霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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名残

インフォメーション
題名:名残 著者:出口王仁三郎
ページ:232
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2024-10-30 20:57:00 OBC :B119300c054
二十五歳の頃
懇切な姉の依頼の手紙みていのちの恋を捨てしわれかな
男らしく恋は捨つれどどこやらに名残(なごり)(をし)さの背骨(せぼね)がいたむ
垂乳根(たらちね)の父は()が子と()げくらべしたりといひて憤慨なし()
恋人を他人にとらるる弱き(をとこ)(すゑ)の見込みがたたぬと父いふ
遠くともみづから行きて結婚を破りて()よと友そそのかす
(こひ)びとをとらるるごとき弱虫は青年会をのぞくと友いふ
牛乳の得意が大切(だいぢ)一朝(ひとあさ)もかかせぬわれの身こそつらかり
恋愛と事業と二つくらべあひ(われ)はいのちの恋を捨てたり
(まづ)しければ恋もかなはぬ世の中と知りて朝夕(あさゆふ)事業にいそしむ
(こひ)捨てしこころの苦しさひねもすの(わざ)ををはりて浄瑠璃(じやうるり)学ぶ
()()なに吾妻(あづま)太夫(だいふ)(もと)にゆきて浄瑠璃(じやうるり)稽古(けいこ)友となしけり
浄瑠璃(じやうるり)の恋の文句につまされてわれ時折(ときをり)に忍び()に泣きぬ
黄金(わうごん)万能力(ばんのうりよく)の社会には南瓜(かぼちや)も美人をめとりて澄ませる
地位と(かね)とばかりが結婚すなる世は今業平(いまなりひら)(きみ)ももてなく
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