霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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出口王仁三郎氏を囲む座談会 第四夜(四)

インフォメーション
題名:出口王仁三郎氏を囲む座談会 第四夜(四) 著者:
ページ:
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日: OBC :B108500c16
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]『昭和青年』昭和7年8月号
富田 『迷っては天国にいらっしゃれませんね』
出口氏 『ウン迷うてまた現界に戻って来たのじゃ』
 ── 一同笑声 ──
高橋 『聖師様、霊界で霊体をもった者が地上にまた再生する時にその霊身はどうなるんでございます、また小さくなれるんでしょうか』
出口氏 『大小はどうにでもなる、──そしてまた肉体に入るのだから、便利なものじゃ。自分で小さくもなれば大きくもなれる。それで十里四方は宮の(うち)──こんなチッポケなお宮でも十里四方にでも拡大する。横山の如く置きたらわして──ほんのこれだけほど供えて霊界では横山の如くなって来る。言霊の(さち)わう国だから、言霊でそうなって来る。それでこの世の中でもつまらんつまらんと思うて暮らしているとなんぼでもつまらんようになって来る。呪えば呪うような事が出て来る。世の中がそうなって来るのだ。みんなその気になれば不景気もふっとんでしまう』
富田 『死んだ田中のおばあチャンが結構々々と暮らしておればきっと結構な事が来ると言うて朝から晩までどんな事があっても結構々々というもんですからみんなで鶏婆さんというあだ名をつけていたんです』
速志 『なんでや』
富田 『結構々々、コケッココオ』
速志 『なんじゃいハヽヽ』
高橋 『自分で少しだけしかお供えしていないなと思っておっても口に横山の如くと言っておれば霊界ではそうなっておるんでございますね』
出口氏 『そうだ、心で少ないなと思っておっても霊界では言霊に出しさえすればそうなって来るのだ、何もわざわざ少ないお供えを見て多いなと思うように努力する必要はない』
富田 『お玉串を十銭入れて金十円也……』
出口氏 『二円五十銭あげて金千匹と書いて出す。一匹は二厘五毛だから二円五十銭で千匹になる』
富田 『一匹は昔使うたのですか』
出口氏 『そら使うた。今でも男一匹ていうだろう。それから反物なら二反ある。だから男一匹なら二人前の働きをするものじゃハヽヽヽ。二厘五毛あったら一匹の値打ちがある。今では一文奴(いちもんやっこ)ばかりだ。チョットよいので三文文士、それから五文(顧問)官。昔は天保銭と言って笑ったが、五文々々(五分々々)くらいなものだ』
 ── 一同笑声 ──
出口氏 『会社なんかでは一文奴が揃って四文(しもん)(諮問)機関というものを拵えている。判らん時には四文に尋ねる』
 ── 一同笑声 ──
西村 『身体を解剖して(りん)とか石炭とかに分けてみると今人間の値は二円五十銭くらいになるそうですが』
出口氏 『二十貫の身体に固形物が四貫くらいしかない。後の十六貫くらいが水ばかりである。水がきれたら人間の身体はあかんのじゃ。それで病気の時には(みづ)御霊(みたま)の大神をお願いするのだ』
富田 『お月様の光を手でくんで頭にかけると長生きすると言いますが、よく子供の時おばあさんにして上げましたっけ』
出口氏 『それは月の(つゆ)の事だ。月の露は非常にええものである。雨の露はいかん。月の露を盃に受けておいてそれをのませれば大抵の病人は癒る。それで露の命なのだハヽヽヽ』
 ── 一同笑声 ──
速志 『それでは満月の夜に屋根の上にコップでも置いてそれにたまった露をのましたらいいですな』
高橋 『闇夜に露に打たれるのと月夜に露にうたれるのと疲労がウント違うと言います、闇夜の露はとても身体を疲労さすって』
富田 『モオバッサンフランスの自然主義の作家ギ・ド・モーパッサンが「水の上」の中で人間が月の光を浴びると一生癒す事の出来ない病になる、というような事を書いていますが』
出口氏 『ムッソリニーが自分は何も世界にこわいものはないが月が一番こわいと言っている』
速志 『そんなに月の露が身体にいいんなら沢山ためておいて病気になった人に呑ましたらいいですな。そうなったらコップくらいじゃあかんな』
比村 『沢山とっておいて「昭和青年」の代理部で売り出したら儲かるやろな』
出口氏 『よう売れると終いに水をまぜるだろう』
 ── 一同笑声 ──
大崎 『聖師様、ムッソリニーの話です。日本でもファシズムが盛んなようですが、あれは盛んになって行くでしょうか』
出口氏 『そら、こういう時世だからチットずつ盛んになって来るだろうな』
(この間三十分ほどすこぶる有益なお話しあり。しかしいろいろの事情で再録出来ません。諸君は以上のような訳ですから自由を持たぬ記者を怨むなかれ……です。いずれ時期が来れば発表する事が出来るでしょう)
速志 『ラブレターはどんながいいでしょう』
出口氏 『嫁にひまをやる時にも三くだり半だ。それ以上だったらいかん。ラブレターなんかは短い方がいいな』
速志 『しかし長いのを貰うと嬉しいですな、僕の貰った中で一番長いのがレター十六枚でしたが』
富田 『随分気張って書いたもんですな』
出口氏 『みな言い切ってしまったらいかん。余韻をもたす所にいい所がある、チョット思わせるくらいでやめとくのもいいな──
 それからワシの言う事は出鱈目のようだけれど、みんなどっかに根拠がある。そのつもりでおってくれよ』
大崎 『日本でも外国でも満蒙満州と蒙古には機会均等とか、門戸開放と言っていますが矢張りそうでなくちゃいかんのでしょうか』
出口氏 『そらそう宣言せんといかんな──それから人間は愛善に堕落しても困る。智慧証覚も必要だが、そればかり堕落しても困る、中庸を得たのが理想なのだ。
 そして兎も角物事に驚かんというだけの度胸が出来ておったらよい。
 どんな人でも一度はハット驚くが、何クソで強くなってくる。ビクッともせんというけれども、そんな事は嘘だ。ワシでもビクッとする。それは人間だから肉体を持っているから誰でも当たり前の事だ。しかしウンと気張ると信念が湧いて出て胴が据わる。そうするとなんでもなくなってくる。こわい事なんかない。びくともしない。本当の信念を造る事が大切だ。どんな事になってもチョットも感じない人間は無神経の人だ。誰でもビクッと一ぺんは来る。それからぐっと気張ればよい。そうすると内流が来るから、よい考えが出て来る。驚かんという事が一番強い。それからいよいよ進展主義になるのだ』
速志 『普通の臆病者というのは精神の外部的状態が臆病者になるのですか』
出口氏 『そらそうじゃ。本当に神の内流があれば驚かん。肉体が愕然とするのは外流で、肉体において吃驚(びっくり)して殺されても精霊界では吃驚せん。火事の時、家を飛び出したのと同じだ。家が焼けておっても飛んで出さえすれば熱い事はない。しかし家の中におって焼かれておったら熱いにきまっている』
速志 『俺はお化けを見た事がないがお化けがこわくてしょうがないな』
出口氏 『ワシが小さい時こわいもんは伯父キとお化けと親父とがこわかった』
富田 『僕一度腰が抜けた事があります。足がちかちかして歩けません。よその火事をうちの火事だと間違えたんですが』
出口氏 『それは本当に腰が抜けたのではない。腰が抜けるのは延髄の骨が取れるのや。木のまくらをして延髄を圧して寝ていて急に起きると、にわかにぐらぐらしてくるだろう。この延髄の所が身体の中心なのだ。鳩の延髄を抜いてみると、どうしてもころげて歩けん。人でも同じ事、延髄をとるとヒョロついてよう真っ直ぐに歩けん、だから仰向けに延髄を圧して寝ていると身体に悪い。一番いいのは右脇の方を下にして「さ」の字型に寝る事だ。左を下にしていると苦しくていかん。妙な夢を見たりする。また、おそわれる事があるもんじゃ』
富田 『僕、小さい時に夢で長い間、飛行機に乗って飛び回り、墜落してハット思った時、ベッドから掛け布団を握ったままで落ちましたが、まさか長い間、飛ぶところの夢を見ていて墜落の瞬間、ベットから工合よく落ちるのではありますまい。
 落っこちる瞬間、時間空間を超越しているのでしょうか、霊界ってあんな調子なんでしょうか』
出口氏 『そうだそうだ』
速志 『夢を続けて見る人がありますな』
出口氏 『そんなのがあるな。ワシは夢でもうおっかけられて切られる、やられるというような時には窮鼠(きゅうそ)かえって猫を噛む勢いでウント(りき)む、何クソと。そうすると自分の力む力で目をあく。そして夢では彼女に会いたいと思うとチャンと会える。そして情約(条約)締結までに行く事がある。それは起きている時はなんぼその女に恋していても、そんな事をしてはいけないという自制心なんか──正守護神の働きがあるから、何もしないでいるが、寝てしまうと副守護神だけの働きが発揮され、正守護神の働きは眠ってしまっている。だからそんな調子で思っている女と会い、条約締結の運びにまで行ったりする』
井上 『聖師様、そんな場合、その女も男を思っているんでしょうか、そして何らの障壁もない夢の中で二人の意思が何らの制縛を受けないで自由に今のような結果にまでお互いの気持ちを進展さす事が出来るのでございますか』
出口氏 『そんな事はない。その女が男を思っていようといまいと男だけが勝手にそういう調子で夢の中でやってしまうのじゃ。金が欲しいと思っていると幾らでも金がころがっている夢を見る。欲望だけが自由に何の制縛もなく夢の中では、のびて行く事が出来るのだ。人間に石の意の字にくっつけると「億」となる。それくらい人間の意志は億兆無数に分離しているものじゃ』
大崎 『十二月の「玉鏡」王仁三郎の名言集にシャリとありましたが、あれは何でございますか』
出口氏 『シャリはシャリじゃ。今ワシのアゴの所に出来ている。キラキラして固い綺麗なものじゃ。今までに二ツ出た。アゴの所のも段々に大きくなって出て来るのだ。三十二釈迦にはシャリがあったという事だ』
速志 『それなら聖師様は三十三出なければならない訳でございますね』
出口氏 『もう二ツ出ている。生きているうちに出るのは滅多にない。ワシのは口から一ツと眼の下から一ツ出た。たいてい(のど)から出るもんだが』
井上 『普通の人間からでも出るものでございますか、そして矢張り沢山出ればいいという訳でございますね』
出口氏 『一ツくらいは出るな。が、沢山出るほどええ。ワシのは一ツ神島(かみじま)さん瀬戸内海・高砂沖の神島の恰好をしておった。それが出る時は痛かった。ぷくっと腫れて四十日くらいは痛かった』
速志 『切って出すんでございますか』
出口氏 『ひとりでに出る。出る時はポロット出るが、それまでが痛い。この(あぎと)の辺りに玉が出来ると大きな事が出来るというな』
富田 『速志さんもうソロソロ失礼いたしましょうか、玉で円く終わらして頂いては……』
速志 『そうやね、モウ大分永い事お邪魔したんだから』
一同 『聖師様どうも色々結構なお話を有り難うございました』
出口氏 『じゃこの蜜柑みんなで食ってくれ、もう大分、霊が入っとるらしい』
 ── 一同笑声 ──

 永らく読者の待望を得た本記事もいよいよ本号限りで終わりとなりました。熱烈なる御後援の下に超大なる讃辞のうちに終わらして頂いてうれしく思っております、また日を改めて続けて行く決心でおります。(編者)
 
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