霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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福島夫婦

インフォメーション
題名:福島夫婦 著者:出口王仁三郎
ページ:55
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-10-31 18:51:00 文字数:939 OBC :B129900c14
青葉もゆる園部の五月(ごぐわつ)を立ち出(い)でて宣伝のため大阪にくだる
道の辺(べ)に若草もゆる小山村(をやまむら)老松(おいまつ)の並木(なみき)かげ静かなり
村肝の心は浪速(なには)へ鳥羽の里(さと)道の広瀬をひた走りゆく
八木福島方
前方にこんもりたてる小北山(こぎたやま)福島方(かた)に立寄(たちよ)りてみし
この家(いへ)の主(あるじ)福島(ふくしま)寅之助(とらのすけ)何しに来たと面(つら)ふくらせり
大本の役員信者をみかぎりて浪速(なには)に下(くだ)ると言へば驚く
ともかくも浪速(なには)下(くだ)りはやめにせよとわれを止(とど)むる福島の夫婦
久子の弁舌
福島の久子(ひさこ)は弁舌滔滔(たうたう)と口角(こうかく)泡を飛ばして止(とど)むる
大神(おほかみ)を押しこめなさる先生の浪速(なには)下(くだ)りは失敗と言ふ
布教するあとから邪魔する大本の中にはをらぬと言ひはなちたり
智恵(ちゑ)学(がく)で道を開(ひら)こと思うてもあきませぬよと久子が笑ふ
結構な大神(おほかみ)様(さま)のみ教(をしへ)をわすれたあなたは道のとが人(びと)
御開祖(ごかいそ)の教(をしへ)をあくまで遵奉し綾部に帰れと夫婦(ふうふ)が勧(すす)むる
綾部にて道ひらかむと思へ共(ども)わからずやのみにて手も出(いだ)されず
何事も神に任して御開祖に心配かけぬが孝行だと言ふ
心配をかける心はなけれども天地(てんち)の道はなほざりに出来ず
結構な三千(さんぜん)世界の大神(おほかみ)の側(そば)をきらふはよい罰(ばち)あたり
久子『ほえづらをかはいて帰り失敗の言ひわけたたぬこと出来るぞや』
失敗は覚悟の前とわれ言へば久子は目をむき口(くち)を尖(とが)らす
竹村や平蔵さんがわからないあなたはあほよと顎(あご)しやくる久子
ともかくも今宵(こよひ)一夜(ひとや)は宿泊しわたしの言ふ事きけと勧(すす)むる
心(こころ)ならずも福島夫婦にとめられて小北(こぎた)の山に一夜(いちや)を泊(とま)れり
小北山の月
おそ桜(ざくら)一本(ひともと)匂ふ小北山(こぎたやま)夕(ゆふ)べの嵐に惜しくも散れり
小北山(こぎたやま)松の木(こ)かげに紫のつつじの花は初夏を匂へり
小夜(さよ)更(ふ)けを小北(こぎた)の山にのぼりつつつつじに照(て)らふ月を親しむ
十二夜(じふにや)の月は小北(こぎた)の山松(やままつ)にかかりて葉末(はずゑ)の露(つゆ)に光(ひか)れり
小北山(こぎたやま)尾根に月かげかたむきてわれは静かに床(とこ)に入(い)りけり
夫婦の祈り
うつらうつらまどろみをれば福島の夫婦は水をあびて祈れり
どうしても浪速(なには)下(くだ)りを止(とど)めずば開祖に言ひわけたたぬと祈れり
夫婦らの心をあはれとおもへどもわが決心をとくよしもなし
明日(あす)の日は綾部に送り帰さむと夫婦ひそひそささやきてをり
迷信家のむれに再び交(まじ)はるを恐れてこの家(や)をソツとぬけ出す
裹戸(うらど)あけ高石垣(たかいしがき)を辷(すべ)りおりて尻(しり)ひつからげ逃げ出しにけり
やうやくに月山(つきやま)の端(は)に没(ぼつ)しつつ暁(あかつき)つぐる鶏(にはとり)の声
虎天(とらてん)の堰関(いぜき)をあとにまつしぐら千原(ちはら)をこえて小川(をがは)に向(むか)へり
福島の追手(おつて)を恐れ千原(ちはら)より道を転じて灰田(はひだ)に向(むか)ふ
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