霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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32~54

インフォメーション
題名:32~54 著者:
ページ:16 目次メモ:
概要: 備考:2023/10/22校正。 タグ: データ凡例: データ最終更新日:2023-10-22 12:02:42 OBC :B115006c05
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]神霊界 > 大正9年7月1日号(第119号) > たまの礎(裏の神諭)
(卅二)王仁(おに)(かつ)谷口(たにぐち)熊吉(くまきち)南部(なんぶ)孫三郎(まごさぶろう)上仲(うへなか)義太郎(ぎたろう)四方(しかた)春蔵(はるぞう)なぞに鎮魂の(わざ)と、帰神(きしん)(わざ)を授けて、悪霊(あくれい)を祓ふことを教へたりしに、(いづ)れもよく修得したりしが、慢心の()めに、(のち)には(かへ)りて悪魔の為めに襲はれ、(そむ)きたるも(また)死したるもありき。
(卅三)谷口(たにぐち)といふもの、師の恩を打ち忘れて、王仁(わに)(そむ)きたること(あら)はれければ、首尾悪く、逃げて京都に帰りたりしが帰るや否や、習得せる神法(かんわざ)は間に合はぬやうになりたりき。
(卅四)(かつ)王仁(わに)郷里(ふるさと)より、老母危篤()ぐ帰れとの電信(きた)りければ、帰らんとすれども、腹黒き谷口(たにぐち)のありければ、不在(るす)(うち)にいかなる奸策(むほん)(たく)むやもはかり(がた)ければ、その(よし)神に願ひけるに、谷口は(たちま)(はげ)しき熱(おこ)りて、臥床(ふしど)()りたりき。
(卅五)王仁(わに)はそれより郷里(ふるさと)に帰り、老母の病を癒やして、八日目に(つつが)なく綾部に帰りけるが、見れば谷口は()臥床(ふしど)にありて、(もだ)へ苦しみ居たりければ、王仁(わに)初めて、許すとの言葉の(もと)に、谷口は(たちま)ち起き(あが)りて、さしも(はげ)しかりし、熱は拭ふが如く冷めたりけり。
(卅六)丹後の国の宮川(みやがは)の河上に、天之岩戸あり、天照大御神を(いつ)(まつ)る。明治三十四年の三月八日に、出口教祖は、艮之金神の神命(おほせ)を受け給ひて、世界の泥を(すす)ぎて、元の神世(かみよ)に清めんとの深き思召(おぼしめし)より、出口の王仁(わに)、出口の澄子、その他役員信者あまたを引き連れて、心も清き宮川(みやがは)の天之岩戸へ出立(いでた)ち給ひけり。
(卅七)王仁(わに)は神の御言(みこと)のままに、天之岩戸の深き渓間(たにま)(くだ)り、(いにしへ)より(いま)一度(ひとたび)(にご)りたることなき、清き産水(うぶみづ)にて、世界の人に(かは)りて御禊(みそぎ)(はら)ひて修し(まつ)る。
(卅八)天之岩戸は剣崎山(けんざきやま)といへる、嶮しき山の麓に在り。昔はこの霊地に(うる)はしき御社(みやしろ)ありし(よし)御座石(みくらいし)とて、大いなる(いは)谿間(たにま)に立ち(ふさが)れり。それより半丁(ばか)下手(しもて)に当る、谷川の真中に、巨大(おほい)なる(いはほ)ありて、其(いはほ)に天然に穿(うが)たれたる穴あり、清き水を(たた)へたり。
(卅九)(いはほ)の穴は二個ありて、一を産釜(うぶがま)といひ、他の一を産盥(うぶだらひ)といふ。往昔(むかし)神代(かみよ)より今に至るまで、(かつ)(けが)れたることなき清水なれば、出口の(かみ)の、此霊境(れいけう)に詣で給はれたるも、この水を汲み取りて、竜宮館(りうぐうやかた)に移し給ひ、現世(このよ)罪穢(あか)を洗ひ給はんとの、深き神慮(しんりよ)にぞ()でたるなりける。この産水(うぶみづ)の汲み取りに(あた)れるは、木下(きのした)慶太郎(けいたろう)森津(もりつ)由松(よしまつ)の二人なりき。
(四十)王仁(わに)(この)二個の(ゐど)の前に立ちて、其(みづ)を手に(すく)ひて身を清め、天に(むか)ひて拝していふ、王仁(わに)、艮之金神の道に従ひて今(この)清き御地(おんち)(きた)り、千早振(ちはやふる)神の清き御心(みこころ)を汲みあげて、世の中の罪を洗ひ清め、高天原(たかあまはら)の道を(ひら)かんとす。(ねが)はくば天津神の広き厚き御恵(みめぐみ)を垂れさせ給ひて、(おほい)なる神業(かんわざ)を成し遂げさせ給へと、熱心に祈りたりき。
(四十一)出口の教祖、(たて)福林(ふくばやし)安之助(やすのすけ)の熱心なる依願(ねがひ)に任せ、帰途しばし其(いへ)(やす)らひけるに、此(むら)の信者の子に、村上(むらかみ)吉之助(よしのすけ)といへる者、腹水病(ふくすいべう)にて長く(わづら)ひ、医師(くすし)()や手を放して、(ただ)死を待つより(ほか)詮術(せんすべ)なきものありたれば、()の親兄弟の頼むに任せ、(その)家に到り給ひ、静かに御手(みて)を当てて、息子よ(こころ)安かれ、(なんぢ)の罪は、今後三十日の間に(ゆる)さるべし。ただ神を信ぜよと、御言葉(おことば)を賜ひて帰られしが、(はた)して三十日目に、腹の水(おのづ)から()でて、(やまひ)全く癒えたりけり。
(四十二)()くる日の夕方竜宮館(りうぐうやかた)へ帰りけるに、三ツの不思議を(くだ)して人々を戒め給ひけり。その一は、徒弟(でし)ども奥の()に石油をこぼしければ、之に()移りて畳を焼かんとしたりしが、直ちに消し止めたり。その二は、二三分()ちたる時、(あがり)(かまち)洋灯(らんぷ)落ちて、信者の背より腰にかけて、石油をしたたかに(あび)せしが、これも不思議に消えて、怪我一つなかりき。その三は、一二分経たぬ()に、又風呂場より火を(しつ)して、燃え(あが)らんとしたりしを、王仁(わに)早く認めて消し止めたりき。人の触るるを許さざる産水(うぶみづ)を汲み(きた)りて、帰るや間も無く、三度まで引き続きて、火の不思議ありしは、神の深く戒め給ひしなるべし。
(四十三)其()祈念と(はらひ)(をは)るや、直ちに速素盞嗚尊の分霊(わけみたま)王仁(わに)神憑(かみがか)り給ひ、今より(のち)しばらくは世界の()めに、(われ)この者を使はさんと御言(みこと)宣りし給ひき。又天之岩戸の清き御水(おみづ)は、神の御教(みをし)へのまにまに、竜宮館(りうぐうやかた)真名井(まなゐ)を初めて、其外(そのほか)四ツの井戸に(そそ)()れ、固く秘密として、(みだ)りに語ることを許さざりき。
(四十四)神王仁(わに)(かか)りて教へ諭したまはく、(なんぢ)()世の為めに、光となり、塩となりて、世の人の心の曇りを払ひ、心の(さび)を清むることを(つと)むべし、この(たび)の天の岩戸に連れ行きたるもこれが為なりと。
(四十五)盲者(めくら)聾者(つんぼ)唖者(おし)癩病者(らいべうしや)(くらゐ)あはれなるはなかるべし。()してや心の盲目(めくら)、心の聾者(つんぼ)、心の唖者(おし)、心の癩病者(らいべうしや)(くらゐ)あはれなる者はなし、此(やまひ)(いや)さんが為に、(いづ)御魂(みたま)(みづ)御魂(みたま)をして、岩戸の水に御禊(みそぎ)(はらひ)を仰せられたるなり。
(四十六)失明者は光を見ること(あた)はず、光を見ざるが故に、(よろづ)の物を(ことごと)く見ることを得ず、不便限りなかるべし。()して心の()を失ひたるものは、その苦しきこといかばかりぞや。今の世の中、九分九厘までも、心の盲者(めくら)のみなり。(みづ)御魂(みたま)(ひつじさる)()金神(こんじん)、この病を(いや)さん()めに(きた)れり。
(四十七)心の唖者(おし)、心の聾者(つつぼ)、心の癩病者(らいべうしや)でも、(また)ひとしく不便なるものなり。今の世(こぞ)りてこの病に犯され()るなり。天の(めい)によりて、瑞の御魂は、この病を(いや)さん為めに(くだ)(きた)れるなり。
(四十八)すべて病は、百の(なか)にて、九十九までは、心の罪穢(つみ)より(おこ)るものなり、心を清むる時は、病は直ちに消ゆ。(くるし)むも心、(たの)しむも(また)心なり。故に心の病を(いや)さざれば、肉体の病は()ゆることなし。根本(ねもと)より病を(たた)んと欲する者は、心の底に(まこと)の薬を飲み、心の奥の()(まこと)の神を祭るべし。
(四十九)霊魂(たましひ)の死ぬる病と、肉体の死ぬる病とあり。霊魂(たましひ)の死ぬる病は、いと重くして癒ゆること中々に(かた)く、一旦死したる上は、元に帰る事(あた)はざるなり。肉体の死ぬる病は軽し。肉体の死したるは、(まこと)の死したるにあらず。霊魂(みたま)の宿を()へて、元の神の御国(みくに)に帰り行けるなり。されば、よし肉体を殺すとも霊魂(たましひ)を殺すことなかれ。肉体は従僕(じうぼく)にして、霊魂(たましひ)主人(あるじ)なればなり。
(五十)人といふ主人(あるじ)ありて、着る物()るなり。霊魂(たましひ)といふ主人(あるじ)ありて、人の肉体は要るものぞ。着る物は幾度(いくたび)(かは)ることを()べし。人の身は(かは)ること(あた)はず。霊魂(たましひ)(また)その如く。何時(いつ)までも(かは)ることなし。(ただ)着物の肉体は(かは)ること度々(たびたび)なり。
(五十一)(ふる)くなり、破り(けが)れて、洗濯にかからざる衣類(ころも)は、人(これ)を脱ぎて、(あた)らしきに着更(きか)うるものなり。霊魂(みたま)は肉体の衣類(ころも)に宿るといへども、若しその衣類(ころも)(けが)れたる時は、旧きと新しきとを問ふことなく、霊魂(みたま)は之を棄てて清きに移るものなり。
(五十二)(けが)れたる衣類(ころも)には、(しらみ)(のみ)(など)発生(わき)て、(みぐる)しく臭ければ人(これ)(まと)ふことを嫌ひて、襤褸籠(ぼろかご)に投げ入るべし、(けが)れたる身内(みうち)には、悪魔の(むれ)集まりて、(あるひ)(くさら)し、或は(そこな)(やぶ)るが故に霊魂(みたま)は清きを尋ねて、(ほか)に移り行く。(あと)は悪魔の裸踊(はだかおどり)や、修羅や畜生道の横行闊歩(かつぽ)盲目(めくら)聾者(つんぼ)も餓鬼も癩病者(らいべうしや)も、うめき、うごめき、闇より闇へと迷ひ苦しむ。(みづ)御魂(みたま)は之を救はんために、この世に(あらは)れたるなり。
(五十三)斯道(このみち)をききて、心の塵芥(ちりあくた)を掃き出したる者は、その(あと)に、いとも(ちから)ある誠の神の分霊(わけみたま)変生(へんぜう)男子(なんし)本書では「変性」ではなく「変生」と表記されている。の御教へを充たしめて、固く錠を(おろ)すべし。()しも、出口の教祖の教への宝、心の(くら)に充たざる時は、一旦()退(はら)はれたる(ちり)(あくた)(たちま)ち隙間を(うかが)ひて忍び入り、此度(このたび)は多くは悪鬼(おに)大蛇(をろち)どもを(さそ)(きた)りて以前にまさる暴威を(たくま)しふし、益々(ますます)神の御祐助(おたすけ)に遠ざかるに至るべし。
(五十四)斯道(このみち)を述べ伝ふる誠の差添(さしそへ)は、いとも(すくな)くして、曇れる者は(かぞ)(つく)されず。現世(このよ)の十五億に余れる肉体の救ひの為めに、神は誠の役員(とりつぎ)(しら)べたまへども、神慮(みこころ)(かな)へるものは(あかつき)の星より(まれ)なるは、誠に神に対し(まつ)りて畏れ多し。すべて高天原の教へを述べ伝ふるには、心と行ひを以てせざるべからず。口先のみの教へは、いかなる神心(かみごころ)生児(うまれご)なりとも、()きて(かへり)みることなかるべし。
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