霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第十章 吾人の現代観 

インフォメーション
題名:第10章 吾人の現代観  著者:出口王仁三郎
ページ:49
概要: 備考:2023/10/02校正。 タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-10-02 13:11:04 OBC :B121802c111
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]
  1. 霊界物語 > 第69巻 > 第69巻
  2. 『瑞祥新聞』大正14年9月21日
[#前半部は省略する。]
(大正一三、一、一五、霊界物語六九巻 巻頭言)
 現代に(おこな)はるる既成宗教や、新宗教なるものの唱導する教義をみるに、(いづ)れも霊肉一致の救済には(だい)なる欠点がある(やう)だ。某教の十戒と云ひ、某宗の五戒と云ひ、某宗の七ケ条、某教の十二ケ条、其他(そのた)粟産的(ぞくさんてき)宗教の唱ふる教義を見渡すに、(いづ)れも倫理学の範囲を()づるものは一つも無い。偶々(たまたま)霊界を説き天国浄土地獄を説くと(いへど)も、(その)論旨は不徹底(きは)まる妄断のみで人心を安定させる(ちから)の有る(をしへ)は一つも無い。人間は死後の世界の生涯を気遣(きづか)はないものは、痴呆者(ちはうもの)でない限りは一人も無い(はず)だ。下手な自然界に(おこな)はるる倫理の模倣(ばか)りを(もつ)て、宗教の真体(しんたい)(つか)んでゐる様に思つて居る宗教家のみだ。倫理なれば倫理の(をしへ)として布教伝導すれば余りに弊害も大きく成らなからうが、不徹底極まる天国地獄説や、神罰(しんばつ)仏責(ぶつせき)などを(ひね)り出して、世俗を迷妄の淵に(おとしい)れむとして居るのだから(たま)らない。既成宗教の権威と信用は(すで)(おのれ)()ち、新宗教の頻起(ひんき)するも(また)何等(なんら)の権威なく信望なく、(ふる)き道徳は(すた)れて新しき生命ある道徳の(をしへ)(おこ)らず、世俗は霊肉共に其の方向を見失ひ、自暴自棄の結果神仏の存在を否定し、心魂(しんこん)日に月に荒廃して自己愛のみに専念し、(あだか)も野獣の如く乱倫(らんりん)不行(ふぎやう)()のみ増加し、世は益々(ますます)暗黒無明の軌道に(むか)つて最大急行的に驀進(ばくしん)しつつあるのである。嗚呼(ああ)(かか)る精神界自然界の一大危機に頻し、天下万民のため万有愛護の教旗を(ひるが)へし舎身的大活動を試み、霊肉の救済に(むか)つて実行的運動を開始する者()でずむば、世は近き将来に(おい)て猛獣毒蛇(どくじや)天地(てんち)と一変するは、火を()るよりも(あきら)かなるべきは具眼者(ぐがんしや)のみと認むる所である。(ここ)(おい)てか吾人は群肓(ぐんまう)の妨害や悪罵(あくば)(たゆ)まず屈せず、人類愛の(ため)天国建設の(ため)一大獅子吼(ししく)を継続し、日夜活動しつつあるのである。
(大正一四、九、二一号 瑞祥新聞)
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