霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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真道問答

インフォメーション
題名:真道問答 著者:本田親徳著作・出口王仁和訳
誌名:神霊界 掲載号: ページ:7 目次メモ:
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2020-05-31 16:38:19 OBC :M192919190901c02
[#凡例:読みやすくするため句読点を増やした/一部の漢字を平仮名に変更した/「若(ごと)き」は「如き」に置き換えた]

真道問答

     故 本田親徳著作
     出口王仁三郎和訳

   (△印は(とひ)にして、○印は(こたへ)なり)

△大地に死生あるか。
○大地球の物たる増減なし、増減あるものは死生あり。
   ◎
(さい)に幽顕あるか。
○有り。神武紀に曰ふ。顕斎これなり、顕斎あれば即ち幽斎あるを知るべし、故に顕斎にして幽斎ならざるは非なり、幽斎にして顕斎ならざるもまた非なり。
   ◎
△幽斎式を得べきや。
○幽斎は神殿あるなし、奠幣(てんぺい)あるなし、祭文(さいぶん)あるなし、霊を以て霊に対するのみ。
   ◎
△天帝は無始無終なりや。
○天帝は無始無終なり。既に無始無終の力と、無始無終の(たい)を以て無始無終の万物を造る、その(こう)また無始無終なり。
   ◎
△天の生民(せいみん)を降すや或は以て一祖と為し或は以て各祖となすは如何(いかん)
○天の民を降すや各種各般なり、而して天の民を(みる)や一般なり。故に(たい)に貴賤なし、而して貴賤あるは人の命ずる所なり。
   ◎
△霊魂に増減あるか。
○不増不減これ真の霊魂なり。
   ◎
人魂(じんこん)また然るか。
○善を為せば即ち増し、悪を為せば即ち減ず。
   ◎
△天地の大原(たいげん)道あるか。
○天地の大原(たいげん)実に道あり、鬼神(きしん)も道によつて立ち人民も道に依つて活き万物も道に依つて(いこ)ふ。
   ◎
霊力(れいりよく)同一なるか。
○霊に(ちから)無し、力に霊なし、霊力(あい)応じて(しん)()(ぶつ)と為るを得り。
   ◎
△霊力相応ずる、これを道と謂ふか。
○霊力相応じて現体(げんたい)を生ず、而して霊は霊に対し、力は力に対し、体は体に対す、真の真道(しんだおう)たるを得。
   ◎
古人(こじん)霊を論じて(りよく)(たい)に論及せざるは如何(いかん)
○一力一霊一体を以て論説を立つる者ことごとく偏見なり。
   ◎
△何を全力と謂ふか。
(どう)(せい)(かい)(ぎよう)(いん)()(ごう)(ぶん)なり。
   ◎
△何を全霊と謂ふか。
(ゆう)(しん)()(あい)なり
   ◎
△何を全体と謂ふか。
(ごう)(じゆう)(りゆう)なり。
   ◎
八力(はちりき)に古称あるか。
○動力を大戸地(おほとのぢ)と曰ひ、静力(せいりよく)大戸辺(おほとのべ)と曰ひ、凝力(ぎようりよく)須比遅根(すひぢね)と曰ひ、解力(かいりよく)宇比遅根(うひぢね)と曰ひ、引力を活久斐(いくぐひ)と曰ひ、弛力(ちりよく)角久斐(つぬぐひ)と曰ひ、合力(ごうりよく)面足(おもたる)と曰ひ、分力(ぶんりよく)惶根(かしこね)と曰ふ。
   ◎
△三体に古称あるか。
流体(りゆうたい)葦芽彦遅(あしがいひこぢ)と曰ひ、剛体(ごうたい)常立(とこたち)と曰ひ、柔体(じゆうたい)豊雲野(とよくもぬ)と曰ふ。
   ◎
(こん)(りよく)(たい)の古名、人の所名(しよめい)か。神の所名か。
○日本各祖の所名なり。
   ◎
四魂(しこん)の名、漢名の如きは如何(いかん)
○古書に勇魂(ゆうこん)荒魂(あらみたま)と曰ひ、親魂(しんこん)和魂(にぎみたま)と曰ひ、愛魂(あいこん)幸魂(さちみたま)と曰ひ、智魂(ちこん)奇魂(くしみたま)と曰ふ義訳(ぎやく)なり。
   ◎
△大地球の動力(どうりよく)別称あるか。
○有り。大地球の動力別称、建御名方富神(たけみなかたとみのかみ)なり。この本力(ほんりよく)よりして、万物の動力を発す。故にこれを末力(ばつりよく)と謂ふ。動力(もと)より霊覚無し。而して今霊覚ある者は勇魂(ゆうこん)相応ずるなり。
   ◎
△大地球の引力(いんりよく)別称あるか。
○有り。大地球の引力別称、大山咋神(おほやまぐいのかみ)なり。この本力よりして万物の引力を発す。故にこれを末力(ばつりよく)と謂ふ。引力(もと)より霊覚なし。而して今霊覚ある者は、智魂(ちこん)相応ずるなり。
   ◎
△大地球の凝力(ぎようりよく)別称あるか。
○有り。大地球の凝力別称、大地主神(おほとこぬしのかみ)なり。この本力よりして万物の凝力を発す。故にこれを末力(ばつりよく)と謂ふ。凝力(もと)より霊覚なし。而して今霊覚ある者は、愛魂(あいこん)相応ずるなり。
   ◎
△大地球の合力(ごうりよく)別称あるか。
○有り。大地球の合力別称、大土神(おほつちのかみ)なり。この本力よりして万物の合力を発す。故にこれを末力(ばつりよく)と謂ふ。合力(もと)より霊覚なし。而して今霊覚ある者は、親魂(しんこん)相応ずるなり。
   ◎
神祇官(じんぎかん)祭る所の生魂(いくむすび)は何ぞ。
○動物の本質なり。本質(もと)より霊覚なく、また力徳(りきとく)なし。(しか)して今霊覚あり。また力徳ある者は本霊(ほんれい)本力(ほんりよく)相応ずるなり。
   ◎
神祇官(じんぎかん)祭る所の足魂(たるむすび)は何ぞ。
○植物の本質なり。本質(もと)より霊覚なく、また力徳(りきとく)なし。(しか)して今霊覚あり。また力徳ある者は本霊(ほんれい)本力(ほんりよく)相応ずるなり。
   ◎
神祇官(じんぎかん)祭る所の玉留魂(たまつめむすび)は何ぞ。
山物(さんぶつ)の本質なり。本質(もと)より霊覚なく、また力徳(りきとく)なし。(しか)して今霊覚あり。また力徳ある者は本霊(ほんれい)本力(ほんりよく)相応ずるなり。
   ◎
△動物に貴賤尊卑(きせんそんぴ)あるは如何(いかん)
○神万物(ばんぶつ)を造り玉ふ。その(たい)に貴賤尊卑あり。力徳(りきとく)過不及(かふきゆう)に係はる、神の関する所にあらざるなり。
   ◎
現人(げんじん)神と成るの説あり、如何(いかん)
○幽体は現体に変ずべく、現体は幽体に変ずべからず。
   ◎
△大地球死生(しせい)なく、而して、万物死生あるは如何。
○本体死生無し、而して末体(ばつたい)に存亡あるなし。末体に存亡あり。而して子()け孫()ぐ、なほ存亡無きが如し。故に身体(しんたい)髪膚(はつぷ)(おもん)ぜざるべからず。
万体(ばんたい)至祖(しそ)を造つてより、誰も(あづか)らず、各祖形体同じきものは、子承け孫継ぐの理を知る。即ち我が(たい)は父祖の遺体にして、子孫我が後見たるを知るべし。四海同胞、神人一系、身体髪膚の重んぜざるべからざる所以(ゆゑん)なり。唯(たい)()は霊有りて用を為し、而して霊也は自己力徳の取る所にして、父祖の譲る所にあらざるなり。それ身体髪膚を重んずるは、万物同然の本情(ほんぜう)たる所、本情ありと雖も霊性あらず。霊性あらざるが故に道義を知らず道義を知らざるが故に守死(しゆし)善道(ぜんだう)を知らず、万物の人に及ばざる所以(ゆゑん)なり。
   ◎
足魂(たるむすび)とは何ぞ。
○足魂は植物の本質なり。植物(もと)より霊覚なく、また力徳(りよくとく)なし。而して今霊覚在り力徳ある者は、他物(たぶつ)に変じて霊覚を生じ、また力徳を生ずるなり。
それ足魂は他物を資養(しよう)して死生(しせい)栄枯(えいこ)するものの総称なり。地霊(ちれい)と地力の変化に因り以て動物となり而して知覚を生じ、(あるひ)凝体(ぎようたい)となりて而して一種異状の力徳を生ず、俗眼者(ぞくがんしや)以て変異と為す、それ他物を資養して死生栄枯するは植物の正則なり。その動物に変じ凝体に変ずるは変則なり。
   ◎
玉留魂(たまつめむすび)とは何ぞ。
○玉留魂は山物(さんぶつ)の本質なり、山物(もと)より霊覚なく、また力徳なし、而して今霊覚在り、また力徳ある者は、本霊(ほんれい)本力(ほんりよく)相応ずるなり。(たい)幽体(ゆうたい)顕体(けんたい)あり。
   ◎
動植山(どうしよくざん)剛柔流(ごうじゆうりゆう)と同じきか。
○動植山は(もと)より剛柔流妙合(みやうごう)して形を成すもの、而して俗眼(ぞくがん)造化(ざうくわ)(ぜん)の理を見る能はず、故に旦ルビ不鮮明で読めない。らく俗説に従つて動植山の三物となす、実は剛柔流なり。その本名や、山は剛に配し、植は柔に配し、動は流に配す。これ特にその質の(おびただ)しきものに()つてこれを配するのみ。その実は動物中にも剛柔流の三質を備へ、植物中にも剛柔流の三質を備へ、山物中にも剛柔流の三質を備ふるなり。
幽体また剛柔流を備へ、而して太虚中あらゆる諸現体はみな幽体を以てこれを造るなり。
   ◎
山物(さんぶつ)生機(せうき)なきか。
○宇宙間(あに)無生機(むせいき)あらんや。今それ石の子を産む、これ生機あればなり、その他石(たせき)と抱合する、これ生機あればなり。神の物を造るや、これに力徳を与へて、以て物を成す所以(ゆゑん)なり。(すで)(すで)に物を成す、而して無生機あるものは他理(たり)無きなり。
   ◎
△太陽は光体(こうたい)なるか。
○太陽は闇体(あんたい)なり。太陽は雰囲気(ふんいき)ありて、而してこれを包羅(ほうら)す。なほ我が大地に雰囲気あるが如し。而して衷収放(ちゆうしゆうほう)の光、その雰囲気に映徹(えいてつ)するに由りて(しよ)を我が大地の雰囲気に伝へ、現見(げんけん)如光体(じよくわうたい)を致す所以なり。
   ◎
△その光は何か。
○上帝の色なり。
   ◎
△その(おん)は何か。
○上帝の温なり。
   ◎
荒魂(あらみたま)とは何か。
(こう)(ゆう)なり、(しん)なり。
   ◎
奇魂(くしみたま)とは何か。
()は智なり、(こう)なり。
   ◎
幸魂(さちみたま)とは何か。
(こう)は愛なり、(えき)なり。
   ◎
和魂(にぎみたま)とは何か。
()(しん)なり、(へい)なり。
勇、智、愛、親は不易の道、(しん)(こう)、益、平は唯その用を()へるのみ。これを以て時に随ひ事に触れて百出千化す、一套(いつとう)を以てこれを視るべからざるなり。
   ◎
(しん)は前進の謂ひか。
曲折(きよくせつ)斜直(しやちよく)まさに進むべきに進むなり。
   ◎
(ゆう)の用は(しん)のみか。
(くわ)なり。
   ◎
()の用は(こう)のみか。
(さつ)なり。
   ◎
(あい)の用は(えき)のみか。
(いく)なり。
   ◎
(しん)の用は(へい)のみか。
(こう)なり。
   ◎
△天地人同道(どうどう)か。
○同道にして天道と曰ひ、地道(ぢどう)と曰ひ、人道と曰ふ者は各自形体の大小軽重(けいぢゆう)あるのみ、故に命名同じからず。
   ◎
△道は四魂(しこん)を以て、これを制し()べきか。
○道なる者は(ゆう)動かす能はず、智(はか)る能はず、愛(うば)ふ能はず、親(かす)む能はず。
   ◎
△何をか大道(だいどう)と謂ふか。
四魂(しこん)合同し、而してこれを(むす)ぶるを大道と曰ふ。
   ◎
△人間の交際一魂(いつこん)を以てこれに対するか、四魂(しこん)を以てこれに対するか。
(きみ)に対するに臣道(しんどう)を以てし、父に対するに子道(しどう)を以てす、その他準じて知るべし。四魂の如きは、時の地と(くらい)とにより機に(のぞ)み変に応じ、一談話を発するの間、一音一句の際また(たがい)()で互に没し、究極すべからず。故に道と曰ふなり。退(しりぞ)て而して反省し宜しく、この一語は愛、()の一語は(しん)、この一語は智、彼の一語は(ゆう)なるを察すべし。而して後その中道と不中道とを弁明すべし。これをこれ反省の道と謂ふなり。
   ◎
△神は(ことば)と共に悠久にして、(ことば)は神と共に悠久とするは、これなるか。
道神不二(ことばはかみにあらず)与字(そのじ)人言不経(じんげんふけい)と為す、悠久(ゆうきゆう)知言(ちげん)不経(ふけい)に対す。
   ◎
    (原文脱字有不明)
△何を以て道を證するか。
○凡て道を證するものは過去現在未来(たがい)(あい)證するを要す。道を證する者は道を以て道を証す。
   ◎
△道とは何ぞ。
○道は単一無雑なり。
   ◎
(こう)は何魂か。
(こう)は愛より()づるなり。
   ◎
△神呼吸(こきゆう)するか。
○神(もと)より呼吸す、故に万物呼吸せざるは無し。
   ◎
△天帝ありて大気あるか。大気ありて天帝あるか。
○霊ありて而して後に力あり、力ありて而して後に大気あり。汝の呼吸する所の大気は大地呼吸する所の大気にあらず、大地呼吸する所の大気は太陽呼吸する所の大気にあらず。故に天帝呼吸する所の大気は現体(げんたい)呼吸する所の大気にあらざるを知るなり。
   ◎
好勇(こうゆう)(こう)また愛より()づるか。
○また愛より出づ、その必ず愛する所ありて、勇を好むなり。愛の大道(だいだう)なる者。
   ◎
△義は何魂か。
○義は四魂各これあり、而して、(さい)(せい)(だん)(かつ)(つかさど)る。これを四魂に配すれば、即ち裁は智なり、制は親なり、断は勇なり、割は愛なり。
裁は弥縫補綴(びほうほてつ)の意を兼ね、制は政令法度(せいれいほうど)の意を兼ね、断は果毅敢為(くわきかんい)の意を兼ね、割は忘身殉難(ぼうしんじゆんなん)の意を兼ぬ。
   ◎
改過(かいか)は義か、直霊(ちよくれい)か。
○改過は義なり。直霊は過ちを未萌(みぼう)に消すもの、各魂各用ひて、直その(うち)に在り、これ直霊なり。直霊は時に非ざる者。
   ◎
△直霊各魂の良智(れうち)良能(れうのう)に似たるは如何(いかん)
○直霊は各魂精(こんせい)より()に至るの名を取りて決す。直霊は善々(ぜんぜん)美々(びび)なり。故に裁、制、断、割の意とは異なれり。
   ◎
国君(こくくん)死して社稷(しやしよく)丈夫邦疆(ほうきよう)死するか。「社稷」は国家・朝廷の意。「邦疆」は国境の意。
(じん)を行ひ義を()みて死する者の謂ひなり。暴君死して社稷(しやしよく)邦疆(ほうきよう)死するの()有るべからず。
   ◎
△人()天稟(てんぴん)生まれつきの才能。を全ふする者は(けだ)(すく)なし。而して神たるを得るか。
善魂(ぜんこん)(しん)と為るを()真勇(しんゆう)にして死するや、勇魂(ゆうこん)これを率ひ、真智(しんち)にして死するや、智魂(ちこん)これを率ひ、真愛(しんあい)にして死するや、愛魂(あいこん)これを率ひ、真親(しんしん)にして死するや、親魂(しんこん)これを率ゆ。故に徳(まつた)からず、必ず一神(いつしん)たるを()るなり。
   ◎
大国魂(おほくにたま)既に地道(ちだう)を以て全神(ぜんしん)たり。而して更に四魂有るは何ぞ。
(もと)より四魂あるなり。これを合すれば即ち大国魂神(おほくにたまのかみ)
   ◎
△善を為すの(かた)
○神昼夜(ちゆうや)無し、善を言ひ、善を行ひ、善を成す所以(ゆゑん)なり。
   ◎
△人の大欲(だいよく)(めい)に似たり、未だ知らず、神また(よく)有るか。
○神の大欲は(ただ)善なり、人の欲は()また善なり。
   ◎
△神は必ず人の(とひ)()ちて教ふるか。
○知らざるによつて問ひ、知るに因つて教ふ。
   ◎
人魂(じんこん)神となる。自ら高下(かうげ)優劣あるか。
○全徳を上と為すと、三徳中と()り、二徳下と為り、一徳最下と為る。一善の記すべき無き者は草莽(さうもう)(かん)にあり。
   ◎
△何を以て善を称するか。
(にち)()(ぐわつ)を以てこれを證す。
   ◎
△あえてその意を問ふ。
○造化の(はじめ)より永遠不易無疆(むきよう)あえてその道を失はず。
   ◎
△制は政、令、法、度の意を兼ぬるは何ぞ。
○政は正なり、令は理なり、法は公なり、度は同なり。
   ◎
戒懼(かいく)戒懼は「いましめおそれること」(広辞苑)は何系か。
○義の系なり。
   ◎
△欲は何系か。
○欲は四魂より出でて義と併立す。
   ◎
()底本では「願」に「ぎ」とルビが振つてあるが、文脈からすると「義」の誤字かも知れない。は何系か。
○欲に(かか)はる。
   ◎
△欲と義と併立して、而して義は裁、制、断、割なり。然らば即ち欲に対するもの無かるべからず、如何(いかん)
()なり、()なり、寿(じゆう)なり、(ふう)なり、而して名は()(よく)し、位は(こう)を欲し、寿は(ちよう)を欲し、富は(だい)
を欲す。
   ◎
()は何系か。
(おもひ)(かか)はる。
   ◎
△人祖は神、特に()を造るか。
○然り。その然る所以は霊魂を賜ふ、これその證なり。
   ◎
△天帝は何を以て(たま)となすか。
○勇、智、愛、親なり。
   ◎
△天帝何を以て(ちから)となすか。
(どう)(せい)(かい)(ぎよう)(いん)()(ごう)(ぶん)なり。
   ◎
△天帝何を以て(たい)となすか。
(ごう)(じう)(りゆう)なり。
   ◎
△然らば即ち天帝既に勇智親愛を以て心となし、動静解凝引弛合分を以て力となし、剛柔流を以て体となし、以て神となる。未だ大小を審にせず、如何。
○至大無外、至小無内、所在なきが如く、所在せざる無きが如し。
   ◎
△忍耐は義に属するか。
(おもひ)に属するなり。
   ◎
△勉強また(おもひ)に属するか。
○然り。
   ◎
(おもひ)何魂(なにこん)か。
○勇は勇を思ひ、智は智を思ひ、愛は愛を思ひ、親は親を思ふ。
   ◎
△忍耐勉強は人間の事なり。神これを煩思(はんし)せず、而して思ひの一字に至つてはまたこれあるか。
○人の思はざる所を思ひ、人の忍耐勉強せざる所を忍耐勉強す。
   ◎
△神は何を忍びか。
○忍ぶ所は天に受くるの善なり。
   ◎
△喜怒哀楽は四魂みなこれ有るか。
○四魂みなあり。
   ◎
嗜欲(しよく)(たい)に依つて発する者は、愛身(あいしん)の愛に属するか。
○然り。これ人祖天稟(てんぴん)の善の第一義なり。
   ◎
△天帝は全智全能にして主宰をなす、而して多神を造るは何ぞ。
○天帝多神を造るは全智全能なる所以(ゆゑん)を以てす。天帝太陽を造りて、即ちこれに附するに霊魂(れいこん)霊力(れいりよく)霊体(れいたい)を以てす。既に大地を造り即ちこれに附するに霊魂、霊力、霊体を以てす。既に太陰を造り即ちこれに附するに霊魂、霊力、霊体を以てす。而して太陽と大地と太陰と列星と永遠死せず、而して人類必ず死しその霊また神となる、天帝もし多神を造らずんばそれ何を以てかこれを主宰せん。
   ◎
△天帝既に人類を造る、即ちその保護また自らこれを為すか。
○大地その一に居り、太陽その二に居り、太陰その三に居り、千万世にして而して(たが)はず。
   ◎
△人の精神必ず憑語(ひようご)するか。
(あるい)憑語(ひようご)し、或は憑語せず。
   ◎
△祈祷(えき)あるか。
○或は益あり、或は益なし。
   ◎
△あへて智の用を問ふ。
(かん)なり、()なり、(かく)なり、(さつ)なり。
   ◎
△あへて愛の用を問ふ。
(ぞう)なり、(せい)なり、(くわ)なり、(いく)なり。
   ◎
△あへて(しん)の用を問ふ。
(しゆう)なり、(さい)なり、()なり、(へい)なり。
   ◎
△あへて勇の用を問ふ。
(ふん)なり、(べん)なり、(こく)なり、(しん)なり。
   ◎
(めい)()寿(じゆ)(ふう)の四欲はこれを四魂に配すべきか。
○名は智に配し、位は勇に配し、寿は愛に配し、富は親に配す。
   ◎
△霊を以て霊に対する、既に已に(をしへ)を聞き得たり。未だ知らず、(たい)は別に自他の弁あるか。
(あるひ)は己の霊を以て己の霊に対し、或は己の霊を以て一人の霊に対し、或は己の霊を以て一国の霊に対し、或は己の霊を以て億兆無数の霊に対す。その(たい)を以て体に対し、(ちから)を以て力に対するも、またまた然り。
   ◎
△四魂に経緯(けいい)あるか。
○勇親を(けい)となし、智愛を()となす。
   ◎
経言(けいげん)の義如何(いかん)
一々万々(いちいちばんばん)確固不易(かつこふえき)、此れ之れを経言(けいげん)と謂ふ。
   ◎
緯言(いげん)の義如何(いかん)
操縦与奪(そうじゆうよだつ)その(けん)(われ)にあり。此れ之れを緯言(いげん)と謂ふ。
   ◎
△道に公私あるか。
○道に大小あり、而して事に公私あるなり。道は(かみ)天子より(しも)庶民に至るまで、これを同じうする所の名なり。道立ちて事(おこな)はる。
   ◎
()()に属するか。
()()と異なり秘は(けん)(つかさ)どる。
   ◎
惻隠(そくいん)の心惻隠とは「いたわしく思うこと。あわれみ」(広辞苑)何魂(なにこん)に属するか。
○愛の属なり。
   ◎
辞譲(じじよう)の心辞譲とは「謙遜して他人に譲ること」(広辞苑)何魂(なにこん)に属するか。
○道の属なり、禽獣虫魚(きんじゆうちゆうぎよ)この心無し。
   ◎
羞悪(しゆうを)の心羞悪とは「自分の悪を恥じ、また他人の不善をにくむこと」(広辞苑)何魂(なにこん)に属するか。
○四魂みな有り禽獣(きんじゆう)()ずる所なし。
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△是非の心是非とは「道理にかなうこととかなわないこと」「よしあしの判断」(広辞苑)何魂(なにこん)に属するか。
○四魂みな有り、是々非々。
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諫争(かんさう)諫争とは「争つてまでもいさめること」(広辞苑)は何魂に属するか。
○四魂みな有り、禽獣(きんじゆう)争ふ所のものはただ(しき)(しよく)
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(げん)は何魂に属するか。
(げん)(しん)の属なり、その(ぼう)犯すべからざるの()あるを言ふ。
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△然らば即ち(さい)(さう)(ちゆう)(せい)(しん)に属するか。
○親の属なり。
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△忠孝を道となすは如何(いかん)
○忠孝は人心(じんしん)の固有にして、未だ(きみ)無く(ちち)無き時に(あらは)れざる者、この心(つね)にあり。故に道と曰ふなり。(きみ)あり父あり。これに(つか)ふるの道立つ、而して(きみ)(つか)ふるの事字(じじ)はすなはち親魂(しんこん)に属す。道立ちて(かぎり)なし。故に無道(むだう)の日に(つか)ふるは人事に(かか)はる。
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神異(しんい)なるものは如何(いかん)
()を見ては必ず(けい)(かい)(きき)ては必ず(いまし)む。
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△学は智に属し、而して(きよう)は愛に属するか。
○みな四魂に属す。
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△天神地祇の弁。
○無形に()すを天神と曰ひ、有形に(いま)すを地祇と曰ふ。
   ◎
人魂(じんこん)の神と()れる者、諸天(しよてん)に属するか。諸地(しよち)に属するか。
○雰囲気内にある者は(これ)()に属し雰囲気外にある者は(これ)(てん)に属す。
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△霊威とは如何(いかん)
○霊威なる者は霊魂の非情に動ける者、いはんや有情に(をい)てをや。
   ◎
大国主(おほくにぬし)()は大地の霊、(もと)より人体にあらざるは既に已に(めい)を聴く、その神子(しんし)と称するもの知らず何等の(あやまり)ぞ。
○古来神子(しんし)と称する所の者は大国主の霊体力の用のみ。大地(もと)より后妃(こうひ)無し、また()これ有らん。
   ◎
大地 一
樹草(じゆさう) 二
人  三
(けもの)  四
鳥  五
(うを)  六
虫  七
(完)
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