い 五十鈴川清きながれは皇神の恵みの露の垂るるなるらむ
ろ 老人を恵み敬ひ妻子をばいつくしむこそ道にかなへる
は はや川の瀬織津姫のみいさをに萬の曲をながしきよむる
に 憎しとは思ふな吾に仇なすはわれをきたふる神の御心
ほ 賞められて心ゆるすな曲津霊の神は後から舌を出すなり
へ 隔てなき神の御稜威に生ひながらへだてありとぞ思ふおろかさ
と 外国のをしへの雲にとぢられて日本魂の光あせ行く
ち 千早振る神の大道をひらかむと十年二十年身を忘れたり
り 隆隆とのぼる旭は大本の道の栄ゆるすがたなるらむ
ぬ ぬばたまの暗の中にもあきらかに世人を守る直日大神
る 累卵の危ふき韓をすくはずばやがて神国の仇となるべし
を 大本の神のをしへはうばたまの暗路を照らす光なりけり
わ 吾がみたま守るは吾のからだなり吾が身守るも吾の霊魂
か かりごもの乱れ果てたる世をうれひまことを人にさとす大本
よ よきことを為せば霊魂のふゆるなり悪事は魂の力をうしなふ
た 痰唾を吐きかけられて笑ひつつわれは真道を進み来にけり
れ 霊魂の餌はまことの力なり食物のみに人は活くべき
そ 損得のことにまなこを閉ぢられて思ひもかけぬ大損をする
つ つみといふ罪はあらじと祓戸の神の寿詞を称へまつれよ
ね 眠られぬ時はことさら大本の神のをしへを思ひおこせよ
な 成らぬとは人は云へども何事も成らぬにあらで成さぬなりけり
ら 蝋燭を腕にともしておろかなる人の甲斐なき荒行をする
む むすぼれしこころの髪をときほどく奇しき教を神は宣らせり
う 動きなき天津日継を守らむとわが大本は生れ出でにけり
ゐ 伊吹戸の神の気吹きに払はれて心の芥ちり失せにける
の 長閑なる心の海はひろびろと泥川のめど色もかはらず
お 惜しまれて死るは人のほまれなり誠をつくせ命あるうち
く 草木にも妙しき魂のあるものを人の御魂の光らざらめや
や 八塩路の塩の八百路を乗り越えて教祖は沓島開きたまへり
ま 真直なる心はやがて世に出づる人の誠の神徳なりけり
け 今日もまた真幸くあれと大前に心きよめていのる人の世
ふ 不二の山登りて見れど久方の天津御空のいよよ高しも
こ 心をも身をもまかせて祈りなば神はまことの力たまはむ
え 縁むすぶ出雲の神を祈るとも茶断ち塩断ちいらぬ事なり
て 手毬唄も心しづめて聞く時は身の為めとなる節のこもれる
あ 新玉の年のはじめに皇神の御祭するは御国のならはし
さ 釈迦孔子や外の聖も皇神の御眼より見れば全きはなし
き 狂者のそのなり初めをたづぬれば心小さく持つがゆゑなり
ゆ ゆるゆると飯食ふ人は現世をゆるりと永く暮す人なり
め 目の見えぬ人にまさりて悲しきは心のまなこくらき人なり
み みをしへは人の行手を明らむる神のまことの光とぞ知れ
し 白鷺の白雪の上に遊べるはその身を守る為めにぞありける
ゑ エスといふ世の村雲につつまれてあはれ知識の光うしなふ
ひ 昼となく夜となく休む暇もなく泣く児をおひて泣く子守かな
も 桃さへも大神津美の名をおひて憂瀬に沈む人を救へり
せ 背に日かげおひて進みし天皇の神業は誠のかがみなるらむ
す 須賀の宮八雲のうたのなかりせば敷島の道栄えざらまし
(大正二年一月)