すべての人は死して後 天国浄土に昇り行く
無限の歓喜に浴すべき 人間特有の資質あり
これ神ごころ大和魂 仏者のいわゆる仏性ぞ
そもそも人は色々と 輪廻転生の門を越え
禽獣虫魚の境涯を 渉りて現世に人間と
生まれ来たりし者もあり 高天原の天人が
男女情交のその結果 霊子となりて地に蒔かれ
因縁ふかき男子女子 陰と陽との水火の中に
交わり入りて生まるあり 人の霊魂は至精、至微
過去と現在未来との 区別も知らず生き通し
幾万劫の昔より 生死の途を往来し
善果を積みて人間と ようやく生まれたる上は
如何でか高天の天国へ 昇り得られぬ事やある
アヽ惟神々々 神の仁慈ぞ有り難き。
神の御子たる人の身は 善悪正邪にかかわらず
高天原の天国へ 上りて諸の歓楽を
味わい得べき萌芽あり これを称して神性という
たまたま根底の暗界へ 墜ちて苦しむ者あるは
体主霊従、利己主義や 我性、我執の妖雲に
おおわれ自ら身を破り 自ら地獄の因を蒔き
自ら苦悶の深淵に 沈み溺るる魂のみぞ
さわさりながら天地を 造り玉いし主の神は
至仁、至愛に坐しませば 極悪無道の人間も
容易に悪ませ給うなく 天国浄土に救わんと
天の使いを地に降し 神の尊き御教えを
うまらにつばらに隈もなく 開かせたまひて世の人を
導き給うぞありがたき。
神の御眼より見給えば 聖人君子も小人も
智者と愚者との区別なく 一切平等に映じ給う
これぞ仁愛のこころなり 実相真如の太陽は
生死の長夜を照却し 本有常住の月神は
煩悩の迷雲破却なし 現世の人は昔より
例しもあらぬ聖代に いとも尊く生まれ遇い
仁慈の教えを蒙りて 心の暗を押し開き
天国浄土の手引きをば 開示されたる尊さは
渡りに舟を得し如く 金剛不壊の如意宝珠
双手に受けしその如く 暗夜に炬火を得し如し
アヽ惟神々々 神の仁慈の限りなく
窮極なきに咽びつつ 感謝の波に漂いぬ
そもそも人の心霊は 幸福以外の物々に
対して一切無感覚 なるべく造られおるものぞ
ゆえに諸人の心霊は 無限の歓喜を永遠に
享けんがために存在す 人の心霊の歓喜とは
一々知悉し理解する ことによりての歓喜なり
この世に生まれて何事も 知悉し得られず理解せず
暗黒無明の生涯を 送るものほど悲しみの
深きものこそ無かるべし 第一死後の生涯に
対して無知識なることは 悲哀の中の悲哀なり
アヽ惟神々々 御霊幸はいましませよ。