霊界物語.ネット~出口王仁三郎 大図書館~
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第八章 和光同塵の世

インフォメーション
題名:第8章 和光同塵の世 著者:出口王仁三郎
ページ:84
概要: 備考: タグ: データ凡例:2017/9/23校正。 データ最終更新日:2017-09-23 14:44:40 文字数:1983 OBC :B121801c17
初出[?]この文献の初出または底本となったと思われる文献です。[×閉じる]:神霊界 > 大正8年5月1日号(第85号) > 皇道我観(五)
 畏(かしこ)くも皇孫(くわうそん)瓊々杵命(ににぎのみこと)は、天地経綸(けいりん)の薀奥(うんあう)を極致し給ひ、筑紫の日向(ひうが)の高千穂の久士布流多気(くしふるたけ)に天降(あまくだ)り坐(まし)て、万世一系の皇統を垂れ給へり。是(これ)に因(よ)りて詔(のリ)たまはく『此地者向韓国(ここはそじしのからくに)真木通笠沙之御前而(かさきのみさきをまぎとほりて)朝日之(あさひの)直刺国(たださすくに)。夕日之(ゆふひの)日照国(ひてるくに)也(なり)。故(かれ)此地甚吉地(ここぞいとよきちと)詔而(のりたまひて)。於底津石根(そこついはねに)。宮柱(みやばしら)布斗斯理(ふとしり)。於高天原(たかあまはらに)日木高斯理而(ひぎたかしりて)坐也(ましましき)』是(こ)れ神聖なる、皇祖御遺訓に示し給ふ所。嗚呼(ああ)降臨の霊域、筑紫の日向国(ひふがのくに)は、これ朝日の直射(たださ)す国と詔給(のりたま)へる。所謂(いはゆる)威弦(ゐげん)の発溂(はつらつ)的弯威(わんい)あり。彼(か)の桜島の爆発、高千穂の爆煙(ばくえん)は、是(これ)百度維新の神威ならずとせんや。天下の無道、暗黒無明の世界を照(てら)し玉ふ、神聖なる大日本皇道の顕彰すべき事を知らしめ給へる、朝日の直(ただ)射す曙光(しよくわう)を示し給へるものなる可(べ)し。
 現代物質文明の淵源地は、西欧諸国にして、是(こ)れ即ち夕日の日照(ひて)る国なり。嗚呼(ああ)夕日の日照る国、この国より御稜威(みいづ)の発せるは、即ち西欧米(せいおうべい)等(とう)の大戦乱は、皇運発展の導火線たる事、国祖の神諭に由(よ)りて明瞭なり。
(一) 敢(あへ)て日本国(につぽんこく)と謂(い)はず、世界を挙げて、累卵(るゐらん)に陥(おちい)りつつ在(あ)るは、目下の惨状なり。由来(ゆらい)古今東西の聖哲が、世道(せだう)人心(じんしん)を治安せむと欲して、唱導せる倫理、宗教、道徳、政治は、之(これ)を反復練習せる事幾千年(いくせんねん)、未(いま)だ以(もつ)て真(しん)に社会を平和にし、人心を安息せしむる事能(あた)はざりき。然(しか)り而(しかう)して幾種の宗教、幾種の道徳、幾種の倫理、幾種の政治は、各(かく)その学者の口に因(よ)りて主張せられ、各学派を樹立し、以て相(あひ)凌轢(りようれき)する所、二千六百年以前の状態なりし、所謂(いはゆる)神武天皇の詔(のたま)ふところの
『遂使邑有君、村有長、各自分彊用相凌轢』[*同じ引用文がもう少し後ろにもに出て来る。読み下し文、現代語訳は後述を参照。]と幾許(いくばく)の差異かあらむ。
(二) 上流社会と称して、美衣(びい)、美食、酒色(しゆしよく)に耽溺(たんでき)して、大厦高楼(たいかかうろう)に起居(ききよ)し、尸位素餐(しゐそさん)、閑居不善(かんきよふぜん)を極むる者あり。中流社会(をとふかし)と称し、営々として子女を教養し、租税の醸造的機関たる枢軸的階級あり。下流社会(つちぐも)と称して、家族を挙げて、生活の物資を得るに、汲々乎(きふきふこ)として奔走(ほんそう)し、以て生命(せいめい)糊口(ここう)を凌(しの)ぎつつある者あり。
 由来(ゆらい)上中下流と称するも、人間として何の差別あるに非ず、人生の目的は、必ずしも生活するが為に生(うま)れたるに非ず。更に禽獣(きんじう)と相(あひ)等しく、生活の物資を得るために、奔走すべきものなるの理由は断じて無かるべし。物資、財力、権威等の獲得を以て、現代人生経綸(けいりん)の本旨と為し、以て大(だい)は国際的の競争と、中は政権争奪に党を結び、小は個人として、各営利の為に相(あひ)競争し、各自相(あひ)凌轢(りようれき)して世に処するの状態は、是(これ)二千六百年以前に、神武天皇の詔給(のりたま)へる、所謂(いはゆる)『遼遠之地猶未霑於王沢遂使邑有君、村有長、各自分彊用相凌轢』[#読み下し文──「遼(とほ)邈(はるか)なる地(くに)、猶(なほ)未(いま)だ王沢(みうつくしび)に霑(うるほ)はず。遂(つひ)に邑(むら)に君(きみ)有り、村(ふれ)に長(ひとごとのかみ)有りて、各自(おのおの)疆(さかひ)を分(わか)ちて、用(も)て相(あひ)凌(しの)ぎ躒(きしろ)はしむ」(岩波文庫『日本書紀(一)』P200)][※日本書紀巻第三(神武天皇)からの引用。原文は「而遼邈之地、猶未霑於王澤、遂使邑有君 村有長 各自分疆用相凌躒」だが引用文では若干文字が異なっている。 現代語訳──「しかし遠い所の国では、まだ王の恵みが及ばず、村々はそれぞれの長があって、境を設け相争っている」(宇治谷孟『全現代語訳 日本書紀』講談社学術文庫P90)]此(この)世態(せたい)と幾許(いくばく)の差異あらんや。
(三) 畏(おそ)れ多くも明治天皇は、教育の根本に関する、大勅語を国民に降下(かうか)あらせ給ひ、
『斯道(コノミチ)ハ実ニ我(ワ)ガ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ、子孫臣民ノ倶(トモ)ニ遵守スベキ所、之(コレ)ヲ古今ニ通シテ謬(アヤマ)ラス之ヲ中外(チウグワイ)ニ施(ホドコ)シテ悖(モト)ラス、朕(チン)爾(ナンヂ)臣民ト倶(トモ)ニ拳々(ケンケン)服膺(フクヨウ)シテ、威(ミナ)其(ソノ)徳ヲ一ニセムコトヲ庶幾(コヒネガ)フ』と詔らせ給へり。
嗚呼(ああ)日本国民にして、誰か此の大勅語の御本旨を奉体して、以て御国体(おんこくたい)の精華を発揮し奉(まつ)り、天壌無窮(てんじやうむきう)の皇運を扶翼(ふよく)し奉(まつ)り、以て祖先の遺風を顕彰したる。誰か、陛下の忠良なる臣民の資格を有する者あるか。六千万の同胞上下を問はず、滔々(たうたう)として世界の濁流に游泳(いうえい)して、私産を作り、虚栄を貪(むさぼ)るに、敢(あへ)て手段の善悪を問はず、偽善詐偽不倫行為が、根本的に天賦の徳器(とくき)を破壊するも、更に毫(がう)も怪しまざるの現状なり。殊(こと)に日本の学者にして、神聖なる祖宗の御遺訓皇典古事記は、天武天皇の御勅語にして、斯乃(これすなはち)邦家之(ほうかの)経緯(けいゐ)、王化之(わうくわの)鴻基(こうき)焉(なり)と記し給へる御神慮を知らず、恰(あだか)も西洋印度等(とう)の神話と同一視し、布衍(ふえん)教導する洋学に心酔累感(るゐわく)せる迂愚(うぐ)学者を輩出するに至れり。彼等は御国体(おんこくたい)の蝕虫(しよくちう)、教育界の蠹魚(とぎよ)たるなり。
 嗚呼(ああ)現代は、是(こ)れ弊政(へいせい)の窮極(きうきよく)なり。無道の政治、無明の教育を以て、曷(いづくん)ぞ能(よ)く御国体の精華を発揮し奉(まつ)る事を得むや。嗚呼(ああ)、神聖なる皇祖の御遺訓、大日本皇道を奉体せざる輩(やから)、曷(いづくん)ぞ皇憲(くわうけん)を運用し奉(まつ)るの資格これ在(あ)らむや。
(四) 神武天皇詔(みことのりして)曰(いはく)
『是(これ)の時運鴻荒(こうくわう)に属し、時は草眛(くらき)に鍾(あた)る。故(ゆゑ)に蒙(くらくして)以(もつ)て正(せい)を養ひ、此(この)西の偏(ほとり)を治む』
 嗚呼(ああ)畏(かしこ)くも崇神(すじん)天皇が和光同塵、以て世界統治の神策を建て給ひて以来、殆(ほとん)ど二千有余年、蒙倶(もうく)以て正を養ひ給ひしが故に、御歴代の天皇が天歩(てんぽ)艱難(かんなん)を凌(しの)ぎ忍び給ひけること、誠に惶(かしこ)き極みにこそ。皇運発展の時代は、畏くも陛下の御代(みよ)に於(おい)て、万世一系の御天職を発揮し給ふに因(よ)りて、実現さる可(べ)き事は、炳乎(へいこ)たる事実なり。加之(しかのみならず)天運循環の神律は、日本国(につぽんこく)に幸(さちは)ひ助け、天照(あまて)り玉ふ言霊の復活と、国祖の神聖なる垂訓に因(よ)りて、皇道を顕彰し給ひ、以て現代の無道無明を照(てら)し給ふ可(べ)し、神聖なる天津(あまつ)日継(ひつぎ)天皇の御稜威(みいづ)を、八荒(はつくわう)[※世界の八方の果ての意]に照耀(せうよう)し給ひ、壮厳なる国祖国常立尊(くにとこたちのみこと)の神威は、暗黒界を照明して、天下に皇道を実現せられ、以て世の経綸(けいりん)を革正し、茲(ここ)に神聖なる済世救民の御天職と、永遠の平和を保全し玉ふは明瞭なり。偉(ゐ)なる哉(かな)、日本皇国の天職や。
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