霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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(六)

インフォメーション
題名:(六) 著者:浅野和三郎
ページ:223
概要: 備考: タグ: データ凡例: データ最終更新日:2025-01-24 22:22:00 OBC :B142500c59
 首尾()く妻が一連の(たま)を、()(くだ)したのを見そなはした時に、神さまは(おもむろ)懐中(ふところ)を探つて、今度は真紅の()を通した、一箇の水晶の珠を取り出された。
『これを(そち)(つか)はす。神の見る前で()んで見せよ』
 (おそ)(おそ)る妻は両手をさしのべて、神の御手(みて)から(くだん)の珠を受取つたが、先刻(さつき)()いた珠よりは(はるか)に大型で、づツしりと受けた手に重みを感じた。質は(あく)まで透明で、水や(したた)る、(つゆ)やこぼるるかと疑はるる明玉(めいぎよく)、覚えずうつとりと見惚(みと)れて(しま)ふのであつた。
『さア早うそれを()むのぢや』
 ()き立てらるる神のお言葉に、妻は、はツと我にかへつた。先刻(さつき)の珠は辛うじて()み込むことが出来たが、今度のはいかにも大きく、神のお言葉が(むし)(うら)めしかつた。
『とても神さま、(わたくし)には()めは致しませぬ。お(ゆる)しを願ひます』
『イヤ()める。(そち)()めるから()めと申すのぢや』
『でも什麼(どう)してこれが……』
『早ういたせ、早う!』
 と神様は相手にしてくださらぬ。仕方がないので妻も(やうや)く覚悟を決めた。
『それなら、一生懸命()んで見ます』
 珠を携へて神の御前(みまへ)(さが)り、次の(しつ)水甕(みづがめ)のある所まで行つて、珠を口に入れ、水と共に()みおろした。
 珠は思ひの(ほか)に滑らか、スルリと(のど)を通過して、胸に行つてつかへた。苦しいので又水を()と口……。
 と、(にはか)に眼が(ひら)いた。(あかつき)の色は(かす)かに戸の隙間から射し込んで居るが、まだ夜は明け切らない。今までありありと拝し得た神の姿は何時しか消えたが、ただ胸の(つかへ)はまだ少しも去らない。何処(どこ)までが夢で、何処までが(うつつ)か、とてもその区別がつかなかつた。思ひ惑うて妻は自分を揺り(おこ)して、今あつたことを(つぶ)さに物語つた。
(わたくし)どうしても夢のやうには思はれません。まだ胸のこの(へん)(すこ)し痛う(ござ)います』
などと言つて、(しきり)に胸を(さす)つて居た。
 大本の信仰に入つてから、これまでにも屢次(しばしば)夢で色々の事を知らされて居るので、今度のも(たしか)霊夢(れいむ)であると自分は直覚した。素盞嗚尊の御出現、三十(ばか)りの連珠(れんじゆ)、赤い()白珠(しろまに)──無論自分の胸に(さと)る所はあるにしても、下拙(へた)な説明を(くだ)すべき限りでないのは言ふまでもあるまい。自分は(ただち)に妻が見た有りのままを(ここ)に書いて置くにどめる。
 兎に角この前後から、麦は妊娠した。
 教祖さまも出口先生もこの話をきかれると、大変お歓びになつてくだすつた。(うま)るる()が女子であることは何方(どなた)もすぐお判りであつた。出口先生は早速(ふで)()つて、
(つき)(みちて)放神光(しんくわうをはなつ)
一幅(いつぷく)を書いてくだすつた。この文句を見ても胎児の女性であることは(あきら)かに示されて居た。
 (あかつき)近く(たま)を与へられた母親は、十箇月の(のち)に月満ちて(あかつき)近く女児を生んだ。その(みぎり)自分は(わざ)と子供達を外に連れ出し、船を和知川(わちがは)(うか)べて居たが、うらうらとさし昇る旭日(あさひ)の光を浴びつつ、安産の吉報を得た歓びは今も()ほ忘れない。
 (うま)れた女児に何といふ名をつけやうかといふのが、引続いて起つた軽い心配であつた。自分の頭脳(あたま)の中で考へついた名は三ツも四ツもあつたが、(むし)ろこれは神示によりて決すべきであると(さと)つて、綾部の産土、熊野神社に参拝した。
 祝詞を奏上して、お礼を(まをし)上げてから、社前で鎮魂の姿勢を取りて神様に伺つた。
『最早神界にては、今度(うま)れた女児の届け出があつたことと存じます。名は何と申すか、お告示(しるし)を願ひます』
 待つ()程なく御神示に接することが出来た。美智子といふ名は()くして()けられた。後で気がついて見ると、出口先生の(くだ)すつた掛物(かけもの)の文句の中にも、立派にこの名が暗示されて居た。
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