霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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故里の人々

インフォメーション
題名:故里の人々 著者:出口王仁三郎
ページ:68
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-10-31 18:51:00 文字数:780 OBC :B129900c16
宗匠(そうしやう)にいとまを告げて立ち出(い)づる門辺(かどべ)を村上(むらかみ)信夫(しのぶ)氏に会ふ
信夫(しのぶ)氏は穴太(あなを)牧場を主宰する人にて宗匠(そうしやう)の実弟(じつてい)なりけり
信夫(しのぶ)氏は先(ま)づ待ち給へとわが袖(そで)を引きて離さず暫(しば)しを語らふ
穴太寺(あなをでら)修繕のため勧進(くわんじん)帳(ちやう)たづさへ村村(むらむら)たづねゐたりき
喜楽さん神様なんかやめにして事業をやれと勧(すす)むる信夫(しのぶ)氏
精乳館の同僚
四(よ)年前精乳(せいにう)館(くわん)に働きし村上(むらかみ)信夫(しのぶ)は同僚なりけり
浪速(なには)へは行(ゆ)かず穴太へかへれよと信夫(しのぶ)氏しきりに勧めてやまず
和歌冠句(くわんく)川柳などの話(はなし)して又(また)半日をつひやしにけり
浪速路(なにはぢ)に下(くだ)らむ決心強(つよ)けれど友の言葉を反(そむ)くにしのびず
信夫(しのぶ)氏を伴ひ灰田(はひだ)を後(あと)にして再び故郷(こきやう)の山に近づく
村上(むらかみ)とともに精乳館に入(い)り肥えふとりたる牧牛(ぼくぎう)をみる
上田長吉
古き友上田(うへだ)長吉(ちやうきち)訪(と)ひ来(きた)り百姓せよとしきりに勧むる
なまくらな神様商売やめにして働け立派に食へると彼(かれ)言ふ
喜楽『食(く)ふだけの事なら犬でもやつてゐる俺には一つの望みがあるのだ』
神様でまうかりますかと長吉(ちやうきち)が食ふ事ばかり案じるをかしさ
銭まうけしようと思へばいくらでも出来るがみ国(くに)が大事(だいじ)と答える
喜楽さんはお国が大事とえらい事おつしやりますると長吉(ちやうきち)が笑ふ
世間話
故郷(ふるさと)に帰りてみればわからずやここにも沢山ごろつきてをり
言の葉の通(かよ)はぬ国に行(ゆ)きしごとき心地せりけり友と語りて
わが言葉利慾(りよく)にあさる長吉(ちやうきち)の耳には入(い)らずもどかしみけり
百姓に道をかたるも詮(せん)なしと世間話にほこを向けたり
世間話すれば長吉(ちやうきち)よろこびて膝(ひざ)にじり寄せ笑顔にむかうる
斎藤久太郎
長吉(ちやうきち)と語るをりしも古き友の斎藤(さいとう)久太郎(きうたらう)入(い)り来(きた)りたり
斎藤は田舎に珍(めづら)しき識者にてわが宣(の)る言葉にいちいちうなづく
日進月歩明治のみ代(よ)に生(うま)れながら田舎にはつるは惜(を)しと彼(かれ)言ふ
両親がなければわれも家出してみ国(くに)のために働かむと言ふ
両人の話をききて信夫(しのぶ)氏はえらい豪傑できたと笑ふ
斎藤は穴太を飛び出し四年後に鉄道吏員(りゐん)と任(ま)けられにけり
長吉(ちやうきち)はその後(ご)田舎にくすぼりてやせこけながら百姓つづくる
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