つたのであります。これは自慢話(じまんばなし)のやうでありますが(まつた)くの(はなし)でありまして、現今(げんこん)(ごと)神道(しんだう)研究(けんきう)流行(りうかう)時代(じだい)とも()ふべき(とき)()つたものなら、何等(なんら)妙味(めうみ)もありませぬが、大本(おほもと)大神(おほかみ)神勅(しんちよく)奉戴(ほうたい)して世界(せかい)(さきがけ)をなしたる(てん)(おい)て、(だい)なる使命(しめい)(かん)ずる(こと)(ふか)(わけ)であります。
 神典(しんてん)研鑽(けんさん)()りて、仏教(ぶつけう)日本(につぽん)国教(こくけう)から()(こと)明確(めいかく)()()たのであります。耶蘇(やそ)教義(けうぎ)日本(につぽん)国教(こくけう)恋慕(れんぼ)すとの(こゑ)であること、支那(しな)(おこ)つた各種(かくしゆ)教義(けうぎ)(みな)(ことごと)大日本(だいにつぽん)国教(こくけう)根基(こんき)ある(こと)立証(りつしやう)()るのであります。
 埃及(えじぷと)希臘(ぎりしや)羅馬(ローマ)神話(しんわ)(るゐ)が、日本国(につぽんこく)事実(じじつ)(つた)へたものである(こと)()り、大日本国(だいにつぽんこく)真実(しんじつ)根本義(こんぽんぎ)明瞭(めいれう)になると(とも)に、神政(しんせい)復古(ふくこ)して往古(わうこ)本来(ほんらい)(まま)(いた)らしめむ(こと)熱望(ねつばう)するの(じやう)が、勃然(ぼつぜん)として(はつ)(きた)ること、(けつ)して徳川(とくがわ)末世(まつせい)憂国者(いうこくしや)()ではないと(おも)ひます。吾人(ごじん)研究(けんきう)(ほぼ)(ここ)一段落(いちだんらく)()げたのであります。(しか)して聖代(せいだい)(たい)して(ふか)期待(きたい)()所以(ゆえん)は、大本(おほもと)開祖(かいそ)の二十五ケ(ねん)(かん)神示(しんじ)拝承(はいしやう)しての(うへ)からであります。(とく)皇宗(くわうそう)神武(じんむ)天皇(てんわう)奠都(てんと)宣命(せんめい)(あん)(たてまつ)るに
(カミ)(スナハ)乾霊(アマツカミ)(クニ)(サヅ)クルノ(トク)(コタ)(シモ)(スナハ)皇孫(スメミマ)(タダシキ)(ヤシナ)フノ(ミココロ)(ヒロメ)ム』
と、聖代(せいだい)(じつ)神典(しんてん)(とく)(あら)はれます(とき)でありまして、(また)国祖(こくそ)国常立之(くにとこたちの)(かみ)御稜威(おんみいづ)発光(はつくわう)時運(じうん)であります。
(シカシ)(ノチ)六合(クニノウチ)兼以(カネモツ)(ミヤコ)(ヒラ)八荒(アメノシタ)(オホ)ヒテ(イヘ)(セム)コト(マタ)(ヨカ)ラス()
 この御詔勅(ごせうちよく)御本義(ごほんぎ)実現(じつげん)されます(こと)は、(まつた)神政(しんせい)復古(ふくこ)所以(ゆえん)である(こと)確信(かくしん)するのであります。大大的(だいだいてき)神秘(しんぴ)宿(やど)ります(ところ)であります。
 神武(じんむ)天皇(てんわう)御東征(ごとうせい)は、神軍(しんぐん)兵法(へいはふ)(つた)(たま)うたものでありまして、封建(ほうけん)幾多(いくた)言佐平倶(ことさへぐ)(やから)平定(へいてい)するの神策(しんさく)であります。御製(ぎよせい)
神風(かみかぜ)伊勢(いせ)(うみ)大石(おほいし)()ひもとほらふしただみのいはひもとほりうちてしやまむ
御意義(ごいぎ)実現(じつげん)(いた)しますのが、明治(めいじ)大正(たいしやう)の二大御代(おほみよ)御神約(ごしんやく)であります。現今(げんこん)地上(ちじやう)幾多(いくた)封建(ほうけん)設立(せつりつ)されて()るのでありまして、此等(これら)幾多(いくた)封建(ほうけん)打破(だは)されるのが、(ちか)将来(しやうらい)期待(きたい)さるべき世界(せかい)傾向(けいこう)であります。
 (とく)思想界(しさうかい)封建(ほうけん)危険(きけん)なる思想(しさう)(ともな)ふて、大名(だいみやう)小名(せうみやう)()唱道(しやうだう)せる有様(ありさま)は、(じつ)にすさまじい次第(しだい)でありますが、この封建的(ほうけんてき)思想(しさう)(けつ)して(なが)継続(けいぞく)さるべきもので()いことは、()()るよりも(あきら)かであります。征討(せいたう)には(つね)神剣(しんけん)(ともな)ひます。草薙(くさなぎ)御剣(みつるぎ)(じつ)征討(せいたう)(ともな)唯一(ゆゐいつ)御権威(ごけんゐ)であるのであります。王政(わうせい)復古(ふくこ)(つい)神政(しんせい)復古(ふくこ)のあるべきは、日本(につぽん)神典(しんてん)吾人(ごじん)明示(めいじ)する(ところ)であるのみならず、大本(おほもと)開祖(かいそ)変性(へんじやう)男子(なんし)垂示(すいし)()りて、確固(かくこ)たる事実(じじつ)証明(しやうめい)されてあります。神政(しんせい)復古(ふくこ)して(はじ)めて()(うへ)天国(てんごく)荘厳(そうごん)理想(りさう)政治(せいぢ)()ることが出来(でき)るのであります。
 神政(しんせい)とは神代(かみよ)()ける政治(せいぢ)意義(いぎ)であります。(ゆゑ)()(すす)んで神代(かみよ)解釈(かいしやく)(うつ)らねばならぬのであります。日本(につぽん)神典(しんてん)(およ)大本(おほもと)開祖(かいそ)(しめ)(たま)(ところ)によれば、神代(かみよ)とは万有(ばんいう)万神(ばんしん)各自(かくじ)大本源(だいほんげん)知悉(ちしつ)し、各自(かくじ)大本源(だいほんげん)(もとづ)各自(かくじ)天職(てんしよく)完全(くわんぜん)()()ぐるの()なる(こと)(しめ)させ(たま)ふのであります。万有(ばんいう)万神(ばんしん)各自(かくじ)大本源(だいほんげん)知悉(ちしつ)する(こと)が、神代(かみよ)()ける第一(だいいち)最要件(さいえうけん)であります。(しか)るに万有(ばんゆう)万神(ばんしん)各々(おのおの)()大本源(だいほんげん)知悉(ちしつ)せられぬが(ゆゑ)に、種々(しゆじゆ)騒乱(さうらん)()(あひだ)(おこ)り、各種(かくしゆ)争闘(さうとう)(ここ)(その)根源(こんげん)(はつ)するのであります。神代(かみよ)斯様(かやう)なものではありませぬ。万有(ばんいう)万神(ばんしん)各々(おのおの)(その)大本源(だいほんげん)知悉(ちしつ)さるるが(ゆゑ)に、(がう)争乱(さうらん)(かも)すこと()く、和気(わき)(つね)()ち、(したが)つて万有(ばんいう)万神(ばんしん)各自(かくじ)大本源(だいほんげん)(もとづ)天賦(てんぷ)職掌(しよくしやう)(いとな)みて、和楽(わらく)(とこし)へに()くるの(とき)()いのであります。()封建(ほうけん)時代(じだい)()ける武士(ぶし)大義(たいぎ)名分(めいぶん)忘却(ぼうきやく)(いた)した(もの)のありましたのは、()無智(むち)にして、各自(かくじ)大本源(だいほんげん)知悉(ちしつ)()なかつた(つみ)であります。
 (あるひ)(ほとけ)()(あるひ)はヤソと()(あるひ)(なに)といふも、(その)大本(たいほん)知悉(ちしつ)()ないが(ゆゑ)分派(ぶんぱ)たるのみであります。(ぶつ)()(じゆ)(けつ)して()(みち)ではありませぬ。大本(たいほん)(くら)きが(ゆゑ)(これ)各自(かくじ)特有(とくいう)所有物(しよいうぶつ)誤了(ごりやう)して()るために、(つひ)陥穽(かんせい)(がい)(かま)へ、排他(はいた)年慮(ねんりよ)(いだ)くに(いた)るのであります。()一旦(いつたん)(その)大本源(だいほんげん)()るに(いた)りますれば、各自(かくじ)所有(しよいう)各自(かくじ)特有(とくいう)のもので()くして、一本源(ほんげん)分派(ぶんぱ)なる(こと)(こころ)()きまして、(かなら)()るものに統理(とうり)せらるべきは必定(ひつじやう)であります。(ゆえ)仏耶(ぶつや)唱道者(しようだうしや)(すみやか)(こころ)持代(もちか)へて、(その)大本源(たいほんげん)知悉(ちしつ)するに努力(どりよく)せずばならぬのであります。
 天地(あめつち)(あひだ)には、(おのづか)から経綸(けいりん)があります。四時(しじ)(おこな)はれ万物(ばんぶつ)生育(せいいく)する所以(ゆえん)のものは、これ(あに)皇祖(くわうそ)天照(あまてらす)大御神(おほみかみ)()ります御機(みはた)永遠(えいゑん)(みだ)れないからではありますまいか、天照(あまてらす)大御神(おほみかみ)(とう)諾冊(なぎなみ)いろはの二尊(にそん)()けさせ(たま)ひまして、天下(てんか)経綸(けいりん)一系(いつけい)子孫(しそん)万代(よろづよ)(つた)へさせ(たま)ふや、経綸(けいりん)の三大神事(しんじ)器物(きぶつ)(うつ)させ(たま)ひまして、(ため)三種(さんしゆ)神器(しんき)御伝授(ごでんじゆ)(おこな)はれました。
 (てん)二日(にじつ)()()二王(にわう)なき(こと)開闢(かいびやく)以来(いらい)(げん)として(うご)かず、一毫(いちがう)(たが)ふべきものではありませぬ。(けだ)草薙(くさなぎの)神剣(みつるぎ)天地(てんち)万有(ばんいう)定理(じやうり)(しめ)させ(たま)神律(しんりつ)神法(しんぱふ)でありまして、神剣(しんけん)(あり)ますところ(かなら)権威(けんゐ)(これ)(ともな)ひ、正邪(せいじや)真偽(しんぎ)(たち)どころに裁断(さいだん)()けないものは()いのであります。(すなは)神剣(しんけん)権威(けんゐ)(したが)ふものは(さか)え、神剣(しんけん)権威(けんゐ)(ふれ)るものは(かなら)(ほろ)ぶのであります。神剣(しんけん)権威(けんい)()(しめ)して神剣(しんけん)権威(けんい)奉戴(ほうたい)(たてまつ)る、(これ)()祭政(さいせい)一致(いつち)本義(ほんぎ)()づくるのであります。古今(ここん)東西(とうざい)学者(がくしや)(おほ)くこの祭政(さいせい)一致(いつち)本義(ほんぎ)(わきま)へず、(かみ)(まつ)(こと)()(をさ)むるの政治(せいぢ)とを(ふた)つにして、曲解(きよくかい)誤伝(ごでん)(おほい)神国(しんこく)大本源(たいほんげん)(くら)ましつつありますのは(じつ)浩歎(こうたん)(いた)りであります。(まつり)とは真釣(まつり)意義(いぎ)であります。天地(てんち)経綸(けいりん)神法(しんぱう)権威(けんゐ)遵法(じゆんぽう)して地上(ちじやう)正道(せいだう)(ことごと)天道(てんだう)真釣(まつり)()はすべきを(まを)すのであります。(ゆえ)天国(てんごく)政治(せいぢ)には人為(じんゐ)(のり)()(しん)皇道(くわうだう)(まつり)(はな)るべき(こと)(がう)()()いのであります。祭政(さいせい)一致(いつち)日本(につぽん)神国(しんこく)政道(せいだう)であります。祭政(さいせい)一致(いつち)行事(ぎやうじ)(ほか)政道(せいどう)()いのであります。(また)宗教(しうけう)教育(けういく)実業(じつげふ)もありませぬ。日本(につぽん)神国(しんこく)教育(けういく)(まさ)祭政(さいせい)一致(いつち)意義(いぎ)(をし)ふるのが本領(ほんりやう)であります。
 祭政(さいせい)一致(いつち)以外(いぐわい)教義(けうぎ)(わた)(こと)出来(でき)ぬのであります。祭政(さいせい)一致(いつち)本義(ほんぎ)(さづ)けざるの教育(けういく)(じや)教育(けういく)であつて、真正(しんしやう)教育(けういく)ではありませぬ。(なん)天国(てんごく)たる日本(につぽん)教育(けういく)()(こと)出来(でき)ませう。祭政(さいせい)一致(いつち)実業(じつげふ)にあらざる実業(じつげふ)は、(これ)真実(しんじつ)実業(じつげふ)とは()へないのであります。(のう)(こう)(しやう)業務(げふむ)も一つとして(まつり)(はな)れては()るべきものではありませぬ。農夫(のうふ)(くは)()(かま)()(すき)()り、軍人(ぐんじん)(じゆう)()(けん)()り、商人(しやうにん)算盤(そろばん)()るのも、(みな)(ことごと)(まつり)であります。現代(げんだい)教育(けういく)現代(げんだい)実業(じつげふ)は、()(まつり)本義(ほんぎ)(のつと)(まつり)本義(ほんぎ)実行(じつかう)するものでありませう()私利(しり)私欲(しよく)(たくま)うして()(おとしい)れ、()(がい)して、(もつ)実業(じつげふ)本義(ほんぎ)()すの(ともがら)ではありますまいか。生存(せいぞん)競争(きやうさう)弱肉(じやくにく)強食(きやうしよく)立論(りつろん)(たて)()して成功(せいこう)()(ところ)現代(げんだい)教育(けういく)をしも、これを(まつり)意義(いぎ)教育(けういく)(たた)へられませう()現代(げんだい)(まつり)大本義(たいほんぎ)(まつた)顛覆(てんぷく)して祭事(まつりごと)廃絶(はいぜつ)したる()とも()ふべく、悪魔(あくま)白日(はくじつ)横行(わうかう)して神権(しんけん)(ことごと)蹂躪(じうりん)せられたる常闇(とこやみ)()とも()ふべく、(くに)常立(とこたち)神威(しんゐ)天之(あまの)岩戸(いわと)(がく)れの乱世(らんせ)とも()ふべき次第(しだい)であります。(まつり)神人(しんじん)をして合致(がつち)せしむるものであります。(まつ)るものは(すなは)(まつ)らるる(かみ)であります。現代(げんだい)暗黒(あんこく)世界(せかい)には(まつ)るの(ひと)()いのでありますから、(いは)んや(まつ)らるる(かみ)(そん)(たま)ふべきや天国(てんごく)(たみ)天業(てんげふ)(こと)()し、一挙一動坐止(ざし)動作(どうさ)(つね)神業(しんげふ)たる(こと)(はな)れないのであります。(かみ)(ほか)()()く、神業(しんげふ)神作(しんさく)(ほか)()(げふ)()発作(ほつさ)()るべき(はづ)はないのであります。神業(しんげふ)(くに)()(すなは)(これ)神国(しんこく)()ひ、(これ)神代(かみよ)()ふのであります。しかも(その)神業(しんげう)神作(しんさく)(いち)大御神(おほみかみ)(かく)方面(はうめん)()ける御発動(ごはつどう)表示(へうじ)するに(とど)まることは、神典(しんてん)古事記(こじき)(およ)大本(おほもと)開祖(かいそ)(しめ)させ(たま)(ところ)でありまして、一心(いつしん)同体(どうたい)分業(ぶんげふ)発作(ほつさ)たるを()るべきであります。この宇内(うない)天地(てんち)大国相(だいこくさう)地上(ちじやう)(うつ)して極東(きよくとう)日本(につぽん)国相(こくさう)があり、万民(ばんみん)(ことごと)皇室(くわうしつ)分脈(ぶんみやく)()け、(その)作業(さげふ)(ことごと)(みな)皇室(くわうしつ)(かく)方面(はうめん)発作(ほつさ)表現(へうげん)であります。天上(てんじやう)地上(ちじやう)(くに)相互(さうご)(あひ)対峙(たいじ)して万世(ばんせい)不動(ふどう)不易(ふえき)皇運(くわううん)()はせ(たま)(ゆゑ)に、天上(てんじやう)神国(しんこく)大日本国(だいにつぽんこく)()び、地上(ちじやう)日本国(にほんこく)神国(しんこく)(とな)へるのであります。国相(こくさう)(すで)(かく)(ごと)国体(こくたい)(すで)(かく)(ごと)しとすれば、地上(ちじやう)日本(につぽん)神国(しんこく)(てん)()うの任務(にんむ)(おのづか)(あきらか)にして、国民(こくみん)自覚(じかく)(また)(たちま)ちに()るべきの()であります。(しか)るに現代(げんだい)如何(どう)でありませう()
 各種(かくしゆ)宗教(しゆうけう)(ひと)(まど)はす(もの)(おほ)くして、天国(てんごく)()きつつ、天国(てんごく)本義(ほんぎ)()らず、浄土(じやうど)()くに浄土(じやうど)実相(じつさう)()らず、群雄(ぐんいう)(ちまた)割拠(くわつきよ)して天皇(てんわう)()らず、天治(てんぢ)(かい)せず、天法(てんぱふ)(わきま)へず、(たくみ)神剣(しんけん)裁断(さいだん)(まぬが)れて空法(くうはふ)邪説(じやせつ)(たくまし)うする(こと)(じつ)痛憤(つうふん)()へない次第(しだい)であります。
 法華経(ほけきやう)寿経(じゆきやう)釈尊(しやくそん)は、現代(げんだい)邪義(じやぎ)(まぬが)れしめむが(ため)に、多宝(たはう)如来(によらい)地下(ちか)より()()して日本国(につぽんこく)本義(ほんぎ)(しめ)し、日本国(につぽんこく)以外(いぐわい)(くに)あるべからず、日本国(につぽんこく)(わう)(ほか)国王(こくわう)()く、天上(てんじやう)地上(ちじやう)教憲(けうけん)(あひ)対峙(たいじ)して万代(よろづよ)(かは)るべからざるの(むね)(さと)したのである。(しか)るに仏者(ぶつしや)この()(さと)らず仏説(ぶつせつ)仏教(ぶつけう)()るの(めい)()く、(いたづ)らに形骸(けいがい)仏説(ぶつせつ)擁持(ようじ)封建(ほうけん)邪道(じやだう)権説(けんせつ)(ろう)するとは、(じつ)()(いた)りではありませぬか。ヤソの屡々(しばしば)(てん)(うつた)ふるの()(いは)く『天国(てんごく)(ちか)づけり()(あらた)めよ』と天国(てんごく)日本(につぽん)()ふるの(こゑ)(せつ)にして()()くの(かん)があります。(しか)るに後世(こうせい)伝道者(でんだうしや)信者(しんじや)は、天国(てんごく)国相(こくさう)(うと)くしてキリストの本心(ほんしん)()らず、(ため)天国(てんごく)をして(なが)地上(ちじやう)(きた)らしめず、これ天国(てんごく)()(ところ)天国(てんごく)(ぞく)であるのであります。
 草薙(くさなぎの)神剣(みつるぎ)()らない(もの)に、如何(いか)にして天国(てんごく)()くの資格(しかく)()りませう()。ヤソ教徒(けうと)草薙(くさなぎの)神剣(みつるぎ)大本義(だいほんぎ)拝承(はいしやう)して、天国(てんごく)日本(につぽん)国相(こくさう)知悉(ちしつ)せむ(とき)(まさ)にキリストは(てん)一方(いつぽう)より(むらさき)(くも)()して再誕(さいたん)あるべし。キリストの再誕(さいたん)(あに)(うたが)ふべしとせむや。さうでなければ幾百万(いくひやくまん)(さい)キリストの再誕(さいたん)期待(きたい)するとも、(つひ)にキリストは再誕(さいたん)すべき()はあるべからずであります。何国(なにぐに)名画伯(めいぐわはく)(さく)にや、キリスト再誕(さいたん)想像(さうざう)(ぐわ)(ゑが)くに、右手(めて)曲剣(きよくけん)()するものあるを()ました。()れぞ(まつた)草薙剣(くさなぎのつるぎ)()れる()(ぐう)せしものであるが、(しん)奇画(きぐわ)(しよう)すべきものであります。
 先年(せんねん)内務省(ないむしやう)御役人(おやくにん)さまが、(しん)(ぶつ)()三教(さんけう)合同(がふどう)して(たがひ)(あひ)一致(いつち)行動(かうどう)()でむ(こと)企図(きと)し、一回の会合(くわいがふ)()へた(こと)がありますが、()れは(まつた)愚者(ぐしや)妄夢(まうむ)であつて、破等(かれら)三教(さんけう)合同(がふどう)して(しか)して何者(なにもの)(その)本尊(ほんぞん)()すの(かんが)へでありましたか、ゴツトが弥陀(あみだ)()(また)何物(なにもの)であつたか、本尊(ほんぞん)確立(かくりつ)せない三教(さんけう)合同(がふどう)なるものは所謂(いはゆる)皮相(ひさう)合同(がうどう)でありまして、弱者(じやくしや)(とき)(さく)(もてあそ)んで教権(けうけん)振起(しんき)(はか)るの世渡(よわたり)たるに(とど)まるのみであつて、彼等(かれら)(つひ)宗教(しゆうけう)権威(けんゐ)愈々(いよいよ)失墜(しつつい)したに()ぎなかつたのであります。
 神政(しんせい)復古(ふくこ)は、各自(かくじ)(その)大本源(たいほんげん)知悉(ちしつ)するに(はじ)まるのであります。仏教(ぶつけう)成立(せいりつ)如何(いかん)、ヤソ(けう)成立(せいりつ)如何(いかん)学者(がくしや)誠実(せいじつ)()づその大本源(たいほんげん)知悉(ちしつ)せられよ。(とく)日本(につぽん)神道者(しんだうしや)(りう)三教(さんけう)合同(がふどう)()(まじ)はりて得々(とくとく)として()(ごと)きは、これ何等(なんら)状態(じやうたい)でありました()(じつ)滑稽(こつけい)といはふ()白痴(はくち)()ふか、()られた状態(ざま)では()かつたのであります。(もと)より彼等(かれら)日本(につぽん)神道(しんだう)大本義(たいほんぎ)知悉(ちしつ)せず、(また)神政(しんせい)復古(ふくこ)(まを)(こと)さへ(その)()(かい)しなかつたとすれば、(あなが)歯牙(しが)()けて彼是(かれこれ)()(ほど)(もの)ではありませぬ。けれ(ども)彼等(かれら)日本(につぽん)神国(しんこく)(たみ)である以上(いじやう)吾人(ごじん)()(ところ)真正(しんしやう)日本(につぽん)神道(しんだう)(まな)びて、三教(さんけう)合同(がふどう)何上(いじやう)神教(しんせい)復古(ふくこ)尊崇(そんそう)すべく、()(ささ)(たてまつ)りても(つく)すべきの大道(たいだう)なる(こと)(おも)(およ)ぶべきであります。
 往古(わうこ)歴史(れきし)漠然(ばくぜん)として(これ)()るに(よし)なきも、埃及(えじぶと)希臘(ぎりしや)(とう)歴史(れきし)は、(あきらか)上代(じやうだい)神政(しんせい)実現(しつげん)()()りたることを立証(りつしやう)すべき史料(しれう)であります。
 (さら)古事記(こじき)上巻(じやうくわん)は、正哉(まさか)吾勝(あかつ)々速日(かつはやひ)天忍穂耳(あめのおしほみみの)(みこと)神政(しんせい)時代(じだい)(なが)かりし(こと)(つた)へて余蘊(ようん)なき次第(しだい)であります。吾人(ごじん)地球(ちきう)(すなは)中日本(ちうにつぽん)神政(しんせい)神代(かみよ)考証(かうしやう)せむが(ため)に、幾多(いくた)労苦(らうく)(かさ)ねて神政(しんせい)復古(ふくこ)曙光(しよくわう)(みと)め、神政(しんせい)復古(ふくこ)実現(じつげん)()(ため)には、全幅(ぜんぷく)(らう)()しまない覚悟(かくご)であります。大凡(おほよそ)万有(ばんいう)()()所以(ゆえん)は、神業(しんげふ)発作(ほつさ)(かく)方面(ほうめん)たるべきは、(かみ)(すで)()べた(とほ)りであります。地上(ちじやう)人類(じんるゐ)が、兄弟(けいてい)(かき)(せめ)一心(いつしん)同体(どうたい)表現(へうげん)(たがひ)()陥穽(かんせい)せむとするが(ごと)きは、神政(しんせい)復古(ふくこ)一日(いちにち)(はや)からむ(こと)(うなが)し、吾人(ごじん)をして(うた)寝食(しんしよく)(いとま)なからしめむとする次第(しだい)であります。神政(しんせい)復古(ふくこ)神剣(しんけん)御振舞(おんふるまゐ)(はじ)まり、天国(てんごく)荘厳(さうごん)(さう)成就(じやうじゆ)するに(をは)るのであります。天国(てんごく)荘厳(さうごん)(さう)器物(きぶつ)(うつ)(たてまつ)りて、八咫(やた)神鏡(みかがみ)(つた)はりますのであります。
 神政(しんせい)復古(ふくこ)唱道者(しやうだうしや)を、地球(ちきう)中心(ちうしん)地質学(ちしつがく)(じやう)日本(しつぽん)神国(しんこく)中心(ちうしん)なる下津(したつ)磐根(いはね)丹波国(たんばのくに)綾部(あやべ)本宮(ほんぐう)(さと)(いだ)せしは、(しつ)太古(たいこ)よりの神誓(しんせい)神約(しんやく)(おは)(たま)ひし(こと)恐察(きようさつ)(たてまつ)るのであります。
 草薙(くさなぎの)神剣(みつるぎ)(うしとら)稜威(みいづ))は(いま)万教(ばんけう)裁断(さいだん)せむが(ため)に、この霊地(れいち)(くだ)りましたのであります。治乱(ちらん)興廃(こうはい)得失(とくしつ)存亡(そんぼう)動止(どうし)進退(しんたい)安危(あんき)閑争(かんさう)神剣(しんけん)御本質(おんほんしつ)であります。
 神政(しんせい)(さきがけ)として神剣(しんけん)威力(ゐりよく)万教(ばんけう)(うへ)(ほどこ)し、大日本国(だいにつぽんこく)下津(しもつ)磐根(いはね)大宮柱(おほみやばしら)(ふと)しく()高天原(たかあまはら)千木高(ちぎたか)()るべき大祭殿(だいさいでん)建造(けんざう)されまして、天津(あまつ)日嗣(ひつぎ)大経綸(だいけいりん)発現(はつげん)すべき(とき)世界(せかい)万民(ばんみん)(たがひ)兄弟(けいてい)()()(かは)して遠津(とほつ)御神(みかみ)(しや)(たてまつ)り、草木(さうもく)(はじ)鳥獣(てうじう)虫魚(ちうぎよ)(るゐ)(いた)るまで一つとして、(その)天賦(てんぶ)安住(あんぢゆう)せざるもの()るなく、天神(てんしん)地祇(ちぎ)(すゑ)(ただ)して(その)(まつり)(いとな)(たま)ふべきこととなるのであります。万教(ばんけう)が一大主教(しゆけう)統轄(とうくわつ)せられて神政(しんせい)(とこし)へに成就(じやうじゆ)すべき()()むこと、(なん)(たの)しみか(これ)()ぎんやであります。(なん)(よろこ)びか(これ)()ぎんやであります。吾人(ごじん)所志(しよし)()くまでも(かく)(とほり)りであります。慨世(がいせ)憂国(いうこく)志士(しし)仁人(じんじん)(たがひ)()つて吾人(ごじん)行動(かうどう)(とも)にし、大義(たいぎ)名分(めいぶん)(むか)つて努力(どりよく)せなければ()らぬ(わけ)ではありますまいか。アア(これ)()ぎたる日本(につぽん)国民(こくみん)義務(ぎむ)がありませうか。これに()ぎたる(わが)国民(こくみん)急務(きふむ)がありませう()(あえ)忠良(ちうりやう)なる陛下(へいか)赤子(せきし)(むか)つて(げき)する所以(ゆえん)であります。
(大正五、四、一一、このみち 第一号)
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