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度変窟烏峯宗匠

インフォメーション
題名:度変窟烏峯宗匠 著者:出口王仁三郎
ページ:63
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-10-31 18:51:00 OBC :B129900c15
急ぎつつ野路(のぢ)をたどれば朝明けをわが師の(いへ)に走りつきたり
灰田(はひだ)には冠句(くわんく)の師匠度変窟(どへんくつ)烏峯(うほう)宗匠(そうしやう)住みたまひけり
朝明けの雨戸(あまど)叩けば宗匠(そうしやう)はわが声ききて起き()でにけり
喜楽さんこの朝明けをと不思議げに烏峯(うほう)宗匠(そうしやう)とひかけにけり
一部始終つつまずかくさず宗匠(そうしやう)に語れば(もく)してうなづき給へり
烏峯師問答
烏峯『天才のあなたが何故(なにゆゑ)宗教に迷信したか』とあやしみ問はせり
正信(せいしん)と迷信の道はわれ知れり国家のために(もく)せずと(こた)烏峯『とも(かく)八木(やぎ)の福島といふ人は正直なれど迷信家ですよ』
壮年のあなたが迷信宗教に()りしとききて惜しみしとのらせり
信仰もよけれど(きみ)は壮年よ生産事業にいそしめと宣らせり
わが国の前途(ぜんと)思へば私利私慾資産を造る心になれず
玉の緒の(いのち)の限り国のため誠のためにつくさむと思ふ
時期の()るまで綾部をばたちのきて浪速(なには)に道をしかむと答ふ
烏峯『大阪は信仰強き所なり(きみ)()きませば成功なすべし』
石斛の花
庭の()の桜は青葉となりにつつ牡丹(ぼたん)大輪(だいりん)ここだ咲きをり
春の日をひねもす宗匠(そうしやう)とかたりつつ川柳などをつくりて楽しむ
大いなる古木(こぼく)の松に石斛(せつこく)の花(むらさき)(こずゑ)に匂へり
この(いへ)の松の(こずゑ)にからみたる大石斛(だいせつこく)は有名なりけり
植木屋が千円に売れと進むれど売らずにゐると宗匠(そうしやう)はいふ
ひねもすを語らひにつつ(ゆふ)さりて一夜(いちや)を楽しく師の()宿(やど)せり
(あさ)()けを待ちて浪速(なには)にたたむかと(こころ)(いそ)がる晩春の夜半(よは)
東雲(しののめ)の空ほのぼのと家鶏(かけ)の声藁家(わらや)(のき)より(きこ)()にけり
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